ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

409話

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 次の日もまた次の日も温泉スパの建築現場に立つ私。
 シャワーと排水関係はその場で錬成した。
 排水って言っても流す先がないので濾過、浄化装置を作って、水を入れ替え出来るように外にも濾過、排水の大型装置を作って貯水池に。ポムの土魔法が大活躍だよ。
 貯水池をプールだって盛りあがって入りそうな予感しかないけど、飲用にするわけじゃないので好きにしてって。
 最終的には本邸や他の場所で作る宿などもまとめて用水路を作れれば良いかな。
 
 大型魔道具を作るところは人に見られない方が良いってルークたちが言うので人払いをしてやったけど、数時間後に出来上がってたら不思議すぎておおよそ見当がついちゃう。
 まぁグレーデンの領民しかいないから問題ないはず。

 念願の打たせ湯は岩風呂に岩壁を作ってミニ滝にした。
 強弱を選べるようにしたけど、多分「強」しか使わないんだろうな。

 建物は私の意見を取り入れてもらいつつ、飾りっけなしの実用向きな仕上がりに。

 サウナルームはふた部屋にしてノーマルのとロウリュのにしてみた。
 ロウリュはカイダールの薬草やハーブで癒し空間。

 騎士団の人たちは忙しいと〈洗浄〉で済ます人も多いみたいだから、これを機にお風呂大好きになって欲しいものだ。

 食堂やジムの方も魔導師工房からお手伝いが来てくれて、冷蔵庫やオーブンとかは全部やってもらえた。
 運動器具はまだランニングマシーンしか設計図書いてないのでとりあえず後回しだ。

 巨大扇風機とクーラーは風魔法と氷魔法の魔法陣を組み込んで作った。

 あとは何がいるかな。

 結局二十個ずつ作った装置はここと本邸のお風呂、お祖母様たちってなったら残り少ない。
 あちこち宿と温泉を建てるんだからもう百や二百作らなくちゃだね。

 完成目前まで出来たのをお祖母様とお義母さまが見学に来て、本邸の大浴場の改築と使用人棟の横にここと同じのを建てることが決定した。

 お祖父様たちもお義父さまもみんなに混じって工事を手伝ってくれた。
 
 から、完成したお風呂一番乗りーって。
 一緒に仕事した人たちも一緒に。

 私は混ざれないけど半裸になったオジサンたちが嬉しそうに走っていって扉向こうで、
「「「「「アバババババババ・・・」」」」」
「「「「「おおおおおおおお・・・」」」」」
「「「「「・・・・・・・・」」」」」
 電気風呂で悲鳴をあげてたり、冷水でビャーっと野太い悲鳴が上がったりしてるので満足。
 チラッと見てしまったお義父さまとお祖父様とスピネルさんたちの胸筋と腹筋が素晴らしかったです。
 おっちゃんたちも背中が逞しかったよ。
 アランたちも入りたそうだったけどここで私を一人にできないからね。勤務後のまた来てみてね。

 ここに来てる間の休憩中のラヴァたちと会えたりして楽しかった。



 慌しかったけど、なんと明日はもうニーナとルークの結婚式だよ。
 ベールが私の元に来たのは昨日!!私は刺繍がダメなので魔石ビーズを付けるだけ。
 侍女仲間とお義母さまとお祖母様の手を経て私の元に来たベール。
 みんなの想いを乗せて「お幸せに」と言う祈りを込めて最後の一粒。

 姉を嫁に出す・・・・・?母を取られる気持ち・・・?なんとも漠然と寂しい。
 私の結婚が決まって、グレーデンに向かう馬車の中、ニーナもいろんな気持ちを抱えてたんだろうな。
 心配もいっぱいしてくれたと思う。

 だから絶対幸せになってって気持ちでベールを箱に戻した。

 私の様子を見守っていたジュリアスさまとジャスパー、アズライトが一緒に箱に手を置いてお祈りしてくれた。

「ルークは見た目が派手だが浮ついたところはないし、曲がった事は大嫌いな真っ直ぐなやつだ。俺を裏切ることも絶対にない。だから俺の妻であるリーシャの大事なニーナを泣かすようなことはしないと俺が保証する」
 
 ジュリアスさまがそう言ってくれたので一安心。
「じゃぁルークが悪いことしたらジュリアスさまも連帯責任でお仕置きだから」
 もぐからね?
「・・・怖いな」
 笑いながら布団に潜る。
 今日はジャスパーもアズライトも一緒に寝てくれるらしい。

『主、ポムたちが自慢しまくったせいで、魔馬やワイバーンたちも温泉に入りたいと騒いでおったぞ』
 ほぁ!?
『疲れが取れて怪我が早く治ると言ったら興味津々だったんだぞ』
 おーぅ。ジャスパーも自慢したのね。
「そうか、ポーションや治癒師に任せていても完全ではないものな」
 ジュリアスさまが騎獣たちの福利厚生も必要かと考え込む。
 温泉に浸かるワイバーンとかみたいけど、どんなサイズの温泉が必要なんだろう。

「騎士団棟の方は馬たちも入れるように増築すれば良いが、ワイバーンは巣の近くが良いだろう?」
『いや我の池周りでも問題ないと思うがの』

 うーん、岩盤浴用の装置みたいなのをたくさん作らなくちゃだな。

「ならば結婚披露が終わってからまたみんなと話し合おうか」

 まだしばらくは温泉用の魔道具作りにかかりきりみたい。

 私用のお風呂を確保すべきかも。

 ニーナへの感傷的な気持ちがすっかり落ち着いちゃった。
 アズライトの思いやり?


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