362 / 764
二章
352話
しおりを挟む
土に混ざった雑草や石をティム、ディディエを中心に風魔法で避けていく。
掘った分の土も畑や壁材に使うので邪魔にならない場所に纏めてある。
お兄様と伯父様は生活魔法くらいしか使ったことがないみたいでティムたちを置いても、ルルゥやルークたちが使う風魔法の練度に驚愕してた。
うーん、魔法騎士は少ないんだっけ?いや、多分ルルゥとルークは尋常じゃないんだ。
水で満ちる前に地盤を固めてジュリアス様に一気に火魔法で焼き上げてもらって陶器のような仕上がりにした。
ポムには隣にも同じサイズを掘るようにお願いして、お風呂に自動洗浄をつけようと〈洗浄〉〈浄化〉の魔法陣を魔石に彫りこんで魔導インクで補強。魔法としては初級なので簡単。
出来た魔石をジュリアス様に頼んで真ん中に放り投げてもらった。魔石が盗まれたら困るので岩でお風呂の表面を全部覆う感じにして岩風呂完成。
「そんな素晴らしいものを乱暴に・・・」
ありゃ。お兄様と伯父様が青くなってる。
「あのくらいの魔石はいっぱい持ってるんで問題ないです」
お母さまからもらったしお祖母様もたくさん残してくれたし、お義父さま、ルークたちがどうせ気ままに魔道具を作るだろうと訓練場の作業場にどんどん追加してくれるので。
よく考えたら無造作に高価な宝石が転がしてあるみたいになってた。慣れって怖いね。
「問題しかない・・・」
伯父様が物凄い頭痛を起こしたみたいな顔してる後ろでルークがうんうんしてる。見なかったことにしよう。グレーデンに戻るまでお説教はないはず。
快適なお風呂は大事!!
ポムがサクッともう一つの穴を掘ってくれたのでさっきの作業をもう一度。
排水用の水路を作って。
小屋や道の整備は追々してもらう。
ウッヒョー。源泉垂れ流し!
間欠泉みたいな勢いはないのでじわじわ湯が貯まっていくの。硫黄臭すぎる感じもない。もこもこ湯気が広がってるので結構熱めかも。
眺めてたらポムたちがまだちょっとしか貯まってない湯に突撃して一番風呂しちゃった。
最功労なので良いけど。
『うむ、少し高温だが湯が貯まればもう少し良い温度になるじゃろうの』
ちゃっかり湯に浮かんでるアズライト。
なぜか動物温泉みたくなってるぞ。
(温泉じゃない水源も近くにある?)
『あるぞ。薄めたいのかの?』
(熱いのが苦手な人もいるから調整出来たら良いかな?)
アズライトがポムに伝えるとポムがぴょんと出てきてテテテーっと水源のあるところを掘った。さほど離れてない場所だったからまた水路を作って仕切りで調整出来るようにしてみた。
細かい作業はプロに任せよう。
「プッキュン」
「モッキュン」
ドヤ顔で胸を張ってきたポムたちをグリグリ撫でてクッキーをあげるとやっぱり踊り出した。
喜びの舞なのでやばそうな効果はない・・・とは思うんだけど、ふわふわした光が少し集まってきた。
このお風呂は精霊の遊び場になりそうだなぁ。
「はぁ・・・まさか数時間でこんな立派な風呂が・・・」
これが普通の反応なのか。伯父様もお兄様も真っ白になってる。
ジュリアスさまやお義父さまたちが寛容でだいぶ助かってるのかも。
この後、公衆浴場用と療養施設用の源泉をアズライトに探してもらって、簡易な地図に場所を書き込んでいく。
「思い他、候補地が多くて嬉しい悲鳴が出そうです」
山裾と川沿い、どっちも捨てがたい。災害の心配がないならいずれ両方建てても良いのでは?
「良い療養地になりそうだな」
滞在中にあと三箇所、温泉風呂をポム頼りで掘った。
必要な時にまたお手伝いに来れれば良いね。
お父さま、現在はお兄様の執務室を覗かせて貰った。
変な気配がしたのでお兄様に断って調べたら、隠し部屋があった。
お母さまの魔力の痕跡があるのでお母さまが作ったんだと思う。解析したら登録が両親と娘ってなってたので私が開くことが出来た。
「お兄様、お父さまの研究資料と素材があります!」
王様が預かってくれていた分はお母さまが表に出しても良いと判断したものだけだったのかも。公的機関と言っても人目に触れるもんね。
中にはまだ案内できないので扉を全開にしてみんなに見えるようにした。
「・・・」
お兄様がなんとも言えない顔をしてる。
「あの歳でこれだけの資料を集めていたのか・・・」
伯父様も呆然としちゃって。
「この部屋の存在は私も聞いていなかったので驚きました」
リーシャはもちろんガンモさんもドーラさんも知らなかったそう。
お母さまもお父さまもかなり警戒心が強かったのかな。
「・・・実はカイダールさまが亡くなったと報告されてすぐハーボット家から侯爵と側近が家探しにやってきたのです。なぜ何も残っていないのかと大騒ぎしていかれたのですが私どもも表に出ている資料しかみたことがなかったので・・・」
「イダルンダ卿もナタリアさまにかなり暴言を吐きながら屋敷中をひっくり返しましたが何も見つけられず、でしたね」
ろくなことしないな。あのハゲ親父。
「こんなカラクリだったんですねぇ」
遺産だからと私に全て渡そうとするお兄様を宥めるのは大変だった。
「両親はこの地の民のために頑張っていたのでしょうからカイダール領の発展に役立てていただくのが一番良いです」
王様が預かってくれてた分で十分だし、薬草学は極める気がないから絶対私が持ってしまったら宝の持ち腐れ。
隠し部屋の登録を新たにアーロン・カイダールに変更してそのまま託した。
お父さまのが使えるように設定してあっただけあってお母さまの隠し部屋ほど制限が厳しくなかったので魔力が低いお兄様でも維持管理は出来るはず。補佐用の魔石に魔力を込めて渡しておいた。
伯父様も登録しようとしたら断固拒否だった。
「私は心弱い人間だ。ハーボットの人間でもある」
って言われちゃうと強引に進められなかった。
伯父様がハーボット侯爵やイダルンダのようにはならないと思いますって言ったらちょっと困った顔をされた。
侯爵にはあったことないけどさ。伯父様はずっと控えめで穏やかなんだもの。あのアクの強かったイダルンダとは似てないから。
ふと机の上に手紙が溜まってるのを見つけて私たちの滞在でお仕事が溜ってしまったと焦ったら、
「ああ、見合いので申し込みだよ。全部断ってるんだがね」
っとお兄様は苦笑した。
「ああ、特効薬で儲かると思っているようでちょっと薹の立った令嬢を押し付けようと言うのが多くてね。マーベルハント家を通してお断りしてるよ」
「なぜか私にも話が来るんだ」
お兄様と伯父様はため息だよ。
なるほど。平民だったお兄様を都合よく使いたい人と補佐だけど利権に関われそうな伯父様を狙う人がいるんだね。
特効薬は価格を最低限にしてるから、強欲な人が満足するほど儲からないんだけどねー。
掘った分の土も畑や壁材に使うので邪魔にならない場所に纏めてある。
お兄様と伯父様は生活魔法くらいしか使ったことがないみたいでティムたちを置いても、ルルゥやルークたちが使う風魔法の練度に驚愕してた。
うーん、魔法騎士は少ないんだっけ?いや、多分ルルゥとルークは尋常じゃないんだ。
水で満ちる前に地盤を固めてジュリアス様に一気に火魔法で焼き上げてもらって陶器のような仕上がりにした。
ポムには隣にも同じサイズを掘るようにお願いして、お風呂に自動洗浄をつけようと〈洗浄〉〈浄化〉の魔法陣を魔石に彫りこんで魔導インクで補強。魔法としては初級なので簡単。
出来た魔石をジュリアス様に頼んで真ん中に放り投げてもらった。魔石が盗まれたら困るので岩でお風呂の表面を全部覆う感じにして岩風呂完成。
「そんな素晴らしいものを乱暴に・・・」
ありゃ。お兄様と伯父様が青くなってる。
「あのくらいの魔石はいっぱい持ってるんで問題ないです」
お母さまからもらったしお祖母様もたくさん残してくれたし、お義父さま、ルークたちがどうせ気ままに魔道具を作るだろうと訓練場の作業場にどんどん追加してくれるので。
よく考えたら無造作に高価な宝石が転がしてあるみたいになってた。慣れって怖いね。
「問題しかない・・・」
伯父様が物凄い頭痛を起こしたみたいな顔してる後ろでルークがうんうんしてる。見なかったことにしよう。グレーデンに戻るまでお説教はないはず。
快適なお風呂は大事!!
ポムがサクッともう一つの穴を掘ってくれたのでさっきの作業をもう一度。
排水用の水路を作って。
小屋や道の整備は追々してもらう。
ウッヒョー。源泉垂れ流し!
間欠泉みたいな勢いはないのでじわじわ湯が貯まっていくの。硫黄臭すぎる感じもない。もこもこ湯気が広がってるので結構熱めかも。
眺めてたらポムたちがまだちょっとしか貯まってない湯に突撃して一番風呂しちゃった。
最功労なので良いけど。
『うむ、少し高温だが湯が貯まればもう少し良い温度になるじゃろうの』
ちゃっかり湯に浮かんでるアズライト。
なぜか動物温泉みたくなってるぞ。
(温泉じゃない水源も近くにある?)
『あるぞ。薄めたいのかの?』
(熱いのが苦手な人もいるから調整出来たら良いかな?)
アズライトがポムに伝えるとポムがぴょんと出てきてテテテーっと水源のあるところを掘った。さほど離れてない場所だったからまた水路を作って仕切りで調整出来るようにしてみた。
細かい作業はプロに任せよう。
「プッキュン」
「モッキュン」
ドヤ顔で胸を張ってきたポムたちをグリグリ撫でてクッキーをあげるとやっぱり踊り出した。
喜びの舞なのでやばそうな効果はない・・・とは思うんだけど、ふわふわした光が少し集まってきた。
このお風呂は精霊の遊び場になりそうだなぁ。
「はぁ・・・まさか数時間でこんな立派な風呂が・・・」
これが普通の反応なのか。伯父様もお兄様も真っ白になってる。
ジュリアスさまやお義父さまたちが寛容でだいぶ助かってるのかも。
この後、公衆浴場用と療養施設用の源泉をアズライトに探してもらって、簡易な地図に場所を書き込んでいく。
「思い他、候補地が多くて嬉しい悲鳴が出そうです」
山裾と川沿い、どっちも捨てがたい。災害の心配がないならいずれ両方建てても良いのでは?
「良い療養地になりそうだな」
滞在中にあと三箇所、温泉風呂をポム頼りで掘った。
必要な時にまたお手伝いに来れれば良いね。
お父さま、現在はお兄様の執務室を覗かせて貰った。
変な気配がしたのでお兄様に断って調べたら、隠し部屋があった。
お母さまの魔力の痕跡があるのでお母さまが作ったんだと思う。解析したら登録が両親と娘ってなってたので私が開くことが出来た。
「お兄様、お父さまの研究資料と素材があります!」
王様が預かってくれていた分はお母さまが表に出しても良いと判断したものだけだったのかも。公的機関と言っても人目に触れるもんね。
中にはまだ案内できないので扉を全開にしてみんなに見えるようにした。
「・・・」
お兄様がなんとも言えない顔をしてる。
「あの歳でこれだけの資料を集めていたのか・・・」
伯父様も呆然としちゃって。
「この部屋の存在は私も聞いていなかったので驚きました」
リーシャはもちろんガンモさんもドーラさんも知らなかったそう。
お母さまもお父さまもかなり警戒心が強かったのかな。
「・・・実はカイダールさまが亡くなったと報告されてすぐハーボット家から侯爵と側近が家探しにやってきたのです。なぜ何も残っていないのかと大騒ぎしていかれたのですが私どもも表に出ている資料しかみたことがなかったので・・・」
「イダルンダ卿もナタリアさまにかなり暴言を吐きながら屋敷中をひっくり返しましたが何も見つけられず、でしたね」
ろくなことしないな。あのハゲ親父。
「こんなカラクリだったんですねぇ」
遺産だからと私に全て渡そうとするお兄様を宥めるのは大変だった。
「両親はこの地の民のために頑張っていたのでしょうからカイダール領の発展に役立てていただくのが一番良いです」
王様が預かってくれてた分で十分だし、薬草学は極める気がないから絶対私が持ってしまったら宝の持ち腐れ。
隠し部屋の登録を新たにアーロン・カイダールに変更してそのまま託した。
お父さまのが使えるように設定してあっただけあってお母さまの隠し部屋ほど制限が厳しくなかったので魔力が低いお兄様でも維持管理は出来るはず。補佐用の魔石に魔力を込めて渡しておいた。
伯父様も登録しようとしたら断固拒否だった。
「私は心弱い人間だ。ハーボットの人間でもある」
って言われちゃうと強引に進められなかった。
伯父様がハーボット侯爵やイダルンダのようにはならないと思いますって言ったらちょっと困った顔をされた。
侯爵にはあったことないけどさ。伯父様はずっと控えめで穏やかなんだもの。あのアクの強かったイダルンダとは似てないから。
ふと机の上に手紙が溜まってるのを見つけて私たちの滞在でお仕事が溜ってしまったと焦ったら、
「ああ、見合いので申し込みだよ。全部断ってるんだがね」
っとお兄様は苦笑した。
「ああ、特効薬で儲かると思っているようでちょっと薹の立った令嬢を押し付けようと言うのが多くてね。マーベルハント家を通してお断りしてるよ」
「なぜか私にも話が来るんだ」
お兄様と伯父様はため息だよ。
なるほど。平民だったお兄様を都合よく使いたい人と補佐だけど利権に関われそうな伯父様を狙う人がいるんだね。
特効薬は価格を最低限にしてるから、強欲な人が満足するほど儲からないんだけどねー。
450
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる