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二章

365話

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 ホーン家とかリュフェリー家の方達も合流。当主夫妻以外は騎士団側で待機してるそう。
 お互いに労いの挨拶をして近況を少し話す。
 ホーン領はだいぶ復興してるそうだ。あのわんこも少し大きくなってホーンの子供達に追い回されて鍛えられてるそう。
 グレーデンの子たちと一緒で結構パワフルっぽいので大変だな。

 私たちの会話を素知らぬ顔で聞き耳立ててる侯爵家家公爵家の方達、こっそり見ると少し楽しい。
 
 声をかけたいけどかけれないのは、お祖父様かお義父さまなのか混乱してるっぽいの。
 似てるけど似てないんだよ。日本語おかしいね。醸し出す雰囲気がね、全く違うの。
 お義父さまと付き合いがあればすぐわかるんだけど、お義父さまはあまり王都には来ないから付き合いのない人にはわかりにくいかも。

 お祖父様たちの帰還は話題になってるそうだけど、二十年前のままの姿とかは一部にしか知られてないらしいので混乱は仕方ない。
 すでにお義父さまやジュリアスさまの世代に代替わりしてるからほとんどの貴族がお祖父様の顔を知らないんだと思う。

 好奇心のままグイグイくるような人はこの場にはいないようだ。さすが高位貴族!?

 順番に入場の案内が来て私たちの番になった。
 軽く礼をしてその場を離れる。

 ニーナが緊張してるの初めて見たかも。
 今回ばかりはルークが一緒にいてくれてたら良かったのに、ジュリアスさまが当主として、ルークが騎士団代表なんだ。セリウスさまが代表でいいじゃん?って思うんだけど、セリウスさまとクラウスさまはジュリアスさまの不在時は代行はするけどまだグレーデン騎士団のトップ枠ではないんだそう。色々面倒だね。
 ちなみにアンゼリカさまやジェイデン騎士団も参加してるよ。

 なのでニーナのエスコートはスピネルさんだ。「おじさんですまんね」って恐縮しつつ引き受けてくれた。


「ジュリアス・グレーデン辺境伯、リーシャ・グレーデン辺境伯夫人、クラウド・グレーデン卿、デリア・グレーデン卿夫人・・・」
 スピネルさんたちも呼びあげられると会場にいる貴族たちの視線が一気にお祖父様たちに集まる。
 お祖父様たちは辺境伯としても冒険者としても有名だったそうで、英唯伝説じゃないけどそれに近い存在なんだって。
 それに加えて若い姿で登場だから驚くのは当たり前かな。しかもグレーデン一行はお肌がツルピカしてるんだよ。ザワザワしちゃってる。

 私たちの後に公爵家まで全員入場が終わった。
 途中でアーロンお兄様とシェザール伯父様を見つけたので軽く手を振って挨拶をした。

 すでに各騎士団はサイドに整列してる。
 それぞれデザインの違う団服が格好良すぎて年若い令嬢や夫人がうっとり見つめてるよ。

 やっぱり我がグレーデン家とホーン家、リュフェリー家の騎士さんたちは一回り以上筋肉が立派だ。体格がいいので見栄えも素晴らしい!
 身長も体格も抜群にいいのに令嬢たちは王宮騎士団や王都寄りの領の騎士団に目を輝かせてる。
 確かに美麗だけど少女漫画の騎士と青年漫画の騎士くらい種類が違う。
 漢の強さが足りないのに!

 うちのセリウスさまやクラウスさまは少年漫画の騎士くらいかもだからちょうどいいよ!

 何言ってるのかわからなくなってきた。

 オジサンくらいの貴族の視線はお祖父様たちが集めてる。

 女子の目は世知辛いね。マッチョいいじゃん。

 押しかけ令嬢たちも目の前に王都の騎士さんがいるとうちの騎士さんは二の次になっちゃうんだ。まぁ相手にしなかったんだから仕方ないか。

 ちょっとぶ然な気持ちでいるとジュリアスさまが私の肩をトントンとしてくれた。

 しばらくすると王族の方たちのお出ましを告げられる。

 王様と王妃さま、王子様たちが揃うと女性陣が目をクワっとさせた。

 王様も王妃さまもちょっと若返って見える。お義母さまの時ほどの変化はないけどお肌がピカーっと艶々プルルンとしてるのが離れてもわかる。

 王族を見てから我らグレーデン家を見る。二度見三度見して首振り人形みたいになってるのを旦那さまらしき人が困惑してる状況。

 お祖父様とお祖母様がニヤッと悪い顔をしてるよ。

 そんな空気の中、開会も挨拶が始まって、ホーン領で起こった出来事、多くの騎士団が参加して国難を退けたこと、最終的にアイスドラゴンをお祖父様とお義父さまが退治したことなどの報告、そして褒賞は恩賞についての発表をする。

「ホーン辺境伯騎士団の奮闘とレイドラアースの全ての騎士団の協力に感謝する」
 
 王様が各騎士団の代表に目録を渡した。

 ルークが恭しく頂戴するシーンはなかなか美しかった。ニーナが心なしかうっとりしてる。なるほどニーナも団服萌えだな。

「此度は発生場所がホーン領とあって暴雪で極寒の中様々な制限がある中、騎士たちの活動を補助するため、リーシャ・グレーデン辺境伯夫人、アーロン・カイダール男爵の薬術と、惜しみない協力があったことで死者が記録的に少なく済んだ。我がレイドラアースを支える多くの騎士、民の命を救ってくれたことを深く感謝する」
 
 いきなり名指しをされてびっくりした。みんなで頑張ったんだから私のことは良いのだ。

「そして皆も知っての通り二十年前に行方を絶ったジオルド・グレーデン卿のパーティの帰還がホーン領の災害に重なったことでホーン領の災害が一気に終焉を迎えることになったこともレイドラアースにとって僥倖であった。クラウド・グレーデン卿と夫人、そして仲間たちの無事の帰還を神に感謝する」

 なんだか王様がグレーデンに対して思い入れ強いとか言われちゃいそうだな。

 王宮の侍従さんたちが飲み物を配ってみんなで乾杯してからご歓談タイムが始まった。

 やっとセリウスさまたちがそばに揃ってくれてちょっと安心。
 交流を広げるべきなんだろうけど、鼻息荒く寄ってこようとしてる夫人たちを見ると腰が引けちゃう。

 でもルークがニーナの腰に手を添えてピッタリ寄り添ったことでちょっと流れが変わった。

 ニーナの顔が引き攣っちゃったのでなるべくニーナの近くにいなくちゃだ。

 ジュリアスさまを見上げると首を縦に振ってくれた。





 










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