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二章
311話
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お部屋で買って来た瓶を全て〈洗浄〉して、詰め替えるのをアランとジェイクとニーナが手伝ってくれる。
ごっつい数を用意しないとみんなに回せないので大変。
途中でニーナがお茶を用意してくれて必死に詰め替え。
お部屋の中が七虹草の香りでめっちゃフローラル。美味しい香りになってる。
「おお~俺の指が艶々になった!!」
「ちょっ!頑張った証しの剣だこが柔らかくなって来た!!!」
アランとジェイクが溢れたクリームで手のひらが滑らかになってしまったそうだ。わお。
「剣ダコは消えたら悲しいかもー」
「うん、鍛え方が足りないとか言われそうだなぁ」
二人は小声で話ながらしょんぼり気味に。
ん~、ビニール手袋みたいなのがないから素手だったのが敗因か。
「まぁ、女性に身体に触れる時はスベスベの手の方が喜ばれるんではないですか?」
え、ニーナ、そっち系のお話もしちゃうのね!新発見。
まだ十六、七の二人がちょっとモジモジしちゃうじゃん!!
「えー、彼女は実はこの手嫌だったのかー」
「騎士の手は素敵だって言ってくれたのは嘘だったのか・・・」
さらに落ち込んじゃった!
って!!???二人とも彼女いたんだ!!!?!!
「えーと・・・彼女さん用に一つずつどうぞ?」
護衛のお仕事でなかなか会えないだろうし、ご機嫌をとってね。
「いけません!これ高価でしょう?」
「彼女だけ渡したら母さんに憎まれそうです」
おおおぉ!これは大変だ。
「ほんの少しでもかなりの効き目なので小分けにしてお渡ししたらどうですか?」
「「それだ!!!」」
なんだろう。グレーデンはカカア天下とか女性のご機嫌が大事なのかな。
「アランとジェイクは詰め替えるのを手伝ってくれてるし二つずつあげるよ。お試しした結果聞かせてね?」
若い男の子が使った時の効き目も知りたいし。
「「ありがとうございます!!!」」
めっちゃ力んだお礼を言われた。切実なんだな。
まだ半分ほどしか詰めてないけどそろそろジュリアスさまたちが帰ってくる頃だから残りは明日やろう。
そういえば酒蔵寄るの忘れたな。明日寄って、今日ポムたちに貰った草を試そう。
ノックをされてニーナが確認に出たら、サーキスさまとマギー先生だった。
入室を許可すると、ずずいっとマギー先生が私の頬をグニッとした。
「こいつはすごいねぇ」
テーブルに置いてた鍋に指を差し入れ匂いを嗅いで手に塗りつける。
「百目は少しのようだけど薬草の方とで相乗効果があるのか・・・」
一瞬で成分がわかるんだ。すごい。
「えーと、マギー先生がにも一式用意してますよ」
「おや?良いのかい?」
ポーションと化粧水とクリームのフルセットだよ!
「百目をポーションにする能力も驚くけど効能がまたすごいねぇ」
呆れたように瓶を観察してる。ロジャー先生みたいにサーチが出来るんだな。
「リーシャさま、これはすぐに商業ベースにしたいのですが今朝頂いた製法で一般の魔導師が出来るとは思えないのですが?」
ん?
「百目を使ってポーションを作れるのは上級魔導師だけでしょうから」
ああ~、素材が高レベルだと扱いに難いんだっけ。
「ん~?ポーションは大鍋にほんの数滴使うだけだから私が作ったポーションを預けますよ」
まだ目玉残ってるし。また角膜と水晶体をバラさないとなのは嫌だけど仕方ない。
「・・・どれくらい作ったんだい?」
「んーとこの鍋分?」
「はぁー、聞いてはいたけど規格外だねぇ」
大きめの鍋を見せたらマギー先生が唖然としちゃった。
「なるほど、あとは七虹草を混ぜる時に安定して魔力を流せれば失敗しないのですね?」
失敗しないかはわかんないけど、素材混ぜるくらいなら大丈夫なはず。
「ハッキリ言ってジュリアスさまがあんなになるほどの化粧品は私の親族にバレたらめちゃくちゃ圧を掛けられます。恐ろしいことになるんです!」
いつもクールなサーキスさまがめっちゃ力説して後ろでアランとジェイクがカクカクと頷いてる。
「私は姉上に献上しないと消されることになると思います!早急に量産体制を整えますがその前に!!!化粧水とクリームを言い値で売ってください!!!!伯母上も怖いんです!!!」
物凄く切羽詰まった感じだ。怖い!
母君をすっ飛ばして伯母君出てきたーーーー!!!
「ルーク!抜け駆けは良くないわぁ!リーシャさま、私の母と姉も怖いんで譲って欲しいわぁ」
ルルゥがバーンと入って来た。びっくり!
ルルゥは自分をケアして結果を私に見せようとお部屋に訪ねてみたらしく、サーキスさまの話を聞いて自分の姉を思い出したらしい。
一瞬で顔色が悪くなって私の肩をガシってしておねだりポーズになった。
二人とも今まで色々作っても家族の分をって言ったことなかったのに化粧品だとこんな焦っちゃうのなんでぇ?
「えーと、別に譲るのはいいんだけど、お義母さまに確認してね?」
多分、お義母さまの姉マールベリーさまとかグレーデン一族のお嫁さまたちにも配らないとダメなヤツだ。
王妃さまもかな。
お義母さまの社交関係を優先しないとダメだろうから用意だけして丸投げしよう。
神様の蜜酒のことで拗ねちゃったお義母さまとルルゥのご機嫌をとるつもりがめんどくさいことになっちゃった。
ごっつい数を用意しないとみんなに回せないので大変。
途中でニーナがお茶を用意してくれて必死に詰め替え。
お部屋の中が七虹草の香りでめっちゃフローラル。美味しい香りになってる。
「おお~俺の指が艶々になった!!」
「ちょっ!頑張った証しの剣だこが柔らかくなって来た!!!」
アランとジェイクが溢れたクリームで手のひらが滑らかになってしまったそうだ。わお。
「剣ダコは消えたら悲しいかもー」
「うん、鍛え方が足りないとか言われそうだなぁ」
二人は小声で話ながらしょんぼり気味に。
ん~、ビニール手袋みたいなのがないから素手だったのが敗因か。
「まぁ、女性に身体に触れる時はスベスベの手の方が喜ばれるんではないですか?」
え、ニーナ、そっち系のお話もしちゃうのね!新発見。
まだ十六、七の二人がちょっとモジモジしちゃうじゃん!!
「えー、彼女は実はこの手嫌だったのかー」
「騎士の手は素敵だって言ってくれたのは嘘だったのか・・・」
さらに落ち込んじゃった!
って!!???二人とも彼女いたんだ!!!?!!
「えーと・・・彼女さん用に一つずつどうぞ?」
護衛のお仕事でなかなか会えないだろうし、ご機嫌をとってね。
「いけません!これ高価でしょう?」
「彼女だけ渡したら母さんに憎まれそうです」
おおおぉ!これは大変だ。
「ほんの少しでもかなりの効き目なので小分けにしてお渡ししたらどうですか?」
「「それだ!!!」」
なんだろう。グレーデンはカカア天下とか女性のご機嫌が大事なのかな。
「アランとジェイクは詰め替えるのを手伝ってくれてるし二つずつあげるよ。お試しした結果聞かせてね?」
若い男の子が使った時の効き目も知りたいし。
「「ありがとうございます!!!」」
めっちゃ力んだお礼を言われた。切実なんだな。
まだ半分ほどしか詰めてないけどそろそろジュリアスさまたちが帰ってくる頃だから残りは明日やろう。
そういえば酒蔵寄るの忘れたな。明日寄って、今日ポムたちに貰った草を試そう。
ノックをされてニーナが確認に出たら、サーキスさまとマギー先生だった。
入室を許可すると、ずずいっとマギー先生が私の頬をグニッとした。
「こいつはすごいねぇ」
テーブルに置いてた鍋に指を差し入れ匂いを嗅いで手に塗りつける。
「百目は少しのようだけど薬草の方とで相乗効果があるのか・・・」
一瞬で成分がわかるんだ。すごい。
「えーと、マギー先生がにも一式用意してますよ」
「おや?良いのかい?」
ポーションと化粧水とクリームのフルセットだよ!
「百目をポーションにする能力も驚くけど効能がまたすごいねぇ」
呆れたように瓶を観察してる。ロジャー先生みたいにサーチが出来るんだな。
「リーシャさま、これはすぐに商業ベースにしたいのですが今朝頂いた製法で一般の魔導師が出来るとは思えないのですが?」
ん?
「百目を使ってポーションを作れるのは上級魔導師だけでしょうから」
ああ~、素材が高レベルだと扱いに難いんだっけ。
「ん~?ポーションは大鍋にほんの数滴使うだけだから私が作ったポーションを預けますよ」
まだ目玉残ってるし。また角膜と水晶体をバラさないとなのは嫌だけど仕方ない。
「・・・どれくらい作ったんだい?」
「んーとこの鍋分?」
「はぁー、聞いてはいたけど規格外だねぇ」
大きめの鍋を見せたらマギー先生が唖然としちゃった。
「なるほど、あとは七虹草を混ぜる時に安定して魔力を流せれば失敗しないのですね?」
失敗しないかはわかんないけど、素材混ぜるくらいなら大丈夫なはず。
「ハッキリ言ってジュリアスさまがあんなになるほどの化粧品は私の親族にバレたらめちゃくちゃ圧を掛けられます。恐ろしいことになるんです!」
いつもクールなサーキスさまがめっちゃ力説して後ろでアランとジェイクがカクカクと頷いてる。
「私は姉上に献上しないと消されることになると思います!早急に量産体制を整えますがその前に!!!化粧水とクリームを言い値で売ってください!!!!伯母上も怖いんです!!!」
物凄く切羽詰まった感じだ。怖い!
母君をすっ飛ばして伯母君出てきたーーーー!!!
「ルーク!抜け駆けは良くないわぁ!リーシャさま、私の母と姉も怖いんで譲って欲しいわぁ」
ルルゥがバーンと入って来た。びっくり!
ルルゥは自分をケアして結果を私に見せようとお部屋に訪ねてみたらしく、サーキスさまの話を聞いて自分の姉を思い出したらしい。
一瞬で顔色が悪くなって私の肩をガシってしておねだりポーズになった。
二人とも今まで色々作っても家族の分をって言ったことなかったのに化粧品だとこんな焦っちゃうのなんでぇ?
「えーと、別に譲るのはいいんだけど、お義母さまに確認してね?」
多分、お義母さまの姉マールベリーさまとかグレーデン一族のお嫁さまたちにも配らないとダメなヤツだ。
王妃さまもかな。
お義母さまの社交関係を優先しないとダメだろうから用意だけして丸投げしよう。
神様の蜜酒のことで拗ねちゃったお義母さまとルルゥのご機嫌をとるつもりがめんどくさいことになっちゃった。
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