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二章

385話

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 お義父さまたちが留守なのでしばらくはいつもより静かでちょっぴり寂しい。
 マッチョ率が著しく下がる邸内。

 とりあえずぬいぐるみを作るからと離れの作業部屋に通っている。
 毛皮の毛が舞うから掃除がしやすい場所でね。

 毛皮を出して適当な型紙を作って調整を入れて紙を仮留めして唸っていたら、ニーナの縫い物欲と可愛い物見つけたー興奮でめっちゃ助けてくれた。
 かなりデフォルメを入れたクマのデザインはニーナのハートをウルトラキャッチ。
 うさぎもデザインしたらツノを加えられちゃった。ここ世界のうさぎは凶暴な魔獣・・・。

 ニーナの希望でモニパルやモラとか癒し系?のデフォルメも描いてみた。

 すぐに自分で型紙を起こせるまでいっちゃうってすごい才能だなぁ。

「フローズンスパイダーの毛皮もふわふわですね」
 え、蜘蛛の毛皮・・・混ざってたんだ。適当に肌触りで選んだから気にしてなかった。
 確かにハムスターとか触ったときみたいなほわほわ具合。蜘蛛を思い出さなければ素敵な触り心地。
 他の魔獣とかはちょっと硬くてふわふわでも少し張りが強いものね。

「赤ちゃんが喜びそうな触り心地で作りましょう」
 ニーナが物凄い勢いで型紙を写してる。
 物凄い量作りそう。

 そういえばメグミの周りに子供いなかったから忘れてたけど、ベビースタイとか肌触りのいいオムツカバーとかもいいな。
 ん?〈洗浄〉で済むからオムツ替えとか頻繁じゃないとかあるかな?
 ニーナに聞いてみれば、お着替えは頻繁にするし、可愛い物で着飾らせたいものだそうだ。
 男の子か女の子かわからないから困るなって思ったら、誕生から二月ほどはおくるみみたいなのを着せて、お披露目出来る時期には白いふわふわレースの可愛い衣装を着せてるのが一般的なんだって。
 男女兼用か。
 頂き物のスパイダーシルクでオムツ被れの心配ないオムツの制作を提案したら、ニーナが刺繍をしてくれるって。優しい。

 話しているうちにニーナは試作ぬいぐるみを一つ仕上げた。プロ級。
 私はまだ半分くらいだ。
 
「私は繕い物も刺繍も得意なので比べる意味は無いですよ。リーシャさまは魔道具制作が得意で錬金術も物凄い速さと精度だとリックさまがおっしゃってました。私は魔道具は作れません。得意不得意があって当たり前です」

 ぬぬぬ。そういうことで良いのかな。

「縫い物は慣れです」
「そうかな~、コツとセンスもいると思う」

 次のぬいぐるみもザクザク縫ってく。ちゃんとカーブや毛の具合も確認しててすごい。

 うーん。赤ちゃんくらいのサイズでもいけそう。ニーナが。

 途中で待機してたアランとアモンさんが興味を持って混ざって来ちゃった。
 これまた物凄いセンスを見せつけられた。
 なんなの!

 チェイスさんとジェイクは細かいのは無理って逃げた。

「これ楽しいですね」
「自分にも作れるの嬉しいな」

 まぁまぁなマッチョが背を丸めて手のひらサイズのぬいぐるみを縫ってるのはちょっと面白い。

 途中でおやつを食べて休憩をした。

 夕刻までに私は一体、ニーナは大中小と三体、アモンさんとアランは二体仕上げた。
 初めて作った記念に持っていけば良いと言ったら喜んでた。
 次からは贈れる物に取り掛かる。

 贈り物用には目を魔石にして病魔退散とか日本のお守りみたいな効果を付与する魔法陣を彫り込む予定。あくまでも祈りの延長で気休めなものらしいけど、魔導書に載ってた。

 屋敷に戻って着替える時にベッドにぬいぐるみを置いてみた。
 クマはこの世界でも猛獣だけどこれなら子犬っぽいし可愛いよね。

 アズライトがいないし、ポムたちはジャスパーとジュリアスさまに付いてるから身の回りに可愛いが足りないよ。

 今日の夕食にはジュリアスさまたちは帰れないと連絡が来た。
 境界沿いに盗賊が出たとかで。
 最近ちょっと妙だね。


 食卓がお義母さまと二人になっちゃったので久しぶりにお義母さまのお膝に乗せられた。一人で座れますよ?

「こんな機会はそうそうないわねぇ、今日は甘い物をたくさん食べましょうねぇ」

 ご機嫌なお義母さまには言えないけど、お義母さまはいつもたくさん甘いものを召し上がってると思います!

 ルルゥがパンケーキを運んできてくれて、おかず系にしてくれたものの、追加で生クリームやクリームソース、フルーツモリモリで私は途中でギブアップして隣の椅子に移動してお義母さまの吸引力を眺めた。
 毎度すごい量がお腹に収まってるんだけどちっともウエストに変化がない。

「うふふ、旦那さまがいるとお肉も食べないと身体がもたないけどお留守な時は良いわよねぇ♡」
 あれ?惚気ですか?サラッと大人なジョークでしょうか。

 そっか。お肉食べないとダメなの。

「大奥様~、アウトだわぁ!」
「なぁに?」
「そこは秘めて置いて欲しいわねぇ」

 ルルゥが突っ込んでしまった。
 そこは流して聞き流そうよ。

「まぁ?夫婦のことなんてみんな知ってるじゃないのぉ?」
 まぁそうですね。
 二人は何かディープな惚気話を繰り広げだしちゃったのでニーナとセバスチャンが私をそっとお部屋に帰してくれたよ。




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