281 / 710
二章
272話
しおりを挟む
ふとお義母さまを見たらお義父さまから離れて重心を落としてセリウスさまをロックオンしてる。
なるほど、スタートダッシュが肝心なのね。
私もクラウスさまにやってみようとお義父さまに降ろして欲しいと言ったら「ダメじゃのぅ、同時はやめておくのじゃ」って言われて降ろしてもらえなかった。
お義母さまがギュンっと飛んでいったのでびっくり。
セリウスさまがそれを見て諦めたように踏ん張って受け止める。
「ふぐぉ・・・」って言っても数歩分押されてる。
クラウスさまはちゃっかり横に飛んで逃げてた。
ジュリアスさまも少し呻いてたからあの弾丸を難なく受け止められるのはお義父さまだけなんだねぇ。
後ろでルルゥやチェイスさんたちが爆笑してる。引いてる人もいるけどね。
お義母さまってば実はアンゼリカさまみたいに闘える人だったりしないかしら?
「お帰りなさいませ」
「「ただいま~」」
戻って来たみんなちょっとげっそり気味。
王都で何かあったかな?
グレーデンが居心地良すぎるのかな?
ルルゥが一番げっそりなのは王様にずっと料理作らされてたとかかな?
タウンハウスのコックさんたちがっかりしちゃってないと良いな。
「リーシャちゃん、新作はないでしょうね?」
ルルゥがお帰りの挨拶もそこそこに聞いてくる。
どんだけ料理に貪欲なの?
「多分大丈夫?」
セリウスさまもクラウスさまもご飯まで休憩してくるってお部屋に戻ろうとしたら、セバスチャンがやって来てチェイスさんたちと一緒に騎士棟に連れて行かれちゃった。
ブラック~!!
「報告だけしたら戻ってくるじゃろう」
お義父さまが言って一旦解散。
ちょっとだけ厨房によるとニックスたちが忙しなく料理してる。
さっきお義父さまが持ち帰った獲物を解体してすぐに下拵えに入ったんだろうね。
「リーシャさま、何かありましたか?」
「さっきのロックバードを少し唐揚げにして欲しいなって思って」
「唐揚げですね。了解です!」
お部屋に戻るとポムとティムがディディエを囲んでお菓子食べてた。
ルルゥが戻って来たから一緒にっ戻って来たのかな。
ニーナか誰かが置いてくれたらしいクッキーを食べつつオーバーアクションで手を降り話して?るから粉が散ってる。
「プッキュプキュ?」
「モキュンモキュウン!」
「ギャ?」
「モギュー」
なんだろう。プンスコしてる気がする。
『気にせぬでも良いぞ』
窓際で日光浴をしているアズライトが言う。
まぁよくわかんないけど、良いなら良いかな?
ジュリアスさまの帰宅が知らされるまでキュンキュンやってるポムたちを眺めて過ごした。
◽️◆◽️◆
「お酒が好きって言うから美味しくしてあげたのに喜ばなかったんだい!」
ポムは酒好きのリーシャのためにせっかく加護の力を使って美味しい果実にしたのに微妙な顔をされたのでちょっとショックを受けた。
「竜殺しの酒って言う昇天するほどのを作れる葉っぱにしたのに何がダメだったんだよ?」
あの大きな竜が一樽飲めば酔って寝てしまうと言う良い香りで酒精が強いと森の噂で聞いた草を持ってきたのになぜ喜ばないのかわからないティム。
「アズライトのおっちゃんがせっかく水分を良い水に変えたのになんで困ってたんだい?」
「さぁ?」
ポムとティムはリーシャが隙あらば酒を飲みたいとバーベキューの時の樽を見つめてる姿を見かけていたし、酒を使ったケーキを嬉しそうに食べてるのを見てたので、リーシャが酒を作るって言い出したので自分たちが出来る最高のお手伝いをしたつもりだったのに、加護舞をやってはダメだと言われた。
「「人間ってよくわからない」」
せっかくなら美味しい方がいいのにと不服。
運良く出て来た甘くて香りの良い酒になるらしい仙桃を投げた時も困った顔をしてた。
畑や花に舞を踊った時は喜んでくれたのにとしょんぼりな気分を抱いた。
『主はそなたらの気持ちは喜んでるぞ。だが人間の飲むには〈良過ぎる〉と言うのは問題なのらしいの』
アズライトがそう言ってやると二匹は首を傾げる。
アズライトは〈竜殺し〉などと物騒なと思いつつ、どうせワイバーンや小物たちのことであろうと思い、あの薬草の酒を密かに楽しみにしている。
仙桃の方は飲んだことがあるが確かに美味かったと舌なめずりだ。
ポムとティムがキュンキュンやってるとディディエが窓からやって来た。
二匹がお帰りとばかりにディディエニ頬擦りをする。
「プッキュン」
「モッキュン」
ひとしきりなであってからまた愚痴愚痴とディディエに訴える。
ディディエは二匹の怒りをイマイチ理解できないようで首を傾げてとりあえず「うんうん」と相槌を打つ。賢いようだ。
しばらくしてリーシャが入って来たのをチラリと見てまたプリプリとディディエに身振り手振りで訴える。
アズライトはリーシャに気にするなと伝えつつ、ポムたちが暴走しなければよいがと思った。
なるほど、スタートダッシュが肝心なのね。
私もクラウスさまにやってみようとお義父さまに降ろして欲しいと言ったら「ダメじゃのぅ、同時はやめておくのじゃ」って言われて降ろしてもらえなかった。
お義母さまがギュンっと飛んでいったのでびっくり。
セリウスさまがそれを見て諦めたように踏ん張って受け止める。
「ふぐぉ・・・」って言っても数歩分押されてる。
クラウスさまはちゃっかり横に飛んで逃げてた。
ジュリアスさまも少し呻いてたからあの弾丸を難なく受け止められるのはお義父さまだけなんだねぇ。
後ろでルルゥやチェイスさんたちが爆笑してる。引いてる人もいるけどね。
お義母さまってば実はアンゼリカさまみたいに闘える人だったりしないかしら?
「お帰りなさいませ」
「「ただいま~」」
戻って来たみんなちょっとげっそり気味。
王都で何かあったかな?
グレーデンが居心地良すぎるのかな?
ルルゥが一番げっそりなのは王様にずっと料理作らされてたとかかな?
タウンハウスのコックさんたちがっかりしちゃってないと良いな。
「リーシャちゃん、新作はないでしょうね?」
ルルゥがお帰りの挨拶もそこそこに聞いてくる。
どんだけ料理に貪欲なの?
「多分大丈夫?」
セリウスさまもクラウスさまもご飯まで休憩してくるってお部屋に戻ろうとしたら、セバスチャンがやって来てチェイスさんたちと一緒に騎士棟に連れて行かれちゃった。
ブラック~!!
「報告だけしたら戻ってくるじゃろう」
お義父さまが言って一旦解散。
ちょっとだけ厨房によるとニックスたちが忙しなく料理してる。
さっきお義父さまが持ち帰った獲物を解体してすぐに下拵えに入ったんだろうね。
「リーシャさま、何かありましたか?」
「さっきのロックバードを少し唐揚げにして欲しいなって思って」
「唐揚げですね。了解です!」
お部屋に戻るとポムとティムがディディエを囲んでお菓子食べてた。
ルルゥが戻って来たから一緒にっ戻って来たのかな。
ニーナか誰かが置いてくれたらしいクッキーを食べつつオーバーアクションで手を降り話して?るから粉が散ってる。
「プッキュプキュ?」
「モキュンモキュウン!」
「ギャ?」
「モギュー」
なんだろう。プンスコしてる気がする。
『気にせぬでも良いぞ』
窓際で日光浴をしているアズライトが言う。
まぁよくわかんないけど、良いなら良いかな?
ジュリアスさまの帰宅が知らされるまでキュンキュンやってるポムたちを眺めて過ごした。
◽️◆◽️◆
「お酒が好きって言うから美味しくしてあげたのに喜ばなかったんだい!」
ポムは酒好きのリーシャのためにせっかく加護の力を使って美味しい果実にしたのに微妙な顔をされたのでちょっとショックを受けた。
「竜殺しの酒って言う昇天するほどのを作れる葉っぱにしたのに何がダメだったんだよ?」
あの大きな竜が一樽飲めば酔って寝てしまうと言う良い香りで酒精が強いと森の噂で聞いた草を持ってきたのになぜ喜ばないのかわからないティム。
「アズライトのおっちゃんがせっかく水分を良い水に変えたのになんで困ってたんだい?」
「さぁ?」
ポムとティムはリーシャが隙あらば酒を飲みたいとバーベキューの時の樽を見つめてる姿を見かけていたし、酒を使ったケーキを嬉しそうに食べてるのを見てたので、リーシャが酒を作るって言い出したので自分たちが出来る最高のお手伝いをしたつもりだったのに、加護舞をやってはダメだと言われた。
「「人間ってよくわからない」」
せっかくなら美味しい方がいいのにと不服。
運良く出て来た甘くて香りの良い酒になるらしい仙桃を投げた時も困った顔をしてた。
畑や花に舞を踊った時は喜んでくれたのにとしょんぼりな気分を抱いた。
『主はそなたらの気持ちは喜んでるぞ。だが人間の飲むには〈良過ぎる〉と言うのは問題なのらしいの』
アズライトがそう言ってやると二匹は首を傾げる。
アズライトは〈竜殺し〉などと物騒なと思いつつ、どうせワイバーンや小物たちのことであろうと思い、あの薬草の酒を密かに楽しみにしている。
仙桃の方は飲んだことがあるが確かに美味かったと舌なめずりだ。
ポムとティムがキュンキュンやってるとディディエが窓からやって来た。
二匹がお帰りとばかりにディディエニ頬擦りをする。
「プッキュン」
「モッキュン」
ひとしきりなであってからまた愚痴愚痴とディディエに訴える。
ディディエは二匹の怒りをイマイチ理解できないようで首を傾げてとりあえず「うんうん」と相槌を打つ。賢いようだ。
しばらくしてリーシャが入って来たのをチラリと見てまたプリプリとディディエに身振り手振りで訴える。
アズライトはリーシャに気にするなと伝えつつ、ポムたちが暴走しなければよいがと思った。
377
お気に入りに追加
1,792
あなたにおすすめの小説
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
鳥花風星
恋愛
常に何かを食べていなければ魔力が枯渇してしまい命も危うい令嬢ヴィオラ。小柄でいつも両頬に食べ物を詰めこみモグモグと食べてばかりいるのでついたあだ名が「小リス令嬢」だった。
大食いのせいで三度も婚約破棄されてしまい家族にも疎まれるヴィオラは、ひょんなことからとある騎士に縁談を申し込まれる。
見た目は申し分ないのに全身黒づくめの服装でいつも無表情。手足が長く戦いの際にとても俊敏なことからついたあだ名が「黒豹騎士」だ。
黒豹に睨まれ怯える小リスだったが、どうやら睨まれているわけではないようで…?
対照的な二人が距離を縮めていくハッピーエンドストーリー。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
もふきゅな
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
【完結】僻地の修道院に入りたいので、断罪の場にしれーっと混ざってみました。
櫻野くるみ
恋愛
王太子による独裁で、貴族が息を潜めながら生きているある日。
夜会で王太子が勝手な言いがかりだけで3人の令嬢達に断罪を始めた。
ひっそりと空気になっていたテレサだったが、ふと気付く。
あれ?これって修道院に入れるチャンスなんじゃ?
子爵令嬢のテレサは、神父をしている初恋の相手の元へ行ける絶好の機会だととっさに考え、しれーっと断罪の列に加わり叫んだ。
「わたくしが代表して修道院へ参ります!」
野次馬から急に現れたテレサに、その場の全員が思った。
この娘、誰!?
王太子による恐怖政治の中、地味に生きてきた子爵令嬢のテレサが、初恋の元伯爵令息に会いたい一心で断罪劇に飛び込むお話。
主人公は猫を被っているだけでお転婆です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる