ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

278話

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 芋ワインが侍従さんたちに何気に噂になってるようで、すごーく控えめにお願いされる。
 ポムたちが手を出してない分は飲んでもらうのは問題ないけど量産が出来てないのでしばらく待っていただきたい。

 本邸で飲む分くらいは作れるようにすべきかな?
 そうすると騎士団棟、使用人棟とかも~ってなっちゃうよねぇ。
 やっぱり工場が稼働するまで待ってもらうしかない。


 そういえば芋ワインの酒粕は料理に使えるだろうか?
 その前にもう一回蒸留したら焼酎になるかも?
 そもそもタンクで蒸留までしたのにワインになったのがなんでやねん!なのだ。
 ブランデーか焼酎になると思ってたのに。

 まぁ種混ぜたらお酒出来るって言うのがすでに変なのでツッコんじゃダメなやつ。

 避けてあった芋の酒粕の匂いを嗅ぐとやっぱりアルコール臭。
 これはもう一回絞りたい。
 でも蒸した芋に混ぜて芋饅頭とかにした方が良いかな?

 最終的には魔馬の飼料に混ぜれば良いらしい。魔獣はお酒平気で魔馬も野営とかで何気にエールをおねだりするそう。
 エールの搾りカスも一部は飼料に混ぜたりしてるそう。

 無理に焼酎にしなくても良いかな?

 他のタンクの果物入れた分はグラッパみたいなのにしたいから酒粕チェックしてから考えよう。

 さて、醤油と味噌に着手したい。
 これはもうルルゥたちに手伝ってもらうしかないので貯蔵庫の下、地下に蔵を作らせて貰おうとお義父さまとジュリアスさまに許可を取った。

 穴掘りはポムにお願いして、壁などの処理を騎士さんたちがしてくれた。


 お手伝いしてくれたコックさんと騎士さんたちには芋ワインを炭酸で割ったスプリッツァーにしたものを一杯。
 ワインが濃厚だったのと騎士さんたちはまだ仕事があるので超薄めだけど、結構喜んでくれた。
 ビールはないからエールで割るのもいいんだけど、ルルゥが勿体無いからワインの味だけで良いって。

 コックさんたちに豆と塩と水を運んでもらって。
 今日は私だけで魔道具作り。 
 最初は蔵の中の設備、換気と排水、温度管理。ここは酒蔵とほぼ同じ。

 味噌用と醤油用の一式を作らねば。

 豆をすり潰すのにミンサーをって思ったけどコックさんたちあまり便利道具使ってくれないんだよなー。忙しいんだから楽できる部分は楽したらいいじゃんね。

 うーん?手作りを教えず材料入れてスイッチオンするだけって教えればいいかな。

 自分の分だけならじっくり作るのもいいんだけどね。
 きっと最終的に工場になる。
 フリュアの実と種を使って作る醤油と味噌も工場出来てるから被るんだけど、フリュアだけでは量が作れないからね。

 味の違いも出るだろうからきっと大丈夫。

 フリュアは合わせ味噌っぽいから、赤味噌と白味噌で作れば良いのだ。

 水と豆と塩の麹の分量を何種類分か設定して自動で注入。

 まず最初のタンクで豆を水に浸ける。次が洗浄で茹でる、粉砕、材料を混ぜる・・・でいいかな。定期的に混ぜるって設定。
 時短魔法も仕込まないと。

 醤油の方も、豆を蒸す、小麦を炒るの工程がいるからちょっと大掛かり。
 麹と塩水を混ぜて熟成の後、圧縮と火入れだっけ。うろ覚えだけどなんとかなるはず。

 これは搾りカスは飼料か肥料で良いよね。


 流石に一日掛かりになっちゃって途中でルルゥがサンドイッチを差し入れしてくれた。

 ジュリアスさまのお出迎えの時間をニーナがお知らせしてくれたのでとりあえず、ニックスたちに軽く説明して材料をセットしてもらった。

 明日一回様子見てあとは丸投げでいいや。

 ニーナに軽く身繕いしてもらってから玄関ホールに出るとちょうどジュリアスさまが玄関にいた。ちょっと出遅れちゃった。

「お帰りなさい」
「ただいま」

 お部屋に戻って私もニーナにお着替え手伝ってもらう。流石に一日地下に篭ってたからバッチい気がするから。

 ジュリアスさまもシャツを変えて。

「地下の作業は終わったのか?」
「はい、一通り出来上がったのであとは待つだけです」
「そうか」

 ジュリアスさまに抱き上げられて、食堂に向かうとお義父さまとお義母さまがすでに席に着いてる。

「お疲れ様ねー」
「うむ、ちょっと見てきたが大変だったであろう」

 一日篭ってたのですごく労ってもらった。
 
「一日二杯と決まっておるのは味気ないがこのブランデーは飲みやすいやつを選んだぞぅ」
「リーシャちゃんの作った物には及ばないけどねぇ」

 と、お酒を用意してもらえた!

 用意されたものはこの国では有名なものらしい。
 匂いを嗅いでみるとまぁまぁアルコールが強そうなフルーティーなのだった。
 柑橘系の皮でも入れたのかな?

 冷やさずストレートが定番らしい。氷魔法が希少だから仕方ないか。

 スンスンと香りを堪能してアルコールだぁって感じながら一舐め。
 うーん?可もなく不可もなく?
 量産ブランデーのちょっと味が渋い感じ。
 
 ストレートなのでカッと喉に来る。刺さる味わい?いきなり濃いめに飲んだらリーシャの体に悪そう。

 ルルゥに頼んで氷を持ってきてもらう。

「ちょっと冷やしてみますね」
 炭酸で割っ。
 レモン味のを少し。
 ハイボーーール!!

「ふむ、その飲み方はうまいのかのぅ?」

「少し薄くなりますがサッパリしてます」
 
 そんなわけでお義母さまもジュリアスさまもご一緒に。

 アズライトはロックだけどポムたちは炭酸割りをって言うので用意。

 今夜の食事はパエリアが出てたのでお酒に合うーってつい三杯飲んじゃったけど炭酸割りだからセーフにしてほしい。


 



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