ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

342話

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 離れで下級ポーションや追加の化粧水を作っていたらクラウスさまがやって来た。

「リーシャちゃん、ちょっと池付き合って~」

 ポムたちも一緒に?作っていたので作業を完了させて片付けてから、クラウスさまに抱き上げられて池に連行されたよ。
 もちろんニーナとアランとジェイクも付いてきてくれてるよ。

「いきなりごめんね~、ラヴァたちがリーシャちゃんに会いたいって騒ぐもんだからさー」

 なんと。なら騎士団の厩舎に呼んでくれたら行ったのに。

「あの子達のご機嫌は大事なんだよー」

 彼らに気持ちよく働いてもらうために騎士さんたちは日夜頑張ってるんだそうだ。

「私は嬉しいからいつでも行きますよ」
「女の子は普通おっきな竜とか泣いちゃうんだけどね~」

 まぁ、襲ってくるとかだったら泣くけどラヴァたちは人懐こくて可愛いし。

『主は懐が広いんじゃの。普通なら我のことも嫌がると思うがの』

 爬虫類が苦手とかだとオオトカゲは苦手だろうけど。
 蛇はちょっとダメかなぁ。
 クリクリお目目のトカゲは可愛いと思ってたから。
 あー、派手な色とかイボのカエルはダメかも。

「んー、よくわからないけど飛べるのがカッコいいからラヴァたちは好き」

 ラヴァたちが苦手だとアズライトの本来の姿も無理になっちゃうよね。

「嫌いな子じゃなくて助かってるけどねー」

 池に着いてボートに乗って進めば相変わらずいい景色・・・!あー!!

「アズライト、また広げたの?」

 なんかますます奥に向かって池が大きくなってる。

『ダンジョンが思いの外大きくなったからの。池も大きくしてみたのじゃ』

 それ関連してるの!?

『ほれ、あそこがダンジョンのある島じゃ』

 あー、アズライトの寝床の島より大きいかも。

『大きな島を作るなら池も島もバランスよくじゃ!!』

 んー、そう言うものかな??

 もう湖って呼んでいいよね!!流石に。

 ちょっと遠目に見えるその島にワイバーンたちがいるのが見える。

「ダンジョンの島に集まってるの?」
「そうだよー、あそこが一番降りやすかったからー」

 あれだけのサイズだと確かに広い場所がいいね。

 二艘のボートで島につけるとニュッとラヴァが首を出してきてベロリ。
 めずらしく私が抱き抱えてたポムとティムが一緒にヨダレまみれ!クラウスさまはスッと私を降ろして逃げたよ!

「プッキューーー!」
「モッキュ・・・」

 仕方ないのですぐに〈洗浄〉してポムたちはニーナに渡した。流石にちっこいモニパルにとっては怖かっただろうって、思ったけど普通にニーナの胸に甘えてたよ。

 私はラヴァの首に抱きついてヨシヨシと撫でる。他の子達もワラワラと集まってきたので一通り愛でた。モフ度はないけどモテモテで幸せ。

「こら、いい加減にしないとリーシャが潰れるぞ」
「若奥様、すっげぇ従魔師なんっすか?」
「デリアさまと張る肝の座り具合・・・!」

 うっひょー。お祖母様と並べてもらえるのすごい。

「リーシャはただ好かれやすいだけだ」

 ジュリアスさまがワイバーンたちの中に入ってきて抱き上げてくれた。

「リーシャ、来てくれてありがとう。ラヴァたちが近くにリーシャがいるなら会いに行くと屋敷に行きたがったんだ」

 ワイバーンが降りられる場所はあるけど庭に入れるのは数頭だよ。無茶言うねぇ。

「私もあの子達に会えて嬉しいです」
「そうか」

 今日はワイバーンたちを連れて訓練の途中にダンジョン寄って入り口付近にワイバーンたちの匂い(お小水だね)付けをしたんだそう。
 心配はないとは言えダンジョンから中の魔獣が出てこないようにって言う結界的な作用だそうだ。

「ダンジョンには入らないんですか?」
「中にワイバーンたちは入れないし、まだ完全な調査は済んでないからな」

 ダンジョンはちょっと小高い丘にあって、地下に伸びてるタイプで入り口が大きい人が三人通れる幅くらいだった。

 なんて言うか、古墳の入り口とかそんな感じだね。

「安全確認が済んだら一階くらいなら連れて行けるかもな」
 
 気になるなーって入り口を眺めていたらジュリアスさまが頭をポンポンして言ってくれた。

 一応は攻撃魔法もリックさまに習ったとは言え実践経験がないんだから足手纏いは行きたいって言えないもの。

『地下三階までなら問題はなかったがの』
 
 お祖父様たちと一緒に潜ったアズライトが言う。

「まぁ、そのうちだな」

 騎士さんたちに誘われてラヴァたちのおやつを一緒にあげて、またもベロンとされてしまった。

「リーシャちゃん、見た目は食べられそうになってるよー、あはは」

 クラウスさまが笑うんだけど、騎士さんたちはあまり舐められてない。なぜ。

「ラヴァ!クラウスさまも舐めてあげて!」
「グルゥー?ギャウ!」

 ベローンとしたと思ったらガブっとお口に上半身入れちゃった。

「ラヴァ、マズいからぺっしなさい」
「兄上?言い草がヒデェー」

 他のワイバーンたちも真似してベロンとしてる。
 言葉が分かる賢い子たちだね。
「「「ギャギャ」」」
 ラヴァたちが楽しんでるみたいなので、良かった。

「相棒になった頃には会うたびやられるんですが慣れてくると滅多にしないんですよ」

 騎士さんたちも自分の相棒にベロンとされて嬉しそうだ。
 〈洗浄〉が出来ないとベタベタになって大変だけど普通に使える魔法なので特に問題はなさそう。

 まぁ食後には勘弁してほしいよね。

 ちょっとだけラヴァに乗せてもらったりしてから騎士団に戻るって言うのでお別れ。

 帰りはアランたちがいるから問題ないので、私は寄り道でアズライトの寝床の島に寄って、美味しそうな果物とハーブを分てもらった。

 ボートに乗り込むと少し日が翳ってきた池・・・湖は空の色と同化してて不思議な感じ。

 映えるねぇ。

 いつも見かける綺麗な魚はまた少し大きくなってた。最終的にはどれくらいのになるんだろうね。

 途中の島から蜜ミツバチが飛んでるのが見えた。あの子達の足には立派な蜂蜜玉がある。またたくさん集まりそうだ。

 岸に着いたら、お祖父様とスピネルさんがキックボードで遊んでた。
 私は使わせてもらえないのにぃ。

「おー、リーシャちゃんよ、これは凄いな!ダンジョンの中を歩く時間を短縮出来そうだ」

 流石の運動神経だよ。めっちゃ乗りこなしていらっしゃる。

「マルゴはバランスが取りにくいらしい」

 おや?三輪のは使ってないのかしら?

「俺は地に足をつけていたいんだよ!」

 苦手な人は苦手だろう。
 マルゴさんがとてもバツが悪そう。

「取手付きのもありますよ?」
「いやいいんだって!!」

 お祖父様もスピネルさんも天上げ状態でまだまだ終わりそうにないので私たちは先に帰ったよ。


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