ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

374話

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 ジュリアスさまの帰宅はいつもより少し早くて、私の心配をしてくれた。騎士さんいっぱい来てくれたから大丈夫だったよ。
 ルークが今夜は屋敷周りの警戒を受け持ってくれるそうだ。
 ジュリアスさまより実働時間が長いから過労にならないようにしてほしい。


 食後のチョコ争奪戦はちょっと引くほどだった。
 やっぱり禁止事項だったと思う。
 ポムたちのご機嫌が直ったのだけは幸い。

 お義父さまとお義母さまがいつにも増してバカップルのような甘い空気を醸し出した。仲良きことは美しきかな、だけど目の毒だね!
 媚薬成分でも入っていたかと鑑定してしまったよ。もちろんセーフ。
 大昔は媚薬効果があるとか言われてたけどそうでもないはずよね!

 セリウスさまとクラウスさまはチョコを拝んでた。
 
 ポムとティムはチョコさまを掲げて千鳥足になりつつ踊り始めた。
 あ、動物にチョコとか普通はだめだけど、魔獣で雑食なので問題無いみたい。うっかりクッキーとか入ってるに渡してたから動物の禁忌食物を思い出した時は焦ったけど、魔獣なんでもいけた。

 ディディエは何故かずっとルルゥに頬擦りしてる。酔っ払い?
 アズライトはスパイス入りにパバブの葉っぱを巻いて食べてる。それ美味しいの?

 ジュリアスさまはビターめのを喜んでくれて、スパイス入りがお気に入りになった。
 
 ちょっとだけお酒も飲めた。ブランデーと日本酒っぽいのを出したよ。

「ふあぁ~♫」

 チョコの香りとアルコールって贅沢だよね。

「リーシャ、幸せそうだ」
「はい~」

 ふわふわな気分になるよ。ジュリアスさまのお膝の上でジュリアスさまの体温と筋肉に包まれながらチョコとお酒。ヘブン!!

「兄上たちまでイチャつかないでよー」
「彼女なしの僻みはみっともないわよぉ」
 クラウスさまがぼやくとルルゥが揶揄う。
「僻んでないよ~、暑苦しいでしょー」
「お相手がいる時はそうは思わないのよぉ~」
 身もふたもないツッコミで撃沈したクラウスさまがルルゥにヘッドロック状態にされる。
「うっふふ♡私に胸で泣いても良いのよぉ」
「イーラーナーイー!!」
 うらやまけしからんムキムキ上腕と胸筋のサンドイッチにされてちょっと昇天されかけてる。
 タオルを投げるべきかしら。
 やりすぎだと侍女長とメイド長にチョップされてた。
 

 食後にアズライトに精霊樹へのお供えのお酒とチョコを預けた。

『主が持って行ったほうが喜ぶと思うがの?』
 なんかまたすごい精霊が生まれる瞬間とか見せられそうだから良いです。

 食後はセリウスさまとクラウスさまは、畑周りの警戒に混ざってくるって行っちゃった。
 ルルゥたちに夜番をしてくれる騎士さんたちにお夜食を出してもらうようにお願いしておいた。
 
 翌朝、スライムの出没の原因を朝トレで走っていた騎士さんが見つけたと知らされた。

 池からコロコロっと風に煽られて転がって出てきたスライムが近くにあった木に当たって、その木の実を食べて分裂を始めたそう。
 要するに魔素が濃い池から生まれちゃって魔素が濃い植物を食べちゃうから増えたと。

 池から頻繁に生まれたら困るね。

『あまり弱すぎるモノを排除すると魚も全滅してしまうしの、どうしたものか』
 アズライトが言うにはスライムは水場には多少出てくるけどそう極端に増えないのだそう。
 アズライトやポムとティム、ディディエと言った希少な存在がいて魔素が増えてるからとか、ダンジョンが出来たからとか?

 (また畑が犠牲になるとポムたちが発狂するからスライムはダメね)

 魔物避けが効かないほど弱いのか~。魔王になるスライムもいたと言うのに!!(漫画の読みすぎ)

「スライムは囮罠でどうにかなるよー」
 今までそんな必要がなかったから使ってないだけで一応方法はあるんだそう。
 ポムたちが発狂しなくてすみそうで良かった。

 騎士さんたちは朝トレがてら池の周りをランニングして警戒するとか決めてくれた。
 ・・・池めっちゃ広いっすけど。鋭意拡大中ですけど良いんですか?

 アズライトにあまり広げないように伝えたけど、無視された。許すまじ。

 慌しかったあとアズライトたちに聞いたら、精霊樹のお供えはやっぱりブワッとなったらしい。
 カカオの樹とか生まれちゃうとかはなかったみたい。
 残念。
 定期的に輸入出来るから良いのだ。
 毎日山ほど食べたらダメだけどね。
 
 アズライトからは精霊王からお返しで貰ったと言う仙桃のリキュールをもらった。飲んで良いやつかな?

 今日は本当はマダム・シフォンが来てくれる予定だったのだけど、大事をとって中止の連絡を入れてたそうで。ニーナのウェディングドレスを楽しみにしてたのに先延ばし。

 スライムのヤツーーってことで囮罠の超強化版を作ることにした。良い匂いさせて奈落に落ちるみたいな落とし穴にしてやるー!




 









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