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二章
307話
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夕刻、帰ってきたジュリアスさまたちをお出迎えする。
私はジュリアスさまにドーンと抱きつきに行って、隣ではお義母さまが今日はクラウスよーって弾丸発射した。
「ぅわぁ!」
クラウスさまもちょっとよろけた。まだまだなようだ。
「リーシャ、甘い香りがするな?」
勢いのまま抱き上げらえた私の髪を確認するかのように引き寄せる。
「あー、母上も美味しそうな匂いするねー」
おー、チョコの匂いが髪にも沁みてたみたい。
クラウスさままでお義母さまの顔近くでクンクンしちゃってる。
半日匂い嗅いでたから自分の鼻はバカになってるよ。
「今夜のおやつで出てくると思います」
「そうか?楽しみだな」
こんなに匂いが話題になるならカカオリキュールも良いかも!
豆と麹だけで出来るかな?
「幸せな香りだ」
私の髪や首をクンクンされてるー。ちょっと恥ずかしいってモゾモゾしちゃう。
「あー、甘いなぁ~」
セリウスさまが揶揄いつつ肩をすくめた。
私たちはジュリアスさまの着替えをしにお部屋に。
「コーナのオヤツか、それは母上の機嫌が治って良いな」
昨日の蜜酒の件をうまく流せるかもなミラクルおやつだね。
「ポムたちも大喜びでした」
「工場は父上が戻ってからで良いのか?」
「そうですねー、領内の名産や私の権利関係はお義父さまがほとんど請け負ってくださってるので待った方が良いかと?」
やれるなら私がやっても良いんだけど、予算とか権利を何割とかの交渉術はないからねぇ。
「まぁ土台だけならクラウスでも用意できると思うぞ」
クラウスさまは魔の森産の畑や教育関連を請け負ってるからお仕事増やすのも。あれ?お義父さまのお仕事をバンバン増やしてるから今更か。
「まずその辺りも話をするか」
着替えを済ませたジュリアスさまと食堂に向かう。
すでにみんな着席してたのですぐに食事が始まる。
ポムたちはあ一応〈洗浄〉したけどニーナにお風呂に連れて行かれたらしくまだきてない。
「今日はオヤツだけ食べたい気持ちよぉ~」
お義母さまがすでにチョコの気持ちになってる。
「母上、お楽しみは待った方が良いよー」
クラウスさまに宥められてる。
食事はお肉中心でスープはカレー風味だった。
ジュリアスさまにスープの大きめ野菜を口に運ばれてる。
ホコホコのジャガイモは美味しいけど口の中が大変だ。
勢いよくお肉が消えて行ってやっとオヤツになった時にはお義母さまとポムたちが歓声を上げた。
アズライトはマイペースにパバブサラダを食べてる。
「あー、いい香りよぉ~」
「プッキュ」
「モッキュー」
「ンギャギャ」
チョコレートコーティングのケーキとチョコマフィン、チョコチップクッキー。
ナッツチョコも並ぶとみんなで手に取る。
「え、甘ウマー」
「ジャリッとするが美味しいなー」
砂糖の方のボンボンを思い出すな~。ジャリジャリのあるウィスキーボンボンのジャリジャリ部分とか。
そう思うと悪くないよね。
ちょっとスモーキーなお酒飲みたい。
お義母さまとポムたちが頬をパンパンにしてチョコケーキを食べてる。
そういえば、アイスに溶かしたチョコかけて欲しいなって思ってルルゥにお願いしてみた。
ちょっと待って出てきたチョコサンデーを見たクラウスさまがめっちゃ食いついてすぐにお願いしてる。
ポムたちも「キュ?!」って鳴いたと思ったら厨房に突撃。
お義母さまにも出てきてみんなでうま~ってなった。
ジュリアスさまは私に一口、自分に一口ってしつつ、口元が和らいでるのでかなり気に入ったんだと思う。
「これはすぐさま量産しないとダメよね!?」
お義母さまがものすごい勢いでケーキとクッキーとアイスを食べて。
「でもコーナって次いつ入るのー?」
「デレードの船は往復で一か月だ」
お~、船便は辛いね。でも一か月ならまだ良い方だと思う
「王族が使ってる高速船ならもう少し速いが商船は立ち寄り先も多いだろうからもう少しかかるかもな」
今回は王子さまに結構譲って貰えたから良いけど、商人経由はもっと多めにお願いしないとだね。
いつかポムが種を出してくれると良いんだけど。
「しばらくは領内だけで消費だねー」
クラウスさまがもりもりアイスを食べながら言う。頭キーンってなるよ。
チョコはやっぱり魔性の食べ物だったな~。
チョコをソースにして使うにはもっと滑らかにしないと冷えでパリパリになってもジャリジャリだ。
ポムたちが顔をチョコまみれにしてケーキに埋まってるのでまたお風呂に連行されちゃうだろうな~。ディディエも胸にべっとり。
「デザートの幅が広がったわぁ☆」
ルルゥがご機嫌で何よりなんだけど、若手のコックさんたちが腕が攣った~とかやってるから程々にしてあげてね。
なるべく早く機械を作るよ。
って言うかここにも機械いるかも!?
今夜もジュリアスさまたちがお仕事をするそうなので私はちょっとだけもの作りをしよう。
ちょっと触りたくない百目の蛇の目玉と肝でポーションをね。
多分うる艶なお品が出来るはず。
あとお花の香りの化粧水が欲しいので素材の検討だね。
ジュリアスさまが戻ってきた時に私が居ないってなりそうだから一応置き手紙を置いてから隠し部屋に入った。
私はジュリアスさまにドーンと抱きつきに行って、隣ではお義母さまが今日はクラウスよーって弾丸発射した。
「ぅわぁ!」
クラウスさまもちょっとよろけた。まだまだなようだ。
「リーシャ、甘い香りがするな?」
勢いのまま抱き上げらえた私の髪を確認するかのように引き寄せる。
「あー、母上も美味しそうな匂いするねー」
おー、チョコの匂いが髪にも沁みてたみたい。
クラウスさままでお義母さまの顔近くでクンクンしちゃってる。
半日匂い嗅いでたから自分の鼻はバカになってるよ。
「今夜のおやつで出てくると思います」
「そうか?楽しみだな」
こんなに匂いが話題になるならカカオリキュールも良いかも!
豆と麹だけで出来るかな?
「幸せな香りだ」
私の髪や首をクンクンされてるー。ちょっと恥ずかしいってモゾモゾしちゃう。
「あー、甘いなぁ~」
セリウスさまが揶揄いつつ肩をすくめた。
私たちはジュリアスさまの着替えをしにお部屋に。
「コーナのオヤツか、それは母上の機嫌が治って良いな」
昨日の蜜酒の件をうまく流せるかもなミラクルおやつだね。
「ポムたちも大喜びでした」
「工場は父上が戻ってからで良いのか?」
「そうですねー、領内の名産や私の権利関係はお義父さまがほとんど請け負ってくださってるので待った方が良いかと?」
やれるなら私がやっても良いんだけど、予算とか権利を何割とかの交渉術はないからねぇ。
「まぁ土台だけならクラウスでも用意できると思うぞ」
クラウスさまは魔の森産の畑や教育関連を請け負ってるからお仕事増やすのも。あれ?お義父さまのお仕事をバンバン増やしてるから今更か。
「まずその辺りも話をするか」
着替えを済ませたジュリアスさまと食堂に向かう。
すでにみんな着席してたのですぐに食事が始まる。
ポムたちはあ一応〈洗浄〉したけどニーナにお風呂に連れて行かれたらしくまだきてない。
「今日はオヤツだけ食べたい気持ちよぉ~」
お義母さまがすでにチョコの気持ちになってる。
「母上、お楽しみは待った方が良いよー」
クラウスさまに宥められてる。
食事はお肉中心でスープはカレー風味だった。
ジュリアスさまにスープの大きめ野菜を口に運ばれてる。
ホコホコのジャガイモは美味しいけど口の中が大変だ。
勢いよくお肉が消えて行ってやっとオヤツになった時にはお義母さまとポムたちが歓声を上げた。
アズライトはマイペースにパバブサラダを食べてる。
「あー、いい香りよぉ~」
「プッキュ」
「モッキュー」
「ンギャギャ」
チョコレートコーティングのケーキとチョコマフィン、チョコチップクッキー。
ナッツチョコも並ぶとみんなで手に取る。
「え、甘ウマー」
「ジャリッとするが美味しいなー」
砂糖の方のボンボンを思い出すな~。ジャリジャリのあるウィスキーボンボンのジャリジャリ部分とか。
そう思うと悪くないよね。
ちょっとスモーキーなお酒飲みたい。
お義母さまとポムたちが頬をパンパンにしてチョコケーキを食べてる。
そういえば、アイスに溶かしたチョコかけて欲しいなって思ってルルゥにお願いしてみた。
ちょっと待って出てきたチョコサンデーを見たクラウスさまがめっちゃ食いついてすぐにお願いしてる。
ポムたちも「キュ?!」って鳴いたと思ったら厨房に突撃。
お義母さまにも出てきてみんなでうま~ってなった。
ジュリアスさまは私に一口、自分に一口ってしつつ、口元が和らいでるのでかなり気に入ったんだと思う。
「これはすぐさま量産しないとダメよね!?」
お義母さまがものすごい勢いでケーキとクッキーとアイスを食べて。
「でもコーナって次いつ入るのー?」
「デレードの船は往復で一か月だ」
お~、船便は辛いね。でも一か月ならまだ良い方だと思う
「王族が使ってる高速船ならもう少し速いが商船は立ち寄り先も多いだろうからもう少しかかるかもな」
今回は王子さまに結構譲って貰えたから良いけど、商人経由はもっと多めにお願いしないとだね。
いつかポムが種を出してくれると良いんだけど。
「しばらくは領内だけで消費だねー」
クラウスさまがもりもりアイスを食べながら言う。頭キーンってなるよ。
チョコはやっぱり魔性の食べ物だったな~。
チョコをソースにして使うにはもっと滑らかにしないと冷えでパリパリになってもジャリジャリだ。
ポムたちが顔をチョコまみれにしてケーキに埋まってるのでまたお風呂に連行されちゃうだろうな~。ディディエも胸にべっとり。
「デザートの幅が広がったわぁ☆」
ルルゥがご機嫌で何よりなんだけど、若手のコックさんたちが腕が攣った~とかやってるから程々にしてあげてね。
なるべく早く機械を作るよ。
って言うかここにも機械いるかも!?
今夜もジュリアスさまたちがお仕事をするそうなので私はちょっとだけもの作りをしよう。
ちょっと触りたくない百目の蛇の目玉と肝でポーションをね。
多分うる艶なお品が出来るはず。
あとお花の香りの化粧水が欲しいので素材の検討だね。
ジュリアスさまが戻ってきた時に私が居ないってなりそうだから一応置き手紙を置いてから隠し部屋に入った。
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