ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

396話

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 いろいろ話してるうちに各家の領地の話になって、王妃さまのご学友のミーラ・ウォレス伯爵夫人がため息混じりに呟いた。

「皆さまの領地では果物や織物がございますでしょ。うちでは製紙業のおかげで潤ってはいますけど、華やかではないでしょう?集客出来るものがないので人も少ないのです。木材も建材に使えない柔らかな木ばかりで広がりがないのですわ」
 あのゴワゴワした紙の産地なんだ~・・・。厚めの和紙から薄めの和紙くらいに進化出来ないかな~?作り方見せてもらったら何かわかるかな~?

「それに粘ついた樹液やカブれる樹液が出る木が多くて伐採も進まなくて」

 ん?

「あのー」
「リーシャちゃん?」
「ウォレス夫人、その木材について詳しい方とお話ししてみたいのですが」
 もしかしたらもしかしてもしかするかもしれない。
「え?そうねぇ、森の管理を任せている人か領地の家令ならわかるかしら?」
 ご夫人方が不思議そうにしている中、お義母さま派楽しそうに私を見てる。

「もしかしたら私が探している樹液かもしれなくて、もしそうでしたら定期的な採取と買取をお願いしたいのです」
「まぁ!お役に立てると嬉しいですがどんな物かわからないと使えませんわね!詳しい話は後日伺いたいですわ!」
 ウォレス夫人にはジュリアスさまの許可を得てからウォレス領に伺わせてもらう約束をした。ウォレス伯爵夫妻も日にちを合わせて領地でお待ちしてくれることになった。

「何が出来るのかしら?楽しみねぇ」
「希望する物だったら衣料の素材にしたいと思ってます」
「あら、羨ましいわ。ワタクシの領地にもいつかぜひお立ち寄りくださいませ」
「そうですわ!ぜひウチにも」

 運が良ければ自分の領地にも新しいものが見つかるかもって盛り上がってしまった。

「国の産業になるものが増えたらありがたいですわ」
 王妃さまも良い笑顔で私に発破をかけてくる。そんなアイデアは出てきませんってば。

 お茶会は予定より少し長くなってしまったけど解散になった。

 王様にも会って行けと言われてしまったのでお祖父様たちを探しがてら移動した。

「相変わらずヒョロっこい子しかいないねぇ」
「お肉が足りてないのですわぁ」
 通りがかりの護衛騎士や侍従を見ての感想はヒョロっこい。確かに細身だ。
「家畜の数も少ないけれど魔素の少ない食べ物を食べてるからじゃないかしらぁ?」
 魔素では筋肉育たないと思う。
「あー、確かに都会の食事は味気ないさね。あれじゃぁ力がでないわ」
 お祖母様はグレーデン家の寄子出身だから王都の料理は苦手だそう。
「王国騎士団もあんな細っこくて心配だねぇ」
 一応細マッチョやちょいマッチョもいるし、ガッチリした人もいたりするんだけど、少女漫画的な体格の人が多いね。

 聞こえてるだろう護衛騎士や侍従が居心地悪そうだよ。

 お義母さまもお祖母様も金髪派手めな美女なのでヒョロいとか細っこいとか言われたら切なくなっちゃうよね。

 側についてるチェイスさんとアモンさんがニヤニヤしてアランとジェイクが居た堪れなさそうだ。

 お祖父様たちがいる部屋に案内されると王様が一緒に人生ゲームしてた。

「おう、終わったか?」
「長かったな」

 それなりなおじさんたちが人生ゲームしてるのは萌えるべき?
 王様が子沢山になっててスピネルさんが破産してる。お祖父様はハーレム作ってるぞ。

「グレーデンの子供たちはいろんな事を試せて羨ましいな」

 ほとんどのお品は王様にも献上してるので活用してくださいってば。

「お姉様に晩餐に呼ばれてるのでそろそろ屋敷に戻りますよ」

 夜はマールベリーさまのお屋敷で晩餐だそう。
 一回着替えて移動するのであまり時間がない。

「ここで食べて行けば良かったのに」
 王様が拗ねちゃうけど、予定がわりとみっちり入ってる。
 一箇所行くのにいちいち着替えないとだから面倒だよ。

 ごねる王様を置いて一旦タウンハウスに戻った。

 お祖父様たちは騎士団に顔出したり魔導師団を覗いたりしてたそう。最後に王様に捕まったんだって。王様、公務サボりがち。

 タウンハウスに着けば手ぐすね引いた侍女さんたちに衣装を剥がされて〈洗浄〉かけて貰って瞬く間に夜に着るドレスに着替え終わる。
 私の髪もサイドに少し髪を残してのアップにしてもらった。
 少しシックなドレスが嬉しい。

 お義母さまとお祖母様はコルセットはそのままドレスを変えるだけだったので朝ほど時間はかかってない。

「夜は少し濃いめにしましょう」
 メイクがちょっと濃くなった。

 お義母さまとお祖母様のお胸にパールの煌めき。
 お二人は胸が開いてるドレスなので胸元肩周りはレースで隠してる私では出せない色気。しょんぼりだ。

「清楚な仕上がりね。可愛いわぁ」

 パールなお粉のお胸にむぎゅっと埋められた。せっかくの化粧とヘアメイクが崩れるとお義母さまは侍女さんたちに叱られちゃった。

「うちの娘はアンゼリカみたいなタイプだったからリーシャみたいな娘がいるのも楽しいものだねぇ」
 お祖母様が呟いた。ダレスさまやフォーガスさまはお会いしたことがあるけど他にもいらっしゃったのね。

「うふふ、アンゼリカちゃんも可愛いわぁ!」
「そうさね、だけどお転婆が過ぎるよ」

 うーん、お祖母様に似たんではなかろうか?いやアンゼリカさまはお義父さま・・・。ってことは実はお義父さまはお祖母様に性格似てる?

「王都のこまっしゃくれた令嬢は嫌いだけど、リーシャは面白いからねぇ」

 お祖母様にバシバシ背を叩かれた。

 私は旧オレイユ領育ち、王都では学園以外引きこもりだったから都会に染まる隙がなかっただけー。

 お祖父様たちも着替えが済んで一緒にお茶を飲んで休憩をする。

「ではそろそろ向かいましょうか」

 マールベリーさまのタウンハウスは五軒向こう。
 それぞれ庭と屋敷が広いからそこそこの距離がある。
 
 再び馬車に乗り込んでいざ出発です。


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