ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

269話

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 デーンと洒落っ気無しのコンテナ風のマイ酒蔵。
 入り口は認証しなくちゃだし、中は空調管理、温度湿度を一定に保てるようにしてあるわけで。
 おそらく今までで一番本気出した作り。
 
 そんなの見ちゃったらポカーンってなるのも仕方ないよね。
 アランとジェイク、ニーナはちょっと私のやることに慣れてきてたから気にしてなかったけど、やっぱちょっとやりすぎたっぽい。

 中に並んでるタンクも初見だと異様だよねぇ。

「これはまたすごいのぅ」
「まぁ!どんな武器が出来るのかしら?」

 いや武器は作ってません。
 物々しく見えちゃうかな。

 でもお酒ってある意味武器かも。酩酊したら判断力も運動能力も落ちそう。

「えーと・・・この機械に種と実や薬草を入れて発酵させて蒸留させています」

 ざっと言うとブランデーとかの作りかな?でも異世界の不思議?使う素材でなんか違うみたいだし、飲めれば良いや。

「ほほう」

 確認窓を覗いたりしても匂いが出てこないからよくわかんないよ。

「ふぬぅ、これではすぐ無くなるのぅ、人を雇って量産させるのは可能かのぅ?」

 まだ仕上がりがどうなるのかわかんないのに設備作っちゃうの?

「うまく出来て次が飲みたい時に飲めんのは悲しかろう」

 うーん、でもこれポムたちがやっちゃったから人に任せてもランクが落ちちゃうんだよねぇ。多分。

「あー、うーん、うーん?」

 頭を抱えちゃった私をお義父さまがびっくりした顔で抱き上げる。

「無理なら良いんじゃ!!」

 魔道具が難しいと思われちゃった。

「えーと、ここのお酒はアズライトとポムとティムが何かしちゃったんで仕上がりが表に出来ない代物になりそうなんです」

 それを聞いてお義父さまとお義母さまがギョッとアズライトたちを見る。
 きゅるーんと見上げるポムとティム。
『どうせなら美味いのが飲みたいであろう?』
 って全然悪びれないアズライト。

「なるほどのぅ」
 しばし沈黙して。

「工場には手出ししてはならぬぞ」
 いやもう絶対作るやつ~。

「うちの男どもは酒が好きなのだ。美味い酒があれば士気も上がると言うものじゃ」

 それはわかるけど、アル中が出そうなレベルのお酒作るわけだよ。
 エールの三倍は濃いはずなの。

 私はカクテルにしたいけど多分そのまま飲むんでしょう?

「うーん、一個だけアズライトたちが手を出してないのを作るのでそれの味見をしてから決めてください」

 それだけは時間短縮使うから。

「そうか?そこまで言うのじゃったらそうしようかの」

 仕方ないのでこのまま酒蔵に篭って追加を作るよ。

 お二人には帰ってもらって再び一式を作る。

 発酵蒸留を促進させる魔道具を追加して。

「ポム、ティム、アズライト、これは今後一般向けに売るものを試作するから何もしないでくれる?」
 ちょっと不服そうなポムとティムに今後作る全部のお酒をお手伝いしたいの?って聞けばそうでもないらしい。気まぐれなやつめ。

 アズライトはさすがに一般向けを霊水にした時の影響を考えたらヤバいのはわかるから納得してくれた。

 さて、どの果物にすべきか?
 お芋使ったらイモ焼酎になるかな?

 アランたちに追加のお芋を掘ってきてもらって下準備してからタンクにインしたよ。

 四日くらいで出来そう。

「アズライト、樽にできそうな木って何かある?」
 時短の分はエール用のでとりあえず良いかな?
 買って来てもらおうと思ったけど、後で出来る分にはちょっと良い素材が欲しいな。

『ふむ、池の木はみんな魔素を豊富に取り込んでいるから良いのでないかの』
 (え、縄張りの木、伐採して良いの)
『すぐ増えるし、ポムがいればどうとでも出来るでの』
 あー、すぐニョキっと出来るね。

 ウィンドカッターでやれるかな?

『・・・主がやると丸ハゲにされそうだから我が切ってくる』

 なんですと!?そんな暴走したりしないよ。

『良い。その酒たちに向いた木を選んでくるでの』

 なんかめっちゃ失礼な気がするけど切って来てくれるなら良いか。

 しばらく待ってると私の身長くらいに切り分けられた丸太を数個持って来てくれた。
 でけーよ!!!

「板状にしたら良いんですよね?」
「乾燥させたら良いですか?」

 アランとジェイクが一般的な酒樽サイズに使える板状にしてくれた。

「ありがとう」

 本当は職人に任せたいんだけどねぇ。

 とりあえず切ってもらった木材と鉄で錬成してランク上げて樽を仕上げる。
 焼きの工程も錬金術で済ませちゃったよ。

 お神酒ができちゃうかもしれないからね。もうやれるだけ最高の樽にしちゃったわよ。

 時短のには時に何もしない。普通に作った場合の味を確かめなくちゃだからね。

「はぁ、楽しみがちょっと恐怖になっちゃったよ」

「美味しければ良いではないですかー?」

 色々慣れちゃったアランとジェイクは深く考えないことにしたみたい。

 お酒、無事に私の口に入ると良いなぁ。

 ポムたちも酒蔵から出して扉を閉める。認証しないと入れないからポムたちがこっそり舞を踊ったりは出来ないはず。

 あとは飲酒許可だけど、出来上がったお酒を貢物にしたら許可くれないかな。

 ロジャー先生とマギー先生は飲みそうだもん。












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