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二章
293話
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採れたての果実はツヤッツヤのプルップルで、弾けんばかりのきらめき。
ピオーネとかシャインなやつみたいな?
これはもう口に入れて味を確かめるしかあるまい!!!
「うまっ」
「あまっ」
「プッキューン」
「モキュンモキュン」
「グッギャー」
『甘いの』
「素晴らしいです」
私が見た目を観察してる間にバクバクいかれてた!
遅れてパクっと口に入れれば、シャクっとした歯応えでブワッと果汁が弾け出てきて。
葡萄と桃の狭間?
糖度はおそらく50はいくんじゃないかってくらい甘い。
美味しいりんごや梨の糖度で20いかないならこれって30くらいかな?でも50以上いってそうなくらい甘く感じる。
七虹草のはちみつには負けるかもだけどかなり美味しいと思う。
「すごい果物ねぇ」
「うん」
ルルゥも口の中の甘みを確かめるように目を閉じてる。
「プキュ!プキュプキュ!」
「モッキュン!モキューンモキュキュ!」
ポムとティムがルルゥの足元で何かを訴え出した。
『これをタルトに乗せて食べたりジャムにして食べたりそたいそうだの』
おー、それは美味しそう。
ルルゥは了解した。
「プキュプキュプッキュー」
「モキューンキュモッキュン」
そしてポムとティムは私にも何か訴え出した。
『これの酒を作れって言うておるの』
アズライトの通訳がなければ全くわかんなかったよ。
「お酒は了解~」
この果物はティムが暮らした森に成ってたものでまた食べたいなって思っていたらポムが出したらしい。すごいやね~。
名前は知らないとのことで鑑定しても名前はついてなかったのでプルルンにしといた。
水風船みたいにプルプルだから。
プルーンとは違うしプルルは水の実だしでプルルン。紛らわしいかも?
色は色々だけど味は一緒だったので飾りつけでケーキ可愛くなりそうだな。
とりあえず畑いっぱいの実をみんなで魔法使ったりして収穫して。
お酒の分として半分。
この畑はポムたちが食べたいから常に収穫出来るように管理するそうだ。
人間はポムたちにおこぼれをいただく感じね。
そんなわけで訓練場に行ってマイ酒蔵を確認に。
ルルゥはちっとも離れてくれないので仕方ないので一緒に入る。
ケビンさんが出来た分を樽に入れ替えてくれてたので少しだけ出して匂いを嗅ぐとめっちゃ良い香り。
味見したいけど、まずは小分け。
精霊樹にお供えと前回用意できなかった親戚に配る分。
甘酒の木の方は配合を変えたからか前回分とはちょっと違うみたい。
日本酒と焼酎みたいな?
紅茶の方はリキッドティーを濃いめに割ったような香りがしてる。好き!
留守中に仕込んでくれたのはチェリーだ。おしゃれリキュールになってる。
今も作動中なのでプルルンに使えないなーと思ったら、加護舞された方の一台が完了してた。
今いじるとルルゥがまたうるさいよねー。
タンクのハンドルをいじって小樽に詰めていく。
濃厚なアルコールと甘美な香り。
これはリンゴっぽい果実を使ったやつだ。
ちょっとだけプチプチ泡立ってるのでシャンパンっぽくなってるみたい。
「わぁー美味しそう」
「これはたまらないわねぇ」
ルルゥはもちろん力尽くとかしないけど圧がすごい。
「・・・他のが美味しく飲めなくなっても知らないからね」
自己責任だ。今後はポムたちの加護舞もアズライトの霊水も使わないのしか作らないからね。
「ありがとう♡」
アランとジェイクはかなり悩んでから飲みたいって。
ニーナは普段飲まないので他が飲めなくても気にしないって。
ポムたちは当然飲むし、アズライトは樽でとか言う。
みんなが飲むのに私だけ飲めないとかは絶対に許せないので私ももちろん飲む。
お世話してくれてるケビンさんを外すのはダメなのでケビンさんに声をかけたらちょっと悩んでから飲むことに。
未知のお酒の誘惑には抗えないよ。
小さめなコップでみんなで乾杯。
「「「「「「カンパーイ」」」」」」
嬉しげな声が響いた後の静寂。
「「「「「・・・・・・」」」」」
魂が抜けた。
アルコールがスッと舌に溶け広がって、甘みと香りが鼻から喉に全身に行き渡るような感覚。
アムリタとか想像の世界の飲み物との違いはもちろんわからないけど、過去飲んだどんな飲み物よりも体内に浸透して表現し難い心地よさに包まれてる。
しばらく余韻に浸ってた。
呼吸して香りを外に出したくないけど限界があるので「ふー」「すー」って。
無言でタンクの残りを樽に移してくれた。
「危険だわ」
「ヤバいやつです」
「エールってなんで好んで飲んでたんだろう」
「飲んでたワインって渋汁だった」
ほらー。霊水ってだけでとんでもないのの加護付きなんだからー。
「これ飲んだらもう納得しちゃうわね」
満足度が高くてお代わりいらないってことらしい。
すごい。アル中なら味よりアルコール度と量で延々と飲みたいってなるのに一杯で満足しちゃう。
私も確かにもう一杯とかごねたい気はしてない。
ポムたちは普通にお代わりしてるんだけどね。
「満足したなら他のはもう狙わないでね?」
「それとこれとは話が別よーぅ」
ルルゥがクネッとしてバチコンとウィンク。
「もー、タンク洗浄するからプルルンをここに入れてね」
〈洗浄〉をかけて。プルルンと麹をセット。
ってポムとティムがまた!!!!!
『ポムとティムが欲しがった果実なんじゃから最高の出来にしたいのは仕方なかろうの』
ア“ーーーーーーーーーッ!!!
そうだった。プルルンで作れってポムたちが言ったんだった。
「あらあら、ポム、ティム、私にもご馳走してちょうだいねぇ」
「俺も」
「俺にも」
「俺もくれるか?」
加護舞を踊りながら「うんうん」って。
ディディエもタンクの周りをクルクルと飛んでるし。
最後の仕上げにアズライトに水分を霊水にしろってお願いしてるし。
まぁアホみたいに飲ませろってならないみたいだから良いのかな?
慣れちゃったら困るから基本は外部で作ってもらおう。本当にもう。
お酒の移動と仕込みを済ませてから少し遅くなったお昼を食べるために離れに移った。
ピオーネとかシャインなやつみたいな?
これはもう口に入れて味を確かめるしかあるまい!!!
「うまっ」
「あまっ」
「プッキューン」
「モキュンモキュン」
「グッギャー」
『甘いの』
「素晴らしいです」
私が見た目を観察してる間にバクバクいかれてた!
遅れてパクっと口に入れれば、シャクっとした歯応えでブワッと果汁が弾け出てきて。
葡萄と桃の狭間?
糖度はおそらく50はいくんじゃないかってくらい甘い。
美味しいりんごや梨の糖度で20いかないならこれって30くらいかな?でも50以上いってそうなくらい甘く感じる。
七虹草のはちみつには負けるかもだけどかなり美味しいと思う。
「すごい果物ねぇ」
「うん」
ルルゥも口の中の甘みを確かめるように目を閉じてる。
「プキュ!プキュプキュ!」
「モッキュン!モキューンモキュキュ!」
ポムとティムがルルゥの足元で何かを訴え出した。
『これをタルトに乗せて食べたりジャムにして食べたりそたいそうだの』
おー、それは美味しそう。
ルルゥは了解した。
「プキュプキュプッキュー」
「モキューンキュモッキュン」
そしてポムとティムは私にも何か訴え出した。
『これの酒を作れって言うておるの』
アズライトの通訳がなければ全くわかんなかったよ。
「お酒は了解~」
この果物はティムが暮らした森に成ってたものでまた食べたいなって思っていたらポムが出したらしい。すごいやね~。
名前は知らないとのことで鑑定しても名前はついてなかったのでプルルンにしといた。
水風船みたいにプルプルだから。
プルーンとは違うしプルルは水の実だしでプルルン。紛らわしいかも?
色は色々だけど味は一緒だったので飾りつけでケーキ可愛くなりそうだな。
とりあえず畑いっぱいの実をみんなで魔法使ったりして収穫して。
お酒の分として半分。
この畑はポムたちが食べたいから常に収穫出来るように管理するそうだ。
人間はポムたちにおこぼれをいただく感じね。
そんなわけで訓練場に行ってマイ酒蔵を確認に。
ルルゥはちっとも離れてくれないので仕方ないので一緒に入る。
ケビンさんが出来た分を樽に入れ替えてくれてたので少しだけ出して匂いを嗅ぐとめっちゃ良い香り。
味見したいけど、まずは小分け。
精霊樹にお供えと前回用意できなかった親戚に配る分。
甘酒の木の方は配合を変えたからか前回分とはちょっと違うみたい。
日本酒と焼酎みたいな?
紅茶の方はリキッドティーを濃いめに割ったような香りがしてる。好き!
留守中に仕込んでくれたのはチェリーだ。おしゃれリキュールになってる。
今も作動中なのでプルルンに使えないなーと思ったら、加護舞された方の一台が完了してた。
今いじるとルルゥがまたうるさいよねー。
タンクのハンドルをいじって小樽に詰めていく。
濃厚なアルコールと甘美な香り。
これはリンゴっぽい果実を使ったやつだ。
ちょっとだけプチプチ泡立ってるのでシャンパンっぽくなってるみたい。
「わぁー美味しそう」
「これはたまらないわねぇ」
ルルゥはもちろん力尽くとかしないけど圧がすごい。
「・・・他のが美味しく飲めなくなっても知らないからね」
自己責任だ。今後はポムたちの加護舞もアズライトの霊水も使わないのしか作らないからね。
「ありがとう♡」
アランとジェイクはかなり悩んでから飲みたいって。
ニーナは普段飲まないので他が飲めなくても気にしないって。
ポムたちは当然飲むし、アズライトは樽でとか言う。
みんなが飲むのに私だけ飲めないとかは絶対に許せないので私ももちろん飲む。
お世話してくれてるケビンさんを外すのはダメなのでケビンさんに声をかけたらちょっと悩んでから飲むことに。
未知のお酒の誘惑には抗えないよ。
小さめなコップでみんなで乾杯。
「「「「「「カンパーイ」」」」」」
嬉しげな声が響いた後の静寂。
「「「「「・・・・・・」」」」」
魂が抜けた。
アルコールがスッと舌に溶け広がって、甘みと香りが鼻から喉に全身に行き渡るような感覚。
アムリタとか想像の世界の飲み物との違いはもちろんわからないけど、過去飲んだどんな飲み物よりも体内に浸透して表現し難い心地よさに包まれてる。
しばらく余韻に浸ってた。
呼吸して香りを外に出したくないけど限界があるので「ふー」「すー」って。
無言でタンクの残りを樽に移してくれた。
「危険だわ」
「ヤバいやつです」
「エールってなんで好んで飲んでたんだろう」
「飲んでたワインって渋汁だった」
ほらー。霊水ってだけでとんでもないのの加護付きなんだからー。
「これ飲んだらもう納得しちゃうわね」
満足度が高くてお代わりいらないってことらしい。
すごい。アル中なら味よりアルコール度と量で延々と飲みたいってなるのに一杯で満足しちゃう。
私も確かにもう一杯とかごねたい気はしてない。
ポムたちは普通にお代わりしてるんだけどね。
「満足したなら他のはもう狙わないでね?」
「それとこれとは話が別よーぅ」
ルルゥがクネッとしてバチコンとウィンク。
「もー、タンク洗浄するからプルルンをここに入れてね」
〈洗浄〉をかけて。プルルンと麹をセット。
ってポムとティムがまた!!!!!
『ポムとティムが欲しがった果実なんじゃから最高の出来にしたいのは仕方なかろうの』
ア“ーーーーーーーーーッ!!!
そうだった。プルルンで作れってポムたちが言ったんだった。
「あらあら、ポム、ティム、私にもご馳走してちょうだいねぇ」
「俺も」
「俺にも」
「俺もくれるか?」
加護舞を踊りながら「うんうん」って。
ディディエもタンクの周りをクルクルと飛んでるし。
最後の仕上げにアズライトに水分を霊水にしろってお願いしてるし。
まぁアホみたいに飲ませろってならないみたいだから良いのかな?
慣れちゃったら困るから基本は外部で作ってもらおう。本当にもう。
お酒の移動と仕込みを済ませてから少し遅くなったお昼を食べるために離れに移った。
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