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二章
372話
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しばらくは王都やカイダール行きの皺寄せが残ってるけど、ジュリアスさまにルークに一日か二日、ニーナを連れてお出かけ出来る日を取ってもらえるようにお願いした。
従者想いの良い子って受け止められちゃったけど、ニーナの留守に何かお祝いを作りたいだけなの。
都合がついたら教えてもらえるので、しばらくは素材の吟味をしよう。
訓練場の作業部屋にお義父さまがたくさん置いてくれたのでいっぱい選べるよ。
ご機嫌で離れの方に向かえば、ポムたちがなぜかさっきだって奥の畑に走って行った。
「プッキューー!!!!!」
「モッキューーーーー!!!!」
「グッギャーーーー!!」
温厚なディディエまで眼をとんがらせて飛んでいく。
「ジェイク、狼煙を」
アランとジェイクが警戒態勢になった。
狼煙は魔道具で空に紫色の煙を飛んだ。
私を屋敷に戻すべきかと二人が相談してたらアズライトが、
『危険では無いが作物が全滅する前に処理せんとの』
って言いながらポムたちの後を追って行った。
「アラン、ジェイク、危なくないみたい」
すでに狼煙を上げちゃったのでちょっと困惑しちゃうよね。
とりあえず畑を確認に向かうとプルルン畑に透明な軟体がたくさんポヨンポヨンと熟した実をシュワーと吸収?してた。
「ス・・・スライム・・・」
へ!あの「いじめる?」とかやっちゃうやつ!
「なぜこんなところに!?」
ポムがキックを入れるとスライムがたゆゆんと揺れて逃げる。キリがなさそうだ。
バタバタと近くにいた庭師さんや近くの馬屋番さんたちが集まってきて、見回りの騎士さんも集まってきた。
「なんでこんな発生してるんだ!」
「とにかく潰せ!!」
スライムは小型だとあんまり人に害はないらしい。集合しちゃうとかレア種はちょっと面倒なんだとか。
とにかくポムたちが好物のプルルンの危機に激おこでアズライトは『核は畑の肥やしにしてやろうの』って言いながら尻尾でバシバシ核を潰している。
なんか可愛くプルプルしてるのに駆逐する勢いで潰されてるのが可哀想な感じ。
「あらぁ?大発生ねぇ!久しぶりに見たわぁ」
ルルゥやニックスたちまでやってきた。
「リーシャちゃん、一応素材になるけど要るかしらぁ?」
確かプルル草に似た性質があるんだっけ。もしかしてプラスチックとか出来ちゃうかな。
「プッッギューーーーー!!??」
「モッギューーッゥ!!?」
ポムとティムがめっちゃキレた。「絶対許さん」「絶滅せよ」ってことらしい。
「あらぁ?怒りん坊ねぇ~」
今回は素材は諦めて別口で入手出来た時にもらおう。
パワー系の人は拳や剣や斧でぶっ飛ばし、魔法が使える騎士さんたちは風魔法でぶった斬って、火魔法で蒸発させたりであっという間に消えちゃった。
「そうねぇ、大したことなくっても食物に集る虫は駆逐しないとなのよねぇ」
あんな緩い生き物なのに黒光りするヤツの扱い!!
無惨にハゲ散らかしたプルルンの畑を見てポムとティムが崩れ落ちた。
そんなにか。
一匹くらいテイムできたらとか思ったけどこれは無理だったね。
「ポム、ティム、三日分くらいは保管してるからまた育ててちょうだい~」
ルルゥがディディエを撫でながら励ました。
とりあえずスライムの粘液がついた場所とかは刈り取ってしまわないとだそうで、庭師さんたちが一斉に手入れに入ってくれた。
「なんであんなに発生したのかな?」
「自然発生だから美味しい物をあったからってことじゃなぁい?」
ええ~、グレーデンの畑は美味しい物だらけだよ。
「早めに見つけて潰しちゃえばそんな害はないのよぉ~」
かなりエグい数いたのよ・・・。
ふっと空が翳ったと上を見ればワイバーン隊が降りてきた。
「あ、連絡忘れてたのかしらぁ?」
あ!!
「リーシャちゃん!!」
降りてきたのはセリウスさまの隊だった。
大丈夫だったかと確認してくれたあと、アランやケビンさんから説明を受けたセリウスさまはスライムかーってちょっと拍子抜けしたのか苦笑した。
「この辺りに出てくるのは異常だから原因は突き止めないとだな」
魔物避けが効いてないとかだったらやばい。
「兄上、スライムでした。駆逐は済んでます」
セリウスさまは魔道具の伝心鳥に伝言を預けて飛ばした。
「兄上が飛び出しそうだったけど色が紫だったから我慢してもらったよー」
色合いによって緊急度が違うみたい。アランとジェイクは気配か何かで大物ではないと判断して紫を使ったんだそう。
順番は赤、青、黄、紫、緑らしい。
ポムたちがすぐに魔法で土慣らししたがってたけど、現場検証的な調査をさせてくれって騎士さんたちにお願いされて折れてくれた。
良い子なのでクッキーをあげたよ。
結局騒がしくて落ち着けないので屋敷に戻ることになった。
ポムたちは調査を見守るとかで残るっていうので騎士さんに託した。
アズライトはしばらく見ておくって。
戻ったら、お義父さまが出迎えてくれて、「大変じゃったのぅ」って背をポンポンしてくれた。
真っ先に飛んできそうなお義父さまが出なかったのは紫だったからだそう。
緊急度が低い時は後進の成長にために出しゃばらないと我慢してるそう。
予定が崩れちゃったけど、騒ぎのわりに危険度がたいしたことなかったので良かった。
ポムたちにはとんだ災難だったけどね。
従者想いの良い子って受け止められちゃったけど、ニーナの留守に何かお祝いを作りたいだけなの。
都合がついたら教えてもらえるので、しばらくは素材の吟味をしよう。
訓練場の作業部屋にお義父さまがたくさん置いてくれたのでいっぱい選べるよ。
ご機嫌で離れの方に向かえば、ポムたちがなぜかさっきだって奥の畑に走って行った。
「プッキューー!!!!!」
「モッキューーーーー!!!!」
「グッギャーーーー!!」
温厚なディディエまで眼をとんがらせて飛んでいく。
「ジェイク、狼煙を」
アランとジェイクが警戒態勢になった。
狼煙は魔道具で空に紫色の煙を飛んだ。
私を屋敷に戻すべきかと二人が相談してたらアズライトが、
『危険では無いが作物が全滅する前に処理せんとの』
って言いながらポムたちの後を追って行った。
「アラン、ジェイク、危なくないみたい」
すでに狼煙を上げちゃったのでちょっと困惑しちゃうよね。
とりあえず畑を確認に向かうとプルルン畑に透明な軟体がたくさんポヨンポヨンと熟した実をシュワーと吸収?してた。
「ス・・・スライム・・・」
へ!あの「いじめる?」とかやっちゃうやつ!
「なぜこんなところに!?」
ポムがキックを入れるとスライムがたゆゆんと揺れて逃げる。キリがなさそうだ。
バタバタと近くにいた庭師さんや近くの馬屋番さんたちが集まってきて、見回りの騎士さんも集まってきた。
「なんでこんな発生してるんだ!」
「とにかく潰せ!!」
スライムは小型だとあんまり人に害はないらしい。集合しちゃうとかレア種はちょっと面倒なんだとか。
とにかくポムたちが好物のプルルンの危機に激おこでアズライトは『核は畑の肥やしにしてやろうの』って言いながら尻尾でバシバシ核を潰している。
なんか可愛くプルプルしてるのに駆逐する勢いで潰されてるのが可哀想な感じ。
「あらぁ?大発生ねぇ!久しぶりに見たわぁ」
ルルゥやニックスたちまでやってきた。
「リーシャちゃん、一応素材になるけど要るかしらぁ?」
確かプルル草に似た性質があるんだっけ。もしかしてプラスチックとか出来ちゃうかな。
「プッッギューーーーー!!??」
「モッギューーッゥ!!?」
ポムとティムがめっちゃキレた。「絶対許さん」「絶滅せよ」ってことらしい。
「あらぁ?怒りん坊ねぇ~」
今回は素材は諦めて別口で入手出来た時にもらおう。
パワー系の人は拳や剣や斧でぶっ飛ばし、魔法が使える騎士さんたちは風魔法でぶった斬って、火魔法で蒸発させたりであっという間に消えちゃった。
「そうねぇ、大したことなくっても食物に集る虫は駆逐しないとなのよねぇ」
あんな緩い生き物なのに黒光りするヤツの扱い!!
無惨にハゲ散らかしたプルルンの畑を見てポムとティムが崩れ落ちた。
そんなにか。
一匹くらいテイムできたらとか思ったけどこれは無理だったね。
「ポム、ティム、三日分くらいは保管してるからまた育ててちょうだい~」
ルルゥがディディエを撫でながら励ました。
とりあえずスライムの粘液がついた場所とかは刈り取ってしまわないとだそうで、庭師さんたちが一斉に手入れに入ってくれた。
「なんであんなに発生したのかな?」
「自然発生だから美味しい物をあったからってことじゃなぁい?」
ええ~、グレーデンの畑は美味しい物だらけだよ。
「早めに見つけて潰しちゃえばそんな害はないのよぉ~」
かなりエグい数いたのよ・・・。
ふっと空が翳ったと上を見ればワイバーン隊が降りてきた。
「あ、連絡忘れてたのかしらぁ?」
あ!!
「リーシャちゃん!!」
降りてきたのはセリウスさまの隊だった。
大丈夫だったかと確認してくれたあと、アランやケビンさんから説明を受けたセリウスさまはスライムかーってちょっと拍子抜けしたのか苦笑した。
「この辺りに出てくるのは異常だから原因は突き止めないとだな」
魔物避けが効いてないとかだったらやばい。
「兄上、スライムでした。駆逐は済んでます」
セリウスさまは魔道具の伝心鳥に伝言を預けて飛ばした。
「兄上が飛び出しそうだったけど色が紫だったから我慢してもらったよー」
色合いによって緊急度が違うみたい。アランとジェイクは気配か何かで大物ではないと判断して紫を使ったんだそう。
順番は赤、青、黄、紫、緑らしい。
ポムたちがすぐに魔法で土慣らししたがってたけど、現場検証的な調査をさせてくれって騎士さんたちにお願いされて折れてくれた。
良い子なのでクッキーをあげたよ。
結局騒がしくて落ち着けないので屋敷に戻ることになった。
ポムたちは調査を見守るとかで残るっていうので騎士さんに託した。
アズライトはしばらく見ておくって。
戻ったら、お義父さまが出迎えてくれて、「大変じゃったのぅ」って背をポンポンしてくれた。
真っ先に飛んできそうなお義父さまが出なかったのは紫だったからだそう。
緊急度が低い時は後進の成長にために出しゃばらないと我慢してるそう。
予定が崩れちゃったけど、騒ぎのわりに危険度がたいしたことなかったので良かった。
ポムたちにはとんだ災難だったけどね。
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