ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

410話

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 ついにニーナの婚姻式。
 サーキス家としてのお披露目は王都と領地で済ませてるのでグレーデンでも規模は控えめ。それでもグレーデン一家とルークの騎士仲間、ニーナの仕事仲間、お互いの親族とそれなりだ。
 
 ニーナはすでに教会に向かった。侍女ーずたちが着付けとメイクのために一緒に行ってくれてる。
 ベールも着付け担当に預けてある。

 私はお義母さまとお祖母様と共にドレスアップ。
 今回は主役はルークとニーナなので華美になり過ぎず、赤を取り入れた控えめな色合い。
 赤が入ってる時点で控えめじゃない気もするけど、この世界では正式な場はお相手の色を入れるのが普通なので。

 お祖母様とお義母さまは昨日もお風呂を堪能してエステで磨き上げたらしく、存在自体がピッカピカなんだけどね☆
 ビューティーなシスターズみたいに後光が見えるよ。麗しいね。

 お義父さまとお祖父様たちは貴族的正装でめちゃくちゃかっこいい。やっぱ体格良い人のコート姿って良いね!
 
 ジュリアスさま三兄弟は騎士団服礼装。
 普段お目にかかれないガッツリな騎士姿は眼福。
 赤にゴールドのお飾りがマシマシ。

 カメラください(熱望)

 ジュリアスさまが素敵すぎる。
 うっとりしてたらセリウスさまが、
「あれー?俺に惚れ直した?」
って揶揄ってきたよ。
 セリウスさまもクラウスさまも普段の三割増しくらいかっこいいですけども!
 ちょっとジト目になっちゃう。

 ポムたちもアズライトもディディエもジャスパーもおめかししてる。マダム・シフォンがノリノリで作ってくれるから。

 そしてポムたちは花束と花冠をそれぞれ持ってる。プレゼントきっと喜んでくれるよ。

 グレーデン家一同で教会に向かった。
 結構な大名行列だよ。

 教会周りには近隣の民も集まってくれていて。
 ジュリアスさまたちは騎士隊の方に顔を出すそうなので私はジャスパーとアズライトとお義父さまとお義母さまにに託された。

 進んだ先には煌びやかなドレスがチラホラ。
 サーキス家のお方達ですね。

「この度はおめでとうございます」
「おかげさまで愚息に嫁をもらうことができました」
 お母さまとサーキス夫人がご挨拶。なんて言うか迫力満載。
 サーキス夫人の後ろにみえるのはサーキス子爵?夫人の美貌が際立ってるから地味にみえるけど十分シブオジ!!
 執事喫茶にいそうな人!筋肉はなさげだけどメガネと口髭がポイント高!!
「リーシャ夫人、あなたのおかげでルークにも家族を持つ覚悟を得た。本当に感謝していますよ」
 うっとり見ちゃってたらサーキス子爵がお声を!
 いやん!声が声が!!大○透さーーーん!!!
「・・・ニーナ自身がルーク卿の心を射止めただけです」
「それはもちろん!」
 優しげなお舅さんで良かったな。

 マーベルハントからはマーベルハント家の代表として伯父様がニーナのご家族ともに来てくれた。
「伯父様!お久しぶりです」
「リーシャ、元気にしていたかい?父上は仕事で来られなくて落ち込んでいたよ」
「お祖父様に会えないのは残念です。お手紙を書きますね」
 伯父様にハグをしてから、ニーナのご両親とお兄さんにご挨拶。
「遠いところからようこそ」
「今日という日を迎えられたことに感謝いたします」
 ニーナのお母さまを誘って、着付け中のニーナの元に向かうことに。

 お義母さまたちはサーキス家の女性陣と盛り上がってるので声を掛けて、お祖母様だけ一緒にきてくれる。

 教会の中の着付け室に入れてもらうとウエディングドレスを纏ったニーナが最後の仕上げとばかりにお化粧をされていた。
「リーシャさま、お母さま」
 私たちを見つけたニーナが笑顔を向けてくれる。
「リーシャさま、化粧品とお飾りありがとうございます」
 お礼を言いながら泣きそうになってしまったので、みんなで「「「メイクがぁ」」」って。
「ニーナ、綺麗だね。みんなありがとう」
 侍女ーずのみんなにお礼を言うと笑顔で頷いてくれた。
「リーシャさま、こちらはリーシャさまとお母さまが掛けてください」
 ベールの入った箱を差し出された。
ニーナのお母さまと一緒に箱を開けてニーナに見せる。

「・・・」
 
 綺麗な刺繍と魔石ビーズが煌めく繊細なベールを見たニーナはまたも泣きそうに。

「ニーナ、このベールはグレーデン家に仕えるみんなとお義母さまとお祖母様がニーナの幸せをいっぱい祈って作ったんだよ」
「リーシャが最後仕上げたんだよ」
 お祖母様が付け加えてくれた。
 いよいよニーナが泣いちゃったのでメイクやり直しだよ。
 でも侍女ーずもお母さまも私もぐずぐずになっちゃた。

 みんな崩れたメイクをお直しして改めてニーナにベールをかける。

 最後にお母さまが号泣しちゃった。
「ニーナは幸せ者ね。こんなに大事に思ってもらえて」
 十六歳だったニーナを私の元に来させてくれて、それからろくに会うことも叶わず、やっと会えたと思えばグレーデンに暮らすって心配ばかりだったはず。
 本当に申し訳けない。
「お母さま、私はリーシャさまにお仕え出来て幸せ者です。お祖母様がセラーナさまに人生を懸けたように、私もリーシャさまのそばにいることが全てです。ご心配おかけしてますが私は幸せです」

 お母さまがニーナを優しくハグしてベールを整える。
 昨日の晩、二人で過ごしていっぱい話したのにまだ泣くなんてってお母さまに怒るニーナもまた泣きそう。

 そうして用意が整うとニーナのお父様を呼び入れて、ルークの待つ祭壇までのエスコートを託す。

 ガチガチになってるお父様が可愛いね。

 役目を一旦終えた侍女ーずと私たちは参列者席に戻った。




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