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二章
274話
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今日はアッガス行きの前にお義母さまがドレスをってまたマダム・シフォンを呼んでた。
あれ?もう以前作ってもらったよね?って思ったら滞在が長引きそうだからって。
もういっぱいあるからそこから選べば良いのに。
「おほほほ!可愛い娘がいると楽しいわねぇ♡」
なんて言われちゃうと断りきれない。
早くセリウスさまたちが結婚して孫が出来てってならないと大変だ。
いつも思うんだけどお昼前にグレーデン家に来るのってお店から何時に出発してるんだろう?
されるがまま着せ替え人形になっていろんなデザインも見て。
マダムたちが「こちらのレースは?」「この花飾りなどは」なんて。
ちなみに着なくなった私のドレスは親戚筋の子供達に回される。
子供達!!ってのが切ない。
お義母さまのドレスはアレンジしてから希望する従姉妹や寄子のお嬢さんに回るそう。
勿体無いことになるわけじゃ無いので安心だけどね。
マダムの作るドレスは人気だからお下がりでもとても喜ばれるそうだ。
チャイナドレスの生地みたいなツルツルでキラキラした生地があったからお義母さまにスリットドレス着て欲しいけどさすがに無理かなぁ。似合いそうなのでぜひ見たい。
スリットから少し透けた生地でスカート見えるくらいならいけるかな?
シルエット的にはマーメイドドレスっぽくなるからアリだと思う。
お義母さまがマダムと話し込んでる間にデザイン画を描いてたらマダムが物凄い圧で作ることが決定しちゃった。
まぁお義母さまは滅多に夜会に出ないから着る機会があるのかは謎なんだけど。
少しお昼が遅くなったけど、マダムたちとお昼を取ることになって。
美味しさに感動してくれた。
コックさんたちで嫁が欲しい人いませんか?ってガチめにお義母さまに訊ねるお針子さんたちがいた。
まだ雇われてから短い人たちっぽくてマダムや年配のお針子さんたちの眉がピクってなったよ。
ちなみにお針子さんたちは男爵家の次女と騎士爵家の三女、商家の長女らしい。
お義母さまも若干眉を寄せたけど、雇用人の結婚の機会は逃すのは勿体無いと思ったみたい。
ちなみに騎士さんたちにも憧れてる女性も多いけどやっぱり体格が良過ぎてちょっとってなるそうだ。
だからコックさんなら騎士さんたちほど大きくないだろうし美味しい料理が付いてくるしって思ったみたいだけど、うちのコックさんたちは元騎士さんが多くて結構なマッチョだ。
お客さんの前にコックさんたちあんまり出てこないから紹介したらビックリしそうだよね。
「あらあら、ジェイデン領からならあまり心配はないかもしれないけど、暮らしていけるかしらねぇ?」
ナタを飛ばさなければ多少はイケるとは思うんだよね。魔獣も居住区域には出てないから。
体格の問題は大きいみたいだけど。
マッチョいいじゃんねぇ。
お義母さまは微笑してるのでお針子さんたちは「暮らせます」って自分の売り込みに必死なんだけど、マダムがちょっと怖い顔してるので次回彼女たちは来ないかも知れない。
貴族家に訪問してるのに礼儀がなってない的なことだろうね。
マダムがお義母さまに「教育が至りませず」って謝罪したけど「良いのよぅ、嫁に来たいって言ってもらうのはありがたいことよぉ」ってマダムの肩をポンポンしてる。
うーん、セリウスさまたちじゃなくコックさんたちにだから狙いめだと思ったのかな。
マダムはお義母さまの友人だからかなりフランクに接しててお針子さんたちにも気さくにしてるから勘違いしちゃったのかな。
私はマナー違反だけどそっと席を外して厨房に入る。ちびっ子なので目立たないよ?
「あらっ、どうしたの?リーシャちゃん」
ルルゥが気付いてそばに来てくれる。
ちなみにコックさんたちは普段は自分で出来上がった料理を運んだりするけどお客さんがいる時は侍従に任せちゃうから彼女たちはコックさんに会ってないってわけで。
「今いるお客様の若い令嬢たちが結婚したいコックさんいないかって言い出して。結婚したい人いる?」
改めて見ると若干年齢層高いと思う。
「お呼ばれの席でそんなこと言い出す娘はちょっとどうかしらぁ?」
平民の食卓ならありだけどねぇ?
ルルゥは結婚に興味がないので結構辛辣。
「料理目当てはコックとしては嬉しいが家では作る気がないから離縁されそうだなぁ」
パンを捏ねてたマッチョなハンクさんが言う。
家では料理しない派なのか。
「ほとんど家に帰らないから結婚は無理かな」
え?うちブラック職場ですか?
「うちの嫁なんか料理人と結婚したのに家では作らないとか詐欺だってずっと言われる。寝に帰るだけだしなー」
んん?お休みないですか?
「ちょっとあなたたち、休みがないとリーシャちゃんが誤解しちゃうでしょう」
あ、休みはあるのね。
「すいません、ソースやスープの仕上がりが気になってつい入り浸ってしまうんです」
おー!私のせいだった。
「えーと、家族がいる人は家庭もちゃんと大事にね?あと子育てしてる奥さんならせめて週に一回はご飯くらい手伝ってあげたほうが良いよ」
うん、家事育児炊事洗濯が一人だったらキレると思う。
一応従業員の家族のために託児所みたいなのはあるけど、それでも大変だもんね。
目をそっと逸らしたコックさん数人発見。みんな真面目に料理に取り組んでくれて私には良い人だけど旦那としてはあかんヤツやん!!
こりゃお針子さんたちと結婚したとしてもすぐ別れちゃいそうなので却下だな。
コックさんたちも騎士さんたちも既婚者はわりと再婚、再々婚だったり、独身は生涯独身宣言してたりで極端みたい。
まだまだ知らないことが多いなぁ。
私が厨房にいる間にマダムたちは帰ったらしく、お義母さまとオヤツを食べた。
人がいなくなると膝抱っこされちゃう。
ルルゥにケーキを切り分けてもらって一切れ食べてる間にお義母さまがホールを平らげる。相変わらず早食いに見えないのに早い。
「手順を踏まない子はやっぱり無理かしらねぇ?」
お義母さまは婚活は歓迎なんだけどねぇって感じでため息を吐かれた。
あれ?もう以前作ってもらったよね?って思ったら滞在が長引きそうだからって。
もういっぱいあるからそこから選べば良いのに。
「おほほほ!可愛い娘がいると楽しいわねぇ♡」
なんて言われちゃうと断りきれない。
早くセリウスさまたちが結婚して孫が出来てってならないと大変だ。
いつも思うんだけどお昼前にグレーデン家に来るのってお店から何時に出発してるんだろう?
されるがまま着せ替え人形になっていろんなデザインも見て。
マダムたちが「こちらのレースは?」「この花飾りなどは」なんて。
ちなみに着なくなった私のドレスは親戚筋の子供達に回される。
子供達!!ってのが切ない。
お義母さまのドレスはアレンジしてから希望する従姉妹や寄子のお嬢さんに回るそう。
勿体無いことになるわけじゃ無いので安心だけどね。
マダムの作るドレスは人気だからお下がりでもとても喜ばれるそうだ。
チャイナドレスの生地みたいなツルツルでキラキラした生地があったからお義母さまにスリットドレス着て欲しいけどさすがに無理かなぁ。似合いそうなのでぜひ見たい。
スリットから少し透けた生地でスカート見えるくらいならいけるかな?
シルエット的にはマーメイドドレスっぽくなるからアリだと思う。
お義母さまがマダムと話し込んでる間にデザイン画を描いてたらマダムが物凄い圧で作ることが決定しちゃった。
まぁお義母さまは滅多に夜会に出ないから着る機会があるのかは謎なんだけど。
少しお昼が遅くなったけど、マダムたちとお昼を取ることになって。
美味しさに感動してくれた。
コックさんたちで嫁が欲しい人いませんか?ってガチめにお義母さまに訊ねるお針子さんたちがいた。
まだ雇われてから短い人たちっぽくてマダムや年配のお針子さんたちの眉がピクってなったよ。
ちなみにお針子さんたちは男爵家の次女と騎士爵家の三女、商家の長女らしい。
お義母さまも若干眉を寄せたけど、雇用人の結婚の機会は逃すのは勿体無いと思ったみたい。
ちなみに騎士さんたちにも憧れてる女性も多いけどやっぱり体格が良過ぎてちょっとってなるそうだ。
だからコックさんなら騎士さんたちほど大きくないだろうし美味しい料理が付いてくるしって思ったみたいだけど、うちのコックさんたちは元騎士さんが多くて結構なマッチョだ。
お客さんの前にコックさんたちあんまり出てこないから紹介したらビックリしそうだよね。
「あらあら、ジェイデン領からならあまり心配はないかもしれないけど、暮らしていけるかしらねぇ?」
ナタを飛ばさなければ多少はイケるとは思うんだよね。魔獣も居住区域には出てないから。
体格の問題は大きいみたいだけど。
マッチョいいじゃんねぇ。
お義母さまは微笑してるのでお針子さんたちは「暮らせます」って自分の売り込みに必死なんだけど、マダムがちょっと怖い顔してるので次回彼女たちは来ないかも知れない。
貴族家に訪問してるのに礼儀がなってない的なことだろうね。
マダムがお義母さまに「教育が至りませず」って謝罪したけど「良いのよぅ、嫁に来たいって言ってもらうのはありがたいことよぉ」ってマダムの肩をポンポンしてる。
うーん、セリウスさまたちじゃなくコックさんたちにだから狙いめだと思ったのかな。
マダムはお義母さまの友人だからかなりフランクに接しててお針子さんたちにも気さくにしてるから勘違いしちゃったのかな。
私はマナー違反だけどそっと席を外して厨房に入る。ちびっ子なので目立たないよ?
「あらっ、どうしたの?リーシャちゃん」
ルルゥが気付いてそばに来てくれる。
ちなみにコックさんたちは普段は自分で出来上がった料理を運んだりするけどお客さんがいる時は侍従に任せちゃうから彼女たちはコックさんに会ってないってわけで。
「今いるお客様の若い令嬢たちが結婚したいコックさんいないかって言い出して。結婚したい人いる?」
改めて見ると若干年齢層高いと思う。
「お呼ばれの席でそんなこと言い出す娘はちょっとどうかしらぁ?」
平民の食卓ならありだけどねぇ?
ルルゥは結婚に興味がないので結構辛辣。
「料理目当てはコックとしては嬉しいが家では作る気がないから離縁されそうだなぁ」
パンを捏ねてたマッチョなハンクさんが言う。
家では料理しない派なのか。
「ほとんど家に帰らないから結婚は無理かな」
え?うちブラック職場ですか?
「うちの嫁なんか料理人と結婚したのに家では作らないとか詐欺だってずっと言われる。寝に帰るだけだしなー」
んん?お休みないですか?
「ちょっとあなたたち、休みがないとリーシャちゃんが誤解しちゃうでしょう」
あ、休みはあるのね。
「すいません、ソースやスープの仕上がりが気になってつい入り浸ってしまうんです」
おー!私のせいだった。
「えーと、家族がいる人は家庭もちゃんと大事にね?あと子育てしてる奥さんならせめて週に一回はご飯くらい手伝ってあげたほうが良いよ」
うん、家事育児炊事洗濯が一人だったらキレると思う。
一応従業員の家族のために託児所みたいなのはあるけど、それでも大変だもんね。
目をそっと逸らしたコックさん数人発見。みんな真面目に料理に取り組んでくれて私には良い人だけど旦那としてはあかんヤツやん!!
こりゃお針子さんたちと結婚したとしてもすぐ別れちゃいそうなので却下だな。
コックさんたちも騎士さんたちも既婚者はわりと再婚、再々婚だったり、独身は生涯独身宣言してたりで極端みたい。
まだまだ知らないことが多いなぁ。
私が厨房にいる間にマダムたちは帰ったらしく、お義母さまとオヤツを食べた。
人がいなくなると膝抱っこされちゃう。
ルルゥにケーキを切り分けてもらって一切れ食べてる間にお義母さまがホールを平らげる。相変わらず早食いに見えないのに早い。
「手順を踏まない子はやっぱり無理かしらねぇ?」
お義母さまは婚活は歓迎なんだけどねぇって感じでため息を吐かれた。
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