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二章
417話
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薬湯は疲労回復と美肌の二種類。
夫人とお姉様は湯船に溶けた。
「一生浸かっていたいわ」
「この香りに包まれていたいですわ」
ふむ。刺激より癒し。
電気やジェット風呂を喜ぶお祖母様とお義母さまとは好みが違うようだ。
夫人たちが薬湯に浸かっている間にお祖母様は打たせ湯と熱湯風呂を楽しんだ。
修行?
お義母さまはジェット気流を強にして腹筋と気流の戦いに夢中。
「オホホホ、私の腹に勝てるものかしらぁ?」
グレーデン家では嫁も脳筋になってるのかも。
のぼせると大変なので一旦休憩に誘う。
フードコートでまず牛乳を。
「あら濃いミルクね」
「グレーデンで改良した飼料で育てた牛なの」
「エサでこんなに違うのですか?」
「うちの魔素たっぷりな空気もあるだろうさね」
魔素が薄い地域の貴族って魔力維持出来てるのかしら?
次は、岩盤浴とよもぎ蒸しの前にエステを受けることになった。
騎士団の温泉スパにエステの予定は入れてないので急遽ジムスペースに台を運んでもらってある。
余裕ができたらマッサージチェアーか整体にあるようなウォーターベッド作ろうかな。
マッチョボディに効くのかな?
敏腕エステ部隊がススーっと流れるようにベッドに誘って、数種類用意した香りの中から選んでもらって。
「スノウリリィーさまの美の秘密ですわね!?」
「これで私もデリアさまのように若々しく?」
テンション何すごい。
私以外が並んで施術されている。
みんなボヨヨンセクシー。
貴族女性は使用人の前で裸になるのに忌避がないので見事なプロポーションが堪能できちゃう。
サーキス夫人もお姉様も都会の女性で華奢だけど出るとこ出てる。ちくせう。
「はぁーん」
「あああぁ・・・ん」
「ああ、そこもっと」
「ふぅ~ん」
あれ?なんか天国に逝っちゃった。
「香りとマッサージの相乗効果です」
侍女さんがオイルボトルをうっとり見つめる。福利厚生で追加出しておくから!
磨き上がった皆さん、ピカピカ艶々、お胸もお尻もプルンと。
悩みだと言ってたお腹もお肌もたるみが減ってる。
「素晴らしいわ」
「私の肌からいい匂いがー♡」
夫人とお姉様は感激で抱き合っちゃった。マッパですけど~。
水分補給にレモン入りハーブウォーターが出されて一服。
十分結構が良くなってると思うので岩盤浴とよもぎ蒸しの効果を説明して。
お義母さまとお姉様がよもぎ蒸しお祖母様と夫人が岩盤浴を選んだ。
私はとりあえずよもぎ蒸しを試したいのでお義母さまといっしょに。
よもぎもどきと何種類か薬草を使って、月のもの痛みの緩和や子宮を温めたり、妊活、自律神経の調整、ダイエットとか説明すると、お姉様は月のものが酷いのと子供をあと二人は欲しいからって。
お尻周りからほかほか燻されるのは初めての体験でちょっと面白かった。
お義母さまはダイエットとお腹が冷えるからって。ダイエット気にしてないと思ってた。
初めてのことなので早めに終わらせて出ると、お祖母様たちが岩盤浴の部屋の中で「まだまだぁー」とか言ってる。サウナ我慢する人みたい。夫人は付き合っちゃダメだってば。
最後にまた薬湯で温まってから、上がった。
髪を乾かして一息ついてから、ポムたちに大人気だった梅酒かき氷を今回はふわふわ氷でシャーベットのような感じにしてみた。
昨晩、夜食でサヴァランを食べたお祖母様は泣いちゃったらしい。お義母さまはおかわりエンドレス。ルルゥが笑って教えてくれた。
「!!」
「「まぁ」」
「美味しいわ」
梅酒の甘さと香りと舌触りのいい氷で最高に美味しい。
食べた後に舌にほんわり残る梅酒の味わい。
「あの実はこんなに素晴らしいものだったのかい」
オヤツが無さすぎて齧ってはず不味さに凹んでた思い出が心に巡ってるよう。
「さすがに冒険中に酒作ろうとはならないから無理だったわね」
そりゃそうだ。
でも梅干しも食べたら泣いちゃうかな。別の意味で?
梅干しが食べられる日はゴハーンときゅうりをたくさん用意してもらおう。
おにぎり~!梅がゆ~!梅茶漬け~!
梅キュウ!梅しそササミ~!
梅焼酎~!イエェーイ!
いかん。居酒屋に行きたい。
「このお酒は販売予定ございますの?」
「リーシャちゃん?どうかしらぁ?」
「実がたくさん取れる予定なのでいずれは?今回はお土産にご用意してます」
梅酒を気に入ってくれたみたいなので嬉しい。
「まぁ!ありがとう。販売が決まったら是非お声かけてくださいね」
工場の生産になったらお義父さまとクラウスさまにお任せだよ。
「温泉宿が開業したら長逗留したいですわね」
「いっそ移り住みたいくらいです」
温泉、気持ちいいよね。
「うふふ、旦那さまが泣いてしまうわよぉ」
「月の半分はいないんですからいいのですよ」
おお、都会のお仕事はお家に帰れないのかしら。妊活したいのに旦那さまが留守がちは大変だな。
フードコートで軽めの食事を食べて、温泉をしっかり堪能してもらえたので、別邸に送って行くことに。
サーキス家の皆さんは明日帰られるそうだ。
お見送りは遠慮された。
途中まではグレーデン騎士団から護衛を出すそうでお礼を言われた。
ルークがいるから身内枠。
自前の護衛もいるけどグレーデン領を抜けるまでは少し不安だから。
サーキス子爵はすでに戻っていて、私たちに挨拶に出てきてくれた。
「この度は良いおもてなしありがとうございます。いずれ我が領にもお越しください」
帰り道、お祖母様は梅酒の実について熱く語った。
お祖母様、それ、実が好きじゃなく酒が美味しいってことですね。
夫人とお姉様は湯船に溶けた。
「一生浸かっていたいわ」
「この香りに包まれていたいですわ」
ふむ。刺激より癒し。
電気やジェット風呂を喜ぶお祖母様とお義母さまとは好みが違うようだ。
夫人たちが薬湯に浸かっている間にお祖母様は打たせ湯と熱湯風呂を楽しんだ。
修行?
お義母さまはジェット気流を強にして腹筋と気流の戦いに夢中。
「オホホホ、私の腹に勝てるものかしらぁ?」
グレーデン家では嫁も脳筋になってるのかも。
のぼせると大変なので一旦休憩に誘う。
フードコートでまず牛乳を。
「あら濃いミルクね」
「グレーデンで改良した飼料で育てた牛なの」
「エサでこんなに違うのですか?」
「うちの魔素たっぷりな空気もあるだろうさね」
魔素が薄い地域の貴族って魔力維持出来てるのかしら?
次は、岩盤浴とよもぎ蒸しの前にエステを受けることになった。
騎士団の温泉スパにエステの予定は入れてないので急遽ジムスペースに台を運んでもらってある。
余裕ができたらマッサージチェアーか整体にあるようなウォーターベッド作ろうかな。
マッチョボディに効くのかな?
敏腕エステ部隊がススーっと流れるようにベッドに誘って、数種類用意した香りの中から選んでもらって。
「スノウリリィーさまの美の秘密ですわね!?」
「これで私もデリアさまのように若々しく?」
テンション何すごい。
私以外が並んで施術されている。
みんなボヨヨンセクシー。
貴族女性は使用人の前で裸になるのに忌避がないので見事なプロポーションが堪能できちゃう。
サーキス夫人もお姉様も都会の女性で華奢だけど出るとこ出てる。ちくせう。
「はぁーん」
「あああぁ・・・ん」
「ああ、そこもっと」
「ふぅ~ん」
あれ?なんか天国に逝っちゃった。
「香りとマッサージの相乗効果です」
侍女さんがオイルボトルをうっとり見つめる。福利厚生で追加出しておくから!
磨き上がった皆さん、ピカピカ艶々、お胸もお尻もプルンと。
悩みだと言ってたお腹もお肌もたるみが減ってる。
「素晴らしいわ」
「私の肌からいい匂いがー♡」
夫人とお姉様は感激で抱き合っちゃった。マッパですけど~。
水分補給にレモン入りハーブウォーターが出されて一服。
十分結構が良くなってると思うので岩盤浴とよもぎ蒸しの効果を説明して。
お義母さまとお姉様がよもぎ蒸しお祖母様と夫人が岩盤浴を選んだ。
私はとりあえずよもぎ蒸しを試したいのでお義母さまといっしょに。
よもぎもどきと何種類か薬草を使って、月のもの痛みの緩和や子宮を温めたり、妊活、自律神経の調整、ダイエットとか説明すると、お姉様は月のものが酷いのと子供をあと二人は欲しいからって。
お尻周りからほかほか燻されるのは初めての体験でちょっと面白かった。
お義母さまはダイエットとお腹が冷えるからって。ダイエット気にしてないと思ってた。
初めてのことなので早めに終わらせて出ると、お祖母様たちが岩盤浴の部屋の中で「まだまだぁー」とか言ってる。サウナ我慢する人みたい。夫人は付き合っちゃダメだってば。
最後にまた薬湯で温まってから、上がった。
髪を乾かして一息ついてから、ポムたちに大人気だった梅酒かき氷を今回はふわふわ氷でシャーベットのような感じにしてみた。
昨晩、夜食でサヴァランを食べたお祖母様は泣いちゃったらしい。お義母さまはおかわりエンドレス。ルルゥが笑って教えてくれた。
「!!」
「「まぁ」」
「美味しいわ」
梅酒の甘さと香りと舌触りのいい氷で最高に美味しい。
食べた後に舌にほんわり残る梅酒の味わい。
「あの実はこんなに素晴らしいものだったのかい」
オヤツが無さすぎて齧ってはず不味さに凹んでた思い出が心に巡ってるよう。
「さすがに冒険中に酒作ろうとはならないから無理だったわね」
そりゃそうだ。
でも梅干しも食べたら泣いちゃうかな。別の意味で?
梅干しが食べられる日はゴハーンときゅうりをたくさん用意してもらおう。
おにぎり~!梅がゆ~!梅茶漬け~!
梅キュウ!梅しそササミ~!
梅焼酎~!イエェーイ!
いかん。居酒屋に行きたい。
「このお酒は販売予定ございますの?」
「リーシャちゃん?どうかしらぁ?」
「実がたくさん取れる予定なのでいずれは?今回はお土産にご用意してます」
梅酒を気に入ってくれたみたいなので嬉しい。
「まぁ!ありがとう。販売が決まったら是非お声かけてくださいね」
工場の生産になったらお義父さまとクラウスさまにお任せだよ。
「温泉宿が開業したら長逗留したいですわね」
「いっそ移り住みたいくらいです」
温泉、気持ちいいよね。
「うふふ、旦那さまが泣いてしまうわよぉ」
「月の半分はいないんですからいいのですよ」
おお、都会のお仕事はお家に帰れないのかしら。妊活したいのに旦那さまが留守がちは大変だな。
フードコートで軽めの食事を食べて、温泉をしっかり堪能してもらえたので、別邸に送って行くことに。
サーキス家の皆さんは明日帰られるそうだ。
お見送りは遠慮された。
途中まではグレーデン騎士団から護衛を出すそうでお礼を言われた。
ルークがいるから身内枠。
自前の護衛もいるけどグレーデン領を抜けるまでは少し不安だから。
サーキス子爵はすでに戻っていて、私たちに挨拶に出てきてくれた。
「この度は良いおもてなしありがとうございます。いずれ我が領にもお越しください」
帰り道、お祖母様は梅酒の実について熱く語った。
お祖母様、それ、実が好きじゃなく酒が美味しいってことですね。
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