ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

383話

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 リックさまの要望をお義母さまに伝えたら、王妃さまのお茶会の日の前後に詰め込みましょうってことに。
 奨学金賛成派の集まりにお義母さまとお祖母様も同行してくれることになった。
 そんなわけでリックさまにはその旨を返信した。
 ジュリアスさまは集まりには自分がついていける日程をって言ってくれたけど、お祖父様たちが護衛として付いてくから大丈夫だって決まってしまった。

「良いじゃない~。リーシャちゃんもそろそろグレーデン夫人として顔を売っておいた方が色々炙り出てきて楽しいわよぉ☆」
 お義母さま?何を炙り出そうとしてるんだろう!?

 王妃さまからの招待状にはお呼ばれしている方達のことも書かれてるそうなので確認させてもらうと穏健派と呼ばれる家名が並んでた。場慣れしていない私のために荒ぶりがちな夫人は呼ばれていないらしい。
 おそらく王様のご配慮がされてるってお義母さまが教えてくれた。

 そんなわけでお土産に化粧水(弱)のセットとお菓子詰め合わせの手配をしてあるそうだ。
 化粧水は王妃さま以外は工場生産版でいくのだそう。私が作っても良いのだけど今後売り込んでいく商品の方が良いとの判断なので従っておく。
 カイダール産の薬草も仕入れて使ってるのでグレーデンもカイダールも宣伝出来るわよって。ありがたいことです。

 今後、化粧水(極)はよほどのことがないと外部に出さないって決まったので王妃さまの分でも化粧水(強)まで。
 百目ポーションはまだいっぱいあるし、なんなら材料もいっぱいあるんだけどね。百目自体が高級品なのでそうそう使っちゃダメとか言われてるから私のアイテムボックスに目玉がいっぱい・・・ちょっと想像はしたらダメなやつ。
 
 化粧水(極)も効果はいずれ切れるんだろうけど、緩やかな変化なので定期的に使っておけば現状維持していける。要するにお義母さまもお祖母様もトゥルットゥルのツヤッツヤのまま過ごしてるのだ。私もモチモチだよ?

 屋敷に仕えてるうちの侍女~ずさんたちも美肌になってるし、なんなら男性陣もお肌綺麗な状況なのでお客様が来たら「グレーデン領に住んでると若々しくいられるのか?」とか誤解されそうだけど、いかんせんお客さまはほぼほぼ来ないから噂にならないね。

 ルルゥとルークのお母さまとお姉さまたちやお義母さまとお祖母様のご友人、親戚には化粧水(中)くらいをって。
 すでに定期購入は工場生産版にしてあるので私は報告だけ受けてる。

 工場は(弱)(中)までしか作れない。(強)(極)は錬金術と言うか私の魔力が通ることで仕上がってる感じだ。


 恩を売りたい相手にはグレーデン産の化粧水とお酒、コックさんたちのスィーツがかなり有効になってるらしく予備に用意しておくと良いって言われたのでおもたせに出来る箱をたくさん作ってもらう事にした。

 グレーデンの野菜も果物も穀物もかなり美味しいのでそっちも宣伝しないとね。
 エグ味のないサラダを食べたらきっと幸せになれるよ。

 あ、でも領民の食糧が優先だから程々にで良いのだ。

 お祖母様とお義母さまとお茶をしながら話し込んでたら庭から声が聞こえてきた。

「あら?」
「なんだろうね」

 三人で窓の下を覗けば、お義父さまが大きなトカゲ?の上に乗って嬉しそうに手を振ってる。
「リーシャちゃん!肉獲ってきたぞーぅ!鱗も使えるからのー」
 五メートルくらいはありそうなアースドラゴンだ。
 ドラゴンって言ってもトカゲの亜種らしい。分類がよくわからない。
「へぇ、まぁまぁだね!奥に行ってきたのかい?」
 お祖母様がアースドラゴンをまぁまぁって言うのはこのサイズはまだ小さいからだって。十分大きいです。
「久しぶりに奥に行ってきたのじゃ!コイツは若い方が肉が柔らかいから良いのじゃぞ!母上」
「そうかい!成体も歯応えが良くてうまいじゃないか」
 二人で話してる間に解体のためにコックさんたちが集まってきて運ばれて行ったよ。

「コーナソースとパバブソース、どっちが良いかしらぁ?」
 お義母さまは今夜のステーキのソースを悩む。気が早いよ。
 でもオニオンソースが好きです。

「ローストにしてもらうのもよさそうです」
「それも良いわねぇ」

 結局私も食欲に釣られちゃった。

 お義父さまにいつの間にかポムとティムが登っていて、二匹で褒め称えている。ジュリアスさまのとこに行ってたんじゃなかったのかしら?

『森の方に何やら気配があったから行ってみたんじゃろうの、だがアレでは無いからしばらくは森通いするんじゃろうて』
 アズライトが窓辺にいて話しかけてきた。
 (何か問題がありそうなので?)
『何、ちょっと強いのがナワバリを変えたくらいのことじゃの。ルドガーは気配に敏感なのじゃろうの』
 ほえー、お義父様の危険察知みたいなのがすごいんだね。

 夕方にはみんな帰ってきて、お義父さまの獲物の話をしながら美味しく頂いた。
 お義父さまが言う通り蕩けるお肉で。
 森通いにはお祖父様とお祖母様も参戦することに。

「父上、他に細かいのが移動していないかも確認お願いします」
「わかっておるぞー。ちゃんと見てくるから心配はいらんぞぅ」

 アズライトの池の奥はかなり強いのが出てくる森らしいのでちょっと心配だな。














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