ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

390話

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 いつもより早めに訓練場を出て見れば、ポムたちが畑で走り回ってた。
 いつも豊作にしてくれてありがとう。
「ポム~、ティムー!ディディエー!私はお家に戻るけどまだ外にいるの~?」
 声をかけたら走って来てくれた。
 一緒に帰ってくれるらしい。
 ポムだけはニーナの胸に行っちゃったよ。スケベモニパル~。

 屋敷の庭でお義父さまたちが獲物自慢してるところだった。

「おう!おかえり、リーシャちゃん」
「お義父さま!お帰りなさい~」
 ズドーンとお義父さまに飛び込んで見たもののヒョイッと抱き上げれれちゃった。
 速さが足りないんだね!
「俺たちには~?」
 お祖父様もお祖母様も無傷のご帰還だ。
「お祖父様、お祖母様、お帰りなさいませ~」
 お義父さまに抱っこされたまま、ご挨拶すると軽くハグしてもらえた。

「リーシャちゃん、今回は領地全体に肉が回せるぞーぅ」
「そんなにいっぱい出たんですか!?」
「おうおう!狩り放題だったぞ!」
「あんな湧いて出てくるのは楽で良いね」

 いっぱい出て来ちゃうのを楽って言い切れるのってちょっとネジがぶっ飛んでると思う。

「魔石はリーシャちゃんにやるぞぅ」
「そうだな!なんか面白いの作ってくれ~」
「これで買えるだけの酒を飲ませてくれるか!?」
「あの素晴らしいポーションを売ってくれ」

 お義父さま、一番の儲けを私にくれちゃうのはダメ!私の頭より大きい魔石を出したお義父さまの太っ腹具合には困っちゃう。
 お祖父様、この魔石で作れるのは国宝レベルだと思うの。
 マルゴさん、酒蔵の酒全部飲む気なの?
 スピネルさん、どんだけ元気になりたいの・・・。

「あらあら、リーシャちゃんたくさん貢がれちゃうわねぇ」
 ニコニコしてるお義母さまにももちろんお義父さまから素材を渡されてる。
「君の美しさにはかまうまいがこれでその首筋に映えるネックレスを作らせよう」
 良質な鉱石に見えるそれはサーペントの上位種を業火で焼いてしまった後に残っていた物らしい。
「まぁ!綺麗な赤ねぇ」
 サーペントを媒介にお義父さまの魔力を凝縮したみたいな結晶だなぁ。愛の塊?
 森で業火ってお義父さまヤバいんじゃって思ったら、アズライトがウォーターウォールで守ってくれたんだって。
 アズライトってば有能!!

「で、大旦那さま、何吹っ飛ばしたら地震起きたのぉ?」
「ん?地震起きたのか?」

 ルルゥが庭に出された獲物を解体しつつ話しかけた。

「ああ~、坊、アレじゃないか?」
「アスピドロケン」
「ああー、硬すぎて何も効かんかったから腹を狙うためにぶん投げてやったぞぅ」
 ズーンとお祖母様のマジックボックスから取り出されたそれは山の如くだった。

 めちゃくちゃデカい亀をお義父さまがぶん投げた!どんだけ!

「食うところが多いし、甲羅は防具になるからラッキーだったな」

 亀かー。スッポンなら食べたことあるけど亀はなかったと思う。まぁ魔物だから亀の味とも言えないかー?

 どんどん獲物が出てくるんだけど、猿っぽいのが結構いてびっくり。

「プッキュン!」
「モッキュン!!」
 ポムとティムは猿が嫌いみたいで威嚇してる。もう死んでるから威嚇いらないよ。

 流石に猿は食べないそうでちょっとホッとした。毛皮と魔石だけ避けて燃やすんだそう。

「ボアは今回は村に回そうか」
「そうじゃのぅ」
 
 半分は商業ギルドに売って半分は各地にお裾分け?してるそう。

「今夜は振舞うか?」
「そうねぇ、庭で食べましょうかぁ?」
「あら、じゃぁ設営ねぇ」

 帰還のお祝いでバーベキュー大会が決定しちゃった。

 サクサクと獲物が処理されていって、私の前にドーンと魔石と素材を置かれてしまった。
「有事に備えておきな」
 お祖母様にカッコよく言われてしまったので有り難くアイテムボックスに収納した。

 ポムとティムは猿系の魔物を燃やすのをプンスカしながら見守ってた。猿と何があったの。

 そして、アズライトとディディエは人が食べない内臓やらを食べてる。生でも食べちゃうんだ。
 そっとパバブを盛ったお皿を差し出したら喜んでくれた。

 バーベキューってことなのでお酒がいるなってことでマルゴさんとザイルさんを連れて訓練場に逆戻り。
 チェイスさんもアモンさんも酒の気配とか言って喜んでついてくる。

 数年置きたい樽はお触り禁止で、ケビンさんが担当してくれてる分を山盛り放出することに。
 魔石の代金分は私の秘蔵?分から選んでもらった。
 チェイスさんとアモンさんまで追加で魔石出して来た。魔石払いが定着しちゃいそうだなぁ。
 気持ちだから貰っておくけど。

 そして何か嗅ぎつけたのかマギー先生とロジャー先生までお酒取りに来た。
 二人は変わった薬草を持って来てくれた。
 
「やっぱりリーシャさまの酒が美味しいやね」
 お義父さまが作ってくれて工場産はちょっと違うらしい。
 まぁ量産タンクと私が作ったタンクは一緒ではないかな。

 酒樽をマジックバッグに入れて運んでもらう。

 マギー先生たちも連れだって屋敷に戻るとすでに庭がバーベキュー会場になってた。早い。

 コックさんたちがクルクル準備に走ってるので酒樽を全部出してから一旦お部屋に帰った。

 




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