346 / 710
二章
336話
しおりを挟む
ニーナとルークが十日目に帰って来た。
ルークはちょっとげっそりしてるけどニーナは王都で買ったのか出発したより明るいワンピースを着てる。よく似合ってる。
「遅くなりました」
「ただいま戻りました」
二人がお義母さまとお茶してる時に挨拶に来てくれたのでニーナに飛びついてハグしてもらった。やっぱ安心感があるよね。
「ルーク、ニーナのご家族はお受けしてくださったのかしらぁ?」
「はい、大変恐縮されましたが温かく迎え入れていただけました」
お義母さまが聞くと少し微笑んで肯定。ルークも少しは不安があったのかな?
「で、レイシア夫人やポーラちゃんはどうだったのぉ?」
「・・・相変わらずでした」
スンと遠い目になったルークの横でニーナが苦笑いしてる。サーキス家どんな感じなの?
「ああ、大奥様、リーシャさまの化粧水について定期的に買いたいとのことで手紙を預かって来ました」
「あらぁ!あの子達ならそうなるわねぇ。返事は出しておくわねぇ」
お義母さまは王都のお付き合いでサーキス家とも仲良くしてるそうなので譲るのは問題ない相手ってことだね。
「あと辺境までは面倒だと言い張っていた母と姉が披露宴に出たいと・・・」
「うふふ、可愛い弟のためって言うよりはリーシャちゃんとニーナ目当てでしょうねぇ☆」
おほぅ!私?!
「恐らくですがフラウ夫人たちも便乗して来ると思います」
お茶菓子を持って来たルルゥがガシャっと一瞬トレイを揺らして慌ててテーブルに置いた。
「ちょっとルーク!!それってほんとなの!?」
おぉう。真っ青なルルゥだ。動揺がすごい。
「ああ、私たちが王都に来ていると聞いて押しかけて来たぞ。化粧水のこともたくさん聞かれた」
サーキス家とフラウ家にはすでにルークたちが送ってたからもっと欲しいってことかな?
ルルゥは他人事だと思ってたら急に巻き込まれたぞ。
「ニーナの肌が美しいとアイツらニーナをエステ室に連れ込んで色々聞いたらしい」
ひえ。
って言うかニーナ嬢からニーナ呼びになってる。親密度アップか!!
「言われてるほど迷惑な感じではないですよ。美しくありたいのは女性であればみんな一緒です。お土産に持たせていただいた化粧品セットで私がしているケアの仕方を説明したくらいですんで」
さすがニーナ。わがまま令嬢キミー・オレイユを軽く躱していた猛者なのだ。
「そう言うことですのでルーデウスさまにもお手紙を預かっています」
「私のことはルルゥって呼んでちょうだい!」
「いえ。宛名がルーデウスちゃんへ、なので」
慌てて手紙を受け取って崩れ落ちた。
「リーシャちゃん、ボディクリーム込みで一式売ってちょうだい」
どうやら母と姉から催促されたようだ。
「ほほほ、あなたの母君も姉君も相変わらずねぇ☆」
「弟は永遠の奴隷だと思ってるんでしょ」
「それはウチもだな」
うーむ。お祖父様がお酒の工場と共に化粧品の工場も増やしてるようだからレシピを渡して丸投げ予定だけど、VIPなお知り合いの分は私が作るかな~。
「すでに王妃さまや高位貴族の間では有名ですので今後のことを考えるとグレーデン領内に店舗を構えた方が良いでしょう」
「王都じゃなくて良いの?」
「量産が追いつかないでしょうから買いに来れる人だけっと言った扱いで良いでしょう」
ルークが色々利害を計算してるようだ。
権利や商売系の管理はお義父さまとクラウスさまがしてくれてるし、化粧品を売る相手はお義母さまはが吟味してるけど、噂が広がれば売って欲しい人がお義母さまにいっぱい連絡して来そうだから窓口というか対応任せちゃえるお店があった方が楽になるだろう。
「披露宴に来る予定と言ってもその前に欲しいって来ちゃいそうねぇ」
「「・・・」」
ルークとルルゥがスンってなってる。仲良しだな!
「ルークさま、あの方達は外向きの顔は貴方にする行動とは違いますのでさほど心配ないと思いますよ」
「・・・!!!ニーナが逞しいわぁ!!私の嫁になってもらえば良かったわぁ」
いやいや、何で友情に亀裂入れようとしてるの。
ルークが何気にニーナの腰を抱いて威嚇してる。ちゃんとラブだな。
「ルーク、流石ので審美眼だったわねぇ!良いお相手だわぁ。大事になさいな」
「言われずとも」
私もニーナが誇らしいぞ。
「うふふ、ニーナくらい肝が据わってるなら何も心配ないわねぇ。ルークちゃん良かったわねぇ」
ルークとルルゥはジュリアスさまと学園時代からの仲良しなのでお義母さまの中では三人とも子供扱いだなぁ。
ルークは溜まっているであろう仕事を片付けに騎士団棟に向かうそうなので出て行って、ニーナには今日は休んで明日からって言ったけど「十分休みましたので」って着替えに行ってからすぐ通常勤務に戻った。真面目すぎ~。
でもいつも通り私に付いてくれてるのが嬉しくて幸せだ。
庭で遊んでいたらしいポムたちがニーナの帰宅に気付いて戻って来てニーナのお胸にダイブしたので逆さでブラーンの刑を執行したよ!
エロモニパルめ。
でもニーナがもふもふ大好きなので嫌そうじゃないから仕方ないねぇ。
---------------
地震がまだ収まらず怖いですね。
うちは一回めの時にかなり家がミシミシ言って、横揺れしている時間が長くてびっくりでした。
被災地域にお住まいの方、無事避難されていますよう。
ルークはちょっとげっそりしてるけどニーナは王都で買ったのか出発したより明るいワンピースを着てる。よく似合ってる。
「遅くなりました」
「ただいま戻りました」
二人がお義母さまとお茶してる時に挨拶に来てくれたのでニーナに飛びついてハグしてもらった。やっぱ安心感があるよね。
「ルーク、ニーナのご家族はお受けしてくださったのかしらぁ?」
「はい、大変恐縮されましたが温かく迎え入れていただけました」
お義母さまが聞くと少し微笑んで肯定。ルークも少しは不安があったのかな?
「で、レイシア夫人やポーラちゃんはどうだったのぉ?」
「・・・相変わらずでした」
スンと遠い目になったルークの横でニーナが苦笑いしてる。サーキス家どんな感じなの?
「ああ、大奥様、リーシャさまの化粧水について定期的に買いたいとのことで手紙を預かって来ました」
「あらぁ!あの子達ならそうなるわねぇ。返事は出しておくわねぇ」
お義母さまは王都のお付き合いでサーキス家とも仲良くしてるそうなので譲るのは問題ない相手ってことだね。
「あと辺境までは面倒だと言い張っていた母と姉が披露宴に出たいと・・・」
「うふふ、可愛い弟のためって言うよりはリーシャちゃんとニーナ目当てでしょうねぇ☆」
おほぅ!私?!
「恐らくですがフラウ夫人たちも便乗して来ると思います」
お茶菓子を持って来たルルゥがガシャっと一瞬トレイを揺らして慌ててテーブルに置いた。
「ちょっとルーク!!それってほんとなの!?」
おぉう。真っ青なルルゥだ。動揺がすごい。
「ああ、私たちが王都に来ていると聞いて押しかけて来たぞ。化粧水のこともたくさん聞かれた」
サーキス家とフラウ家にはすでにルークたちが送ってたからもっと欲しいってことかな?
ルルゥは他人事だと思ってたら急に巻き込まれたぞ。
「ニーナの肌が美しいとアイツらニーナをエステ室に連れ込んで色々聞いたらしい」
ひえ。
って言うかニーナ嬢からニーナ呼びになってる。親密度アップか!!
「言われてるほど迷惑な感じではないですよ。美しくありたいのは女性であればみんな一緒です。お土産に持たせていただいた化粧品セットで私がしているケアの仕方を説明したくらいですんで」
さすがニーナ。わがまま令嬢キミー・オレイユを軽く躱していた猛者なのだ。
「そう言うことですのでルーデウスさまにもお手紙を預かっています」
「私のことはルルゥって呼んでちょうだい!」
「いえ。宛名がルーデウスちゃんへ、なので」
慌てて手紙を受け取って崩れ落ちた。
「リーシャちゃん、ボディクリーム込みで一式売ってちょうだい」
どうやら母と姉から催促されたようだ。
「ほほほ、あなたの母君も姉君も相変わらずねぇ☆」
「弟は永遠の奴隷だと思ってるんでしょ」
「それはウチもだな」
うーむ。お祖父様がお酒の工場と共に化粧品の工場も増やしてるようだからレシピを渡して丸投げ予定だけど、VIPなお知り合いの分は私が作るかな~。
「すでに王妃さまや高位貴族の間では有名ですので今後のことを考えるとグレーデン領内に店舗を構えた方が良いでしょう」
「王都じゃなくて良いの?」
「量産が追いつかないでしょうから買いに来れる人だけっと言った扱いで良いでしょう」
ルークが色々利害を計算してるようだ。
権利や商売系の管理はお義父さまとクラウスさまがしてくれてるし、化粧品を売る相手はお義母さまはが吟味してるけど、噂が広がれば売って欲しい人がお義母さまにいっぱい連絡して来そうだから窓口というか対応任せちゃえるお店があった方が楽になるだろう。
「披露宴に来る予定と言ってもその前に欲しいって来ちゃいそうねぇ」
「「・・・」」
ルークとルルゥがスンってなってる。仲良しだな!
「ルークさま、あの方達は外向きの顔は貴方にする行動とは違いますのでさほど心配ないと思いますよ」
「・・・!!!ニーナが逞しいわぁ!!私の嫁になってもらえば良かったわぁ」
いやいや、何で友情に亀裂入れようとしてるの。
ルークが何気にニーナの腰を抱いて威嚇してる。ちゃんとラブだな。
「ルーク、流石ので審美眼だったわねぇ!良いお相手だわぁ。大事になさいな」
「言われずとも」
私もニーナが誇らしいぞ。
「うふふ、ニーナくらい肝が据わってるなら何も心配ないわねぇ。ルークちゃん良かったわねぇ」
ルークとルルゥはジュリアスさまと学園時代からの仲良しなのでお義母さまの中では三人とも子供扱いだなぁ。
ルークは溜まっているであろう仕事を片付けに騎士団棟に向かうそうなので出て行って、ニーナには今日は休んで明日からって言ったけど「十分休みましたので」って着替えに行ってからすぐ通常勤務に戻った。真面目すぎ~。
でもいつも通り私に付いてくれてるのが嬉しくて幸せだ。
庭で遊んでいたらしいポムたちがニーナの帰宅に気付いて戻って来てニーナのお胸にダイブしたので逆さでブラーンの刑を執行したよ!
エロモニパルめ。
でもニーナがもふもふ大好きなので嫌そうじゃないから仕方ないねぇ。
---------------
地震がまだ収まらず怖いですね。
うちは一回めの時にかなり家がミシミシ言って、横揺れしている時間が長くてびっくりでした。
被災地域にお住まいの方、無事避難されていますよう。
368
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる