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二章

391話

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 ジュリアスさまたちが帰って来て、セリウスさまも戻って来たんだけど、ちゃっかり王様とリックさまがいちゃってるのなんで?

 王様はお祖父様たちと獲物から得た素材を見せながら森でのことを説明してる。
 伝説(?)パーティの面々に王様の目はキラキラだよ。

 リックさまはジャスパーを観察したがって抱き上げたところ猫パンチ猫キックを喰らって楽しそうだ。猫好きーだったか。

「いやーいやー!精霊王の気配が丸ごと詰まったボディ!素晴らしいよ!!」
 蹴られても猫吸いをしようとチャレンジしてるのでちょっと猫変態かもしれない。

「アズライトも古代の神秘ですよ」
「え?触れても良いのですか!?」
 ジャスパーがちょっとかわいそうなのでアズライトに交代してもらったら、アズライトの背中に頬擦りしたり腹を吸ったので猫に限らず変態だったかも。
 今まではアズライトに遠慮してたみたい。
「なんと涼やかで滑らかなウロコ・・・」

 狩って来たばかりの死んだ素材より生きてる素体がいいのはわかるけど、魔導師なら垂涎な素材がまだまだいっぱいあるので交渉した方がいいよ?
 私も亀の甲羅は少し分けてもらった。媒介にして魔力増幅機ができると思うんだ。
 衛星アンテナ的な。

 コックさんたちと騎士さんたち、侍従さんたちが設営を済ませて調理が始まったので変態さんは置いといて、ちょっと料理に口出ししよう。

 ルルゥとベンがピザ生地をグリングリン回して大きく伸ばしてるのを騎士さん何やんややんやと応援してる。
 ふ、本場のピッツァは回して飛ばすんだぜ!
「「「おお~!!」」」
 大きいのは無理だけど私の手で扱えるサイズにして回して飛ばしてとしたらベンがすぐマスターしちゃった。ちくせう!
 悲しみのピザ盛り付けだい。
 ピリ辛のソースにパバブ盛りだ。変態さんを押し付けたアズライトにあげよう。
 パバブは葉っぱと根っこを擦ったのと茎を刻んだのを使うよ。私は食べれないよ!
 ポムたちにはプルルンを盛り付けるデザートピザだ。美味しいよ。

 お肉は丸焼きにはできないサイズが多いので切り分けたブロック(でも巨大)を焼く。
 ルルゥ特製ハーブや特製スパイスを塗りこんであるから絶対美味しいヤツ。

 巨大蜘蛛や大蛇とかお約束なのも結構あるけど、カニとウナギって感じなのでもう気にしない。
 
 ある程度調理が進んだところで、宴会開始の乾杯になった。

「皆、よく働いてくれておる。感謝じゃ」
 お義父さまのご挨拶。
「このところ境界周りが小忙しいが、今日は英気を養ってまたしっかり励んでくれ」
 ジュリアスさまのご挨拶。
「グレーデンの民よ、そなたたちの頑張りでレイドラアースの平和がある。いつも感謝しておるぞ」
 そして王様の激励に歓喜の声をあげてお肉の争奪が始まった。

「リーシャ、こちらに」
 ジャスパーが首に巻いた?ジュリアスさまが私を抱き上げて料理を取る。

「酒を出してくれたんだな」
「宴にはお酒ですから」

 酒豪ばかりいるので出さないと暴動が起きるよ。

「リーシャちゃん、これどうぞ」
 ルルゥが差し出してくれたのは、なんかプルプルした白子みたいなのが載ったお皿。
「亀の腸よぉ」
 ええ~!こんななのか。どんな食感なんだろう。
「睾丸はあっちで争奪戦よぉ!ジュリアスさまはいいのかしらぁ?」
「・・・間に合ってる」
 ん?もしかしてあっちに効く系?
 亀、雄だったのか・・・。

 とりあえず一口食べた腸はコリコリ?見た目の白子っぽさとは違ってた。
 コリコリしたのは飲み込むタイミングが掴めなくて苦手だな。ずっと噛んでたら残りはジュリアスさまとジャスパーが食べてくれた。
 
 睾丸争奪戦はスピネルさんとチェイスさんとお祖父様とドーリーさんが制した。まだまだ量あるでしょ?って思ったら、高級素材だから貢物としてホーン家やリュフェリー家、王家と分けてるらしい。
 王様は参戦しなかったわけだよ。

「女性にも色々回復効果があるから食べたらいいけど、睾丸は食べたがらないかなー」
 男性陣の盛り上がりに女性が欲しいとは言い出せないしと思ってつぶやいたら、お祖母様がお祖父様の戦利品を分けてくれって。
 お祖父様がビックリして困ってた。

 亀の心臓や肝臓も美味しいらしいので少しだけ食べたんだけど、よくわかんない味だった。魔素はたっぷりなので滋養にいいとは思う。

 ポムたちは卿が乗ってくるとやっぱり踊り出して、おっきな騎士さんたちがそれに続いて。
 愉快な踊りに良い加減に酔ったコックさんも侍女さんも踊り始めちゃって。
 ジャスパーもウズウズしちゃって踊りの輪に混ざっちゃった。

 (・・・また精霊が飛びまくっちゃうな)
『精霊王も神も喜ぶから良いじゃろうの』

 たくさん食べて満足したらしいアズライトが私の肩に乗って来た。
 うちに来てからこんな長いこと離れてたことがないから戻ってくれてホッとした。

 (魔の森大変だった?)
『そうでもないの。興奮したあやつらの制御の方が大変だったの』
 おおぅ。グレーデン最強の人たちが集まって、カマランでフィーバーしたルークたちみたいになってたってことでしょ。マジ怖い!
『だが早めに気がついたおかげでスタンピードにならんかったのはルドガーの感のおかげじゃの。この魔の森の多い領地が長く大きな被害を出してないのはあの者のおかげじゃろうの』

 おお!お義父さまの感すごいのね。
 ジュリアスさまたちに遺伝してると良いな。

 延々と踊るみんなを眺めてるとフォークダンスを思い出した。
 マッチョだらけのマイムマイムとかちょっと想像したらダメ!
 
 プルプル肩を震わせちゃったらジュリアスさまが「寒いか?」って心配しちゃった。
「ジュリアスさまがあったかいから平気」
 遠慮なく抱きつきますよ!
「そうか?」

 そしてやっぱり、踊りの中心に大きな光が現れて、精霊の気配がブワッと広がって空に舞っちゃった。

 ジャスパーが入っちゃったからより大きくいったねー・・・。
 火の精霊王が望んでたんだから仕方ない。

 ちょうど王様がいるから王様、情報規制とかなんかお願いします。











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