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二章
288話
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大バーベキュー大会は続いてるけど、帰る貴族の方達には挨拶をしてお土産を渡してお見送り。
街道に騎士団が付き添うので安心して帰路についてもらえる。
朝に猟に出た漁船が夕刻に入る前に戻って来た。
海獣もちょいちょい出たけど漁船には魔物避けが使われてるし、騎士団がワイバーンで見回ってたので問題なし。
そして立派なお魚が陸揚げされた。
魔物じゃないノーマルの海の幸じゃーい!!!
常識的?サイズのピンク色のブリ?ブルーマーブルなマンボウ?イソギンチャクみたいなクラゲまでいる。
あと太刀魚?尋常じゃなくアゴが鋭利に見える金色の長い魚。鉄砲魚のが近いかな?
そのほかにも暖かい海なんだーってくらいカラフルなのがいっぱい。
昨日と言うか明け方まで海獣と騎士さんたちがドンパチリしてたのに逃げてなかったの?くらい豊漁だ。
領民はお振舞いの海獣含め、お魚あんまり食べて来なかったからか恐る恐るだけど食べてくれてるので今後食べれないことで苦しむことはないと思いたい。
騎士さんたちは普通に海獣を持ってくる。小さい小屋なら覆えそうなエイとか怖いよ。
今日の漁の成果は全部お振舞いなので今夜も遅くまでエンジョイなんだろう。
貴族向け晩餐は屋敷で出るので望む人たちは移動していく。ほぼ親戚筋しか残ってないので少し気が抜ける。
私とジュリアスさまは王様と少しお話し。私たちに当てがわれた客室で向き合う。
「陛下、このような日にお忍びされるのはいかがなものかと思いますよ」
ジュリアスさまがちくりと言うと王様がへらっと笑う。きっと王都の宰相や近衛の方達が真っ青になってるはず。
「すまんすまん」
軽!!!
「娘の旅立ちをどうしても目に焼き付けたかった」
気持ちはわからないでもないけれど、王様のフットワークの軽さよ。
「宰相の頭皮と胃が気の毒なのでそろそろ帰られては?」
控えていたサーキスさまがズッパリと帰還を進める。
そんな感じならリラックス出来る(ちょっと不味い)ポーションを贈ろうか?
「あれの父はフサフサだったのだから心配なかろう」
ちなみにポムとティムはついて来てテーブルの上でオヤツタイム。ずっと食べてるけど大丈夫なのか?ディディエはルルゥのお部屋で留守番中。希少過ぎるからあまり人目につかないようにね。ポムたちも色が特殊だけどモニパルはそこまで希少じゃないから少し緩め。
アズライトはデレード国一同や親戚筋以外に前に出ないようにしてたけど今は私の肩に乗ってる。
「うちの主が陛下のようであったらと思うとイラついて仕方ないので」
サーキスさまが遠慮なし!!ジュリアスさまがやらかしたら氷の檻とかに閉じ込めちゃうのかしら?それともナイフ投げで壁に貼り付けたり?
「はぁ・・・冷たいヤツだ」
王様はポムの頬をツンツンして、
「ポム、お主に不毛の地に加護舞をして欲しいと頼んだら国を回ってくれるか?」
ポムは、ティムと顔を見合わせて体をグリンと曲げて考えてから持たせているマジックバッグから山盛りの種を出した。
「モッキュモキューンモキュモキュ!」
「プキュウプキキュキュー!」
王様に身振り手振りで種をあげると言ってるようだ。
『実りの少ない場所にこの種を植えろと言っておるの、育った木の周りから加護が広がるそうだ』
おおぅ。種は全部バラバラの種類でそう珍しいものじゃないみたいだけど、加護が与えられてるポムのウ○コだから植えた場所に恩恵があるのかな?
アズライトの通訳をそのまま伝えたら王様は種をザラザラっと持ち上げて感動してる。
それ実はウ○コなんすけど!不敬罪になったりしないかな?
「ポム、ありがとう。恩にきるぞ」
王様がポムの目線に合わせて礼を言うとポムとティムが胸を張ってウンウンとやってからいつもの踊りを始めた。
バンザイとスキップとお尻フリフリ。
「プッキュン」
「モッキュン」
あ、これバーンと魔力放出するやつー。
案の定、ポムがえーい!と種に向かって力を放つ。
ティムの風の加護も種をクルクルと包み込むようにして追加された。
あー、種が聖遺物くらいの貴重品になっちゃってないかしら。
「相変わらず意味のわからない放出力ですね」
サーキスさまがポムとティムをツンツンしてる。
「おお・・・加護持ちの力とはすごいな」
王様が種を大事に包んで受け取った。
「ポム、ティム、次会うときには美味しいオヤツを持ってこよう」
王様はルルゥからお弁当とお菓子セットをもらって帰ることに。お菓子は王妃さまにお土産らしい。多分そんな賄賂貰っても怒られるのは変わらないと思うんだ。
ジュリアスさまに明日は海苔の試作をしたいことを伝えた。
アッガスの街も少し見て回る予定。
セリウスさまたちは夜の海でまた入れ食いを楽しむそうだ。
ポムとティムは良いことをしたと褒めたらずっとご機嫌で鼻高々だったよ。
街道に騎士団が付き添うので安心して帰路についてもらえる。
朝に猟に出た漁船が夕刻に入る前に戻って来た。
海獣もちょいちょい出たけど漁船には魔物避けが使われてるし、騎士団がワイバーンで見回ってたので問題なし。
そして立派なお魚が陸揚げされた。
魔物じゃないノーマルの海の幸じゃーい!!!
常識的?サイズのピンク色のブリ?ブルーマーブルなマンボウ?イソギンチャクみたいなクラゲまでいる。
あと太刀魚?尋常じゃなくアゴが鋭利に見える金色の長い魚。鉄砲魚のが近いかな?
そのほかにも暖かい海なんだーってくらいカラフルなのがいっぱい。
昨日と言うか明け方まで海獣と騎士さんたちがドンパチリしてたのに逃げてなかったの?くらい豊漁だ。
領民はお振舞いの海獣含め、お魚あんまり食べて来なかったからか恐る恐るだけど食べてくれてるので今後食べれないことで苦しむことはないと思いたい。
騎士さんたちは普通に海獣を持ってくる。小さい小屋なら覆えそうなエイとか怖いよ。
今日の漁の成果は全部お振舞いなので今夜も遅くまでエンジョイなんだろう。
貴族向け晩餐は屋敷で出るので望む人たちは移動していく。ほぼ親戚筋しか残ってないので少し気が抜ける。
私とジュリアスさまは王様と少しお話し。私たちに当てがわれた客室で向き合う。
「陛下、このような日にお忍びされるのはいかがなものかと思いますよ」
ジュリアスさまがちくりと言うと王様がへらっと笑う。きっと王都の宰相や近衛の方達が真っ青になってるはず。
「すまんすまん」
軽!!!
「娘の旅立ちをどうしても目に焼き付けたかった」
気持ちはわからないでもないけれど、王様のフットワークの軽さよ。
「宰相の頭皮と胃が気の毒なのでそろそろ帰られては?」
控えていたサーキスさまがズッパリと帰還を進める。
そんな感じならリラックス出来る(ちょっと不味い)ポーションを贈ろうか?
「あれの父はフサフサだったのだから心配なかろう」
ちなみにポムとティムはついて来てテーブルの上でオヤツタイム。ずっと食べてるけど大丈夫なのか?ディディエはルルゥのお部屋で留守番中。希少過ぎるからあまり人目につかないようにね。ポムたちも色が特殊だけどモニパルはそこまで希少じゃないから少し緩め。
アズライトはデレード国一同や親戚筋以外に前に出ないようにしてたけど今は私の肩に乗ってる。
「うちの主が陛下のようであったらと思うとイラついて仕方ないので」
サーキスさまが遠慮なし!!ジュリアスさまがやらかしたら氷の檻とかに閉じ込めちゃうのかしら?それともナイフ投げで壁に貼り付けたり?
「はぁ・・・冷たいヤツだ」
王様はポムの頬をツンツンして、
「ポム、お主に不毛の地に加護舞をして欲しいと頼んだら国を回ってくれるか?」
ポムは、ティムと顔を見合わせて体をグリンと曲げて考えてから持たせているマジックバッグから山盛りの種を出した。
「モッキュモキューンモキュモキュ!」
「プキュウプキキュキュー!」
王様に身振り手振りで種をあげると言ってるようだ。
『実りの少ない場所にこの種を植えろと言っておるの、育った木の周りから加護が広がるそうだ』
おおぅ。種は全部バラバラの種類でそう珍しいものじゃないみたいだけど、加護が与えられてるポムのウ○コだから植えた場所に恩恵があるのかな?
アズライトの通訳をそのまま伝えたら王様は種をザラザラっと持ち上げて感動してる。
それ実はウ○コなんすけど!不敬罪になったりしないかな?
「ポム、ありがとう。恩にきるぞ」
王様がポムの目線に合わせて礼を言うとポムとティムが胸を張ってウンウンとやってからいつもの踊りを始めた。
バンザイとスキップとお尻フリフリ。
「プッキュン」
「モッキュン」
あ、これバーンと魔力放出するやつー。
案の定、ポムがえーい!と種に向かって力を放つ。
ティムの風の加護も種をクルクルと包み込むようにして追加された。
あー、種が聖遺物くらいの貴重品になっちゃってないかしら。
「相変わらず意味のわからない放出力ですね」
サーキスさまがポムとティムをツンツンしてる。
「おお・・・加護持ちの力とはすごいな」
王様が種を大事に包んで受け取った。
「ポム、ティム、次会うときには美味しいオヤツを持ってこよう」
王様はルルゥからお弁当とお菓子セットをもらって帰ることに。お菓子は王妃さまにお土産らしい。多分そんな賄賂貰っても怒られるのは変わらないと思うんだ。
ジュリアスさまに明日は海苔の試作をしたいことを伝えた。
アッガスの街も少し見て回る予定。
セリウスさまたちは夜の海でまた入れ食いを楽しむそうだ。
ポムとティムは良いことをしたと褒めたらずっとご機嫌で鼻高々だったよ。
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