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二章
351話
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目を覚ますと庭がちょっと騒がしかった。
窓を覗くとかのセリウスさまたちみんなが体術?の鍛錬をしてる。
「鍛えてるー!」
ルルゥまで薄いシャツ姿で良い汗をかいてるのには驚いちゃった。
チェイスさんたちも真面目にやってる。おちゃらけたオッちゃんと思っててごめんね。
まぁ旅行とかの護衛に付いてくれる騎士さんだから弱いはずはないんだけど。
「リーシャ、おはよう」
「ジュリアスさまは混ざらないんですか?」
いつも朝は私に合わせてくれてるの実は良くないんじゃ?
「俺は仕事の合間を見てやってるから問題ない」
そうなのかな?
「ちゃんとそれなりに鍛えてるよ」
うん、筋肉が衰え知らずなのは知ってる。
アズライトとポムとティムは起きてどこかに出てってるみたい。ディディエだけ卵を抱えて「プーギャー」鼻息立てて寝てる、可愛いぞ。
ジュリアスさまが卵にそっと魔力を渡すと卵がほんのり光ってディディエが「ウギャ?」っと目を覚ます。
ニーナを迎え入れて着替えと髪をまとめて貰ってディディエと卵の入った籠を持って部屋を出ると、ガンモさんが「おはようございます」ってお兄様たちが畑に出ているので朝食までお待ちをって。
それならばと私たちも畑に出ることにした。
「リーシャさま、おはようございます」
伯父様が気がついて手を振ってくれた。
ポムたちがお兄様の真似をして野菜を収穫してた。多分邪魔だよ。
「サラダの分だけは直前に採ることにしてるんです」
「ここに来てから野菜が好きになりましたよ」
伯父様は嬉しそうに青いトマト?を撫でてる。王都暮らしだったらそりゃ野菜嫌いになるよ。
ここは魔素と土の栄養がうまいこと循環してるのかな。あとでちょっと調べよう。
「お兄様、この辺りのを私がサラダにしても良いですか?」
「ああ、たくさん採って構わないよ」
「ありがとうございます」
ジュリアスさまに籠を持ってもらって欲しい野菜を入れていく。
バーニャカウダと胡麻ドレで食べたいなぁ。
アンチョビはない・・・。
ハーブドレッシングで我慢。
ポムたちが自分で採っては食べちゃってる。口がベタベタだよ。
ドーラさんに言って厨房の端っこを借りて野菜を切って簡単なドレッシングを作る。コックさんが凝視してくるのは久しぶりの感じかも。
「あらぁ、リーシャちゃん、細かい作業は私を頼ってちょうだい」
コックコートに着替えてさっぱりしたらしきルルゥが手際よく野菜をカットしてドレッシングもサクサクと混ぜて完成させてしまった。
「フレッシュハーブ使い放題って良いわねぇ」
グレーデン家は庭にはあまり作ってないからね。離れの畑もここに比べたら種類は少ないかも。レアなのは多いけど☆
「ここの気候しか育たないのもあるから全部は真似できないよ」
「そうねぇ。残念だけど」
いずれはビニールハウス的なものも展開させたいけど、ビニールはないしガラスは技術の問題で大きく作ると脆いし。
錬金術でどうにかできても誰でも作れるわけじゃないから。
ネバルとプルルでどうにかならないみたいなので素材を探さないと。
「ルルゥさん、これ味見してください」
コックさんがルルゥに熱視線。レシピはほとんどルルゥ監修になってるから憧れちゃうんだろうな。
朝食の席はルルゥとニーナ以外が同席した。
今日の温泉掘りの話をしながら食べた。
「これは一生食べていられる」
野菜スティックをひたすらポリポリしてるのはアモンさん。元は野菜嫌いなんだそうだ。カマランとか普通に食べてたと思うんだけど?
「リーシャさまの料理にハズレが無いからですよ。俺は太った。太った分を筋肉増量に使ったから良いんですがデブはダメです」
マッスル思考がやばい。デブはダメって言っちゃダメ~。
「この体格で胸がぶよんとしたらモテないじゃないですか!」
デブ批判じゃなく自分の肉の問題だった。
「いや~ん、堅い~ってお姉さんに言ってもらいたいです」
力説しているアモンさんと横で爆笑しながら雄っぱいを強調させてるチェイスさん。アホだ。
「良い加減にしなさい」
ルークにスパーンと叩かれてニーナからは氷のような視線を向けられてる。
お姉さんのいるお店に通ってるのねーとしか思わないけど。一般の人をナンパして遊んでバイバイよりマネーな関係なら問題なくて良いよね。
アランとジェイクも心なしか冷たい目で見てる。まだ大人に毒されていないようだ。
「アモン、チェイス、帰ったら爺さんとダンジョンに行けば良いよー」
体力お化けだから鍛えられるよーってセリウスさまが言うと一瞬で微妙な顔になっちゃった。
二人がお祖父様たちに盲目じゃないのかな。
「あの人たちマジで際限なく行くっすよ」
「人間の限界値超えてるんですよ」
すでに扱かれたことがあるようだ。
「まぁとりあえず今日は力仕事しようかー」
と言うわけでみんなで温泉掘りに向かった。
アズライトが水源を示し、ポムに深さと広さを指定して穴を掘ってもらう。
「プッキュン」
「モキューン」
大地がボコンと音を立てて大穴が開くのをお兄様と伯父様が唖然と眺めた。
窓を覗くとかのセリウスさまたちみんなが体術?の鍛錬をしてる。
「鍛えてるー!」
ルルゥまで薄いシャツ姿で良い汗をかいてるのには驚いちゃった。
チェイスさんたちも真面目にやってる。おちゃらけたオッちゃんと思っててごめんね。
まぁ旅行とかの護衛に付いてくれる騎士さんだから弱いはずはないんだけど。
「リーシャ、おはよう」
「ジュリアスさまは混ざらないんですか?」
いつも朝は私に合わせてくれてるの実は良くないんじゃ?
「俺は仕事の合間を見てやってるから問題ない」
そうなのかな?
「ちゃんとそれなりに鍛えてるよ」
うん、筋肉が衰え知らずなのは知ってる。
アズライトとポムとティムは起きてどこかに出てってるみたい。ディディエだけ卵を抱えて「プーギャー」鼻息立てて寝てる、可愛いぞ。
ジュリアスさまが卵にそっと魔力を渡すと卵がほんのり光ってディディエが「ウギャ?」っと目を覚ます。
ニーナを迎え入れて着替えと髪をまとめて貰ってディディエと卵の入った籠を持って部屋を出ると、ガンモさんが「おはようございます」ってお兄様たちが畑に出ているので朝食までお待ちをって。
それならばと私たちも畑に出ることにした。
「リーシャさま、おはようございます」
伯父様が気がついて手を振ってくれた。
ポムたちがお兄様の真似をして野菜を収穫してた。多分邪魔だよ。
「サラダの分だけは直前に採ることにしてるんです」
「ここに来てから野菜が好きになりましたよ」
伯父様は嬉しそうに青いトマト?を撫でてる。王都暮らしだったらそりゃ野菜嫌いになるよ。
ここは魔素と土の栄養がうまいこと循環してるのかな。あとでちょっと調べよう。
「お兄様、この辺りのを私がサラダにしても良いですか?」
「ああ、たくさん採って構わないよ」
「ありがとうございます」
ジュリアスさまに籠を持ってもらって欲しい野菜を入れていく。
バーニャカウダと胡麻ドレで食べたいなぁ。
アンチョビはない・・・。
ハーブドレッシングで我慢。
ポムたちが自分で採っては食べちゃってる。口がベタベタだよ。
ドーラさんに言って厨房の端っこを借りて野菜を切って簡単なドレッシングを作る。コックさんが凝視してくるのは久しぶりの感じかも。
「あらぁ、リーシャちゃん、細かい作業は私を頼ってちょうだい」
コックコートに着替えてさっぱりしたらしきルルゥが手際よく野菜をカットしてドレッシングもサクサクと混ぜて完成させてしまった。
「フレッシュハーブ使い放題って良いわねぇ」
グレーデン家は庭にはあまり作ってないからね。離れの畑もここに比べたら種類は少ないかも。レアなのは多いけど☆
「ここの気候しか育たないのもあるから全部は真似できないよ」
「そうねぇ。残念だけど」
いずれはビニールハウス的なものも展開させたいけど、ビニールはないしガラスは技術の問題で大きく作ると脆いし。
錬金術でどうにかできても誰でも作れるわけじゃないから。
ネバルとプルルでどうにかならないみたいなので素材を探さないと。
「ルルゥさん、これ味見してください」
コックさんがルルゥに熱視線。レシピはほとんどルルゥ監修になってるから憧れちゃうんだろうな。
朝食の席はルルゥとニーナ以外が同席した。
今日の温泉掘りの話をしながら食べた。
「これは一生食べていられる」
野菜スティックをひたすらポリポリしてるのはアモンさん。元は野菜嫌いなんだそうだ。カマランとか普通に食べてたと思うんだけど?
「リーシャさまの料理にハズレが無いからですよ。俺は太った。太った分を筋肉増量に使ったから良いんですがデブはダメです」
マッスル思考がやばい。デブはダメって言っちゃダメ~。
「この体格で胸がぶよんとしたらモテないじゃないですか!」
デブ批判じゃなく自分の肉の問題だった。
「いや~ん、堅い~ってお姉さんに言ってもらいたいです」
力説しているアモンさんと横で爆笑しながら雄っぱいを強調させてるチェイスさん。アホだ。
「良い加減にしなさい」
ルークにスパーンと叩かれてニーナからは氷のような視線を向けられてる。
お姉さんのいるお店に通ってるのねーとしか思わないけど。一般の人をナンパして遊んでバイバイよりマネーな関係なら問題なくて良いよね。
アランとジェイクも心なしか冷たい目で見てる。まだ大人に毒されていないようだ。
「アモン、チェイス、帰ったら爺さんとダンジョンに行けば良いよー」
体力お化けだから鍛えられるよーってセリウスさまが言うと一瞬で微妙な顔になっちゃった。
二人がお祖父様たちに盲目じゃないのかな。
「あの人たちマジで際限なく行くっすよ」
「人間の限界値超えてるんですよ」
すでに扱かれたことがあるようだ。
「まぁとりあえず今日は力仕事しようかー」
と言うわけでみんなで温泉掘りに向かった。
アズライトが水源を示し、ポムに深さと広さを指定して穴を掘ってもらう。
「プッキュン」
「モキューン」
大地がボコンと音を立てて大穴が開くのをお兄様と伯父様が唖然と眺めた。
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