ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

414話

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 お出迎えした時、ジュリアスさまが少し嬉しそうだった。
 いつもニーナが私の希望で楽な衣装を選んでくれるけど、たまには着飾るのも良いのかな。
 食事とるだけなのにと思っちゃうのが小市民のメグミのままなのよね。

 お義母さまとお祖母様はサーキス夫人たちと別邸で夕食を取るそうなので今夜はジュリアスさま、セリウスさま、クラウスさま、お義父さまでの食事になった。

「今日は帰りにハグレて出てきたグレートボアをジュードが仕留めての、ラッキーじゃった」

 うっかり迷子になってうっかりお義父さまに見つかるなんて運がないね。
 ジュードは引退騎士さんでお義父さまの護衛だった人だ。温泉スパのために久しぶりに来てるらしい。
 お義父さま、護衛要らなかったんじゃ・・・。

「ジュードが半分分けてくれたぞぅ」
「ジュードの孫十人だっけー、半分じゃ足りなくなーい?」
「子供たちは独立してるんじゃからジュードのうちは今は家族三人じゃったぞ」

 グレーデン領の出生率は高い方じゃないので孫十人ってすごいって思ったら王都やデレードと就職や結婚で出て行ってグレーデンの領民ではないらしい。

 お祖母様がいないので梅酒をどうするかと思ったけど、ルルゥが普通に出してきた。

「ん?あのカリカリした実から酒を作ったのか?」
 お義父さまも食べたことあったのか!?
「ほう、酸味が少しあるがうまいな」
「うん、酒の気分じゃない時でもジュースっぽくていいなー」
 そこは素直にジュース飲めば良いと思う。

 ルルゥは食後に梅酒で浸したサヴァランのようなケーキを出してくれた。
 神!!!!
 梅の実も付けてくれてるので梅酒そのものを楽しんだあと余韻に浸れる。

「!!」
「これは母上が後で拗ねるよねー」
「ご心配なくぅ~☆お夜食にお出しするからぁ」
 お義母さまは夕食とオヤツの後に夜食まで食べていたの!?
「あはは!リーシャちゃん、お夜食はうちで夕食を食べられなかった時だけよぉ」

 私も驚愕を見てルルゥが教えてくれた。びっくりだよ。あのスタイルが夜食まで食べてて維持出来てたらと思っちゃったじゃない。

「梅は食べられるものじゃったんだのぅ」
「何もしないままなまで食べたらダメです。たくさん食べたら毒に当たりますよ」
 まぁ、この世界の梅があっちの世界と全く同じではないんだけど、生で食べたら不味いらしいので食べないで良いと思う。
「そうか。手間暇かけないと美味しいものは食べれないのじゃのぅ」

 サヴァランは酒好きにはたまらないケーキなのでアズライトもポムもティムも何度もおかわりしてる。
 ジャスパーは梅の実が気に入ったみたいでディディエと山盛りにされた梅の実を食べてる。
 梅酒の実は残る心配がなさそうだ。

 パウンドケーキは明日たっぷり漬け込んで出てくるらしい。
 ついでにブランデーのも仕込んでくれてるらしい。ありがたや。

「兄さん、もうリーシャちゃんのケーキ食べちゃダメだよぉー」
「さすがに酒入りはもう手を出さないよー」
「酒が入ってなくてもやめろ」
 クラウスさまのからかいにセリウスさまが答えるとジュリアスさまが諌める。
 あの時は拗ねちゃった自分が恥ずかしいよ。お酒に飢えてたんだもん。

 私はサヴァランを欲張って三個食べたらジュリアスさまにストップをかけられた。

「リーシャ、顔が赤い」
「りんごちゃんだねぇ~」
「ふむ、明日のこともある、早めにお休み」

 酔ってないけど顔に出てるみたいなので大人しくジュリアスさまに運ばれる。

「今日はサッと流すだけにしよう」
 お風呂で本当にジュリアスさまもザッと洗って出てしまった。

 そしてサラとメルが用意してくれた夜着はこれまたフリフリだった。

「あの二人はこういうロマンティックな衣装が好きなんだな」
 ジュリアスさまが私のフリフリ寝巻きを楽しそうに見る。
「さっきも可愛かった」
「ジュリアスさまはいつもこういうのが良い?」
 だったらラフにし過ぎて悪かったかなって。

「いや、どんな服でもリーシャは可愛い。だが着飾らせるのも男の甲斐性だと聞いているからな。リーシャが幸せそうに笑ってくれるならたくさん贈りたいと思うよ」

 甘ーい!!

「じゃぁ、今度可愛い格好でデートしましょうね」
 おねだりをしてみれば、嬉しそうに笑ってくれたので正解だ。
「リーシャ、ルークが戻ってきたから多少は時間も取れる。ラヴァと散歩に行こうか」
 それは着飾ってだと大変そう!!
 でも空のデートは楽しそう!
「はい!」

 ほろ酔いらしい私はジュリアスさまに抱きついてそのままぐっすり夢の世界に行っちゃった。


 ちなみにアズライトたちはまだお酒を楽しむと食堂に残っててジャスパーすら部屋に戻ってない。
 梅酒ってすごいね。

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