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二章
368話
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「いやー、うちにも第二夫人希望が来たよ」
ルシード・リュフェリーさまがぼやく。
なんだろ、マッチョ人気が上がったのかしら?
「まぁ金回りが良さそうだからでしょうね」
ルークが言うには最近辺境三家が潤ってると噂になってるからだろうって。
「まだ五歳の子に打診とかもある。面倒なことだ」
ホーン家にも。あの極寒を体験したら引くんじゃないかしら。
「しかし夫人よ、ハーボットが一掃出来たとはいえ嫌疑不十分で逃れた連中もいる。禁断薬術に興味のある愚か者にとって夫人やカイダール男爵は美味しすぎる獲物だ。気をつけることだな」
おー・・・、ハーボットはまだ後を引いてるのか。しぶといな。
あのヘンダーソンとかもそう言うこと?
「あー・・・お兄様のとことの騎士団はまだあれですよね」
「そうだね、自警団にも毛が生えたところだ。ありがたいことに王家とマーベルハント家から護衛隊は派遣していただいてるけどね」
王様!お祖父様!ありがとう。
うーん、グレーデンからも派遣騎士さんを私が雇って行ってもらうのもありかな。あとで相談してみよう。
これじゃシェザール伯父様はいつまでも居た堪れないね。
「うちの孫嫁になんかしようってんなら私が相手になるさ」
お祖母様がドレス姿で腕まくりって袖ないよ!
「あはは、デリア夫人を見たら漏らしながら逃げるな!!」
え、バッチいのでお漏らしはやめてほしい。
顔見知りばかりで集まってるのでチラホラと公爵や侯爵がお祖父様やホーン辺境伯に話しかけたりはあったものの私はジュリアスさまにぶら下がってるだけで済んだ。
ちなみにルークはニーナの腰をずっと抱いてて時折甘い笑顔で話してるので遠巻きにいる令嬢たちが悔しそうなのと見惚れて羨ましそうなのとでニ勢力を確認。
グレーデン男子はモテないけどルークはモテてるらしい。なんてこった。
でもセリウスさまとクラウスさまにも声をかけてる女性がいたのだけど、なんて言うか肉食系っぽい女性陣は二人とも嫌いみたい。
・・・清楚とか控えめな女性は自分から声をかけたりしないからきっと出会いはないんだろうな。
ルルゥは笑顔ではあるんだけど近寄るなって雰囲気出してる。
騎士団服で髪を撫で付けてるルルゥはめっちゃお色気男子なので女性に声をかけたら腰砕け間違いないんだけど。
今日は騎士さんたちの労いなので普段は待機してる騎士さんに声をかけられる貴重な機会だけど、やっぱり貴族の子弟だったり勲章をいっぱい胸に垂らしてる褒賞で裕福そうな人がモテてる。世知辛し。
有望な騎士さんはとっくに既婚だったり婚約者がいるんだろうにね。
歓談の様子を眺めてたらダンスが始まる時間になった。王子様たちはまだ未成年なので夜会は不参加なので退出された。
王様と王妃さまが踊る。
見目麗しいお二人が華やかな衣装で踊る様子は心が躍る。
次に高位貴族が踊り始めて。
私たちも輪に加わる。
ジュリアスさまと私では身長差で大変なのでほぼ浮いて回されてる感じなんだ。
お祖父様とお祖母様はちょっと動きが敏捷すぎるけど筋力があるので迫力がある。
ルークとニーナは普通に素晴らしかった。息があってるし美人同士で絵になるよ。
それから私はお祖父様とルルゥ、お兄様とマーベルハントのお祖父様と踊った。珍しくたくさん踊ったのでかなり疲れた。
ルルゥは私以外だとラドンナお姉様と踊った。お姉様の腰を嫌そうに抱いてるルルゥは普段見ない表情だ。
それを見たルークが家族に見つからないようにと気を配ってたけどジュリアスさまのそばにいるのはバレてるから結局捕まってた。
うちの騎士さんたちは王都の令嬢とご縁なんかないわーと諦めてるのでずっと食事コーナーにいる。でもグレーデンに来たい令嬢もいるらしいのでハニトラ注意だよ。
でも地方の騎士さんの中で女性騎士さんが少ないけどいるので何故か食事コーナーで恋が芽生えたりしちゃったりしなかったりするかも。
いや女性騎士さんも食事な時点でダメかな・・・。
この時私は忘れてたんだけど、グレーデンにコックさんを研修にこさせたりレシピをゲットしてる領地はグレーデンと付き合いがある家がほとんどで、他は少数なわけで。
王宮の食事がめっちゃ美味しくてモリモリ食べちゃうのも仕方ないことだったわけで。
後日食事目当てな騎士さんがグレーデン騎士団に合同訓練の依頼が殺到することをまだ知らなかった。
夜会が終わって解散になった。
ホーン家とリュフェリー家はすぐ帰還するそうだ。
うちはセリウスさまとクラウスさまが転移陣で先にグレーデンに戻った。
私たちはお祖父様たちとタウンハウスで一晩過ごして。
翌日お昼までジュリアスさまがルークと執務室に篭っていたので、私はルルルゥとお菓子作りをした。
王都のタウンハウスの使用人の皆さんに美味しいオヤツを食べてもらいたいので。
ついでにグレーデンの使用人さんたちにも配ったハンドクリームと化粧水を配った。
以前もまとめて送ってあるんだけど追加ね。
お祖父様たちが後数日残って馬車で帰るので主人一家が珍しく数日王都で過ごすとみんなが張り切ってる。
もう少しタウンハウスに来ないとダメだなぁってジュリアスさまが申し訳けなさそうに言った。
外にでず過ごすだけでも良いしね。転移陣の魔力補充はお任せ!
ルシード・リュフェリーさまがぼやく。
なんだろ、マッチョ人気が上がったのかしら?
「まぁ金回りが良さそうだからでしょうね」
ルークが言うには最近辺境三家が潤ってると噂になってるからだろうって。
「まだ五歳の子に打診とかもある。面倒なことだ」
ホーン家にも。あの極寒を体験したら引くんじゃないかしら。
「しかし夫人よ、ハーボットが一掃出来たとはいえ嫌疑不十分で逃れた連中もいる。禁断薬術に興味のある愚か者にとって夫人やカイダール男爵は美味しすぎる獲物だ。気をつけることだな」
おー・・・、ハーボットはまだ後を引いてるのか。しぶといな。
あのヘンダーソンとかもそう言うこと?
「あー・・・お兄様のとことの騎士団はまだあれですよね」
「そうだね、自警団にも毛が生えたところだ。ありがたいことに王家とマーベルハント家から護衛隊は派遣していただいてるけどね」
王様!お祖父様!ありがとう。
うーん、グレーデンからも派遣騎士さんを私が雇って行ってもらうのもありかな。あとで相談してみよう。
これじゃシェザール伯父様はいつまでも居た堪れないね。
「うちの孫嫁になんかしようってんなら私が相手になるさ」
お祖母様がドレス姿で腕まくりって袖ないよ!
「あはは、デリア夫人を見たら漏らしながら逃げるな!!」
え、バッチいのでお漏らしはやめてほしい。
顔見知りばかりで集まってるのでチラホラと公爵や侯爵がお祖父様やホーン辺境伯に話しかけたりはあったものの私はジュリアスさまにぶら下がってるだけで済んだ。
ちなみにルークはニーナの腰をずっと抱いてて時折甘い笑顔で話してるので遠巻きにいる令嬢たちが悔しそうなのと見惚れて羨ましそうなのとでニ勢力を確認。
グレーデン男子はモテないけどルークはモテてるらしい。なんてこった。
でもセリウスさまとクラウスさまにも声をかけてる女性がいたのだけど、なんて言うか肉食系っぽい女性陣は二人とも嫌いみたい。
・・・清楚とか控えめな女性は自分から声をかけたりしないからきっと出会いはないんだろうな。
ルルゥは笑顔ではあるんだけど近寄るなって雰囲気出してる。
騎士団服で髪を撫で付けてるルルゥはめっちゃお色気男子なので女性に声をかけたら腰砕け間違いないんだけど。
今日は騎士さんたちの労いなので普段は待機してる騎士さんに声をかけられる貴重な機会だけど、やっぱり貴族の子弟だったり勲章をいっぱい胸に垂らしてる褒賞で裕福そうな人がモテてる。世知辛し。
有望な騎士さんはとっくに既婚だったり婚約者がいるんだろうにね。
歓談の様子を眺めてたらダンスが始まる時間になった。王子様たちはまだ未成年なので夜会は不参加なので退出された。
王様と王妃さまが踊る。
見目麗しいお二人が華やかな衣装で踊る様子は心が躍る。
次に高位貴族が踊り始めて。
私たちも輪に加わる。
ジュリアスさまと私では身長差で大変なのでほぼ浮いて回されてる感じなんだ。
お祖父様とお祖母様はちょっと動きが敏捷すぎるけど筋力があるので迫力がある。
ルークとニーナは普通に素晴らしかった。息があってるし美人同士で絵になるよ。
それから私はお祖父様とルルゥ、お兄様とマーベルハントのお祖父様と踊った。珍しくたくさん踊ったのでかなり疲れた。
ルルゥは私以外だとラドンナお姉様と踊った。お姉様の腰を嫌そうに抱いてるルルゥは普段見ない表情だ。
それを見たルークが家族に見つからないようにと気を配ってたけどジュリアスさまのそばにいるのはバレてるから結局捕まってた。
うちの騎士さんたちは王都の令嬢とご縁なんかないわーと諦めてるのでずっと食事コーナーにいる。でもグレーデンに来たい令嬢もいるらしいのでハニトラ注意だよ。
でも地方の騎士さんの中で女性騎士さんが少ないけどいるので何故か食事コーナーで恋が芽生えたりしちゃったりしなかったりするかも。
いや女性騎士さんも食事な時点でダメかな・・・。
この時私は忘れてたんだけど、グレーデンにコックさんを研修にこさせたりレシピをゲットしてる領地はグレーデンと付き合いがある家がほとんどで、他は少数なわけで。
王宮の食事がめっちゃ美味しくてモリモリ食べちゃうのも仕方ないことだったわけで。
後日食事目当てな騎士さんがグレーデン騎士団に合同訓練の依頼が殺到することをまだ知らなかった。
夜会が終わって解散になった。
ホーン家とリュフェリー家はすぐ帰還するそうだ。
うちはセリウスさまとクラウスさまが転移陣で先にグレーデンに戻った。
私たちはお祖父様たちとタウンハウスで一晩過ごして。
翌日お昼までジュリアスさまがルークと執務室に篭っていたので、私はルルルゥとお菓子作りをした。
王都のタウンハウスの使用人の皆さんに美味しいオヤツを食べてもらいたいので。
ついでにグレーデンの使用人さんたちにも配ったハンドクリームと化粧水を配った。
以前もまとめて送ってあるんだけど追加ね。
お祖父様たちが後数日残って馬車で帰るので主人一家が珍しく数日王都で過ごすとみんなが張り切ってる。
もう少しタウンハウスに来ないとダメだなぁってジュリアスさまが申し訳けなさそうに言った。
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