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二章
319話
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お義母さまはどうしてもジュリアスさまの恋バナに持っていきたいみたい。
「あの子ってば小さい頃から周りが戦える女ばかりだったから王都に行ったらキャイキャイと甘い声で話しかけて来た令嬢にびっくりして狼狽えてたら令嬢たちがポジション取り?で押し合いして弾き飛ばすのをみて領地のとは種類が違う猛獣と認識しちゃったのよねぇ」
なんか気の毒になって来た。
「そのあと色情魔の年増とか地位やお金目当ての令嬢に薬盛られたりでねぇ、女運が悪いって言うのかしらねぇ?」
怖いよ!女性が男性に薬を盛るなんて。
「私も良く薬を盛られそうになったけど蹴り飛ばしてましたわ」
いやいやいや。
「まぁ私もゼロでは無いわねぇ。死ぬより怖いお仕置きをしてあげたわぁ♡」
社交界怖い。
高位貴族の令息令嬢の秘密の七つ道具に解毒薬って言うのが入ってるらしい。
って言うか七つ道具なんてあるんだ。
ただ薬もピンキリで飲まされた物に効かない場合もあるとか。マジ怖い。
あと六つはなんだろう。
「そういえばリーシャちゃんは持ってないわねぇ。一人にする機会が無いから失念してたわぁ。でも既婚だからいらないわねぇ」
あとの六つを知る機会が無さげだ。
「まぁあれしきで女性不信になるのはちょっと世間知らずにさせ過ぎちゃったわねぇ」
あれしきでは無いと思う・・・。
「セリウスとクラウスはジュリアスを見てたからか要領が良くなっちゃって逆にダメねぇ」
うーん、私はなんとも言えないなぁ。
「ふふ、グレーデンの兄弟は真面目すぎるんですよ」
アウロラさまが笑うと雪の結晶が舞ってるみたいに綺麗だな。目が眩しさにやられる。
「リーシャちゃん、アウロラに騙されちゃダメだよー。ルルゥがオヤツをどうぞーだって」
ってセリウスさまがティーワゴンを押して入って来た。
「セリウスさま?」
「ただいま~、ちょっと書類仕事と食事に戻って来たよー」
「「「おかえりなさい」」」
「騙すなんて人聞きが悪いですね」
「猫被りすぎだろー」
ニーナが運ばれて来たオヤツを並べてくれる。ニーナの胸元から離れたポムたちはベッドにいるアウロラさまのお膝に乗る。こらこらー。
「いい?リーシャちゃん、この人、アンゼリカと一緒にビッグスネークを振り回して追いかけてきたりベビースパイダーを投げつけて来たりを学園に入るまでやってたんだぞー」
なんだろう。全然想像ができない。アンゼリカさまはまぁ想像できるんだけど。
「まぁ!あんなものは辺境育ちならみんなすることですわ」
「そうねぇ、お義母さま(先先代妻)なんてキングスネークやブラックサーペントを普通に振り回してたわねぇ」
アウロラさまもお義母さまもコロコロ笑ってる。
「普通じゃねぇー!」
アウロラさまがポムたちを撫で撫ですると気持ちよさそうに腹天だよ。君たちも美人が好きか。
「あらあら、でもね?戦える嫁って言うのもかっこいいわよねぇ」
「母上、リーシャちゃんが来た時はお人形のように可愛くて嬉しいって言ってたじゃんー」
「そうよぉ~、理想の娘って感じじゃ無い?アンゼリカちゃんもアウロラちゃんも可愛いけど可愛いドレスを着てくれないんだものぉ」
親子でわぁわぁやってるのでこそっとアウロラさまにオヤツを勧める。
今日のおやつは蜂蜜パンケーキとフルーツのスープだ。
「ここは以前に比べると食材が増えたようですね」
「そだよー。リーシャちゃんが色々食べられる食材を教えてくれてそこのポムたちが畑を手伝ってくれてるんだ~」
セリウスさまもお義母さまもいつの間にかパンケーキを頬張っている。
「ポムちゃんもティムちゃんもすごいですね」
アウロラさまがポムたちに餌付けしてる。
「この果物もとても好きな味です」
「ポムたちが食べたいと種をくれたんです」
プルルンを口に入れて笑顔になってるアウロラさまはマジ女神。
「栄養もたっぷりなのでたくさん食べてくださいね」
女神から産まれるのはきっと天使だ。待ち遠しいな~って思ってたらセリウスさまがザックリと淡い幻想をぶった斬った。
「リーシャちゃん、お腹の子に夢を見てるみたいだけど高確率でフレイに似るから~」
えー。フレイさまにはお会いしたことが無いけど、アークさまやミゲルさまから予想するとイケメンでマッチョだから私的にはアリだよ。
でもアウロラさまの美しさも後世に残って欲しい。
「リーシャちゃんは筋肉が好きだからフレイさま似でも嬉しいわよねぇ」
「はい!!!」
「あら、逞しい人が好きなの?」
「当然です!!!」
キョトンとしたアウロラさまが今日一番の笑顔になった。
「でも赤ちゃんには筋肉ないからなー」
セリウスさまが身もふたもないよう。
そりゃ鍛え始めるまでは子供の柔らかいモチ肌を堪能するに決まってるでしょ!!!
「男は筋肉、王都の友達は理解してくれなかったけどスノウリリィーさまもリーシャさまも良くわかってらっしゃるのね!やっぱりルドガーさまが至高の肉体ですよね!!!」
めっちゃ力説するとアウロラさまを嫌そうに見るセリウスさまとキラキラした目で見るお義母さまの温度差がすごい。
お義父さまは大人気なんだな。
「うちの旦那さまはまだまだ足りて無いけど前鋸筋が素晴らしいんです!!」
「まぁまぁ、私のルドガーさまはどこも素敵すぎて選べないけどやっぱり大臀筋は外せないわぁ」
おっとマニアックに語り始めちゃった。
「リーシャさまは!?」
「ジュリアスのどこ!!」
物凄い笑顔の圧で迫られて。
「えっと腹斜筋と腸腰筋・・・?」
「まぁエッチだわ!!」
「あらぁ変わってるのねぇ」
ええええ!?エッチかな!?
セリウスさまが無言でパンケーキを食べてる。
「俺だって結構鍛えてるんだけどなー」
ボソッと呟くセリウスさまがちょっと可愛かった。
「あの子ってば小さい頃から周りが戦える女ばかりだったから王都に行ったらキャイキャイと甘い声で話しかけて来た令嬢にびっくりして狼狽えてたら令嬢たちがポジション取り?で押し合いして弾き飛ばすのをみて領地のとは種類が違う猛獣と認識しちゃったのよねぇ」
なんか気の毒になって来た。
「そのあと色情魔の年増とか地位やお金目当ての令嬢に薬盛られたりでねぇ、女運が悪いって言うのかしらねぇ?」
怖いよ!女性が男性に薬を盛るなんて。
「私も良く薬を盛られそうになったけど蹴り飛ばしてましたわ」
いやいやいや。
「まぁ私もゼロでは無いわねぇ。死ぬより怖いお仕置きをしてあげたわぁ♡」
社交界怖い。
高位貴族の令息令嬢の秘密の七つ道具に解毒薬って言うのが入ってるらしい。
って言うか七つ道具なんてあるんだ。
ただ薬もピンキリで飲まされた物に効かない場合もあるとか。マジ怖い。
あと六つはなんだろう。
「そういえばリーシャちゃんは持ってないわねぇ。一人にする機会が無いから失念してたわぁ。でも既婚だからいらないわねぇ」
あとの六つを知る機会が無さげだ。
「まぁあれしきで女性不信になるのはちょっと世間知らずにさせ過ぎちゃったわねぇ」
あれしきでは無いと思う・・・。
「セリウスとクラウスはジュリアスを見てたからか要領が良くなっちゃって逆にダメねぇ」
うーん、私はなんとも言えないなぁ。
「ふふ、グレーデンの兄弟は真面目すぎるんですよ」
アウロラさまが笑うと雪の結晶が舞ってるみたいに綺麗だな。目が眩しさにやられる。
「リーシャちゃん、アウロラに騙されちゃダメだよー。ルルゥがオヤツをどうぞーだって」
ってセリウスさまがティーワゴンを押して入って来た。
「セリウスさま?」
「ただいま~、ちょっと書類仕事と食事に戻って来たよー」
「「「おかえりなさい」」」
「騙すなんて人聞きが悪いですね」
「猫被りすぎだろー」
ニーナが運ばれて来たオヤツを並べてくれる。ニーナの胸元から離れたポムたちはベッドにいるアウロラさまのお膝に乗る。こらこらー。
「いい?リーシャちゃん、この人、アンゼリカと一緒にビッグスネークを振り回して追いかけてきたりベビースパイダーを投げつけて来たりを学園に入るまでやってたんだぞー」
なんだろう。全然想像ができない。アンゼリカさまはまぁ想像できるんだけど。
「まぁ!あんなものは辺境育ちならみんなすることですわ」
「そうねぇ、お義母さま(先先代妻)なんてキングスネークやブラックサーペントを普通に振り回してたわねぇ」
アウロラさまもお義母さまもコロコロ笑ってる。
「普通じゃねぇー!」
アウロラさまがポムたちを撫で撫ですると気持ちよさそうに腹天だよ。君たちも美人が好きか。
「あらあら、でもね?戦える嫁って言うのもかっこいいわよねぇ」
「母上、リーシャちゃんが来た時はお人形のように可愛くて嬉しいって言ってたじゃんー」
「そうよぉ~、理想の娘って感じじゃ無い?アンゼリカちゃんもアウロラちゃんも可愛いけど可愛いドレスを着てくれないんだものぉ」
親子でわぁわぁやってるのでこそっとアウロラさまにオヤツを勧める。
今日のおやつは蜂蜜パンケーキとフルーツのスープだ。
「ここは以前に比べると食材が増えたようですね」
「そだよー。リーシャちゃんが色々食べられる食材を教えてくれてそこのポムたちが畑を手伝ってくれてるんだ~」
セリウスさまもお義母さまもいつの間にかパンケーキを頬張っている。
「ポムちゃんもティムちゃんもすごいですね」
アウロラさまがポムたちに餌付けしてる。
「この果物もとても好きな味です」
「ポムたちが食べたいと種をくれたんです」
プルルンを口に入れて笑顔になってるアウロラさまはマジ女神。
「栄養もたっぷりなのでたくさん食べてくださいね」
女神から産まれるのはきっと天使だ。待ち遠しいな~って思ってたらセリウスさまがザックリと淡い幻想をぶった斬った。
「リーシャちゃん、お腹の子に夢を見てるみたいだけど高確率でフレイに似るから~」
えー。フレイさまにはお会いしたことが無いけど、アークさまやミゲルさまから予想するとイケメンでマッチョだから私的にはアリだよ。
でもアウロラさまの美しさも後世に残って欲しい。
「リーシャちゃんは筋肉が好きだからフレイさま似でも嬉しいわよねぇ」
「はい!!!」
「あら、逞しい人が好きなの?」
「当然です!!!」
キョトンとしたアウロラさまが今日一番の笑顔になった。
「でも赤ちゃんには筋肉ないからなー」
セリウスさまが身もふたもないよう。
そりゃ鍛え始めるまでは子供の柔らかいモチ肌を堪能するに決まってるでしょ!!!
「男は筋肉、王都の友達は理解してくれなかったけどスノウリリィーさまもリーシャさまも良くわかってらっしゃるのね!やっぱりルドガーさまが至高の肉体ですよね!!!」
めっちゃ力説するとアウロラさまを嫌そうに見るセリウスさまとキラキラした目で見るお義母さまの温度差がすごい。
お義父さまは大人気なんだな。
「うちの旦那さまはまだまだ足りて無いけど前鋸筋が素晴らしいんです!!」
「まぁまぁ、私のルドガーさまはどこも素敵すぎて選べないけどやっぱり大臀筋は外せないわぁ」
おっとマニアックに語り始めちゃった。
「リーシャさまは!?」
「ジュリアスのどこ!!」
物凄い笑顔の圧で迫られて。
「えっと腹斜筋と腸腰筋・・・?」
「まぁエッチだわ!!」
「あらぁ変わってるのねぇ」
ええええ!?エッチかな!?
セリウスさまが無言でパンケーキを食べてる。
「俺だって結構鍛えてるんだけどなー」
ボソッと呟くセリウスさまがちょっと可愛かった。
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