ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

276話

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 昨夜は芋ワインをビールグラスぐらいずつでみんなで飲めた。
 おっちょこサイズでって言われても逆に虚しくなるから飲めてなかったけど、グラス一杯ならちょっと気持ちが違う。
 冷やした芋ワインを手にちょっと感動してたら、セリウスさまとクラウスさまが「良かったねー」って。
 みんなで乾杯嬉しかったの。
 その後の酒造工場を作る計画を熱く進められて困った。

 お義父さまたち私の手前、お酒控えてたのかと思ってたら味がイマイチだからそこまで好きでもなかったらしい。
 エールは置いといてもワインやブランデーはいい香りしてたと思うんだけど、芋ワインと比べたらって。

 そんなわけで今日は、残りの芋ワインをビンと樽に移して。
 王様と精霊さまに大ビン一本ずつ、マギー先生とロジャー先生は小ビン一本ずつ。
 家族分に大ビン一本。アズライトとポムたちには中ビン一本ずつ。
 樽の方は少し寝かせる。

 他のタンクが人様に出せないので配る予定が狂っちゃった。
 
 タンク一つで大樽三個分くらいになるみたい。
 出せないお酒ばかりどうすんだ。

 お酒の香りが漂っていい気分。
 アランたちも飲みたそう。
 他の騎士さんかコックさんに見つかったらちょっと揉め事になりそうな予感なので工場産ができるまで耐えて欲しい。

 むー。
 とりあえず今日空っぽにしたタンクにはレモンの味の果物と紅茶の葉をセット。
 紅茶味のリキュールを期待。正式な成分なんて知らないからギャンブル。

 さて、ビヤの実を処理する人たち用に防毒マスクならぬ防臭マスクを作らないと。
 訓練場にある作業部屋に移動して作るぞー。
 アランとジェイクには自主練を促しておく。
 ニーナは私の側で刺繍してるらしい。

 マスク、とりあえず五十くらいでいいかな? 
 素材はボアの皮と金属と布、風魔法を付与した魔石の粉。
 消耗品になると思うし、増産は魔術師さんたちに丸投げ。うーん、ブラックまっしぐら。

 あと空気清浄機。素材を選んで。これは風魔法と光魔法の魔法陣でいけるかな。

 工場のサイズが予想できないけどきっと大きいんだろうな。
 大型のを十台くらいで良いかな。
 足りない場合は魔術師さんに・・・過労死しないよね?

 タンクも手伝った方が良いのかな?

 魔力ゴリ押しで一気に仕上げていく。

 うーん?マイ酒蔵に使ってる浄化設定よりパワーアップ出来たかなぁ?


 さて、人には出せないと言ったものの私だって美味しいお酒には興味津々だし、ぶっちゃけ飲みたい。
 でもアズライトが言ってたように他のお酒が飲めないとか困るので私が考えた策は。

 サイダー割りにして極薄にしたらアリじゃないかと。

 なので炭酸水を作る魔道具を作ってみた。
 二酸化炭素やガスの発生が良くわかんないので雷魔法と冷やすための氷結魔法の魔法陣を使ってみたよ。

 早速お試しに水を入れてスイッチオン。

 出来上がった炭酸水、パチパチ言ってるから、ニーナがちょっと怪訝。

「何をお作りになったので?」
「お口の中がシュワシュワしてさっぱりするお水?」

 味見しようとコップに入れて飲もうとしたらニーナストップが入っちゃった。

「アラン、ジェイク、ちょっと良いですか?これ飲んでみてください」

 ニーナがナチュラルに二人を毒味にした。
 二人は自主練で少し汗をかいてるからお水は普通に受け取って、ちょっと匂いを嗅ぐ。

「なんですか?このパチパチしたお水?」

 って言いながらもクイッと飲んだ。
「あ」
 初めての炭酸を一気したら喉に刺激がくるよ!!

「「ブホッ!!」」

 うん、なるよねー。

「・・・なんですか?これぇ」
「あれ・・・なんか爽やかな気がする??」

 鉱泉水とか試したことないのかな?

「えっとね、そのまま飲めば喉がサッパリして、お砂糖や果汁入れたらちょっとクセになって、お酒混ぜたらすっごく美味しいお水?」
 いやお酒は私の願望と好みだけども。

「果汁入れるんですか?」
「庭に何か成ってますよね?ちょっと試して良いですか?」

 って二人して出て行っちゃった。護衛・・・。

 アランがリンゴ味、ジェイクがオレンジ味の果物を持ってきたので搾って蜂蜜入れてあげると一気飲み。

「・・・!喉にちょっと来るけど美味しいです」
「ああ、一汗かいた後には美味しいですね」

 二人が嬉しそうに飲んでるのでニーナもリンゴ味で挑戦。

「・・・ぐっ!・・・刺激がありますがスッキリして美味しいですね」

 やっぱ慣れない炭酸は喉がびっくりしちゃうかな?

「プッキュン!」
「モッキュン」
「ギャァオ」

 さっきアランたちが庭に出たからか一緒に入ってきちゃったポムたちもちょうだいのポーズ。可愛い。あざとい。

 アズライトも所望してるので皆に小皿に果物とリンゴ味炭酸水を配る。

「ププ~!」
「モキャー!!」
「ギャン!!」
 
 初めての炭酸に喉がぁってやってる。

 アズライトは鉱泉水を飲んだことがあるそうで懐かしいと目を細めてる。
 アズライトの懐かしいって何十年前だろう。もしくは何百年?

「リーシャさま?アタシの分は確保してくれたかい?」

 マギー先生がお酒を取りに入ってきた。ついでにルルゥも。
 
 解禁されて美味しいお酒が出来たら離れにバーカン作ろうかとかちょっと思ってたけど絶対無しだな。怖いもん。

 二人とも炭酸水に気が付いたので渡したら、冷たさと喉の刺激にビックリしてたけど「暑い日にさっぱりしたい時に飲みたいね」って言われちゃって。増産決定。

「でもアタシャ、酒は薄めないからね。ロックがいいから」
「そうねぇ、味わいが変わるのは嫌だわぁ」

 うるさいよ?私だって好き好んで薄めたいわけじゃないから!
 もー!タンクのお酒めっちゃ狙ってるじゃん。ダメなものはダメだよ。


 夜の食事で報告したらお義父さまたちも欲しいってことだったので各部屋に一台と厨房や従業員棟に大型一台ずつ作ることに。

 私がお酒に執着したばっかりになんだかめんどくさいことになっちゃった。







 
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