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二章
415話
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朝日がチカチカっと目に刺激を感じたと同時にほっぺをベシベシ叩かれて目が覚めた。
『主!』
隣でジュリアスさまもジャスパーに肉球パンチを喰らっていた。そっちのが良いなぁ。
起きてみればまだいつもの起床時間より一時間以上早い。
『池に梅の木をたくさん植えたぞ!!』
『精霊王がさーびすしてくれたんだぞ』
『主は花見が好きじゃろ?満開で止めてもらったのじゃ、実を得るのは少々先になるが嬉しかろう』
アズライトもジャスパーも興奮状態だ。
(梅の木はすでにうちの離れ付近にそれなりにあるじゃない)
ポムがお祖母様に種を増やしてくれてタンクに仕込めたんでしょ。
『精霊王たちが気に入ったのじゃ、仕方なかろうの』
それなら仕方ないかー。
ってなんでやねん!!
とはいえ確認しようとジュリアスさまがいうのでとりあえず簡易な衣装に着替える。
ジュリアスさまは、梅の切ない思い出を変えてあげられるチャンスだと、部屋の外に控えているアランに「梅の花が咲いたので見に行きますが一緒にどうか?」とお祖母様に伝言を頼んだ。
玄関ホールに出るとお祖母様とお祖父様が少し眠そうに出てきて、なぜかセリウスさまとクラウスさまもいた。
「朝のトレーニングに起きてきたらお祖母様が声をかけてくれたからねー」
二人とも早起きしてるんだね。
そんなわけで私、ジュリアスさま、お祖父様とお祖母様、セリウスさまとクラウスさま、ジャスパーとアズライト、アランとジェイクで池の島に向かうことに。
このメンバーだと完全に私の足じゃ足手纏いなのでジュリアスさまが片手抱きでみんなでダッシュ。
朝食の時間があるからね。
ジャスパーは子犬くらいのサイズなのにちゃんと走ってる。アズライトはクラウスさまの肩。ちゃっかりさんめ。
池のボート置き場に着くとアズライトが梅のある島を指差した。
『丸ごと梅の島じゃぞ』
なんていうか真っ赤です。
「このグレーデンにふさわしき花の色ではないか」
「どっはでー」
紅梅オンリーなのかな。紫とか変わり種じゃなかったか~。
私用ゴンドラにお祖父様とお祖母様とで四人とアズライト、ジャスパーで一艘、クラウスさまとセリウスさまとアランとジェイクで四人で一艘出して島に向かう。
池は朝日に反射してキラキラ。透き通った水面には魚影が見える。
「ここの魚はあまり食べられるのがいないんだってねぇ」
「釣りならばアッガスまで行けば良いだろう」
お祖父様たちのフットワークは軽い。冒険者だから当たり前か。
「俺の頃には水っ気が全くない土地だったから別の地みたいな気分になる。人が暮らしやすい土地にしてくれてありがたいことだ」
「そうさね、食糧は魔の森から獲れたから困りはしなかったけど、仕事が限られてたからねぇ」
水っ気が出たのはアズライトのおかげだからつい最近ですよ~。
しかもとんでもない範囲の池ですし。
目的の島はアズライトの棲家よりほんの少し奥。
辿り着くとポムとティムが待ち構えていた。
胸張りでドヤ顔してる。
遠くからでも圧巻だったけど島に上がってみれば、梅の花の香りで包まれる。
「へぇ~、似ても焼いてもまずかった実はこんな綺麗な花が咲く木の実だったんだねぇ」
煮たり焼いたりしてみたんだ。切ない。
「あのダンジョンは食えるものはそれなりにあったが木の実や果物は全部ハズレだったんだが、リーシャちゃんなら全部食べれるようにしてくれたかねぇ」
いやぁ?どんなのがあったのだろう。
花の香りに包まれうっとりしつつも、ティムにお願いして花をカットしてもらう。
塩漬けにしたい。
「リーシャちゃん、とりあえず食べるんだね・・・」
クラウスさまが少し呆れてる。良いじゃん!
ついでにおもてなしに花瓶に生けたいとふた枝ほど切らせてもらった。
生花のセンス?ないけど?
「また母上を誘って観にこよう」
ジュリアスさまがそう言って戻ることに。
ポムとティムは今日はここにいたいらしい。
屋敷に戻るとお義母さまが私の持つ梅の枝を見つけて、
「あらぁ?どうしたのぉ?」
「温泉の入り口に飾ろうと思って」
お客様の目を楽しませる感じで。
「そうなのねぇ、とっても芳しいわねぇ」
お義母さまの好みにあったようだ。
それから朝食を食べて、サーキス夫人たちをお迎えに行くまでは自由になった。
早速、ルルゥに梅の花の塩漬けをお願いする。
前に作った桜の塩漬けは男性陣には微妙だったから、梅はどうかな?
特別美味しいとかじゃないけど目が楽しいし、甘いお菓子のアクセントになると思うのよねぇ。
「お花食べるの好きねぇ、令嬢たちの食べてるお花サラダよりは好きよぉ」
生のお花はねぇ・・・。
たくさんは辛いね。
本邸のお風呂には男性陣が入るので水分補給用に塩蜂蜜のお水や軽めの食事を用意。
お風呂のお世話を手伝う侍従さんたちには薬湯の分量や、よもぎもどき蒸しのやり方を説明。
一応男性にも試してもらおうかなって。
お祖父様とお義父さまが一緒に付き合うそうなので説明すると興味津々だ。
必要ならまた用意するからお客様優先にって念押ししたよ。
そして出掛ける前に、サラとメルが頑張ってくれて可愛く仕上げてもらって。
「うふふ~、私の息子の嫁は可愛いですわぁって自慢しちゃう♡」
「ニーナが可愛いと自慢され返されるだろうさね」
「あら!それは相打ちですわねぇ!」
お義母さまが嬉しそうに褒めてくれて、お祖母様に冷静に突っ込まれた。
程よい時間になったので、お義母さまとお祖母様とで改造しまくったお尻痛くない馬車でサーキス子爵夫妻の泊まる別邸にお迎えに向かった。
『主!』
隣でジュリアスさまもジャスパーに肉球パンチを喰らっていた。そっちのが良いなぁ。
起きてみればまだいつもの起床時間より一時間以上早い。
『池に梅の木をたくさん植えたぞ!!』
『精霊王がさーびすしてくれたんだぞ』
『主は花見が好きじゃろ?満開で止めてもらったのじゃ、実を得るのは少々先になるが嬉しかろう』
アズライトもジャスパーも興奮状態だ。
(梅の木はすでにうちの離れ付近にそれなりにあるじゃない)
ポムがお祖母様に種を増やしてくれてタンクに仕込めたんでしょ。
『精霊王たちが気に入ったのじゃ、仕方なかろうの』
それなら仕方ないかー。
ってなんでやねん!!
とはいえ確認しようとジュリアスさまがいうのでとりあえず簡易な衣装に着替える。
ジュリアスさまは、梅の切ない思い出を変えてあげられるチャンスだと、部屋の外に控えているアランに「梅の花が咲いたので見に行きますが一緒にどうか?」とお祖母様に伝言を頼んだ。
玄関ホールに出るとお祖母様とお祖父様が少し眠そうに出てきて、なぜかセリウスさまとクラウスさまもいた。
「朝のトレーニングに起きてきたらお祖母様が声をかけてくれたからねー」
二人とも早起きしてるんだね。
そんなわけで私、ジュリアスさま、お祖父様とお祖母様、セリウスさまとクラウスさま、ジャスパーとアズライト、アランとジェイクで池の島に向かうことに。
このメンバーだと完全に私の足じゃ足手纏いなのでジュリアスさまが片手抱きでみんなでダッシュ。
朝食の時間があるからね。
ジャスパーは子犬くらいのサイズなのにちゃんと走ってる。アズライトはクラウスさまの肩。ちゃっかりさんめ。
池のボート置き場に着くとアズライトが梅のある島を指差した。
『丸ごと梅の島じゃぞ』
なんていうか真っ赤です。
「このグレーデンにふさわしき花の色ではないか」
「どっはでー」
紅梅オンリーなのかな。紫とか変わり種じゃなかったか~。
私用ゴンドラにお祖父様とお祖母様とで四人とアズライト、ジャスパーで一艘、クラウスさまとセリウスさまとアランとジェイクで四人で一艘出して島に向かう。
池は朝日に反射してキラキラ。透き通った水面には魚影が見える。
「ここの魚はあまり食べられるのがいないんだってねぇ」
「釣りならばアッガスまで行けば良いだろう」
お祖父様たちのフットワークは軽い。冒険者だから当たり前か。
「俺の頃には水っ気が全くない土地だったから別の地みたいな気分になる。人が暮らしやすい土地にしてくれてありがたいことだ」
「そうさね、食糧は魔の森から獲れたから困りはしなかったけど、仕事が限られてたからねぇ」
水っ気が出たのはアズライトのおかげだからつい最近ですよ~。
しかもとんでもない範囲の池ですし。
目的の島はアズライトの棲家よりほんの少し奥。
辿り着くとポムとティムが待ち構えていた。
胸張りでドヤ顔してる。
遠くからでも圧巻だったけど島に上がってみれば、梅の花の香りで包まれる。
「へぇ~、似ても焼いてもまずかった実はこんな綺麗な花が咲く木の実だったんだねぇ」
煮たり焼いたりしてみたんだ。切ない。
「あのダンジョンは食えるものはそれなりにあったが木の実や果物は全部ハズレだったんだが、リーシャちゃんなら全部食べれるようにしてくれたかねぇ」
いやぁ?どんなのがあったのだろう。
花の香りに包まれうっとりしつつも、ティムにお願いして花をカットしてもらう。
塩漬けにしたい。
「リーシャちゃん、とりあえず食べるんだね・・・」
クラウスさまが少し呆れてる。良いじゃん!
ついでにおもてなしに花瓶に生けたいとふた枝ほど切らせてもらった。
生花のセンス?ないけど?
「また母上を誘って観にこよう」
ジュリアスさまがそう言って戻ることに。
ポムとティムは今日はここにいたいらしい。
屋敷に戻るとお義母さまが私の持つ梅の枝を見つけて、
「あらぁ?どうしたのぉ?」
「温泉の入り口に飾ろうと思って」
お客様の目を楽しませる感じで。
「そうなのねぇ、とっても芳しいわねぇ」
お義母さまの好みにあったようだ。
それから朝食を食べて、サーキス夫人たちをお迎えに行くまでは自由になった。
早速、ルルゥに梅の花の塩漬けをお願いする。
前に作った桜の塩漬けは男性陣には微妙だったから、梅はどうかな?
特別美味しいとかじゃないけど目が楽しいし、甘いお菓子のアクセントになると思うのよねぇ。
「お花食べるの好きねぇ、令嬢たちの食べてるお花サラダよりは好きよぉ」
生のお花はねぇ・・・。
たくさんは辛いね。
本邸のお風呂には男性陣が入るので水分補給用に塩蜂蜜のお水や軽めの食事を用意。
お風呂のお世話を手伝う侍従さんたちには薬湯の分量や、よもぎもどき蒸しのやり方を説明。
一応男性にも試してもらおうかなって。
お祖父様とお義父さまが一緒に付き合うそうなので説明すると興味津々だ。
必要ならまた用意するからお客様優先にって念押ししたよ。
そして出掛ける前に、サラとメルが頑張ってくれて可愛く仕上げてもらって。
「うふふ~、私の息子の嫁は可愛いですわぁって自慢しちゃう♡」
「ニーナが可愛いと自慢され返されるだろうさね」
「あら!それは相打ちですわねぇ!」
お義母さまが嬉しそうに褒めてくれて、お祖母様に冷静に突っ込まれた。
程よい時間になったので、お義母さまとお祖母様とで改造しまくったお尻痛くない馬車でサーキス子爵夫妻の泊まる別邸にお迎えに向かった。
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