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二章
371話
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夕食の席でデイジー嬢のことを伝えたら、ジュリアスさまもお義母さまもすでにご存知で。
「うちの子たちはみんな奥手よねぇ!アモン辺りが行けば良かったと思うのよぉ!ディードは逞しくて優しいから恋しちゃうのもわかるけれどねぇ?ゴツい男が好きな子は貴重だったのにぃ!」
お義母さまもお義父さまもグレーデン騎士団の子を「うちの子」と言って民のことは「うちの家族」って言うの、私はそれが好きなので私もいつかそう言える貫禄を持ちたい。
野蛮だ乱暴だと嫌厭されがちな大男が好きってご令嬢が鴨ネギ状態だったのに何故かうちの騎士さんたちに掠らず一番漢らしさムンムンなディードさんに行っちゃったんだよ。まぁディードさんももう「うちの家族」なので良いのだ。
だがヘタレたちはもっと頑張ってもらいたい。
「さっぱりした気性の良い子だったからあのくらい穏やかな男がいいんだよー」
「そうそう、騎士とか留守がちな男じゃダメだったと思うよー」
おや、セリウスさまもクラウスさまもデイジー嬢には良い印象を持ってたみたい。
ジュリアスさまやセリウスさまたちは滅多に留守にしないけど、所属部隊によっては長期出張みたいに帰って着れないんだそう。
アンゼリカさまみたいに一年とかいないとかもあるそうだ。
「あら、貴方たちだったら範囲内だったてことじゃないのぉ?」
「いやー、俺たちはまだ良いからー」
「僕もまだ良いかなー」
お義母さまが残念そうにしてるけど二人とも全然残念そうじゃない。良い子が好みな子じゃないってことかな。
「そんなこと言ってると気がついたら誰も残ってないんだからぁ⭐︎」
「縁があればいきなり決まるじゃろ、なければそれもまた人生じゃろうて」
お義父さまが大きなお肉を頬張りながら言う。
「母上が父上に申し込まなかったら結婚してないってことー?」
「そうじゃのう、兄上も弟もおるから結婚はあまり考えてなかったのぅ」
後継も望む者がなれば良い的なグレーデン家訓?なので焦ることがないみたい。
「おほほ!私はあの時じゃなくても旦那さまを見つけたら絶対に捕まえたと思ってるわぁ」
二人してお互い以外だったら要らない的な惚気に聞こえます!
お義父さまがちょっと照れてる。お耳と首が赤いよ。レアなお義父さま頂きました!
「でもデイジー嬢とディードのは結婚は村をあげて祝うだろうな」
「そうじゃのぅ、祝儀と酒を贈れば良かろう」
子供達が飲めるようにプルルンジュースとか用意せねば。
そのあとは牧場の話になって。
「チーズの村のレシピを買って色々試してもらっているが、あのミルクを使うと濃厚すぎて逆に扱いが難しいらしくてまだノーマルなチーズしか無理そうだってー」
「そう焦っても仕方ない。ゆっくり進めて貰えば良いだろう」
チーズ作りは詳しくないな。濃厚ってことはクセが強いかな。
でも逆にそれが良いってなるはず。
「ミルクは濃いのが一番よぉ~」
お義母さまは生クリーム大好きだからね。
この世界の生き物って基本デカいよね。魚もすごかったし。
普通サイズのウサギとかいないのかしら。
イ○スタとかツ○ッターとかで見たジャイアントな感じウサギとかよりデカいとか。しかもツノがあって突進してくるってそれイノシシじゃん。
牧場の牛や山羊がデカい馬並みとかやば過ぎだよ。
貯蔵庫にある肉の塊もかなりデカいから慣れたって言えば慣れたけど。
「ルルゥ、タルトを~」
お義母さまが食後のケーキを頼む。
パンはおかわり、ステーキ三枚とかいってたけど、全然胃に余裕があるみたい。
ポムたちもお義母さまの真似をして手を上げて「おかわりー」ってやってる。
頬もお腹がぽんぽこりんだけどまだまだ食べる。ブラックホールモニパル。
「化粧品工場も頑張ってくれてるし、魔道具工房も増築してるし、アッガスもだいぶ上向きだし言うことないわねぇ」
グレーデン領は物凄い勢いで発展してる。
バブルとか起きると反動が怖いからうまいこと運営しないと割を食うのは領民だ。
セリウスさまもクラウスさまも、お義父さまたちも采配をしっかりしてくれてるから心配はないけど。
なんだか色々手を広げていく勢いには漠然と不安が出てくる。
何もかも上手くいってるのが怖いんだろうな。
慣れていくんだろうけど。
食事を済ませてジュリアスさまとお風呂に入った。
「リーシャ?何かあったか?」
私が口数少なかったことを心配してくれて優しく髪を撫でてくれる。
「何もないです。なんだか順調で幸せ過ぎて怖いみたいなそんな気持ちがあって・・・」
下手に隠したり何も答えないとジュリアスさまは心配しちゃうので漠然と思ってることを伝えた。
「そうか。そうだな。今が幸せだとなんとなく不安になる気持ちはわかるな。だが全部一緒に乗り越えて行けばいい」
穏やかで低い声が心に優しく沁みる。
「一緒に・・・」
「一緒だ」
その夜はずっと力強く抱きしめたままでいてくれた。
途中で「うっ!」って聞こえたような気がするけどなんの夢を見たのかな。
「うちの子たちはみんな奥手よねぇ!アモン辺りが行けば良かったと思うのよぉ!ディードは逞しくて優しいから恋しちゃうのもわかるけれどねぇ?ゴツい男が好きな子は貴重だったのにぃ!」
お義母さまもお義父さまもグレーデン騎士団の子を「うちの子」と言って民のことは「うちの家族」って言うの、私はそれが好きなので私もいつかそう言える貫禄を持ちたい。
野蛮だ乱暴だと嫌厭されがちな大男が好きってご令嬢が鴨ネギ状態だったのに何故かうちの騎士さんたちに掠らず一番漢らしさムンムンなディードさんに行っちゃったんだよ。まぁディードさんももう「うちの家族」なので良いのだ。
だがヘタレたちはもっと頑張ってもらいたい。
「さっぱりした気性の良い子だったからあのくらい穏やかな男がいいんだよー」
「そうそう、騎士とか留守がちな男じゃダメだったと思うよー」
おや、セリウスさまもクラウスさまもデイジー嬢には良い印象を持ってたみたい。
ジュリアスさまやセリウスさまたちは滅多に留守にしないけど、所属部隊によっては長期出張みたいに帰って着れないんだそう。
アンゼリカさまみたいに一年とかいないとかもあるそうだ。
「あら、貴方たちだったら範囲内だったてことじゃないのぉ?」
「いやー、俺たちはまだ良いからー」
「僕もまだ良いかなー」
お義母さまが残念そうにしてるけど二人とも全然残念そうじゃない。良い子が好みな子じゃないってことかな。
「そんなこと言ってると気がついたら誰も残ってないんだからぁ⭐︎」
「縁があればいきなり決まるじゃろ、なければそれもまた人生じゃろうて」
お義父さまが大きなお肉を頬張りながら言う。
「母上が父上に申し込まなかったら結婚してないってことー?」
「そうじゃのう、兄上も弟もおるから結婚はあまり考えてなかったのぅ」
後継も望む者がなれば良い的なグレーデン家訓?なので焦ることがないみたい。
「おほほ!私はあの時じゃなくても旦那さまを見つけたら絶対に捕まえたと思ってるわぁ」
二人してお互い以外だったら要らない的な惚気に聞こえます!
お義父さまがちょっと照れてる。お耳と首が赤いよ。レアなお義父さま頂きました!
「でもデイジー嬢とディードのは結婚は村をあげて祝うだろうな」
「そうじゃのぅ、祝儀と酒を贈れば良かろう」
子供達が飲めるようにプルルンジュースとか用意せねば。
そのあとは牧場の話になって。
「チーズの村のレシピを買って色々試してもらっているが、あのミルクを使うと濃厚すぎて逆に扱いが難しいらしくてまだノーマルなチーズしか無理そうだってー」
「そう焦っても仕方ない。ゆっくり進めて貰えば良いだろう」
チーズ作りは詳しくないな。濃厚ってことはクセが強いかな。
でも逆にそれが良いってなるはず。
「ミルクは濃いのが一番よぉ~」
お義母さまは生クリーム大好きだからね。
この世界の生き物って基本デカいよね。魚もすごかったし。
普通サイズのウサギとかいないのかしら。
イ○スタとかツ○ッターとかで見たジャイアントな感じウサギとかよりデカいとか。しかもツノがあって突進してくるってそれイノシシじゃん。
牧場の牛や山羊がデカい馬並みとかやば過ぎだよ。
貯蔵庫にある肉の塊もかなりデカいから慣れたって言えば慣れたけど。
「ルルゥ、タルトを~」
お義母さまが食後のケーキを頼む。
パンはおかわり、ステーキ三枚とかいってたけど、全然胃に余裕があるみたい。
ポムたちもお義母さまの真似をして手を上げて「おかわりー」ってやってる。
頬もお腹がぽんぽこりんだけどまだまだ食べる。ブラックホールモニパル。
「化粧品工場も頑張ってくれてるし、魔道具工房も増築してるし、アッガスもだいぶ上向きだし言うことないわねぇ」
グレーデン領は物凄い勢いで発展してる。
バブルとか起きると反動が怖いからうまいこと運営しないと割を食うのは領民だ。
セリウスさまもクラウスさまも、お義父さまたちも采配をしっかりしてくれてるから心配はないけど。
なんだか色々手を広げていく勢いには漠然と不安が出てくる。
何もかも上手くいってるのが怖いんだろうな。
慣れていくんだろうけど。
食事を済ませてジュリアスさまとお風呂に入った。
「リーシャ?何かあったか?」
私が口数少なかったことを心配してくれて優しく髪を撫でてくれる。
「何もないです。なんだか順調で幸せ過ぎて怖いみたいなそんな気持ちがあって・・・」
下手に隠したり何も答えないとジュリアスさまは心配しちゃうので漠然と思ってることを伝えた。
「そうか。そうだな。今が幸せだとなんとなく不安になる気持ちはわかるな。だが全部一緒に乗り越えて行けばいい」
穏やかで低い声が心に優しく沁みる。
「一緒に・・・」
「一緒だ」
その夜はずっと力強く抱きしめたままでいてくれた。
途中で「うっ!」って聞こえたような気がするけどなんの夢を見たのかな。
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