ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

386話

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 ジュリアスさまたちは次の日の夜まで帰ってこなかった。
 野盗というにはお粗末なレベルの盗賊がレイドラアース各地に出てるんだそう。
 大きな派閥が潰れて、闇組織の仕事も無くなってるから下っ端のそのまた下っ端だった残党が食いっぱぐれて散ってるんじゃないかってことらしい。
 んーん。結局はハーボットのせいか。労役刑じゃ生ぬるいんじゃなかろうかね!

 グレーデン周りに出た野盗はとりあえず捕縛して鉱山送りだって。寝床と食事は普通に出るから優しいぜってチェイスさんが。
 他の仲間の情報を得た分は手分けして討伐に向かってる。

 そもそも辺境まできて盗賊はチャレンジャーが過ぎたよ。情報が得られないレベルの末端だったのかな。
 
 ジュリアスさまたちが無事に帰ってきてくれて良かったよ。


 私は数日かけてなんとか抱っこサイズのクマを仕上げた。
 ニーナがコックさんたちに頼まれてポムとティムを量産し始めたのには少し笑った。

 オムツは侍女さんたちに色々聞いて使い勝手が良さそうなのを頑張って作った。ボタンがバネホックやスナップボタンがないし、面ファスナーもないから不便だなって。
 金具は赤ちゃんに良くないから面ファスナーもどきを作った。粘着テープをプルル草とネバル草の配合率を色々試して。
 ポコペンって鳴らないギリギリを攻めた。
 
 孫がいるの侍女さんたちが感激してくれたよ。
 生活魔法が使えない人もいるからオムツ替えが楽なのは素晴らしいって。
 なるほど。やっぱり吸水ポリマーっぽいの欲しいな。
 使い捨てオムツが欲しい。ついでに女性用のアレのヤツね。
 あー、でも土に還る素材じゃないとダメかな。
 スライムって良さげだけどポムたちが怒るしねぇ。

 侍女さんたちまで空き時間にオムツを量産してくれて、半分はグレーデンで生まれたホーンの子に贈ることになった。
 
 なぜか非番のマッチョたちまで集まって縫い物をしてたりしてちょっと絵面が面白かった。
 みんなにひらひらエプロンして欲しい。
 その後、縫い物教室が不定期に開かれたとか。

 ルルゥは手芸にはさほど興味がないみたいで差し入れおやつを作ってくれたりしてたよ。

 ポムとティムはニーナのポムティム人形が並べられてた時、となりに並んでみたり、向かい合って身体を捻って不思議がったりしてみんなで悶えた。
 最終的に精巧すぎるのが出来ちゃった。
 デフォルメはした方がいいと思うの。

 コックさんたちがぬいぐるみを受け取った時にポムたちにキックされてた。自分のポジションが奪われてオヤツを貰えなくなるとか思ったみたい。
 ディディエの方はちょっと難しいので産まれたてのコロコロした時のイメージで作って並べたら転がして遊ぶおもちゃにされちゃった。
 一個はルルゥが死守してたので何気に大事なんだなってほっこり。


 お義父さま、お祖父様たちが出かけて一週間経った。

 ズゴゴゴー・・・ズズーン!

 遠くの森から地響きがしたのでびっくり。
 
 私はマイ酒蔵にいたのでアランとジェイクに庇われてしばらく待機してたら、外を見に行ったチェイスさんとアモンさんが戻ってきて状況を説明してくれた。

「なんも狼煙が上がってないから多分大旦那たちが大物吹っ飛ばしたんだと思う。ワイバーン隊が確認に行ってるからとりあえず屋敷に戻ってもらうよー」

 あんな遠くの森から地響きってどのレベルの魔獣よ・・・。
 
 アズライトが何もやらかしてないと良いな。

 屋敷に戻るとお義母さまが抱きしめてくれた。
「リーシャちゃん、びっくりしたでしょ!最近はなかったけどたまに大きいのが出ると地震や旋風が起きたりするのよーぉ」

 なるほど、旅行者とか商人がたまたまグレーデンにいたりしたらヤバい土地と思われることもあるかもだね。

「心配はないのよぉ!魔獣が暴れてたってうちの騎士たちがバーンとやっちゃうからねぇ☆それに旦那さまがいれば何も問題ないのぉ」

 めっちゃ良い香りと良い感触のお胸にぎゅうぎゅうと抱きしめられて私の命が消えそうです!ロープ!ロープ!!
 
「大奥様、リーシャさまが潰れますよ」
 セバスチャンが冷静に声を掛ける。
「あら?」
 お空のお星さまになるところだったよ。

 シエルが私の背中をそっと撫でてくれた。

「心配はないとデリアさまから報告が来てます。ルドガーさまがちょっと投げ飛ばしただけなんで」
 
 投げ飛ばしただけ!!!!何を!!!!!?

「周辺の魔獣が驚いて少し居住区域から逃げて外に出そうになってたそうですがドーリーたちが一掃してますし、セリウスさまが向かったとのことなので問題はないかと」

 ワイバーン隊はセリウスさまの部隊か。

「一応騎士団は周辺で待機しますのでここまでくることもないですよ」
 
 ほえー。

「今日もみんな遅いかしらねぇ?」
「そうですね、完全に安全を確保して確認が取れるまで慌ただしいでしょう」

 あらら。

 ルルゥたちに相談して差し入れを用意してもらわないと。

 心配ないと言われてもちょっと不安なのでお義母さまと一緒に過ごすことに。

 ポムたちはジャスパーとジュリアスさまたちのところだから少し心配だけど無茶はさせないはず。
 
 手持ち無沙汰になってお義母さまがお手紙のチェックを、私は魔導書の写本を作ることにした。























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