383 / 710
二章
373話
しおりを挟む
プルルン畑がしばらく使えないのをポムたちががっかりしてるのをお義父さまが気を遣って屋敷の奥側の少し離れた場所を畑にしても良いと言ってしまった。
屋敷周りがどんどん畑になっていくんじゃ?
「ポムたちが悲しいのはだめよぉ。かわいそうだわぁ」
お義母さまもそう言ったのでお義父さまがポムたちを肩に乗せて張り切って開墾に行ってしまった。
「美味しい果物は大事よぉ」
お義母さま、プルルン大好きだった。いっぱい食べるためなら美観景観は気にしないようだ。
屋敷の庭を出れば、畑がある場所以外はほぼ原っぱだから畑になったほうが彩りあって可愛いかも。
私はポムたちにはついていかず、ルルゥたちとおやつを作ることにした。
結局は私もポムたちに弱い。
「スライムってあんなに出てくるもの?」
クッキー生地をいじりながらニックスたちとおしゃべり。
「いやー、珍しいと思います。おそらく魔素の濃い土地に偶然生まれた個体がたまたまあった魔素豊富なプルルンを食べてしまったからとか・・・かと」
魔素が多くて分裂したってことかな。
「魔物避けがあってもどうしても紛れ込んだり自然発生はあり得ちゃうのよねぇ」
ルルゥはクッキーに挟みジャムを混ぜながら話に交ざってきた。
ベンはケーキ用のクリームとコーナの担当。
他のコックさんは夕食用の下拵えをしてる。
「今回は一気に増えたみたいだから異常事態の扱いよねぇ」
魔の森産やポム◯んちが問題だったらどうしよう。
「まぁねぇ、畑周りはよっぽどの高ランクが出てこない限りケビンやドーリーたちで処理できるから心配ないわよぉ」
「さすがにあれだけの数を見逃していたとかはないだろうから急な発生については調査して対処すると思うんで心配ないですよ」
安心させようとしてくれてるらしい。
機械から出してもらったコーナを加工してみることに。
いつもは溶かし出したコーナに生クリームと砂糖を混ぜて板チョコ状に固めるかケーキにかけるくらいだけど、ついに禁断の加工をしちゃおう。
テンパリングはベンに指示してやってもらった。
「あら?」
滑らかになると良いな。
中身を柔らかソフトなチョコにしてジャム入りとお酒入り、スパイス入りでやってみた。
味見してもらったらルルゥはやっぱりスパイスをもっと活かしたいと考えだして、ニックスはジャムの種類を変えて試し出した。
思考の迷宮に行っちゃった二人は置いといてベンと一緒に出来上がったソフトなチョコの上にコーティング用のチョコをかけた。
残った分はちょっとトリュフっぽくした。
夕食の方をしてくれてるコックさんがコーナの香りに興味津々で気もそぞろなので味見をどうぞって言ったら物凄い勢いで群がった。
その中にお義母さまがいるのはお約束。
マギー先生までいたのは笑った。
後ろでニーナが苦笑してたので一押しのベリーっぽい風味のジャムを使ったのを味見してもらった。
「甘みの中に酸味があって・・・口の中で蕩ける感じが幸せです・・・」
うっとりしてるので成功だ。
ルルゥとニックスが再起動して、味見でほとんど消えたのを見てみんなを止めて、ちょっと揉めた。
以前心配した通りに中毒になりそうな人を量産してしまった。
でもちゃんとしたチョコ食べたかったし、落ち込んだポムたちが嫌な気持ちを吹き飛ばせるくらいのオヤツはチョコしかないんだもの。仕方ないよね!
「リーシャちゃん、これは危険!輸入は確保できてるけど足りない気がするわ!!」
うーん、ポムがチョコの美味しさに衝撃を受けて、グレーデンで育つ種をゲット(う◯ち)してくれると良いね!
「ルルゥ~、ハチミツ味が欲しいわぁ」
お義母さまがなぜか酔っ払いのようのクネクネふわふわしてる。
お酒入りのやつは一応アルコール飛んでるよね!?
「大奥様、コーナで酔ったのかしらぁ?」
「これは酒より危険かもしれないやねぇ」
ルルゥがお義母さまの手からコーナを乗せたお皿を取るとポカポカっとパンチしてる。
お酒命なマギー先生が危険と言っちゃうくらいチョコはやばいらしい?
「舌触り、香り、味と今までにない素晴らしい甘味よぉ~、天上の国にご招待を受けた気分だわぁ♡」
お義母さまが昇天しちゃってる!!
ケーキやプリン、パフェと毎回うっとりしてたのに最上級な感じだ。
天上に行けちゃうお味なら精霊王にお供えしないとだね。あとでアズライトに預けよう。
「みんな、そろそろ夕食の準備に本腰よぅ?切り替えなさい~」
そんなわけで厨房から撤退。
マギー先生がチョコに合う酒はないのかいっておねだりしてきたのでシャンパンっぽいのとブランデーを渡した。
ソムリエならチョコの種類に合わせて出せるだろうけど残念ながら無理。
味見用のをちゃっかり数粒確保してたらしく、ひよっこと飲むさねって行ってしまった。ロジャー先生はいつまでひよっこなのか。昇進する日が来ると良いね。
「リーシャちゃんはまだまだ未知なおやつを隠してるのねぇ」
お義母さまが期待に満ちた笑顔を見せてくれたけど、チョコが最終形態だと思う。
答えはノーーー!!なんだけど曖昧に笑っておいた。
玄関が騒がしくなったと思ったらお義父さまとポム、ティム、ディディエ、アズライトとなぜかシエルまで泥まみで戻ってきた。
ハロルドがぷりぷり怒りながら〈洗浄〉をかけて、みんなをお風呂に連行した。
畑でハッスルしちゃったんだね。
屋敷周りがどんどん畑になっていくんじゃ?
「ポムたちが悲しいのはだめよぉ。かわいそうだわぁ」
お義母さまもそう言ったのでお義父さまがポムたちを肩に乗せて張り切って開墾に行ってしまった。
「美味しい果物は大事よぉ」
お義母さま、プルルン大好きだった。いっぱい食べるためなら美観景観は気にしないようだ。
屋敷の庭を出れば、畑がある場所以外はほぼ原っぱだから畑になったほうが彩りあって可愛いかも。
私はポムたちにはついていかず、ルルゥたちとおやつを作ることにした。
結局は私もポムたちに弱い。
「スライムってあんなに出てくるもの?」
クッキー生地をいじりながらニックスたちとおしゃべり。
「いやー、珍しいと思います。おそらく魔素の濃い土地に偶然生まれた個体がたまたまあった魔素豊富なプルルンを食べてしまったからとか・・・かと」
魔素が多くて分裂したってことかな。
「魔物避けがあってもどうしても紛れ込んだり自然発生はあり得ちゃうのよねぇ」
ルルゥはクッキーに挟みジャムを混ぜながら話に交ざってきた。
ベンはケーキ用のクリームとコーナの担当。
他のコックさんは夕食用の下拵えをしてる。
「今回は一気に増えたみたいだから異常事態の扱いよねぇ」
魔の森産やポム◯んちが問題だったらどうしよう。
「まぁねぇ、畑周りはよっぽどの高ランクが出てこない限りケビンやドーリーたちで処理できるから心配ないわよぉ」
「さすがにあれだけの数を見逃していたとかはないだろうから急な発生については調査して対処すると思うんで心配ないですよ」
安心させようとしてくれてるらしい。
機械から出してもらったコーナを加工してみることに。
いつもは溶かし出したコーナに生クリームと砂糖を混ぜて板チョコ状に固めるかケーキにかけるくらいだけど、ついに禁断の加工をしちゃおう。
テンパリングはベンに指示してやってもらった。
「あら?」
滑らかになると良いな。
中身を柔らかソフトなチョコにしてジャム入りとお酒入り、スパイス入りでやってみた。
味見してもらったらルルゥはやっぱりスパイスをもっと活かしたいと考えだして、ニックスはジャムの種類を変えて試し出した。
思考の迷宮に行っちゃった二人は置いといてベンと一緒に出来上がったソフトなチョコの上にコーティング用のチョコをかけた。
残った分はちょっとトリュフっぽくした。
夕食の方をしてくれてるコックさんがコーナの香りに興味津々で気もそぞろなので味見をどうぞって言ったら物凄い勢いで群がった。
その中にお義母さまがいるのはお約束。
マギー先生までいたのは笑った。
後ろでニーナが苦笑してたので一押しのベリーっぽい風味のジャムを使ったのを味見してもらった。
「甘みの中に酸味があって・・・口の中で蕩ける感じが幸せです・・・」
うっとりしてるので成功だ。
ルルゥとニックスが再起動して、味見でほとんど消えたのを見てみんなを止めて、ちょっと揉めた。
以前心配した通りに中毒になりそうな人を量産してしまった。
でもちゃんとしたチョコ食べたかったし、落ち込んだポムたちが嫌な気持ちを吹き飛ばせるくらいのオヤツはチョコしかないんだもの。仕方ないよね!
「リーシャちゃん、これは危険!輸入は確保できてるけど足りない気がするわ!!」
うーん、ポムがチョコの美味しさに衝撃を受けて、グレーデンで育つ種をゲット(う◯ち)してくれると良いね!
「ルルゥ~、ハチミツ味が欲しいわぁ」
お義母さまがなぜか酔っ払いのようのクネクネふわふわしてる。
お酒入りのやつは一応アルコール飛んでるよね!?
「大奥様、コーナで酔ったのかしらぁ?」
「これは酒より危険かもしれないやねぇ」
ルルゥがお義母さまの手からコーナを乗せたお皿を取るとポカポカっとパンチしてる。
お酒命なマギー先生が危険と言っちゃうくらいチョコはやばいらしい?
「舌触り、香り、味と今までにない素晴らしい甘味よぉ~、天上の国にご招待を受けた気分だわぁ♡」
お義母さまが昇天しちゃってる!!
ケーキやプリン、パフェと毎回うっとりしてたのに最上級な感じだ。
天上に行けちゃうお味なら精霊王にお供えしないとだね。あとでアズライトに預けよう。
「みんな、そろそろ夕食の準備に本腰よぅ?切り替えなさい~」
そんなわけで厨房から撤退。
マギー先生がチョコに合う酒はないのかいっておねだりしてきたのでシャンパンっぽいのとブランデーを渡した。
ソムリエならチョコの種類に合わせて出せるだろうけど残念ながら無理。
味見用のをちゃっかり数粒確保してたらしく、ひよっこと飲むさねって行ってしまった。ロジャー先生はいつまでひよっこなのか。昇進する日が来ると良いね。
「リーシャちゃんはまだまだ未知なおやつを隠してるのねぇ」
お義母さまが期待に満ちた笑顔を見せてくれたけど、チョコが最終形態だと思う。
答えはノーーー!!なんだけど曖昧に笑っておいた。
玄関が騒がしくなったと思ったらお義父さまとポム、ティム、ディディエ、アズライトとなぜかシエルまで泥まみで戻ってきた。
ハロルドがぷりぷり怒りながら〈洗浄〉をかけて、みんなをお風呂に連行した。
畑でハッスルしちゃったんだね。
361
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる