ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

301話

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 朝、目が覚めるといつも通りジュリアスさまの脇に挟まっていて安心。
 徹夜じゃなかったみたい。

 ポムたちもあのまま卵と寝てたみたいで物凄い寝相で籠から半分落ちてヨガみたいなポーズになってる。
 
「ん・・・おはよう」
「おはようございます」

 ハグとキスで幸せ気分を貰ってからお着替え。

 ポムたちも起きて来て卵にハグとキス。

「プッキュ」
「モキューン」
 
 籠の中掃除しないとダメっぽいな。食べ物はあげちゃイヤンだよ。

 早速卵を指差して、ジュリアスさまの魔力を差し出せってやってる。

「わかったよ」

 昨日よりはソフトめに魔力を引っ張ったみたい。アズライトの注意が効いたのかな。

 ほんのり光ってご飯(魔力)おしまい。

 みんなで食堂に向かうとすでにセリウスさまたちがいて。
 お義母さまは少し遅れて入って来た。

 パンをお肉たっぷり挟んだサンドイッチにかぶりつきながら、セリウスさまたちはアッガスでのことを話してくれた。

 貝が多く採れていっぱい持ち帰ってくれたらしい。
 イェンゲはいなかったけど、大海老もどきはかなりゲット出来たらしくて嬉しい。
 魔獣じゃないタコっぽいものはまだ見つかってない。この際魔獣でもいいからいつでも手に入れば良いな。

 畑はポムたちのおかげですでに芽吹いてるところも出て来て領民が泣いて感謝してたそう。
 
 マジで前領主禿げ上がれって感じだよ。

 工場や自警団など仕事にありつけることになったことも大きく新しい領主の受け入れがスムーズだそう。

 レオルカさまには優秀な側近が付いてるから今後も心配いらないんだって。マデリーさまもいるしね。

 当面はセリウスさまとクラウスさまが交代で定期的にアッガスに向かうそう。

「美味しいお魚を定期便でお届けだよー」
「食い扶持が増えそうだから頑張ってくれ」
 
 ジュリアスさまが戯けたクラウスさまに笑って言う。

「あー、お祖父様とお祖母様ってさ、厳しいー?」

 お義母さまの父がわりとお堅い人らしくお祖父母のイメージがよくないみたい?

「お義父さまはダレスさまを明るくしたような感じよー。お義母さまはそうねぇ?アンゼリカちゃんかしらぁ?」

「伯父上はいいけどアンゼリカが増えるのかー」
 セリウスさまが眉間をキュッとさせる。

「お祖母様はアンゼリカよりは大人しかったと思うぞ」

 ジュリアスさまは懐かしそう、かな?

「まぁ、旦那さまのご両親ですものー、嫌味な方ではないから心配ないわよぉ」

 クラウスさまが結構気にしてるからかお義母さまが気持ちを和らげるように説明してる。

 食事を済ませるとジュリアスさまとセリウスさまは騎士団に。

 クラウスさまはフーゴの村に顔を出してくるそう。
 
 私は茶碗蒸しが食べたくなったので厨房にお願いしに行く。

 海の幸いっぱいだしってことでお寿司と昆布締め、茶碗蒸しと煮付け。

 お寿司は生でのと炙りの。あとお肉のもね。海苔をゲットしたので海苔巻きも作る。
 鉄火と、アボカドもどきパバブ和え。

 茶碗蒸しはブシの実の出汁をたっぷり使って。

 これは夕食に出してもらうから今作った分はコックさんたちに味見してもらう。

 前に卵ふわふわとか作った時はブシの実がなくてコンソメ風味だったから違った味わいにコックさんたちが盛り上がる。

 煮付けは味が濃いめなのでオジサンたちには喜ばれた。エール~って騒いでた。
 日本酒と焼酎が合うと思うな。
 そういえば泡盛も欲しいな。材料次第で出来るかな?

 いつの間にやらなアズライトがパバブ巻きを強請って食べてる。
 悪くはないと思うけど辛いよね。

 ポムたちは卵の海苔巻きを恵方巻きのように一本飲み込むように食べてる。体長的に無理じゃない?お腹がイリュージョンしてるの?
 ディディエまで真似しないで。

 お昼はおうどんを作ってもらって食べた。

 午後は離れにいって新しく作りたい魔道具の設計を考えた。

 ホーン辺境伯が北は大寒波が来そうって言ってたし、お祖父様たちの領も寒い地域だから効率の良い暖房が出来ないかなって。

 大工事ができるなら床暖房とか張り巡らすのがいいけど現実的じゃない。
 ホットカーペットだと場所が限定的。

 暑いのも嫌いだけど寒いのはほんと厳しいよね。

 貴族のお家は魔石とかたくさん使ってもなんとかなるけど一般のお家だと大変。

 断熱素材を考えた方がいいかな。

 魔導書に何かヒントがないかな?ってことで夜は隠し部屋に入ろう。ニーナに内緒にしたら怒られるかな。
 
 うーん。

 行き詰まりなので訓練場のマイ酒蔵を確認して屋敷に戻ろう。

 ポムたちは畑で遊んでたのでそのまま遊んでいて欲しかったんだけどついて来ちゃったよ。

 加護舞付きの方でレモンもどきを使ったお酒が完成してた。

 樽と瓶に移して〈洗浄〉してから時間短縮の効果をつける。

 新しく大麦や薬草などを入れる。ウォッカやジンみたいなのが欲しい。カクテル飲みたい。
 適当にぶっ込みしたので一か八かだよ。
 詳しい製法なんて知らないもの。

 お祖父様たちが戻られた時には美味しいお酒が出せると良いな。

 ポムたちはプルルンを入れたタンクを覗き込んでる。すごく楽しみにしてるんだね。

 加護舞や霊水にされたら大変なので酒蔵を出た。

 アズライトとポムたちにレモンもどき酒を一瓶ずつあげた。

 訓練場を出たらマギー先生がいて手をクイっと出してきた。

 カツアゲーーーーー!!!

 逆らうのは怖いので一本差し出すと、何やら冊子を渡された。

「面白い素材の情報だよ、魔道具に使えるだろうさ」

 どうやら酒代らしい?

 アランに運ばれて屋敷に戻るとセバスチャンが「大奥様がお客様にご対応されていますので若奥様もご挨拶を」って。

 ニーナに見繕いをしてもらってから応接室に向かった。




 

 
 

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