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二章
番外編 ジャスパー
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俺はジャスパー。
主が付けてくれた名前はかっこいいから気に入っている。
身体を得る前、いつも楽しげにしているモニパルや古代竜の様子を仲間たちとみて良いなって思ってたんだ。
火の精霊王様が「お前たち、我のために顕現してくれぬか?」と声を掛けてくれたのでみんなが「行く」「行きたい」って大騒ぎしたんだ。
だけど俺たち小さな精霊では顕現するほどの力がないからな。
みんながまとまって一つの命になると言われたんだ。
だけどよ。俺たち精霊は自我が薄く、楽しそうで良さげな魔力のそばに揺蕩う存在だからそんなことは問題じゃなかった。
精霊王様ので役に立てて、あの楽しそうな場所に行けるなら良いことだと思った。
精霊王様が俺たちを集めて卵にしてくれた。
卵の中はだだ眠たくて精霊王様の魔力に包まれて幸せだった。
そして主に託されてからは主の魔力をいっぱい貰って、意識が浮上するまではなんとなく聞こえてくる声を聞いてた。
優しくて温かい。
楽しそうな気配。
早く出たいな。
でも主人の役に立てるように強くならなくちゃ。
途中からモニパルや古代竜が話しかけてくるようになって。
主人の番という者の声も届き始めた。
待っててくれてる。
早く、早く、早く会いたい。
主たちの声以外も届くようになるといろんなイメージが入ってきた。
ドラゴンやフェニックスとか憧れの騎獣だとかモニパルのような可愛い子だと良いとか。
だけど主は力強いグリフォンを希望してるし、番は巨大な猫か犬と言うし。
困ったぞ。
俺はその中ではフェニックスがいいなと思ったんだけど、竜のジジイがドラゴンと鳥は間に合っておる。カブリはいかんとワケのわからないことを言ってきた。
かなり長い間悩んだんだ。
結局は主が番の喜ぶ顔を一番望んでたから主と番の希望のちょうど良いのにしてみたんだ。
身体はしなやかに動くから結構気に入ってる。
産まれた時はみんなの歓迎の気持ちが強く感じられて嬉しかったぞ。
何より嬉しいのはうらやましく眺めていた料理と言うのが食べられることだ。
精霊王様が貢物じゃと喜んでて俺たちもその食べ物の魔素を頂いてたけど、料理そのものを食べてみたかったんだ。
まだうまく加護が使えないからジジイたちが特訓じゃとうるさいけど、楽しい。
これからもっといっぱい楽しいことがあるはずなんだ。
楽しみだなぁ!
---------
ちょっと時間がなかったので急遽ジャスパーの小話になりました。
短くてごめんなさい。
主が付けてくれた名前はかっこいいから気に入っている。
身体を得る前、いつも楽しげにしているモニパルや古代竜の様子を仲間たちとみて良いなって思ってたんだ。
火の精霊王様が「お前たち、我のために顕現してくれぬか?」と声を掛けてくれたのでみんなが「行く」「行きたい」って大騒ぎしたんだ。
だけど俺たち小さな精霊では顕現するほどの力がないからな。
みんながまとまって一つの命になると言われたんだ。
だけどよ。俺たち精霊は自我が薄く、楽しそうで良さげな魔力のそばに揺蕩う存在だからそんなことは問題じゃなかった。
精霊王様ので役に立てて、あの楽しそうな場所に行けるなら良いことだと思った。
精霊王様が俺たちを集めて卵にしてくれた。
卵の中はだだ眠たくて精霊王様の魔力に包まれて幸せだった。
そして主に託されてからは主の魔力をいっぱい貰って、意識が浮上するまではなんとなく聞こえてくる声を聞いてた。
優しくて温かい。
楽しそうな気配。
早く出たいな。
でも主人の役に立てるように強くならなくちゃ。
途中からモニパルや古代竜が話しかけてくるようになって。
主人の番という者の声も届き始めた。
待っててくれてる。
早く、早く、早く会いたい。
主たちの声以外も届くようになるといろんなイメージが入ってきた。
ドラゴンやフェニックスとか憧れの騎獣だとかモニパルのような可愛い子だと良いとか。
だけど主は力強いグリフォンを希望してるし、番は巨大な猫か犬と言うし。
困ったぞ。
俺はその中ではフェニックスがいいなと思ったんだけど、竜のジジイがドラゴンと鳥は間に合っておる。カブリはいかんとワケのわからないことを言ってきた。
かなり長い間悩んだんだ。
結局は主が番の喜ぶ顔を一番望んでたから主と番の希望のちょうど良いのにしてみたんだ。
身体はしなやかに動くから結構気に入ってる。
産まれた時はみんなの歓迎の気持ちが強く感じられて嬉しかったぞ。
何より嬉しいのはうらやましく眺めていた料理と言うのが食べられることだ。
精霊王様が貢物じゃと喜んでて俺たちもその食べ物の魔素を頂いてたけど、料理そのものを食べてみたかったんだ。
まだうまく加護が使えないからジジイたちが特訓じゃとうるさいけど、楽しい。
これからもっといっぱい楽しいことがあるはずなんだ。
楽しみだなぁ!
---------
ちょっと時間がなかったので急遽ジャスパーの小話になりました。
短くてごめんなさい。
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