420 / 765
二章
409話
しおりを挟む
次の日もまた次の日も温泉スパの建築現場に立つ私。
シャワーと排水関係はその場で錬成した。
排水って言っても流す先がないので濾過、浄化装置を作って、水を入れ替え出来るように外にも濾過、排水の大型装置を作って貯水池に。ポムの土魔法が大活躍だよ。
貯水池をプールだって盛りあがって入りそうな予感しかないけど、飲用にするわけじゃないので好きにしてって。
最終的には本邸や他の場所で作る宿などもまとめて用水路を作れれば良いかな。
大型魔道具を作るところは人に見られない方が良いってルークたちが言うので人払いをしてやったけど、数時間後に出来上がってたら不思議すぎておおよそ見当がついちゃう。
まぁグレーデンの領民しかいないから問題ないはず。
念願の打たせ湯は岩風呂に岩壁を作ってミニ滝にした。
強弱を選べるようにしたけど、多分「強」しか使わないんだろうな。
建物は私の意見を取り入れてもらいつつ、飾りっけなしの実用向きな仕上がりに。
サウナルームはふた部屋にしてノーマルのとロウリュのにしてみた。
ロウリュはカイダールの薬草やハーブで癒し空間。
騎士団の人たちは忙しいと〈洗浄〉で済ます人も多いみたいだから、これを機にお風呂大好きになって欲しいものだ。
食堂やジムの方も魔導師工房からお手伝いが来てくれて、冷蔵庫やオーブンとかは全部やってもらえた。
運動器具はまだランニングマシーンしか設計図書いてないのでとりあえず後回しだ。
巨大扇風機とクーラーは風魔法と氷魔法の魔法陣を組み込んで作った。
あとは何がいるかな。
結局二十個ずつ作った装置はここと本邸のお風呂、お祖母様たちってなったら残り少ない。
あちこち宿と温泉を建てるんだからもう百や二百作らなくちゃだね。
完成目前まで出来たのをお祖母様とお義母さまが見学に来て、本邸の大浴場の改築と使用人棟の横にここと同じのを建てることが決定した。
お祖父様たちもお義父さまもみんなに混じって工事を手伝ってくれた。
から、完成したお風呂一番乗りーって。
一緒に仕事した人たちも一緒に。
私は混ざれないけど半裸になったオジサンたちが嬉しそうに走っていって扉向こうで、
「「「「「アバババババババ・・・」」」」」
「「「「「おおおおおおおお・・・」」」」」
「「「「「・・・・・・・・」」」」」
電気風呂で悲鳴をあげてたり、冷水でビャーっと野太い悲鳴が上がったりしてるので満足。
チラッと見てしまったお義父さまとお祖父様とスピネルさんたちの胸筋と腹筋が素晴らしかったです。
おっちゃんたちも背中が逞しかったよ。
アランたちも入りたそうだったけどここで私を一人にできないからね。勤務後のまた来てみてね。
ここに来てる間の休憩中のラヴァたちと会えたりして楽しかった。
慌しかったけど、なんと明日はもうニーナとルークの結婚式だよ。
ベールが私の元に来たのは昨日!!私は刺繍がダメなので魔石ビーズを付けるだけ。
侍女仲間とお義母さまとお祖母様の手を経て私の元に来たベール。
みんなの想いを乗せて「お幸せに」と言う祈りを込めて最後の一粒。
姉を嫁に出す・・・・・?母を取られる気持ち・・・?なんとも漠然と寂しい。
私の結婚が決まって、グレーデンに向かう馬車の中、ニーナもいろんな気持ちを抱えてたんだろうな。
心配もいっぱいしてくれたと思う。
だから絶対幸せになってって気持ちでベールを箱に戻した。
私の様子を見守っていたジュリアスさまとジャスパー、アズライトが一緒に箱に手を置いてお祈りしてくれた。
「ルークは見た目が派手だが浮ついたところはないし、曲がった事は大嫌いな真っ直ぐなやつだ。俺を裏切ることも絶対にない。だから俺の妻であるリーシャの大事なニーナを泣かすようなことはしないと俺が保証する」
ジュリアスさまがそう言ってくれたので一安心。
「じゃぁルークが悪いことしたらジュリアスさまも連帯責任でお仕置きだから」
もぐからね?
「・・・怖いな」
笑いながら布団に潜る。
今日はジャスパーもアズライトも一緒に寝てくれるらしい。
『主、ポムたちが自慢しまくったせいで、魔馬やワイバーンたちも温泉に入りたいと騒いでおったぞ』
ほぁ!?
『疲れが取れて怪我が早く治ると言ったら興味津々だったんだぞ』
おーぅ。ジャスパーも自慢したのね。
「そうか、ポーションや治癒師に任せていても完全ではないものな」
ジュリアスさまが騎獣たちの福利厚生も必要かと考え込む。
温泉に浸かるワイバーンとかみたいけど、どんなサイズの温泉が必要なんだろう。
「騎士団棟の方は馬たちも入れるように増築すれば良いが、ワイバーンは巣の近くが良いだろう?」
『いや我の池周りでも問題ないと思うがの』
うーん、岩盤浴用の装置みたいなのをたくさん作らなくちゃだな。
「ならば結婚披露が終わってからまたみんなと話し合おうか」
まだしばらくは温泉用の魔道具作りにかかりきりみたい。
私用のお風呂を確保すべきかも。
ニーナへの感傷的な気持ちがすっかり落ち着いちゃった。
アズライトの思いやり?
シャワーと排水関係はその場で錬成した。
排水って言っても流す先がないので濾過、浄化装置を作って、水を入れ替え出来るように外にも濾過、排水の大型装置を作って貯水池に。ポムの土魔法が大活躍だよ。
貯水池をプールだって盛りあがって入りそうな予感しかないけど、飲用にするわけじゃないので好きにしてって。
最終的には本邸や他の場所で作る宿などもまとめて用水路を作れれば良いかな。
大型魔道具を作るところは人に見られない方が良いってルークたちが言うので人払いをしてやったけど、数時間後に出来上がってたら不思議すぎておおよそ見当がついちゃう。
まぁグレーデンの領民しかいないから問題ないはず。
念願の打たせ湯は岩風呂に岩壁を作ってミニ滝にした。
強弱を選べるようにしたけど、多分「強」しか使わないんだろうな。
建物は私の意見を取り入れてもらいつつ、飾りっけなしの実用向きな仕上がりに。
サウナルームはふた部屋にしてノーマルのとロウリュのにしてみた。
ロウリュはカイダールの薬草やハーブで癒し空間。
騎士団の人たちは忙しいと〈洗浄〉で済ます人も多いみたいだから、これを機にお風呂大好きになって欲しいものだ。
食堂やジムの方も魔導師工房からお手伝いが来てくれて、冷蔵庫やオーブンとかは全部やってもらえた。
運動器具はまだランニングマシーンしか設計図書いてないのでとりあえず後回しだ。
巨大扇風機とクーラーは風魔法と氷魔法の魔法陣を組み込んで作った。
あとは何がいるかな。
結局二十個ずつ作った装置はここと本邸のお風呂、お祖母様たちってなったら残り少ない。
あちこち宿と温泉を建てるんだからもう百や二百作らなくちゃだね。
完成目前まで出来たのをお祖母様とお義母さまが見学に来て、本邸の大浴場の改築と使用人棟の横にここと同じのを建てることが決定した。
お祖父様たちもお義父さまもみんなに混じって工事を手伝ってくれた。
から、完成したお風呂一番乗りーって。
一緒に仕事した人たちも一緒に。
私は混ざれないけど半裸になったオジサンたちが嬉しそうに走っていって扉向こうで、
「「「「「アバババババババ・・・」」」」」
「「「「「おおおおおおおお・・・」」」」」
「「「「「・・・・・・・・」」」」」
電気風呂で悲鳴をあげてたり、冷水でビャーっと野太い悲鳴が上がったりしてるので満足。
チラッと見てしまったお義父さまとお祖父様とスピネルさんたちの胸筋と腹筋が素晴らしかったです。
おっちゃんたちも背中が逞しかったよ。
アランたちも入りたそうだったけどここで私を一人にできないからね。勤務後のまた来てみてね。
ここに来てる間の休憩中のラヴァたちと会えたりして楽しかった。
慌しかったけど、なんと明日はもうニーナとルークの結婚式だよ。
ベールが私の元に来たのは昨日!!私は刺繍がダメなので魔石ビーズを付けるだけ。
侍女仲間とお義母さまとお祖母様の手を経て私の元に来たベール。
みんなの想いを乗せて「お幸せに」と言う祈りを込めて最後の一粒。
姉を嫁に出す・・・・・?母を取られる気持ち・・・?なんとも漠然と寂しい。
私の結婚が決まって、グレーデンに向かう馬車の中、ニーナもいろんな気持ちを抱えてたんだろうな。
心配もいっぱいしてくれたと思う。
だから絶対幸せになってって気持ちでベールを箱に戻した。
私の様子を見守っていたジュリアスさまとジャスパー、アズライトが一緒に箱に手を置いてお祈りしてくれた。
「ルークは見た目が派手だが浮ついたところはないし、曲がった事は大嫌いな真っ直ぐなやつだ。俺を裏切ることも絶対にない。だから俺の妻であるリーシャの大事なニーナを泣かすようなことはしないと俺が保証する」
ジュリアスさまがそう言ってくれたので一安心。
「じゃぁルークが悪いことしたらジュリアスさまも連帯責任でお仕置きだから」
もぐからね?
「・・・怖いな」
笑いながら布団に潜る。
今日はジャスパーもアズライトも一緒に寝てくれるらしい。
『主、ポムたちが自慢しまくったせいで、魔馬やワイバーンたちも温泉に入りたいと騒いでおったぞ』
ほぁ!?
『疲れが取れて怪我が早く治ると言ったら興味津々だったんだぞ』
おーぅ。ジャスパーも自慢したのね。
「そうか、ポーションや治癒師に任せていても完全ではないものな」
ジュリアスさまが騎獣たちの福利厚生も必要かと考え込む。
温泉に浸かるワイバーンとかみたいけど、どんなサイズの温泉が必要なんだろう。
「騎士団棟の方は馬たちも入れるように増築すれば良いが、ワイバーンは巣の近くが良いだろう?」
『いや我の池周りでも問題ないと思うがの』
うーん、岩盤浴用の装置みたいなのをたくさん作らなくちゃだな。
「ならば結婚披露が終わってからまたみんなと話し合おうか」
まだしばらくは温泉用の魔道具作りにかかりきりみたい。
私用のお風呂を確保すべきかも。
ニーナへの感傷的な気持ちがすっかり落ち着いちゃった。
アズライトの思いやり?
442
お気に入りに追加
1,876
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる