ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
368 / 764
二章

358話

しおりを挟む
 マダム・シフォンが王都行き用のドレスが仕上がったと持って来てくれた。

 もういっぱいあるのにー。

 お義母さまがニーナに数着贈ってくれたのとお手持ちのドレスを譲ってくださってサイズ直しとちょっとしたアレンジを加えたのも。
 衣装を譲るのは庇護してるっていう意味もあるからルーク狙いだったご令嬢やご夫人に牽制の意味も持たせられるということだ。
 前グレーデン辺境伯夫人スノウリリィーと言う最強の盾!!
 私の影はまだまだ薄いのでありがたいことです。頑張ろう。

 お祖母様のドレスも素敵だ。お義母さまとは好みが違うので見てるととても楽しい。

 私がニーナに贈ったのは結婚式以降に仕上がるみたい。

 ルークは騎士としてのお給金と討伐の褒賞や素材で結構お金持ちなんだけどお義母さまと私がバンバン贈っちゃうので出番がない。

 おほほ。お子様が産まれても贈り物合戦は私たちが勝ちましてよ~!!なんちゃって。

 ニーナは今度の王都の祝賀会でサーキス夫人としてお披露目なのだ。本人たちは嫌がってるけど。

「これでルルゥも結婚したら夜会で何人の女性が倒れるかしらねぇ」
 ルークとルルゥは高嶺の花を通り越して天上の花なので誰に物でもないというのが令嬢たちの心の安寧を保ってたそう。
 ルルゥは侯爵家、ルークは子爵家をとっくに出ちゃってるのに大人気なんだそう。
 まぁ騎士爵持ってるしお金も持ってるからそれなりに名誉欲も満たせるかな?
 何より顔が良いって強いか。
 
 そう思うとセリウスさまもクラウスさまも立て続けに結婚したらご令嬢たち発狂しそう。

 でも王都暮らしの公爵、侯爵、伯爵の嫡男の方がお好きなんでしょ?

 目の保養として見てただけだとしたら、結婚したら泣くってアイドルの熱狂ファンみたいな感じかな?

 私も推しレスラーやボクサーが妻子持ちって知った時はちょっと悔し涙だったよ。別に自分が推しと結婚したいわけじゃないのに。

 私がブチブチと王都のご令嬢を脳内で退治してる間にマダムたちは帰っちゃった。

 ニーナはお義母さまにずっとお礼を言ってる。
「あらぁ良いのよぉ~、リーシャちゃんの大事な人でルークちゃんのお嫁さんだものぉ」

 お義母さまはジュリアスさまの学友だったルークのことをたまにルークちゃんっていう。ジュリアスさまがあまり人付き合いが得意じゃなかった頃にグイグイ距離を詰めて親友となったルークを可愛いがってるんだそう。
 ルークがグイグイっていうイメージがわかないけど、子供の頃の茶会で見かけたジュリアスさまが紛れ込んだ魔獣をサクッと倒したことで一目惚れしたんだそう。その時からずっとジュリアスさまの横に立つと決めて学園、王国騎士団とそばについてたそうだ。
 最終的にグレーデンまで来たガチ勢。
 これってジュリアスさまが嫌がってたらストーカー・・・。まぁ懐いて来た人を嫌う懐の狭い人じゃないか。

「ほほほ、あの子もあんなツンケンしてるけど可愛いのよぅ」

 ルークを可愛いとか言えるのはお義母さまくらいだよ。多分。

 ニーナはうっすら微笑んでる。どっち?肯定なの?否定なの?

 

 王様からカイダールの転移陣についての返信をもらった。
 可だけどいじるのはリックさまが一緒じゃないとダメだそう。それは納得。
 王都帰りに行けるかな?
 マーベルハント家用のも改良して使い勝手を良くすれば良いって。

 どうしても辺境とか緊急時に使う場所以外は簡易版しか回せないそうで。

 魔法式や魔石のサイズとか色々あるそう。要はマネーの話。
 私はマネーじゃなくて魔力が豊富に使えるので!いやマネーもあるよ。なぜか使えないけど。
 マネーじゃないけどね。お金の名称はミルカ。白金貨、大金貨、金銀銅鉄とある。

 魔石払いとかもあるから私は魔石持ちでもあるので多分かなり大富豪。

 魔導師が常駐してなくても使える状態にするのはぶっちゃけ王宮にもないのでリックさまがギラっとしたそう。
 王宮に出入りは監視がいないとダメだから無人にはできないから必要なくない?

 カイダール側もかなり制限をつけないと防犯面が心配だからね。無条件に出入り可な設定はしない。
 
 王都からカイダールまで、カイダールからマーベルハントに、マーベルハントからグレーデンで転移陣リレーすれば良いからジュリアスさまと別行動になっても危険はないね。

 まずはグレーデン側の魔法陣にカイダールとの設定を組み込まないと。
 グレーデンの転移陣は王都のタウンハウス、王宮、ホーン、リュフェリー、マーベルハントだっけ。
 マーベルハントとカイダールがグレーデンと繋がるのは特別措置なので感謝しないとね。

 リックさまにグレーデンの転移陣の設定に付き合ってもらえる日程をお伺いして、王との祝賀会の後の日程にカイダールの方をってお願いのお手紙を送った。

 忙しい人だからもっと遅くなるかも?
 急ぎでも無いからそこは仕方ないか。

 
 お手紙の中にマールベリーさまから美容品のお礼のお手紙と贈り物があった。
 社交界のご夫人の中で鼻高々になれたので良い気分よって感想が。
「普段嫌味しか言ってこない方が媚び媚びになる威力なので付加価値をもっとおつけなさいな」
 手に入らなくて悔しいとなるとグレーデンに擦り寄るだろうから上手く利用しなさいってことだとお義母さまに教えてもらった。
 うーん?風見鶏なお付き合いの人はいらないと思うけど、領地発展にためのお付き合いをした方がいいのね?

 どっちにしてもハイパーなのは身内しか回さないけどね。若返っちゃうレベルのは表に出さないよ。それこそ強奪とか起きそう。

 今度の祝賀会にはお義母さまは参加せず、お祖母様が出るので化粧水よりダンジョンので効果が話題になるよね。 
 二十年出てこれないダンジョンとか普通のご夫人は生きて出てこれないから真似はできないけど。

 ハイパーじゃないのはお義母さまの派閥の人には行き渡って来たことだと思うけど、領地まで買いに来る人出て来たかな?















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...