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二章
412話
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ニーナの復帰は四日後らしい。
一週間くらい休めば良いのに。
ジュリアスさま、と言うかセバスチャンがお疲れなのでルークも早期復帰したいんだろう。
朝食の時にお義母さまから、騎士団棟の温泉スパをサーキス夫人たちにために使わせて欲しいと相談された。
お義父さまは基本的にお義母さまのお願いを断らないので私次第ってことだ。
「工事が終わっているところだけしか使えませんよ?」
「ええ、もちろんよぅ。スパ?とエステを堪能して頂いて夫人たちには王都で宣伝してもらおうかと思ってぇ♡」
工事は半日止めて、スパをおもてなしに使うことになった。
男性陣はここ本邸で電気とジェットをお試しするんだそうだ。
騎士団棟の工事のオジサンたちいきなり美人がいっぱい現れたらびっくりしちゃうね。
「母上、普通に宿を建ててから来て頂いた方が良いのでは?」
「そう思ったのだけどぉ、エステのこともあってどうしてもとお願いされちゃったのよぉ」
うーん、推しの強さはお義母さまと張るのかな。
お義母さまとお祖母様が今日はサーキス家の接待をしてくれるそうなので、私は明日のエステとスパの薬湯のための仕込みをさせてもらうことに。
ニーナの家族と伯父様は今日帰っちゃうのでお見送りだけしなくちゃ!って言っても帰りは転移陣で帰ってもらう。
往路はルークとニーナがご挨拶に行ったついでの護衛だったのでゆっくり過ごしたけど、伯父様もニーナの家族もお仕事を休んでるから。
午前中はお祖父様たちに持って帰ってもらうお土産を用意して、お昼は伯父様たちをご招待して軽めのランチ!
なぜ軽めってグレーデン家の食事量は一般的にはじゃないから。
ちなみに私以外はいないので私がホストなんだ。お祖父様たちがお義母さまたちの護衛で、お義父さまは温泉スパの工事にね。
昨日のパーティでも喜んで貰えてたけど、ゆっくり食べられる中でだとより感動しちゃうよね。
お肉もお義父さまが獲ってきてくれた新鮮なのだし。
「うちのコックもこちらで修行させて貰って格段に腕を上げたがこちらはますます上にいってますね」
伯父さまがうっとりとコーンスープを飲んでる。
ニーナの家族たちも同席には恐縮されたけどなんとか一緒に食べて貰ってる。とても美味しそうに食べてくれて一安心。
「ニーナから美味しいものばかりで太って大変だと聞いていましたがこれでは運動量を増やしてでも食べたいのがよくわかります」
ニーナのお母様とお兄様がうんうんって。
ニーナ、ダイエットに励んでる?オレイユの頃は二人して痩せてたから確かに今は健康的なんだけど、苦労して維持してる感じはないよねぇ?
楽しく食事を終えたら、お別れの時間。
一緒に転移陣の塔まで向かう。私の足だとゆっくりになっちゃうんだけど、伯父様が嬉しそうに手を繋いでくれてゆっくり歩いてくれた。
「妹と過ごした日々を思い出すよ」
ナタリアお母さまのことを少し話してもらえた。
ニーナのお母さまにも「とてもお転婆で」って。私はお転婆じゃないから性格は似てないね。
転移陣の間に入るとニーナとルークがいた。
醸し出す新婚感。
「・・・」
私はなんとなく、なんとなく!!
ムカっとしたのでルークの鳩尾に向かって頭突きした。
「!?」
ルークはびっくりしたけどニーナは苦笑だ。私の心をわかってるのはニーナだけ!
まぁ全く効かない頭突きじゃダメージはないんだろうけど、私的に一矢報いた。
「マーベルハント侯爵、義父上、義母上、義兄上、この度はお運びありがとうございました」
ルークが畏ってお礼を言うとニーナがそっと頭を下げる。
「いや、良いお式だった。おめでとう。末長くお幸せに」
「ルークさま、娘をよろしくお願いします」
「自分の手で育てたとは言えませんが良い娘に育ってくれたと思っています。どうか幸せにしてやって下さい」
伯父様とご両親が言うとルークがしっかり頷いて「お約束します」って。
ルークが万が一裏切ったら私が地獄の果てまで追い詰めるからご心配なくだよ。
転移陣の装置の準備が整ったので、伯父様にお祖父様用のお酒とお魚の燻製、プルルンなど果物とお菓子の詰め合わせを預ける。
ニーナの家族にもお酒と果物、お菓子の詰め合わせと化粧品一色を渡したら、壊れたフラワーロックみたいに首を振られて遠慮されちゃったけど無理やり渡した。
「ではまたな」
「はい」
転移陣に乗った伯父様たちの周りに魔力の膜が現れてすぐに消えた。
ニーナの家族は最後まで頭を下げててちょっと切なかった。
ニーナが寂しげな顔をしてるのをルークが肩を引き寄せてそっと背を撫でて慰めている。
ちゃんと大事にしてくれそうかな?
「リーシャさま、うちの母たちがエステなどおねだりしたそうで申し訳けありません」
あら?ルークの耳にも入ってたのか。
「それはお義母さまたちのおもてなしの気持ちなので構いません。夫人たちはルークに似て麗しいので磨き上げて王都でグレーデンの宣伝をしていただきたいそうなので」
「・・・同じような顔を綺麗とは思えませんがそう言うことでしたら気持ちが楽です」
めっちゃ美人なのにナルシストにならないのねぇ。
「私はこれからエステと薬湯の準備をするんで戻ります」
「リーシャさま、私もお手伝いします」
「だーめ、復帰したらこき使って甘えまくりから今のうちにゆっくり休んで!」
新婚ほやほやの時間は今だけだし、ルークもニーナもなかなか休み取らないんだから、一緒に休めるチャンスは大事にね。
ニーナはとっても残念そうだけど。
思いの外時間が押したと判断したアランとジェイクに抱えられ、離れまで向かったよ。
一週間くらい休めば良いのに。
ジュリアスさま、と言うかセバスチャンがお疲れなのでルークも早期復帰したいんだろう。
朝食の時にお義母さまから、騎士団棟の温泉スパをサーキス夫人たちにために使わせて欲しいと相談された。
お義父さまは基本的にお義母さまのお願いを断らないので私次第ってことだ。
「工事が終わっているところだけしか使えませんよ?」
「ええ、もちろんよぅ。スパ?とエステを堪能して頂いて夫人たちには王都で宣伝してもらおうかと思ってぇ♡」
工事は半日止めて、スパをおもてなしに使うことになった。
男性陣はここ本邸で電気とジェットをお試しするんだそうだ。
騎士団棟の工事のオジサンたちいきなり美人がいっぱい現れたらびっくりしちゃうね。
「母上、普通に宿を建ててから来て頂いた方が良いのでは?」
「そう思ったのだけどぉ、エステのこともあってどうしてもとお願いされちゃったのよぉ」
うーん、推しの強さはお義母さまと張るのかな。
お義母さまとお祖母様が今日はサーキス家の接待をしてくれるそうなので、私は明日のエステとスパの薬湯のための仕込みをさせてもらうことに。
ニーナの家族と伯父様は今日帰っちゃうのでお見送りだけしなくちゃ!って言っても帰りは転移陣で帰ってもらう。
往路はルークとニーナがご挨拶に行ったついでの護衛だったのでゆっくり過ごしたけど、伯父様もニーナの家族もお仕事を休んでるから。
午前中はお祖父様たちに持って帰ってもらうお土産を用意して、お昼は伯父様たちをご招待して軽めのランチ!
なぜ軽めってグレーデン家の食事量は一般的にはじゃないから。
ちなみに私以外はいないので私がホストなんだ。お祖父様たちがお義母さまたちの護衛で、お義父さまは温泉スパの工事にね。
昨日のパーティでも喜んで貰えてたけど、ゆっくり食べられる中でだとより感動しちゃうよね。
お肉もお義父さまが獲ってきてくれた新鮮なのだし。
「うちのコックもこちらで修行させて貰って格段に腕を上げたがこちらはますます上にいってますね」
伯父さまがうっとりとコーンスープを飲んでる。
ニーナの家族たちも同席には恐縮されたけどなんとか一緒に食べて貰ってる。とても美味しそうに食べてくれて一安心。
「ニーナから美味しいものばかりで太って大変だと聞いていましたがこれでは運動量を増やしてでも食べたいのがよくわかります」
ニーナのお母様とお兄様がうんうんって。
ニーナ、ダイエットに励んでる?オレイユの頃は二人して痩せてたから確かに今は健康的なんだけど、苦労して維持してる感じはないよねぇ?
楽しく食事を終えたら、お別れの時間。
一緒に転移陣の塔まで向かう。私の足だとゆっくりになっちゃうんだけど、伯父様が嬉しそうに手を繋いでくれてゆっくり歩いてくれた。
「妹と過ごした日々を思い出すよ」
ナタリアお母さまのことを少し話してもらえた。
ニーナのお母さまにも「とてもお転婆で」って。私はお転婆じゃないから性格は似てないね。
転移陣の間に入るとニーナとルークがいた。
醸し出す新婚感。
「・・・」
私はなんとなく、なんとなく!!
ムカっとしたのでルークの鳩尾に向かって頭突きした。
「!?」
ルークはびっくりしたけどニーナは苦笑だ。私の心をわかってるのはニーナだけ!
まぁ全く効かない頭突きじゃダメージはないんだろうけど、私的に一矢報いた。
「マーベルハント侯爵、義父上、義母上、義兄上、この度はお運びありがとうございました」
ルークが畏ってお礼を言うとニーナがそっと頭を下げる。
「いや、良いお式だった。おめでとう。末長くお幸せに」
「ルークさま、娘をよろしくお願いします」
「自分の手で育てたとは言えませんが良い娘に育ってくれたと思っています。どうか幸せにしてやって下さい」
伯父様とご両親が言うとルークがしっかり頷いて「お約束します」って。
ルークが万が一裏切ったら私が地獄の果てまで追い詰めるからご心配なくだよ。
転移陣の装置の準備が整ったので、伯父様にお祖父様用のお酒とお魚の燻製、プルルンなど果物とお菓子の詰め合わせを預ける。
ニーナの家族にもお酒と果物、お菓子の詰め合わせと化粧品一色を渡したら、壊れたフラワーロックみたいに首を振られて遠慮されちゃったけど無理やり渡した。
「ではまたな」
「はい」
転移陣に乗った伯父様たちの周りに魔力の膜が現れてすぐに消えた。
ニーナの家族は最後まで頭を下げててちょっと切なかった。
ニーナが寂しげな顔をしてるのをルークが肩を引き寄せてそっと背を撫でて慰めている。
ちゃんと大事にしてくれそうかな?
「リーシャさま、うちの母たちがエステなどおねだりしたそうで申し訳けありません」
あら?ルークの耳にも入ってたのか。
「それはお義母さまたちのおもてなしの気持ちなので構いません。夫人たちはルークに似て麗しいので磨き上げて王都でグレーデンの宣伝をしていただきたいそうなので」
「・・・同じような顔を綺麗とは思えませんがそう言うことでしたら気持ちが楽です」
めっちゃ美人なのにナルシストにならないのねぇ。
「私はこれからエステと薬湯の準備をするんで戻ります」
「リーシャさま、私もお手伝いします」
「だーめ、復帰したらこき使って甘えまくりから今のうちにゆっくり休んで!」
新婚ほやほやの時間は今だけだし、ルークもニーナもなかなか休み取らないんだから、一緒に休めるチャンスは大事にね。
ニーナはとっても残念そうだけど。
思いの外時間が押したと判断したアランとジェイクに抱えられ、離れまで向かったよ。
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