ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

375話

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 行くところと言えば、ほぼ離れだけなのにちょっと護衛を増やされてしまった。
 チェイスさんとアモンさんは「ラッキーだわ」ってご機嫌で付いてくれた。
「臨時!短期!」
 って僅かに抵抗しておいたけど「冷たいこと言うねぇ」って笑顔で流された。

 プルルン畑は一回まっさらに均されて浄化魔法使ってポムが土を裏返して、腐葉土混ぜてってしてから「え~い!」と成長させたのでほぼ元通りになった。
 半分はプルルン以外のポムとティムの好物の果物畑になった。新しいほうがプルルンだらけになったからだそう。

 お尻フリフリして畑を走り回ったあと、フンスッと満足そうにしてたのでご機嫌は直ったようだ。
 ディディエも嬉しそうに畑の上をぐるぐる飛び回ってた。良きかな。

 アズライトは島の中の問題じゃないからスライム殲滅したあとはあまり気にしてない。それもどうなのって感じだけど。

 行きそびれた訓練場のマイ酒蔵と作業場にやっと行くことができた。

 お酒はせっかくなのでチョコレートリキュール狙いで仕込みしてみた。
 麹の分量とかをケビンが細かく記録してくれて、傾向がわかってきた。
 ビールっぽいのも出来るようになった。
 外国っぽいほうだけど。
 黒ビールはちょっとばかりテンション上がった。ウインナー食べたい。

 チェイスさんとアモンさんがお酒確認中、物欲しそうに見てた。甘やかさないよ!って思いつつ、私があまり飲ませてもらえないスピリット系のを分けた。度数高過ぎは未だ厳しい。
 タンクの前で五体投地されたらね。
 そこまでかってなっちゃった。
 味見をさせると多分タガが外れそうだから今日はしなかった。

 呑兵衛の気持ちはわかるけどわかるゆえにってヤツだ。

 作業部屋の素材にはみんな引いた。
 でしょうね!って感じ。
 一旦アイテムボックスに仕舞うべきかしら。

「大旦那さまってパねぇっすわ」
「これ好きに使えって言われたらチビりそう」
 お漏らしはダメだってば。

「ここに盗みに入る度胸のある奴はいないだろうけどちょっと不用心だな」
 って言われちゃったのでやっぱりアイテムボックスに収納した。

「何か目に見えない宝石を山盛り着けてる女ですわ!お高い女っすわ!」
 チェイスさんは気を抜くと話し方が変になるね。
 何億円ものジュエリーを着けて歩いてるって言いたいんだろうけど多分考えてる数倍の金額がアイテムボックスに入ってるよ。
 お祖母様って自分で素材集めるってお母さまが言ってたからあちこち行ってたって事だよね。非常に価値の恐ろしい素材の数々。
 私の口座と合わせたらヤバくない?
 ちっとも使う機会がないからお金の価値がわからなくなりそう。

 好きなだけ魔道具を作ってとか出来るんだけどね。
 オレイユにいた頃にお母さまの残してくれた隠し部屋の中身とか気付いてたら食事に困ること無かったかも、イダルンダにバレてたら利用されてただけだよね。たらればはやっぱり意味がないな。
 まさかお祖母様の遺産とかお父さまのとかあると思って無かったしね。

 アイテムボックス内がカオス過ぎるからいつか次の世代に渡す時はもう少し気が軽くなる程度にしてあげたい。
 いや、私の次ってどうすれば良いんだろう??
 まぁまだ先の話ってことで。

「みんな訓練とか好きにしてて」

 思考の迷宮に入りそうだったので気分を変えてスライムの囮罠を作ることに。

 使われてるのを見せてもらったけど、本当にスライムを寄せてバリバリっと電気で気絶させて箱に溜めるって言う簡易魔道具だった。
 雷属性のスライムだったら逃げられるんじゃ?って思ったら、属性持ちはレア種だからそうそう増えないから見つけることも難しいそうで囮罠で捕まえる想定はしてないんだって。
 この魔法式と魔法陣を利用して寄せる力を増幅させて範囲に入ったら絶対逃げ出せないよう捕縛する〈吸引〉と〈吸着〉で罠にハマったら〈空間魔法〉で保管される設定にした。
 マジックボックスみたいな役割だけどスライム限定ね。スライムから採れるのは小さな核だけど生活魔法に使うらしいから大事。
 ゼリー状の素材も色々使えるけどしばらくはポムたちの前で見せない方がいいだろう。

 池の周囲に配置するには・・・とりあえず百あれば良いかな。必要ならまた作れば良い。
 錬金台で一気に作業を進めて魔石も鋼板も一気に消費しちゃった。
 ホーンの時ぶりに思いっきり魔力を消費できた。スッキリ。

 アモンさんが出来上がった囮罠を見てちょっと固まった。
「・・・これ止めなかったも怒られるやつか?」
「いやー?これは無理じゃね?」
ってチェイスさんとこそこそ相談し始めた。

 え?ただの囮罠なのにダメなの!?
「これは必要なモノですので怒られはしないと思いますよ。ただリーシャさまは報告、連絡、相談をしなかったのでちょっと言われると思います」
 ニーナ!!!!??

 何てこった。簡易囮罠を改良しただけなのに報連相しなかったとか言われちゃうのか。

 大ショック。

 窓辺で微睡んでたアズライトがそばに来てポンと肩に乗って慰めてくれた。

「ルークに内緒で設置しちゃえば・・・」
「「「無理です」」」
「「無理だな」」

 ですよねー。

 ポムたちのご機嫌のためなんだから良いじゃないの。

 お片付けして、しょんぼりしながら本邸に戻ったよ。





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