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二章
380話
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呻き声が聞こえた気がして目が覚めた。
目を開けるとジャスパーがジュリアスさまの顔に乗っかって寝てた。
強制猫吸いになってる。
う、羨ましくなんかないんだからね!
「ジャスパー、顔は窒息しちゃうからダメだよ」
『ンッニャ!』
なんか鳴き方が変なんだな~。
「思わぬ暗殺の仕方があったものだ」
ジュリアスさまがジャスパーを片手で持ち上げ、私をもう片方の腕で抱き上げる。
朝から筋肉の力強さにうっとりだ。
「おはよう、リーシャ」
「おはようございます」
朝のハグとキスをジャスパーが戯れて邪魔をする。
まだ産んでないのに子供を挟んだ夫婦みたいな体験をしちゃったよ!
『俺にもするが良いのだ!』
仲間外れはダメだと言い出したので遠慮なく猫吸いをしてみた。
やわやわお腹とふわふわ毛は最高でした。
今日もジャスパーはジュリアスさまについていくらしい。私にもアズライトがいるけどアズライトは気まぐれだしべったりはないからね。
齢何百?な古代龍と生まれたての精霊は比べるものでもないか。
ジャスパーは伸びをしてから羽をパタパタさせてちょっと浮いた。
うん、羽は意味をなしてないね。
魔力で浮いてるんだもの。
『主の好みに寄せたんだぞ!』
だから心まで読まなくて良いんだってば。
ジャスパーはアズライトとは違って話す時はその場にいるみんなにわかるようにしてる。アズライトはその場その場で聞かせる相手を決めてる。性格の違いかな?
朝食後にジュリアスさまたちとお義父さまたちを見送るとお義母さまとお祖母様にお茶に呼ばれた。
午後から、延期になってたマダム・シフォンが来てくれるので次のドレスの希望はないかって。
もうクローゼットはいっぱいだよ!マジックボックスまで追加しそうな勢い。
特に希望はないのでニーナやサラとメルにお任せする。
アズライトはドレス選びと聞いてディディエを連れてお出かけしちゃった。ポムとティムは女の人にチヤホヤされるのは大好きなので喜んで参加だよ。
「本日もお呼び頂けて光栄ですわぁ」
相変わらず元気なマダムがお弟子さん、お針子さんを連れて現れた。
次々とドレスに入ったケースが運び込まれてトルソーに着せられ、一気に室内が華やかになった。
「まぁまぁ!シフォンちゃん!最高ねぇ」
私たちのドレスを一通りチェックしてから本日のメインであるニーナのウェディングドレスを確認する。
「美しいわぁ!」
「これは繊細だねぇ」
ルークの色合いなので銀と青。グレーデン家の嫁には赤と金が基本なのでとても新鮮だ。
「ルークにあげるのはちょっと悔しい」
「もう、リーシャちゃんったらニーナが好きすぎるわよぉ☆」
私だけのニーナなのに。
「まぁまぁ!リーシャさま。殿方との愛と主従の愛は全くの別物ですわ。ニーナさまのリーシャさまへの愛は揺らぐものじゃないのですわ」
「当然です」
マダムが慰めてくれてニーナが肯定してくれる。
ヤキモチは仕方ないの。ニーナは大事。
ニーナのスカートをちょっと握りしめちゃう。
「ほほほ、リーシャさま」
マダムがこそっと私に耳打ちしたのでニーナを離して、フッティングに行ってもらう。
仕切り向こうなので小声でニーナのベールを渡された。
丁寧に刺繍されてすでに最高なベールなんだけど、小さなガラスビーズをニーナの同僚に一粒ずつ縫い付けてもらうの。
最後はお義母さまとお祖母様、私で刺繍を追加して完成させるって感じで。
なのでニーナが見てないうちに侍女長に渡してお願いしておく。
「素敵なアイディアですわね」
私のせいでニーナも人との付き合いが少ないからグレーデンではたくさんの人と繋がっていくってなれば良いなって。
ニーナが着付けを済ませてその姿を見せてくれた。
「綺麗ねぇ」
「よく似合ってるさね」
スタイル抜群で美人なニーナ、めっちゃ神々しい。あのルークの横に並んでも遜色ない!
お色直し用のドレスは私からとお義母さまからのプレゼント。
どっちも似合う。本番で宝石とセットになったらもっとシャイニング!!
「やっぱり女の侯爵家がいると華やかねぇ」
「そうさねぇ!」
褒めまくられて頬がピンクに染まったニーナはめちゃくちゃ可愛かった。ルークは当時まで見られないんだ。ちょっと優越感。
ポムとティムも拍手して褒めてる。
サイズ調整も必要ないそうなので一安心。
お義母さまが可愛い下着セットまで贈ってた。・・・盲点!!
そのあとがまた次のドレスの話になって長かった・・・。
生地がいっぱい出て来て新作のレースとかも見せてもらって。
お針子のお姉さんたちがポムとティムにお土産でベストを作って来てくれてて。
めっちゃチヤホヤされてご機嫌だった。
マダム一行が辞した時にはニーナも私もクタクタになってたのに、お義母さまとお祖母様はまだまだ元気だった。
同じくらいは着せ替えしたのに。
私はちょっと休むとニーナとお部屋に戻って、ニーナも少し休むように伝えた。
ニーナはそろそろ休暇を取るように伝えてるんだけどお式の前後一週間で良いという。だめじゃん。
サーキス家の方もあるし、有給休暇一ヶ月くらい取ってほしい。
ルークもニーナと同じ意見だそう。
「私の留守中に楽がしたいと?」
とか言われちゃって、ジュリアスさまはそれ以上言えなかったらしい。
休んだら休んだ分の仕事が溜まる、捌くのは未来の自分だ、とか死んだ魚のような目でブツブツ言われたんだって。ブラックの末期の人だ。
怖いよ!みんなで手分けしてくれるよ!
目を開けるとジャスパーがジュリアスさまの顔に乗っかって寝てた。
強制猫吸いになってる。
う、羨ましくなんかないんだからね!
「ジャスパー、顔は窒息しちゃうからダメだよ」
『ンッニャ!』
なんか鳴き方が変なんだな~。
「思わぬ暗殺の仕方があったものだ」
ジュリアスさまがジャスパーを片手で持ち上げ、私をもう片方の腕で抱き上げる。
朝から筋肉の力強さにうっとりだ。
「おはよう、リーシャ」
「おはようございます」
朝のハグとキスをジャスパーが戯れて邪魔をする。
まだ産んでないのに子供を挟んだ夫婦みたいな体験をしちゃったよ!
『俺にもするが良いのだ!』
仲間外れはダメだと言い出したので遠慮なく猫吸いをしてみた。
やわやわお腹とふわふわ毛は最高でした。
今日もジャスパーはジュリアスさまについていくらしい。私にもアズライトがいるけどアズライトは気まぐれだしべったりはないからね。
齢何百?な古代龍と生まれたての精霊は比べるものでもないか。
ジャスパーは伸びをしてから羽をパタパタさせてちょっと浮いた。
うん、羽は意味をなしてないね。
魔力で浮いてるんだもの。
『主の好みに寄せたんだぞ!』
だから心まで読まなくて良いんだってば。
ジャスパーはアズライトとは違って話す時はその場にいるみんなにわかるようにしてる。アズライトはその場その場で聞かせる相手を決めてる。性格の違いかな?
朝食後にジュリアスさまたちとお義父さまたちを見送るとお義母さまとお祖母様にお茶に呼ばれた。
午後から、延期になってたマダム・シフォンが来てくれるので次のドレスの希望はないかって。
もうクローゼットはいっぱいだよ!マジックボックスまで追加しそうな勢い。
特に希望はないのでニーナやサラとメルにお任せする。
アズライトはドレス選びと聞いてディディエを連れてお出かけしちゃった。ポムとティムは女の人にチヤホヤされるのは大好きなので喜んで参加だよ。
「本日もお呼び頂けて光栄ですわぁ」
相変わらず元気なマダムがお弟子さん、お針子さんを連れて現れた。
次々とドレスに入ったケースが運び込まれてトルソーに着せられ、一気に室内が華やかになった。
「まぁまぁ!シフォンちゃん!最高ねぇ」
私たちのドレスを一通りチェックしてから本日のメインであるニーナのウェディングドレスを確認する。
「美しいわぁ!」
「これは繊細だねぇ」
ルークの色合いなので銀と青。グレーデン家の嫁には赤と金が基本なのでとても新鮮だ。
「ルークにあげるのはちょっと悔しい」
「もう、リーシャちゃんったらニーナが好きすぎるわよぉ☆」
私だけのニーナなのに。
「まぁまぁ!リーシャさま。殿方との愛と主従の愛は全くの別物ですわ。ニーナさまのリーシャさまへの愛は揺らぐものじゃないのですわ」
「当然です」
マダムが慰めてくれてニーナが肯定してくれる。
ヤキモチは仕方ないの。ニーナは大事。
ニーナのスカートをちょっと握りしめちゃう。
「ほほほ、リーシャさま」
マダムがこそっと私に耳打ちしたのでニーナを離して、フッティングに行ってもらう。
仕切り向こうなので小声でニーナのベールを渡された。
丁寧に刺繍されてすでに最高なベールなんだけど、小さなガラスビーズをニーナの同僚に一粒ずつ縫い付けてもらうの。
最後はお義母さまとお祖母様、私で刺繍を追加して完成させるって感じで。
なのでニーナが見てないうちに侍女長に渡してお願いしておく。
「素敵なアイディアですわね」
私のせいでニーナも人との付き合いが少ないからグレーデンではたくさんの人と繋がっていくってなれば良いなって。
ニーナが着付けを済ませてその姿を見せてくれた。
「綺麗ねぇ」
「よく似合ってるさね」
スタイル抜群で美人なニーナ、めっちゃ神々しい。あのルークの横に並んでも遜色ない!
お色直し用のドレスは私からとお義母さまからのプレゼント。
どっちも似合う。本番で宝石とセットになったらもっとシャイニング!!
「やっぱり女の侯爵家がいると華やかねぇ」
「そうさねぇ!」
褒めまくられて頬がピンクに染まったニーナはめちゃくちゃ可愛かった。ルークは当時まで見られないんだ。ちょっと優越感。
ポムとティムも拍手して褒めてる。
サイズ調整も必要ないそうなので一安心。
お義母さまが可愛い下着セットまで贈ってた。・・・盲点!!
そのあとがまた次のドレスの話になって長かった・・・。
生地がいっぱい出て来て新作のレースとかも見せてもらって。
お針子のお姉さんたちがポムとティムにお土産でベストを作って来てくれてて。
めっちゃチヤホヤされてご機嫌だった。
マダム一行が辞した時にはニーナも私もクタクタになってたのに、お義母さまとお祖母様はまだまだ元気だった。
同じくらいは着せ替えしたのに。
私はちょっと休むとニーナとお部屋に戻って、ニーナも少し休むように伝えた。
ニーナはそろそろ休暇を取るように伝えてるんだけどお式の前後一週間で良いという。だめじゃん。
サーキス家の方もあるし、有給休暇一ヶ月くらい取ってほしい。
ルークもニーナと同じ意見だそう。
「私の留守中に楽がしたいと?」
とか言われちゃって、ジュリアスさまはそれ以上言えなかったらしい。
休んだら休んだ分の仕事が溜まる、捌くのは未来の自分だ、とか死んだ魚のような目でブツブツ言われたんだって。ブラックの末期の人だ。
怖いよ!みんなで手分けしてくれるよ!
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