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二章
280話
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アッガスの騎士団の騎獣舎に降り立って見れば、レオルカさまとマデリーさま、騎士団の皆さんが出迎えてくれた。
レオルカさまの隊はグレーデン辺境伯騎士団の中のジェイデン部隊の元々の仲間がアッガス部隊になった感じ。
親戚、寄子に任せてる領地にいる騎士団もまとめてグレーデンの騎士団。
大所帯。
いきなり人員が減ることになったジェイデン領は困らないのかと思ったら、各地から移動したり、グレーデンの食事情が良くなったのが噂になって各地に新入りも増えてるそうだ。良きかな。
大勢の騎士に敬礼されてジュリアスさまがキリッと総帥の顔になってる。
カッコいい。
そんな中、アンゼリカさまも出迎えてくれた。
「おい!セリウスたちが大物あげたぞ、お前も続くと良いな」
くぅ、なぜ煽るんだ。アンゼリカさまの瞳が愉快そうにしてるのをジュリアスさまはキラッと目を眇めた。やる気に満ち溢れてる。
ワイバーンたちの手入れと水遣りは担当の騎士さんたちがしてくれるそうなので、ラヴァにお礼を言ってから、屋敷に案内してもらった。
披露宴と海の開港式典、デレードの王族の迎え入れの準備でとても賑やかになってる。
「レオルカ、あらためておめでとう。またアッガスを頼むぞ」
大広間にてビュッフェ式の食事を振る舞われて、レオルカさまにお祝いの目録を渡した。
「ありがとう」
従兄弟同士なので気のおける感じなので私は少し離れてようと思ったらジュリアスさまが「側にいてくれ」って。
「可愛い嫁でいいねぇ、マデリーちゃんは強すぎるよ」
言葉だけ聞くと悪口だけどマデリーさまをニコニコと見つめてるし、強いとこが好きみたいなので良いのかな?
マデリーさまは微苦笑なので後で怒られるのかも?
セリウスさまたちも食事に戻ってきていてモリモリ食べてる。
なぜかルルゥが厨房に。まぁここは仲間内だから良いのかな?
デレードの王族が来るまでに鍛えるのかも?
「さて、海を見に行こうか」
「いや落ち着かないな!」
レオルカさまに突っ込まれつつ、着替えて海に向かう。
民間の漁船みたいのが出てて、近海には魔物避けを使って入ってこれないようにしてるから範囲内は安全だそう。
ただ魔物避けの強度より強いのが来たら入ってきちゃうそう。
そんな便利な道具があるのに前領主は海を活かさなかったのか。勿体無い。
そう思ってたら、魔物避けは高くて耐久年度が二年だから使いたくなかったんだろうって。
海に入らなければ、自領で対処出来ない強い魔物は滅多に来なかったそう。
滅多にってことは来てるじゃん?って思ったら無理な時は王国騎士団に依頼したりしてたとか。
隣のグレーデンに意地でも頼らないのか。
領民に死者が出ても海岸沿いの商家が流されても騎士団が間に合わなかったから残念なことだって、何も補助しなかったそうで。
ほんと嫌な人だったんだなー。ハーボット家と付き合ってただけあるな。
今は海岸沿いの屋台とか出ててちょっと賑わってる。復興の兆しが見えて、レオルカさまが新領主に就任することを歓迎してる。
船着場には大きな船が停泊してて。
造船業はまだまだ始動できてないので隣国のカマラン領から仕入れたそう。
海のノウハウも伝授してもらってるんだとか。アルジェさまに足を向けられないな。
魔物避けは作れても大きな船は流石に無理だな~。魔力的にはイケるかもだけど、知識が足りないな。
ジュリアスさまが出陣したいので私の護衛にってクラウスさまを置いていった。
カマランではだいぶ抑えてたんだねぇ。
ラヴァに騎乗して沖に出たらすぐに急降下していく。水飛沫が散って大きな蛇?が浮いた。
「マジでウヨウヨ出てきてて的がいっぱいで楽しいよー」
クラウスさまが楽しそうでなによりだけど、領民はビックリだろうね。
いつでも襲ってこられる位置に山ほどいたのに今まで無事で済んだことにきっと。
「リーシャちゃん好みのかはわからないけど、大きい蜘蛛型のとかサーペントもいっぱいいたよー」
大きい蜘蛛は嫌だけどスパイダー系はカニ味で美味いはず。海にいるなら本当にカニかも?
クラウスさまに抱っこしてもらって波打ち際に出る。
貝を探したいって言ったら「食べるとこないじゃん」ってブツブツ言いつつ一緒に掘ってくれた。
蛤と大アサリみたいなのとかパカパカ襲ってこないノーマルな貝がけっこう獲れる。ヒャッハー!
キロ制限ないから取り放題!!!
なんかワカメっぽいのが打ち上げられてる。
ん?ワカメじゃなくて海ブドウ?
近づいていくとつぶつぶ感が見えた。
んー?沖縄で見たのよりでかいな。
イクラサイズのプチポチがくっついてる。
なんだこれ?何かの卵かな?
一抱えあるのを観察。
鑑定さんによると〈弾ける美味しさ。比喩じゃなく口の中で弾けるよ!海の旨みが詰まったグミ食感の海藻〉だって。
美味しくなさそうな気が?
しかも海藻って。
「なんだこれ?食べられるのー?」
クラウスさまも麻袋いっぱい貝をゲットしてる。
「うーん?食用だけど美味しいのかよくわかんないです」
「食べられるなら味見~」
止める間もなくプチッと一粒口に入れて噛むとクラウスさまが「わぁ!!!???」って悶絶した。
そんなに弾けたんだ!!!
「びっくりしたぁ!でも味は悪くないよー」
案外ケロってしてる。痛い感じじゃないのかな?
「これどうやって料理しよう?」
「うーん、サラダでいいんじゃない?」
口に入れたら弾けちゃうのにそのままで使うの?チャレンジャーだなぁ?
クラウスさまは嬉しそうに海ブドウもどきを回収して、みんなにあげようって。
毒盛ったとか疑われちゃうよ!?
レオルカさまの隊はグレーデン辺境伯騎士団の中のジェイデン部隊の元々の仲間がアッガス部隊になった感じ。
親戚、寄子に任せてる領地にいる騎士団もまとめてグレーデンの騎士団。
大所帯。
いきなり人員が減ることになったジェイデン領は困らないのかと思ったら、各地から移動したり、グレーデンの食事情が良くなったのが噂になって各地に新入りも増えてるそうだ。良きかな。
大勢の騎士に敬礼されてジュリアスさまがキリッと総帥の顔になってる。
カッコいい。
そんな中、アンゼリカさまも出迎えてくれた。
「おい!セリウスたちが大物あげたぞ、お前も続くと良いな」
くぅ、なぜ煽るんだ。アンゼリカさまの瞳が愉快そうにしてるのをジュリアスさまはキラッと目を眇めた。やる気に満ち溢れてる。
ワイバーンたちの手入れと水遣りは担当の騎士さんたちがしてくれるそうなので、ラヴァにお礼を言ってから、屋敷に案内してもらった。
披露宴と海の開港式典、デレードの王族の迎え入れの準備でとても賑やかになってる。
「レオルカ、あらためておめでとう。またアッガスを頼むぞ」
大広間にてビュッフェ式の食事を振る舞われて、レオルカさまにお祝いの目録を渡した。
「ありがとう」
従兄弟同士なので気のおける感じなので私は少し離れてようと思ったらジュリアスさまが「側にいてくれ」って。
「可愛い嫁でいいねぇ、マデリーちゃんは強すぎるよ」
言葉だけ聞くと悪口だけどマデリーさまをニコニコと見つめてるし、強いとこが好きみたいなので良いのかな?
マデリーさまは微苦笑なので後で怒られるのかも?
セリウスさまたちも食事に戻ってきていてモリモリ食べてる。
なぜかルルゥが厨房に。まぁここは仲間内だから良いのかな?
デレードの王族が来るまでに鍛えるのかも?
「さて、海を見に行こうか」
「いや落ち着かないな!」
レオルカさまに突っ込まれつつ、着替えて海に向かう。
民間の漁船みたいのが出てて、近海には魔物避けを使って入ってこれないようにしてるから範囲内は安全だそう。
ただ魔物避けの強度より強いのが来たら入ってきちゃうそう。
そんな便利な道具があるのに前領主は海を活かさなかったのか。勿体無い。
そう思ってたら、魔物避けは高くて耐久年度が二年だから使いたくなかったんだろうって。
海に入らなければ、自領で対処出来ない強い魔物は滅多に来なかったそう。
滅多にってことは来てるじゃん?って思ったら無理な時は王国騎士団に依頼したりしてたとか。
隣のグレーデンに意地でも頼らないのか。
領民に死者が出ても海岸沿いの商家が流されても騎士団が間に合わなかったから残念なことだって、何も補助しなかったそうで。
ほんと嫌な人だったんだなー。ハーボット家と付き合ってただけあるな。
今は海岸沿いの屋台とか出ててちょっと賑わってる。復興の兆しが見えて、レオルカさまが新領主に就任することを歓迎してる。
船着場には大きな船が停泊してて。
造船業はまだまだ始動できてないので隣国のカマラン領から仕入れたそう。
海のノウハウも伝授してもらってるんだとか。アルジェさまに足を向けられないな。
魔物避けは作れても大きな船は流石に無理だな~。魔力的にはイケるかもだけど、知識が足りないな。
ジュリアスさまが出陣したいので私の護衛にってクラウスさまを置いていった。
カマランではだいぶ抑えてたんだねぇ。
ラヴァに騎乗して沖に出たらすぐに急降下していく。水飛沫が散って大きな蛇?が浮いた。
「マジでウヨウヨ出てきてて的がいっぱいで楽しいよー」
クラウスさまが楽しそうでなによりだけど、領民はビックリだろうね。
いつでも襲ってこられる位置に山ほどいたのに今まで無事で済んだことにきっと。
「リーシャちゃん好みのかはわからないけど、大きい蜘蛛型のとかサーペントもいっぱいいたよー」
大きい蜘蛛は嫌だけどスパイダー系はカニ味で美味いはず。海にいるなら本当にカニかも?
クラウスさまに抱っこしてもらって波打ち際に出る。
貝を探したいって言ったら「食べるとこないじゃん」ってブツブツ言いつつ一緒に掘ってくれた。
蛤と大アサリみたいなのとかパカパカ襲ってこないノーマルな貝がけっこう獲れる。ヒャッハー!
キロ制限ないから取り放題!!!
なんかワカメっぽいのが打ち上げられてる。
ん?ワカメじゃなくて海ブドウ?
近づいていくとつぶつぶ感が見えた。
んー?沖縄で見たのよりでかいな。
イクラサイズのプチポチがくっついてる。
なんだこれ?何かの卵かな?
一抱えあるのを観察。
鑑定さんによると〈弾ける美味しさ。比喩じゃなく口の中で弾けるよ!海の旨みが詰まったグミ食感の海藻〉だって。
美味しくなさそうな気が?
しかも海藻って。
「なんだこれ?食べられるのー?」
クラウスさまも麻袋いっぱい貝をゲットしてる。
「うーん?食用だけど美味しいのかよくわかんないです」
「食べられるなら味見~」
止める間もなくプチッと一粒口に入れて噛むとクラウスさまが「わぁ!!!???」って悶絶した。
そんなに弾けたんだ!!!
「びっくりしたぁ!でも味は悪くないよー」
案外ケロってしてる。痛い感じじゃないのかな?
「これどうやって料理しよう?」
「うーん、サラダでいいんじゃない?」
口に入れたら弾けちゃうのにそのままで使うの?チャレンジャーだなぁ?
クラウスさまは嬉しそうに海ブドウもどきを回収して、みんなにあげようって。
毒盛ったとか疑われちゃうよ!?
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