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二章

337話

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 ニーナも戻って来て普段の状況に戻って数日。
 マダム・シフォンがお弟子さんたちを連れて来てくれた。

 先に製作済みの私とお義母さま、お祖母様のドレスを最終確認。
 いつの間に頼んでたのってくらいの量だったので着せ替えショーが終わって既にクタクタ。
 お義母さまとお祖母様の体力はお化けだ。

 そして私的本日のメインのニーナのドレスとサラとメルのメイド服。サラとメルだけって言うわけにもいかないので侍女長メイド長含むみんなにはクラシカルなメイド服を来てもらって。
 コックさんたちにはカフェっぽいお店のおしゃれコックコート、侍従さんたちには悪魔で執事になってもらおう。

 予算は私のポケットマネーで!!これ一回は言ってみたいよね。今なら言えるぞ。いくらでもドンとこいや!!

 あとジュリアスさまの夜会用も新調してもらおう。黒に銀刺繍でアクセントに紫入れて貰えば私の独占欲が詰まった衣装になるのだ。アイスドラゴンの魔石を少し削ってクラバットピンも用意しなくっちゃ。

 ニーナが自分のドレスだなんて思ってなかったので必死に辞退しようとしてたけど、ルークのお祝いでもあるし、私の事をずっと守って来てくれた褒美でもあるってお義母さまに説き伏せられた。

 オレイユ家ではお母さまがニーナの給金を払えるようにしてくれていたけど、四六時中私に尽くしてくれて、飢えないように食事の手配とか大変なこともあったし、キミーやイダルンダから嫌がらせも多かったのに辞めずにいてくれた事だって感謝だもの。

 ドレスを何枚だって買っても恩を返しきれないよ。
 
「ニーナ、この生地はどうかしらぁ」
「こっちの色合いもいいんじゃないかい?」

 お義母さまもお祖母様もノリノリでニーナに生地を当ててる。

「うふふ、難攻不落のサーキス卿が結婚を決めたって王都で大騒ぎだそうですよ」

 マダムが笑顔でデザイン画を確認して話し始める。

「あらぁ?もうバレちゃってるのぇ」
「サーキス子爵夫人がお茶会で嬉しそうに話回ってるそうです」
「まぁ!ルークちゃんが怒るわよねぇ。でも一生独り身と思っていた息子のことだから気持ちはわかるわぁ」

 年頃の子供を持つ母たちの会話!

 ニーナがしょっぱい顔になってるぞ。

「ニーナさまのこの腰のくびれを自慢したいわ。こんな感じはいかがかしらぁ?」

 ボディラインがハッキリしたマーメイドラインはニーナに似合いそうだけどルークは嫌がらないかな。せめてロールラインで合わせるかな。
 後ろにレースでフレア入れてとかロマンティクにしたい。

 ルークは銀髪にアイスブルーだから白地に銀糸刺繍と青い石を散らすと綺麗よね。
 銀多めに使いたいな。

 マダムのデザイン画を見ながら私は別紙にイメージを描き込んでいく。めっちゃ楽しい。
 
「まぁ、これは光を纏う感じになりそうですわねっ!綺麗ですわ」
「あらぁ、素敵ねぇ」

 お色直し的なドレスは甘いのも取り入れて。ニーナに似合う淡いグリーンのドレスも欲しい。

「リーシャさま、そんな可愛らしいのは私には無理です」
 なんて言うけどお祖母様とマダムが絶対似合うって後押ししてくれた。

 あとはお式に出る私たちのドレスもお願いして。

 最後にサラとメル、他の衣装のデザイン画を見せてマダムにお願いした。

「まぁ!可愛いですねぇ」
「でもお仕事中に中が見えそうなのは問題では?」

 マダムとお弟子さんにごもっともな事を言われてしまった。ダメか~。絶対領域は諦めるか。

「そうねぇ、せめてお膝までは無いとダメねぇ」
 と言われてせめて可愛い靴下の靴は譲れないと頑張った。

「このこちらの衣装は可愛くて良いですわね」
「そうねぇ、みんな喜んでくれそうねぇ」

 流石にメイド服やコックコートはマダムのお店じゃなくて下請けさんにお任せするそうだ。手が足りないしね。
 
 ジュリアスさまの衣装にはマダムが目をキラキラさせてた。

 そういえばルークの花婿衣装もいるんだったって思い出してお義母さまも「ハッ」ってなってみんなで苦笑。

 ジュリアスさま用に描いたデザインを少し変えて色合いをニーナの春色のグリーンの瞳に近い生地にニーナの髪色の濃い金を模した金糸刺繍とで、王子様チックなのができそうなデザイン画が完成!
 お色直しは白地に銀糸刺繍とグリーンの石でってことに。
 うーん、日本人だったら似合わなそうだけどルークなら似合う!

 ついでなのでってお義母さまがセリウスさんとクラウスさま、ついでにお義父さまとお祖父様の分もお願いしてた。

 そういえばそのうち王都のホーン慰労パーティも行かなくちゃだしね。

 マダムたちとお茶をしてから解散になったので私は離れに向かう。

 フーゴの村にもそろそろ顔を出したいから新しい教材を用意しなくちゃ。
 
 まずは離れの庭を覗くと色々育ってた。
 収穫してしばらくしたらまた育ち始めるからいつでも何か採れる夢のような畑になってるよ。ポムたちが気前良く舞をしてくれるもんだから。

 ホーンの時にたくさん放出してる空になってた棚のお酒が少し貯まって来たのでちょっとワクワク。
 寝かせる余裕が出て来たかな。

 マギー先生がちょいちょい瓶を持っていくけど大量じゃないので大丈夫。
 騎士団や使用人棟にも平等に分けてるので今のところ問題はない。
 まぁ人数に対して量が足りて無いけどちゃんと分け合ってるらしい。
 直に工場産が出回るからもうちょっと待ってね。

 甘酒の木のお酒は配合を変えて比べた中で泡盛っぽいのができたので嬉しかった。
 日本酒ワインっぽいのも出来たしで、なんでもありだ。

 アズライトとポムが一番飲んでるけど、まぁ加護あればこそなので仕方ないよね。
 池で作ってるお酒をたまに分けてくれるし。

 ふと思い立って酒粕を使って美肌パックを作ってみたら超潤った。
 ちょっとしたいたずら心でお義父さまに使ってもらったらボディビルダーみたいにテカったのでやりすぎた。脂ギッシュでは無いけどなんかダメだ。







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