ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

418話

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 夕食の席でお義父さまが温泉の魔道具は売り出すべきかどうかと尋ねてきた。

「あらぁ、グレーデンやカイダールに来ていただくなら売らない方が良いんじゃなぁい?」
「ふーぅむ?」
 
 クラウスさまやお祖母様の意見もあってグレーデンとカイダールに温泉宿をある程度建て終わるまで独占しようってなった。

 ただ薬湯とよもぎ蒸しの素材はカイダールの稼ぎになるから限定的に売る。

「ワシはただ気持ちいがサーキス伯爵は机仕事で座りっぱなしだから電気の刺激が良いと喜んでおったぞぅ」
 座りっぱなしは辛いんだよ。腰と肩が死ぬ。

「休憩中に運動すると良いと試しに庭のアスレチックに誘ったら物凄く拒否されたよー」
 あの、うちのアスレチックは脳筋仕様だから。セリウスさまが何気に鬼だ。
 運動しない人にはフーゴの村の子供用が普通の大人レベルになっちゃうってば。
 って言うかそこまでスポーツ拒否る人からルークが育つんだね。

「うふふ、文官も少しは鍛えたほうが良いわよねぇ」
「そうさねぇ、あんな細いと机仕事だって腰痛めるさ」
 元事務の私は観戦は好きだけど、自分は運動したくなかったから耳は痛い。

「リーシャちゃん、これ出すわよぉ~」
 食後のおやつはブランデーと梅酒パウンドケーキが約束通り出てきた。

「おや、今日も酒浸しかい?」
「うまそうー」
「ルルゥ、あるだけ持ってきてぇ」

 外部の人がいるからと今日も畑や池で過ごしていたポムたちもケーキを前に大喜び。
 酒好きのカワウソもどきって妖怪みたいな生き物だよ。
 
「リーシャ」
 ジュリアスさまが梅酒のを口に運んでくれる。
 じゅわぁ!
 これこれ!最高です。
 ジュリアスさまのお口にもアーン。
「・・・うん、うまいな」
 
 いつも通りの私たちをスルーでみんなガッツリ食べる。

「俺は梅酒はそのままでケーキはブランデーが好きかもー」
「僕はどっちも良いと思うー」
 梅酒は梅酒で飲みたいのはわかるけど、酒浸しのケーキは別枠なの。いっぱい楽しめるから。

「梅ジャムと生クリームをつけるとさらに好きだわぁ♡」
 お義母さまはこってりいくなぁ。
「色々食べてて幸せだね」
「俺は酒は酒で良いかもなぁ」
 お祖父様はケーキは甘いだけの方がいいらしい。
 
「いろんな味が楽しめて良いのじゃ」

 お義父さまとお義母さまがどんどん食べてるのでニックスとベンが梅酒レアチーズケーキを運んできた。

「わぁ」

 梅酒の実とジャムを使ったクッキーも。アレンジいっぱいだ。

「ん、俺はこのチーズの好きだ」
 ジュリアスさまはお酒いっぱいよろしくほんのりが良いのか。
 でもチーズケーキも絶品だよ。

「ニックス、これすごく美味しいよ」
 ニックスが作ったらしい。ルルゥと切磋琢磨してるんだ。
「クッキーも美味しいね」
「このジャムを使ってるのがツボー」

 ポムたちがクッキーを奪い合って騒ぐ。
「プッキュ!」
「モッキュ!」
 どうも一枚多く取ったとか言い合ってる。
「はいはい~、まだあるからね~」
 ディディエとアズライトは今日も梅酒の実を山盛り。

『俺は!!こっちが良いぞ』
 梅酒のパウンドケーキ・・・ではなく普通にフルーツを使ってるタルトだった。空気読め。

 今夜は大浴場を使えるようなのでジュリアスさまとジャスパーとアズライト、ポムたちとでお風呂に向かう。
 
「リーシャは昼間にたっぷり浸かってきたから早めにあがろう」

 サラとメルが薬湯を準備してくれて、よもぎ蒸しをジュリアスさまにもどうかと聞かれたのでお試ししてもらうことに。
 
 まずはゆっくり薬湯に。
 でもジャスパーとポムとティムはジェット風呂で流れるプール遊びをしてる。
「プキュー」
「モッキューーン」
 湯船の枠を伝って発生源に向かい、気流に乗っかってブワッと流されてが楽しいみたい。
 ボード用意したら波乗りポムとかやれちゃう?

「はぁ、寝てしまいそうだ」
 ジュリアスさまが私の肩に顔を埋めてくる。
 リラックス効果の薬草だからだね。

 アズライトは電気が何気に気に入ってる。おじいちゃんだから?

 寝ちゃう前にジュリアスさまによもぎ蒸しを試してもらう。
 男性は浅く座ってもらうんだったよね。
 せっかくの筋肉がマントで隠れちゃうけど、しっかりデトックスしてもらおう!
 効果に痔のこともあった気がするけど痔主さまじゃないよ。多分。

 私はお昼にもうやったのでみてるだけ。

「これは何をしてるんだ??」
「ストレス解消と疲労回復とデトックスとお腹の不調に効果があります」
 あとお肌とか。匂い?
「草の効果か?」
「薬草の効能と温まることでの相乗効果?です」

 なぜかポムとティム、ディディエにもおねだりされたので木材を組んで少しだけ。
 マントは皮のハギレを巻いた。
 ジュリアスさまのポーズを真似しようとしてて面白い。
 
『我は蒸しドラゴンになりたくないのぅ』
『我も燻製みたいだから嫌だぞ』
 ジュリアスさまを食べる準備してないって。

「うん、リーシャ、もう熱い」
「はい」
 マントを脱がせてあげると結構な汗だ。代謝が良いのかな。
 のぼせる前に汗を流して。

 ポムたちは水風呂にダイブした。

 お風呂に〈洗浄〉をかけて出る。

 サラとメルがまたも乙女な寝着を用意してた。お義母さまがたくさん作ってくれてるから見たことないの出てくる。

「リーシャが来る前は風呂はたまに入れば良いと思っていたがこれは毎日入りたいわけだ」
 言葉だけ聞くとばっちい!!
 〈洗浄〉の魔法で済ませちゃうから仕方ないけど。
 リーシャもなかなか入れなかったみたいだし。

「お風呂はゆっくり入って筋肉をほぐして、体を温めるのが良いんですよ」
「そうだなの体が楽になる」

 髪を乾かして部屋に戻ると冷たい飲み物が用意されている。

 ジャスパーの毛をブラシで解いて、ポムたちもって言われて、ジュリアスさまと一緒にたくさんもふった。
 アズライトはウロコ磨きなんだけどね。

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