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二章
403話
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ジュリアスさまに抱っこされたまま、お部屋に戻って、サラとメルにお着替え手伝って貰った。
簡易ワンピースは軽くていいな。
夕食まで少し時間があるのでジュリアスさまをもふもふさせてもらう。毛はないけど弾力と暖かさがあるよ!
ベッドに腰掛けてジュリアスさまに抱きつけばガッチリ抱き込んでもらえる。幸せ。
横にアズライトとジャスパーもピタッとくっついてくれた。天国!
「王都で意地悪はされなかったか?」
「なんですか?それ~」
元実家のことがあるからかな。心配性。
「王都の女性はグレーデンの女性とは違う意味で気がキツいからなぁ」
「あー・・・でもローマン公爵夫人にジュリアスさまの小さい頃が天使だったとか聞いたのですごくみたかったです」
モード嬢を軽くいなしてた公爵夫人はさすがの迫力だったなぁ。
「・・・身体が小さかった頃の話は嫌だな」
今のジュリアスさまからは想像できないけど、シグルドさまに比べたら成長が遅くてアンゼリカさまとか一歳二歳下の子に背丈が抜かれてた時期があったとボヤく。
「急に伸びたんですか?」
「そうだな・・・学園入学前くらいに身体があちこち痛くなって数日寝込んだ時があって急に来たな」
おお!成長痛が半端なかったんだね。
「母上が父上や伯父上を見れば心配ないわよぉ~って言ってくれていたがアンゼリカが成長が早くて焦ったよ」
女の子は成長が速いから。逆にジュリアスさまが急に成長した時アンゼリカさまも悔しかったかも。
「あとはクラウスさまと結婚したいってお義母さまに直談判した令嬢がいました」
「それは度胸のある・・・」
「何度かクラウスさまに振られてるそうです」
「・・・クラウスもセリウスも後継じゃないから婿養子にという話はわりとあるんだが、持参金がわりに一個中隊連れてこいとか有事に傭兵団の無料貸し出しなど望む家が多い」
グレーデンの騎士隊寄越せとかダメじゃん!
「どのみち二人とも婿は嫌だと言うし、こちらに旨みはないからな。嫁にもらえと言う方はあくまでも王都住まいを望む令嬢がほとんどだし、金遣いが荒いや醜聞が悪いなど問題を抱えているからそちらも論外だ」
まともな令嬢はいないのか。
「うちの弟たちは有能だからな、身持ちが悪い女にはやらん」
仲良し兄弟だからね。ハードル高いな。
妹がいたらきっとブラコン兄弟になってたよね。
「お祖父様のように騎士団の女性を選んでくれると土地に合わないとかで揉めないだろうが、アンゼリカの部隊を見てからは女騎士に色気を感じないそうでなぁ」
マデリーさまと結婚したレオルカは勇者だって笑う。
アンゼリカさまたちってば一体どんな状態なの。
まったり話していたら思いの外ぬくぬくで、ジュリアスさまの胸でちょっとウトウトしそうなところをジャスパーが肉球でぺたんと腿を叩く。
『嫁!寝たらご飯がないんだぞ!腹がぺこりなのだぞ!』
何その可愛い心配の仕方。
『美味しいご飯をいっぱい食べないと大きくならないんだぞ』
子猫もどきが可愛すぎる。
キャンキャンわんこみたいだけど見た目にゃんこ。
「そういえばポムたちは?」
『あやつらは庭の者たちとなんぞ踊りまくっておったの』
アズライトがポムたちのことを教えてくれた。なんかケビンやドーリーさんたちがポムたちのご機嫌ステップを見て太鼓やシロフォン、フラッパーを手作りして、毎日収穫したあとにみんなで踊ってるらしい。
今時分なら確実に踊ってるって。
うーん、精霊がますます増えそうだなぁ。精霊王が喜ぶなら良いのかな?
「なんかとんでもないお酒仕込んだって聞いたんだけどアズライト知ってる?」
『うむ、まあるい木の実が成ったからの、それのことかの?』
「ルルゥがヤバそうなのって感じで言ってたけど?」
『それなら精霊樹の実の方かの?』
・・・それだね~。
「それは人が食しても良いの?」
『採る時に文句が出なかったから良いのではないかの』
君たちの〈良い〉が本当かはよくわからないなぁ。
「作っちゃったならもう仕方ないけど凄すぎたら全部お供えだからね!味見も無し!」
『『ええー』』
ええ~じゃないよ。
ジュリアスさまがやり取りを笑って聞いてるけど、笑い事じゃないんだから。
思わず背中に腕を回してベアハッグ?しようと思ったんだけど腕の長さが足りず力が入らないからただ抱きついただけになった。
くすぐったいだけみたいな。
「・・・さっき聞き忘れたんですけど、ジュリアスさま、お仕事早く終わったんですか?」
「・・・、セリウスが引き受けてくれた」
わぁ、セバスチャンが呼びに来てないから多分大丈夫かな?
「あ、そうだ。父上が張り切ってリーシャちゃんを喜ばすんじゃって言うんでポムたちに付き合ってもらって騎士団棟の近くに源泉を掘って貰った。建物も着手してるぞ」
ええ~!それサプライズをぶっ壊したよ!!誤魔化そうとしてお義父さまのハプニングを台無しにしたー!
「リーシャが設計図を色々書いていただろう?騎士団棟のは試作みたいなものだからと言ってな」
んー、まぁスーパー銭湯ぽくして機能性重視にしたら良いかなぁ。
装置を早めに作らないとだよ。
「そろそろ食事に行こうか」
ジャスパーとアズライトを抱っこした私をジュリアスさまが抱っこして食堂に向かった。
簡易ワンピースは軽くていいな。
夕食まで少し時間があるのでジュリアスさまをもふもふさせてもらう。毛はないけど弾力と暖かさがあるよ!
ベッドに腰掛けてジュリアスさまに抱きつけばガッチリ抱き込んでもらえる。幸せ。
横にアズライトとジャスパーもピタッとくっついてくれた。天国!
「王都で意地悪はされなかったか?」
「なんですか?それ~」
元実家のことがあるからかな。心配性。
「王都の女性はグレーデンの女性とは違う意味で気がキツいからなぁ」
「あー・・・でもローマン公爵夫人にジュリアスさまの小さい頃が天使だったとか聞いたのですごくみたかったです」
モード嬢を軽くいなしてた公爵夫人はさすがの迫力だったなぁ。
「・・・身体が小さかった頃の話は嫌だな」
今のジュリアスさまからは想像できないけど、シグルドさまに比べたら成長が遅くてアンゼリカさまとか一歳二歳下の子に背丈が抜かれてた時期があったとボヤく。
「急に伸びたんですか?」
「そうだな・・・学園入学前くらいに身体があちこち痛くなって数日寝込んだ時があって急に来たな」
おお!成長痛が半端なかったんだね。
「母上が父上や伯父上を見れば心配ないわよぉ~って言ってくれていたがアンゼリカが成長が早くて焦ったよ」
女の子は成長が速いから。逆にジュリアスさまが急に成長した時アンゼリカさまも悔しかったかも。
「あとはクラウスさまと結婚したいってお義母さまに直談判した令嬢がいました」
「それは度胸のある・・・」
「何度かクラウスさまに振られてるそうです」
「・・・クラウスもセリウスも後継じゃないから婿養子にという話はわりとあるんだが、持参金がわりに一個中隊連れてこいとか有事に傭兵団の無料貸し出しなど望む家が多い」
グレーデンの騎士隊寄越せとかダメじゃん!
「どのみち二人とも婿は嫌だと言うし、こちらに旨みはないからな。嫁にもらえと言う方はあくまでも王都住まいを望む令嬢がほとんどだし、金遣いが荒いや醜聞が悪いなど問題を抱えているからそちらも論外だ」
まともな令嬢はいないのか。
「うちの弟たちは有能だからな、身持ちが悪い女にはやらん」
仲良し兄弟だからね。ハードル高いな。
妹がいたらきっとブラコン兄弟になってたよね。
「お祖父様のように騎士団の女性を選んでくれると土地に合わないとかで揉めないだろうが、アンゼリカの部隊を見てからは女騎士に色気を感じないそうでなぁ」
マデリーさまと結婚したレオルカは勇者だって笑う。
アンゼリカさまたちってば一体どんな状態なの。
まったり話していたら思いの外ぬくぬくで、ジュリアスさまの胸でちょっとウトウトしそうなところをジャスパーが肉球でぺたんと腿を叩く。
『嫁!寝たらご飯がないんだぞ!腹がぺこりなのだぞ!』
何その可愛い心配の仕方。
『美味しいご飯をいっぱい食べないと大きくならないんだぞ』
子猫もどきが可愛すぎる。
キャンキャンわんこみたいだけど見た目にゃんこ。
「そういえばポムたちは?」
『あやつらは庭の者たちとなんぞ踊りまくっておったの』
アズライトがポムたちのことを教えてくれた。なんかケビンやドーリーさんたちがポムたちのご機嫌ステップを見て太鼓やシロフォン、フラッパーを手作りして、毎日収穫したあとにみんなで踊ってるらしい。
今時分なら確実に踊ってるって。
うーん、精霊がますます増えそうだなぁ。精霊王が喜ぶなら良いのかな?
「なんかとんでもないお酒仕込んだって聞いたんだけどアズライト知ってる?」
『うむ、まあるい木の実が成ったからの、それのことかの?』
「ルルゥがヤバそうなのって感じで言ってたけど?」
『それなら精霊樹の実の方かの?』
・・・それだね~。
「それは人が食しても良いの?」
『採る時に文句が出なかったから良いのではないかの』
君たちの〈良い〉が本当かはよくわからないなぁ。
「作っちゃったならもう仕方ないけど凄すぎたら全部お供えだからね!味見も無し!」
『『ええー』』
ええ~じゃないよ。
ジュリアスさまがやり取りを笑って聞いてるけど、笑い事じゃないんだから。
思わず背中に腕を回してベアハッグ?しようと思ったんだけど腕の長さが足りず力が入らないからただ抱きついただけになった。
くすぐったいだけみたいな。
「・・・さっき聞き忘れたんですけど、ジュリアスさま、お仕事早く終わったんですか?」
「・・・、セリウスが引き受けてくれた」
わぁ、セバスチャンが呼びに来てないから多分大丈夫かな?
「あ、そうだ。父上が張り切ってリーシャちゃんを喜ばすんじゃって言うんでポムたちに付き合ってもらって騎士団棟の近くに源泉を掘って貰った。建物も着手してるぞ」
ええ~!それサプライズをぶっ壊したよ!!誤魔化そうとしてお義父さまのハプニングを台無しにしたー!
「リーシャが設計図を色々書いていただろう?騎士団棟のは試作みたいなものだからと言ってな」
んー、まぁスーパー銭湯ぽくして機能性重視にしたら良いかなぁ。
装置を早めに作らないとだよ。
「そろそろ食事に行こうか」
ジャスパーとアズライトを抱っこした私をジュリアスさまが抱っこして食堂に向かった。
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