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二章
322話
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お酒が結構仕上がって来たので騎士さんたちやホーンからのお客さまをお世話してくれてるコックさん使用人さんたちに英気を養ってもらうために振る舞った。
騎士さんたちはかなりお疲れだけど「やったー!!」って大騒ぎだったよ。
ポムたちが慰安のために兵舎、使用人棟、妊婦さんたち、衰弱していた人たちの元をぐるぐる回って踊ったり甘えたりをしてたらしい。セラピーモニパル!!
衰弱していた人たちの中には子供たちも結構いてポムたちが人気者になってる。
元気になった子達だけ裏のアスレチックで遊んでる。大人用なのでもちろん補助付きだけど、ホーンも騎士の育つ土地なので子供たちは大暴れだ。慌てて庭師さんたちが子供用で作ったりして。
女の子たちはコックさんの元に行ってオヤツ作りを手伝ったり教わったりで。
余裕が出て来たんだって思えてホッとする。
私は酒蔵チェックと魔導インク、栄養剤、ポーション(中級)作りと魔力充填を日々繰り返した。
そんなある日、唐突に魔力持ちの招集がかかった。
工房の魔導師たちにも強制ではないけれど呼び出しを入れたらしい。
慌てて移動してるとポムたちが私に乗ってきた。
「プッキュ」
「モッキュ」
「グギャ!」
アランたちに連れられて魔法陣の塔に向かうとクラウスさまが私を受け取った。
「父上たちがやらかした!!」
「「「は!?」」」
サーキスさまも呼び入れた人員を転移陣に誘導している。
「リーシャさま、申し訳ないのですがお力をお貸しください」
おお?いつもならセーブを言い渡されてる方なのに一体何が。
「風属性の者、最優先で移動してくれ」
火魔法じゃないの?
アランたちは私はの護衛なので一緒に転移陣に乗った。
相変わらず一瞬で視界が変わる。
前回よりマシかもだけどさっむ!!
「リーシャさま、まず遮断魔法を!」
マントに包まれて冷気を遮断するように言われた。
「行きます!!」
外に出ると雪煙?吹雪とちょっと違う感じな気がするけどわからない。サーキスさまとクラウスさまがその中を飛ぶように進む。
ルルゥやアークさま中心に多くの人が風魔法屋氷魔法で壁を作って雪の流れを必死に押し留めている。
「雪崩です。ここを突破されると住民たちの街が全壊します」
えええええ!!大問題。
ルルゥたちみたいに風魔法使えば良いのかな?
「火魔法で氷を溶かすと洪水になります」
わぁ・・・。
私は探知で地中っを探ってみた。土はかなり下の方だから土壁はかなり魔力を使うから現実的じゃない。
ディディエとティムがルルゥに乗って風魔法の補佐を始めた。一気に高魔力が出た。
私はクラウスさまに降ろしてもらって魔力を練る。大気中の魔素を使うと言う手もありなんだけどこれは使いすぎると後からここの住人が困るので却下。
「一瞬魔力放出を止めてください!!・・・行きます!!アイスウォール!!」
気合いだ!
風魔法で対応中の人に影響があるといけないので少し手前をイメージして有り余っている雪を集めて一気に盛り上げていく。
「「「「は!!!???」」」」
突然盛り上がった氷の壁に直前まで風魔法で抑えていた人たちが呆けて固まってる。
雪崩に予想される道筋は封鎖できたはず。これもあとから処理するの大変だろうな。かなり頑丈だから撤去出来ないかも。
吹雪も雪煙もまだ収まってないから視界は悪いししゃんとしてよね。
ズドドッと壁に重い雪崩に衝突音が続く。
保つかな?
「ぉおおおぉーーーい!!」
「いきなり壁出来たのぅ」
壁のてっぺんから声がする。
その後ろからげっそりしたセリウスさまと憮然としたジュリアスさまが現れた。
「アーク殿、元凶はとりあえず抑えられました」
壁から滑るように降りて来たジュリアスさまたち。
私を見つけたジュリアスさまが眉を寄せてから私を抱き上げに来た。
アズライトも肩にいたけど微妙な顔している。
「話は屋敷でしようか」
アークさまに促されて移動することになった。
まだ収まってない雪崩の音が気になったけど王宮魔導師団や他の騎士さんたちで対応できるそうなのでお任せ。
グレーデンから呼ばれた魔導師さんたちは後処理を手伝うことに。
雪を払って広間に案内されるとお義父さまとダレスさま、ハロルド、お義父さまによく似た筋肉イケオジ、さらにスキンヘッドもマッチョオジとロン毛の渋いオジ、そしておば・・・お姉様?がいた。
これは察するにお祖父様たちってことでよろしいか?
ん?お祖父様???
「いやぁ、あまりの寒さに短期決戦にしてしまったわ!!ガハハ」
それは台無しってやつでは。
お義父さまに似たマッチョが明るく言う。
「せっかく通るのだからとアークに会いに来てみたらこんな状況じゃからな」
「アイスバッファロー狩り放題では滾るのぉ」
「ホワイトトレントもレアよねー」
変わった獲物が多かったようで。良かったね。
どうやらお義父さまたちはホーン経由で帰ってくる予定で上空をワイバーンで通ろうとしたら吹雪で阻まれたそうだ。
「だからって山を吹っ飛ばさなくても良いだろー」
セリウスさまが文句を言うとお・・・姉様?が呆れ顔。
「あんな状態なら何かを諦める決断もしないとだよってあんた誰の息子だい?」
「ワシの二番目じゃ」
とっても今更な自己紹介が始まった。
お義父さまに似たおじさまがクラウドさま、その奥さんであるお姉様がデリアさま、スキンヘッドさんがマルゴさん、渋おじさまがスピネルさんだそう。
ただ気になるのはどうみてもお義父さまと同じくらいか少し下に見える。
「はっはは。若さの秘密かい?」
ん!デジャブ。
「ダンジョンで迷路に嵌ってた間は時間経過がなかったようでね」
ファ!迷路?
「そうなんだ。数ヶ月だと思っていたら二十年だったかな?出てきたらギルド長も変わっておったしびっくりだったぞ」
めっちゃ楽しそうだけど結構大変だよね。
「まっさか息子たちが年上みたいに老けとるとは思わんさねー!!はっは」
「ジュリアスがクラウドそっくりで笑える」
「いやー中身は似てなさそうさね」
明るく楽しそうだけどジュリアスさまたちとサーキスさまとハロルドは般若で、アークさまが諦め顔で。
「それで元凶の魔物はなんだった?」
アークさまがそう言うとクラウドさまがマジックバッグから首をゴトーンと出した。
アイスドラゴンらしい。
そしてセリウスさまが小さな犬をわりと乱暴に放り出した。
騎士さんたちはかなりお疲れだけど「やったー!!」って大騒ぎだったよ。
ポムたちが慰安のために兵舎、使用人棟、妊婦さんたち、衰弱していた人たちの元をぐるぐる回って踊ったり甘えたりをしてたらしい。セラピーモニパル!!
衰弱していた人たちの中には子供たちも結構いてポムたちが人気者になってる。
元気になった子達だけ裏のアスレチックで遊んでる。大人用なのでもちろん補助付きだけど、ホーンも騎士の育つ土地なので子供たちは大暴れだ。慌てて庭師さんたちが子供用で作ったりして。
女の子たちはコックさんの元に行ってオヤツ作りを手伝ったり教わったりで。
余裕が出て来たんだって思えてホッとする。
私は酒蔵チェックと魔導インク、栄養剤、ポーション(中級)作りと魔力充填を日々繰り返した。
そんなある日、唐突に魔力持ちの招集がかかった。
工房の魔導師たちにも強制ではないけれど呼び出しを入れたらしい。
慌てて移動してるとポムたちが私に乗ってきた。
「プッキュ」
「モッキュ」
「グギャ!」
アランたちに連れられて魔法陣の塔に向かうとクラウスさまが私を受け取った。
「父上たちがやらかした!!」
「「「は!?」」」
サーキスさまも呼び入れた人員を転移陣に誘導している。
「リーシャさま、申し訳ないのですがお力をお貸しください」
おお?いつもならセーブを言い渡されてる方なのに一体何が。
「風属性の者、最優先で移動してくれ」
火魔法じゃないの?
アランたちは私はの護衛なので一緒に転移陣に乗った。
相変わらず一瞬で視界が変わる。
前回よりマシかもだけどさっむ!!
「リーシャさま、まず遮断魔法を!」
マントに包まれて冷気を遮断するように言われた。
「行きます!!」
外に出ると雪煙?吹雪とちょっと違う感じな気がするけどわからない。サーキスさまとクラウスさまがその中を飛ぶように進む。
ルルゥやアークさま中心に多くの人が風魔法屋氷魔法で壁を作って雪の流れを必死に押し留めている。
「雪崩です。ここを突破されると住民たちの街が全壊します」
えええええ!!大問題。
ルルゥたちみたいに風魔法使えば良いのかな?
「火魔法で氷を溶かすと洪水になります」
わぁ・・・。
私は探知で地中っを探ってみた。土はかなり下の方だから土壁はかなり魔力を使うから現実的じゃない。
ディディエとティムがルルゥに乗って風魔法の補佐を始めた。一気に高魔力が出た。
私はクラウスさまに降ろしてもらって魔力を練る。大気中の魔素を使うと言う手もありなんだけどこれは使いすぎると後からここの住人が困るので却下。
「一瞬魔力放出を止めてください!!・・・行きます!!アイスウォール!!」
気合いだ!
風魔法で対応中の人に影響があるといけないので少し手前をイメージして有り余っている雪を集めて一気に盛り上げていく。
「「「「は!!!???」」」」
突然盛り上がった氷の壁に直前まで風魔法で抑えていた人たちが呆けて固まってる。
雪崩に予想される道筋は封鎖できたはず。これもあとから処理するの大変だろうな。かなり頑丈だから撤去出来ないかも。
吹雪も雪煙もまだ収まってないから視界は悪いししゃんとしてよね。
ズドドッと壁に重い雪崩に衝突音が続く。
保つかな?
「ぉおおおぉーーーい!!」
「いきなり壁出来たのぅ」
壁のてっぺんから声がする。
その後ろからげっそりしたセリウスさまと憮然としたジュリアスさまが現れた。
「アーク殿、元凶はとりあえず抑えられました」
壁から滑るように降りて来たジュリアスさまたち。
私を見つけたジュリアスさまが眉を寄せてから私を抱き上げに来た。
アズライトも肩にいたけど微妙な顔している。
「話は屋敷でしようか」
アークさまに促されて移動することになった。
まだ収まってない雪崩の音が気になったけど王宮魔導師団や他の騎士さんたちで対応できるそうなのでお任せ。
グレーデンから呼ばれた魔導師さんたちは後処理を手伝うことに。
雪を払って広間に案内されるとお義父さまとダレスさま、ハロルド、お義父さまによく似た筋肉イケオジ、さらにスキンヘッドもマッチョオジとロン毛の渋いオジ、そしておば・・・お姉様?がいた。
これは察するにお祖父様たちってことでよろしいか?
ん?お祖父様???
「いやぁ、あまりの寒さに短期決戦にしてしまったわ!!ガハハ」
それは台無しってやつでは。
お義父さまに似たマッチョが明るく言う。
「せっかく通るのだからとアークに会いに来てみたらこんな状況じゃからな」
「アイスバッファロー狩り放題では滾るのぉ」
「ホワイトトレントもレアよねー」
変わった獲物が多かったようで。良かったね。
どうやらお義父さまたちはホーン経由で帰ってくる予定で上空をワイバーンで通ろうとしたら吹雪で阻まれたそうだ。
「だからって山を吹っ飛ばさなくても良いだろー」
セリウスさまが文句を言うとお・・・姉様?が呆れ顔。
「あんな状態なら何かを諦める決断もしないとだよってあんた誰の息子だい?」
「ワシの二番目じゃ」
とっても今更な自己紹介が始まった。
お義父さまに似たおじさまがクラウドさま、その奥さんであるお姉様がデリアさま、スキンヘッドさんがマルゴさん、渋おじさまがスピネルさんだそう。
ただ気になるのはどうみてもお義父さまと同じくらいか少し下に見える。
「はっはは。若さの秘密かい?」
ん!デジャブ。
「ダンジョンで迷路に嵌ってた間は時間経過がなかったようでね」
ファ!迷路?
「そうなんだ。数ヶ月だと思っていたら二十年だったかな?出てきたらギルド長も変わっておったしびっくりだったぞ」
めっちゃ楽しそうだけど結構大変だよね。
「まっさか息子たちが年上みたいに老けとるとは思わんさねー!!はっは」
「ジュリアスがクラウドそっくりで笑える」
「いやー中身は似てなさそうさね」
明るく楽しそうだけどジュリアスさまたちとサーキスさまとハロルドは般若で、アークさまが諦め顔で。
「それで元凶の魔物はなんだった?」
アークさまがそう言うとクラウドさまがマジックバッグから首をゴトーンと出した。
アイスドラゴンらしい。
そしてセリウスさまが小さな犬をわりと乱暴に放り出した。
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