ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

389話

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 深夜にジュリアスさまの「フゴォ!」っと言う寝言が聞こえた気がして、睡眠時無呼吸なんたらかしら?って一瞬心配が過ったけどジュリアスさまは若いし健康だから違うよね?   
 温かい弾力のある枕と毛皮の感触が素晴らしすぎて目が開けられなかった。愛が足りない訳じゃないよ?

 目が覚めれば夜中のことはすっかり忘れてジュリアスさまとジャスパーとハグとキスのご挨拶。ジュリアスさまとにゃんこ(違う)がいる朝は幸せです。


 朝食にはまだセリウスさまはいなかった。
 今日はお義父さまたちが帰ってくる予定なのでお義母さまは嬉しそう。私もお義母さまみたいにずっと旦那さま大好きな奥さんでいたい。

 お仕事に向かうジュリアスさまとジャスパーとクラウスさまをお見送りして。
 ポムとティムは畑の確認するって別行動。

 お義母さまとお義母さまの装身具作りと、速攻で決まってしまいそうな温泉や旅館の大まかな設計図や企画書を書いたり、使う魔道具の予定をって作業場に向かった。

 装身具は昨日作った物のデザイン違いで良いのでサクサク作れた。
 
 さて!お風呂ですよ。
 ジェットバスと電気風呂は絶対欲しい。
 日替わり薬湯風呂も外せない。
 露天風呂も当然欲しい。
 岩盤浴と砂風呂も良いよね。
 
 お風呂のデザインとかは人任せでいいけど、置きたい物は主張する。
 騎士団棟にって言うならジムも入れてみる?
 あの人たちパワー全開になると全部壊しそうだからフィットネスの方がいいかな。
 ランニングマシンやバイクとかなら壊さないかな。
 あの人たちが筋肉維持出来るレベルってどんなだ?
 マッサージ機も効くんだろうか?
 これは試作しまくらないと無理かも。

 壁一面鏡な部屋作ったらどんな反応するかな?鏡お高いけど錬金術でなんとか出来そうだし。お金はあるけど自分で作れるのに無駄遣いはしないよ。

 色々考えすぎて、とりあえずランニングマシーンを作ってみた。もちろん速度を変更できるよ。
 ボタンを押して動作確認をして低速で試してみる。

「リーシャさま?」
 
 マシンに乗ってスイッチオン!
 タッタカタッタカ・・・
 悪くないかな~。

 ズルッ!

「うわっ!」
「ちょ!」

 バランスを崩した私をアモンさんがヒョイッと持ち上げてくれた。
 低速でコケる私、長切ない!!

「なんの遊びだよ?」
「危ないのはダメです」

 アランやニーナにも叱られちゃった。危なくないのを作ったはずなのに。

「これはただ走るだけの運動器具だよ。ジェイク乗ってみて。スイッチ押したら足元が動くから走って」
「え、はい」
 恐る恐る乗るジェイクに装置のストップボタンを説明して、騎士さんなので中速でスタート。

 タッタッタッタッ・・・

 リズミカル~!

「スピード上げて良い?」
「はい?」
 高速に切り替えて。

 タタタタタタタ・・・

 五分経っても全然調子崩さないなー。
「・・・」
 超高速にポチッとな。

 タタタタタタタタタタタタタタ・・・
 ついて来れるだと!!?

「リーシャさま、これいつまで走るんですか?」
 息も切らさないとか。

 アモンさんとチェイスさんは強い方だしベテランだから、若手のジェイクに任せたのに、騎士は騎士だった。鍛えてるんだね。

「ストップ押して良いよ」
 
 ゆっくり止まったマシンをジェイクが降りたので、次はチェイスさんに乗ってもらう。
 高速からどうぞ。

「ジェイク、まだまだスピード上げても良さそう?」
「スピードより重さとかあった方が効きそうです」
 重さかー。
 重力操作でどうにか出来そう?

「ちょっと俺走ってるの見てよー」
「えー」
 余裕で走ってるので超高速にしてあげた。
 うーん、体力お化けだなぁ。

「おじさんちょっともうヤダなぁ」
 ジェイクよりリタイヤが早かった。

「これ何のために作ったの?」
「室内で運動するため?」

 アスレチックを存分に楽しむ人たちだからジムも楽しいかなって思ったんだけどそうでもない?

「池周りとか走ってるからしんどくはないなー」
「でも速さとか調整出来るのは面白いです」
「あー、外で思いっきりはあんま走らんかな~」

 アモンさんもアランもお試ししてくれて、とりあえず気に入ったようだ。
 速さと重さの調整が幅広くできるようにしないとなのね。

「では、これは侍女の待機室にくださいませ」
 ニーナが侍女服の裾を捲ってマシンに乗ってしまった。

「「「ヘ!?」」」

 タッタタタ・・・

 軽やかに中速で走り始めて高速に切り替えて使い勝手を確認したニーナ。

 大胆な行動にお調子者のチェイスさんですら足元見ないように顔を背けちゃったよ。

「下履きを履いてますからお気になさらず」

 えええ、でも万が一素足を見ちゃったらルークが怖いってアモンさんが震えてるんですけど。
 ロングなドロワーズを履いてるので全然問題ないけどこの世界はミニスカートはないし、レディの足は見ちゃダメらしいよ!

「ニーナ、平民ならいざ知らずルークの嫁になるんだったら少し恥じらってくれ」
「そうだぞ!貴族の女はスカート捲ったりしないんだって!」

 足首ってそんなえっちな存在だっけ?
 私、普段着の簡易ワンピースだと足首見えちゃってるんだけど。

「・・・」

 男たちのあまりの狼狽えっぷりにスンッとなったニーナがマシンを降りた。

「貴方達、たくさん女遊びしてるくせに細いこと言うんですね」
 えー、アランとジェイクも被弾してる。
 二人も彼女以外がいらっしゃると!?

「「いやいやいや!!!!プロは良いんだよ!!」」
「「っしてない!!彼女だけです!!」」

 あらら。おじさん二人は黒で少年は白みたい。
 プロ・・・。

「えーと、ニーナ。マシンあげるから機嫌直して」

 そんなわけで試作1号は侍女さんたちがお使いになるようです。


 
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