277 / 764
二章
268話
しおりを挟む
お酒、サーキスさまがまた青筋立っちゃう件。
ぬー。なぜだ。
仕上がりまでまだ時間がある。何か良い逃げ道がないかしら。
「プッキュン」
「モッキュン」
能天気にお尻振ってる子憎たらしいモニパルめ。
相当薄めて配る?
せっかく美味しく仕上がった(予定)お酒さまを劣化させるとかは酒好きとしては有り得ないよね。
ぬー。
幸い身内にしか配れない量だから大騒ぎにはならないだろうけど、今後作り続けるのは無理かも?マジかー。
「はー、お菓子でも作ろう」
訓練場から離れに移動して、畑を見たらちょうどバナナもどきとお芋が良い感じだったのでアランたち巻き込んで収穫。
バラが咲いてたのでちょっと眺めて。
「何作るんですかー?」
アランとジェイクはおやつが増えるから嬉しそう。手伝ってもらってるから一番に食べれるしね。
「うーん、マフィンと芋を砂糖で絡めたやつ~」
新作はない。
バナナマフィンと大学芋もどき。
離れにもオーブンを入れたので火加減が楽になったよ。
いつもなら作ってる最中にルルゥが来ちゃって焼きはやってもらえるんだけど今日はいないからねぇ。
超簡単おやつなのでアランもジェイクも小腹空いた時作れば良いよ。
まぁ常に賄い部屋とかにオヤツとか置いてあるんだけどね。
大学芋はゴマもどきもあるので再現率は高い。うちの畑のお芋さんはホクホク甘うまなのでめっちゃ美味しいよ。
ニーナに紅茶を淹れてもらっては焼き上がりを待つのだ。
「プッキュン」
「モッキュン」
ポムとティムがオーブンの前で匂いを嗅ぎながら踊ってる。
アズライトはニーナに淹れてもらった紅茶のカップに顔を突っ込んでる。溺れてるみたいよ。
一服してから、ドライバナナと干し芋も作っちゃおうかなってオーブンがあると楽だなぁって思っって準備してたら、アランが風と火の魔法であっという間に乾燥させてくれた。有能!!
ポムとティムが早速齧り付いてる。
「これからはドライフルーツも携帯食にできそうですね」
「遠征先で甘いのって幸せだと思います」
しみじみと噛み締める二人。
以前は余分に持って行けるだけの食糧がなくて食べれるのは現地調達の肉や木の実が中心で、持っている分は干し肉とカチンコチンの兵糧だったそう。まぁ元の食事が塩味オンリーで幅がなかったしねぇ。
「日持ちは結構すると思うけど、干し芋っているかな?」
「腹持ちするおやつ最高ですよ。リーシャさまの魔道具のおかげで向こうで調理出来る幅が増えてみんな喜んでますが甘いものは中々無いですから」
ふーむ。キッチン馬車も普及したらもっと良くなるかな。どれくらい仕上がったかな?
クラウスさまが戻ったら教えてもらおう。
「チン!」
あ、焼けた。
「ニーナ、熱いから気をつけてね」
私が取り出そうとしたらサッとニーナがオーブンを開けた。
途端に広がるバナナマフィンの香り。
「プッキューン!」
「モッキューン!」
「まぁ美味しそうねぇ」
「うむ、良い香りだな」
大歓声・・・ん?
「まぁまぁ、リーシャちゃんの手作りは久しぶりねぇ」
「食べても良いかのう?」
久しぶり?!に匂いに釣られて?お義母さまとお義父さまが来ちゃった。
本邸と離れの距離では絶対に匂いが届かないのに不思議だよね。
「どうぞー」
ニーナが紅茶を用意して焼きたてのマフィンとドライバナナと大学芋と干し芋をお皿に盛ってくれた。
「美味しいわぁ」
「優しい味だのう」
「プキュキュン」
「モキュキュ」
お二人もポムとティムも物凄い勢いで食べてる。
アズライトは干し芋が気に入ってるらしい。
さすがに追加で作る気は無いのでニーナとアランたちの分は確保して。
「そう言えば、池のダンジョンはいつくらいに行けそうかのう」
お義父さまがアズライトに質問するとアズライトは干し芋を一気にバックンと食べてからみんなに聞こえるように答える。
『あと一週間といったところかの。それなりの階層が出来そうだの』
「おお、そうか。楽しみじゃのぅ。リーシャちゃん、美味しいものを取ってくるからのぅ」
お義父さま、毎日籠りそうな勢いだなぁ。
「私もダンジョン見てみたいですけど無理ですよねぇ」
「あの程度のダンジョンならば別について来ても危なくなかろうがスプラッタじゃぞう」
アランによるとお義父さまは魔獣を薙ぎ払ってハイスピードで進むらしい。
そっか。切り捨てたり魔法で爆散させたりするんだった。ちょっとグロだねぇ。
「あー、やめておきます」
興味本位で行ったら泣くやつだ。
「リーシャちゃん、お土産を楽しみにしましょうね」
お義母さまは両手にお芋を持ちながら笑顔で慰めてくれた。
今日はもう特にしたいことがないのでお義父さま達と本邸に戻ることになった。
マフィンはニーナがジュリアスさまの分も確保してくれてた。あの勢いの中でさすがだ。
ポムとティム、アズライトは庭と池を見てくるって行っちゃった。
お義父さまの抱っこで運ばれてると庭師さんや警備の騎士さんに暖かい眼差しで見送られた。
良い加減歩かないと体力作り出来ないよ!
「そういえばリーシャちゃん、訓練場での酒作りはどんな感じかのぅ」
うぐ、めっちゃ期待されてるじゃん!
キラキラされちゃったらご案内するしかないよね。
「えーと、タンクの中なので見ても楽しくはないかも・・・ですよ」
好奇心いっぱいのお義父さまとお義母さまがスルーしてくれるわけなく。
再びマイ酒蔵に行くことになっちゃったよ。
ぬー。なぜだ。
仕上がりまでまだ時間がある。何か良い逃げ道がないかしら。
「プッキュン」
「モッキュン」
能天気にお尻振ってる子憎たらしいモニパルめ。
相当薄めて配る?
せっかく美味しく仕上がった(予定)お酒さまを劣化させるとかは酒好きとしては有り得ないよね。
ぬー。
幸い身内にしか配れない量だから大騒ぎにはならないだろうけど、今後作り続けるのは無理かも?マジかー。
「はー、お菓子でも作ろう」
訓練場から離れに移動して、畑を見たらちょうどバナナもどきとお芋が良い感じだったのでアランたち巻き込んで収穫。
バラが咲いてたのでちょっと眺めて。
「何作るんですかー?」
アランとジェイクはおやつが増えるから嬉しそう。手伝ってもらってるから一番に食べれるしね。
「うーん、マフィンと芋を砂糖で絡めたやつ~」
新作はない。
バナナマフィンと大学芋もどき。
離れにもオーブンを入れたので火加減が楽になったよ。
いつもなら作ってる最中にルルゥが来ちゃって焼きはやってもらえるんだけど今日はいないからねぇ。
超簡単おやつなのでアランもジェイクも小腹空いた時作れば良いよ。
まぁ常に賄い部屋とかにオヤツとか置いてあるんだけどね。
大学芋はゴマもどきもあるので再現率は高い。うちの畑のお芋さんはホクホク甘うまなのでめっちゃ美味しいよ。
ニーナに紅茶を淹れてもらっては焼き上がりを待つのだ。
「プッキュン」
「モッキュン」
ポムとティムがオーブンの前で匂いを嗅ぎながら踊ってる。
アズライトはニーナに淹れてもらった紅茶のカップに顔を突っ込んでる。溺れてるみたいよ。
一服してから、ドライバナナと干し芋も作っちゃおうかなってオーブンがあると楽だなぁって思っって準備してたら、アランが風と火の魔法であっという間に乾燥させてくれた。有能!!
ポムとティムが早速齧り付いてる。
「これからはドライフルーツも携帯食にできそうですね」
「遠征先で甘いのって幸せだと思います」
しみじみと噛み締める二人。
以前は余分に持って行けるだけの食糧がなくて食べれるのは現地調達の肉や木の実が中心で、持っている分は干し肉とカチンコチンの兵糧だったそう。まぁ元の食事が塩味オンリーで幅がなかったしねぇ。
「日持ちは結構すると思うけど、干し芋っているかな?」
「腹持ちするおやつ最高ですよ。リーシャさまの魔道具のおかげで向こうで調理出来る幅が増えてみんな喜んでますが甘いものは中々無いですから」
ふーむ。キッチン馬車も普及したらもっと良くなるかな。どれくらい仕上がったかな?
クラウスさまが戻ったら教えてもらおう。
「チン!」
あ、焼けた。
「ニーナ、熱いから気をつけてね」
私が取り出そうとしたらサッとニーナがオーブンを開けた。
途端に広がるバナナマフィンの香り。
「プッキューン!」
「モッキューン!」
「まぁ美味しそうねぇ」
「うむ、良い香りだな」
大歓声・・・ん?
「まぁまぁ、リーシャちゃんの手作りは久しぶりねぇ」
「食べても良いかのう?」
久しぶり?!に匂いに釣られて?お義母さまとお義父さまが来ちゃった。
本邸と離れの距離では絶対に匂いが届かないのに不思議だよね。
「どうぞー」
ニーナが紅茶を用意して焼きたてのマフィンとドライバナナと大学芋と干し芋をお皿に盛ってくれた。
「美味しいわぁ」
「優しい味だのう」
「プキュキュン」
「モキュキュ」
お二人もポムとティムも物凄い勢いで食べてる。
アズライトは干し芋が気に入ってるらしい。
さすがに追加で作る気は無いのでニーナとアランたちの分は確保して。
「そう言えば、池のダンジョンはいつくらいに行けそうかのう」
お義父さまがアズライトに質問するとアズライトは干し芋を一気にバックンと食べてからみんなに聞こえるように答える。
『あと一週間といったところかの。それなりの階層が出来そうだの』
「おお、そうか。楽しみじゃのぅ。リーシャちゃん、美味しいものを取ってくるからのぅ」
お義父さま、毎日籠りそうな勢いだなぁ。
「私もダンジョン見てみたいですけど無理ですよねぇ」
「あの程度のダンジョンならば別について来ても危なくなかろうがスプラッタじゃぞう」
アランによるとお義父さまは魔獣を薙ぎ払ってハイスピードで進むらしい。
そっか。切り捨てたり魔法で爆散させたりするんだった。ちょっとグロだねぇ。
「あー、やめておきます」
興味本位で行ったら泣くやつだ。
「リーシャちゃん、お土産を楽しみにしましょうね」
お義母さまは両手にお芋を持ちながら笑顔で慰めてくれた。
今日はもう特にしたいことがないのでお義父さま達と本邸に戻ることになった。
マフィンはニーナがジュリアスさまの分も確保してくれてた。あの勢いの中でさすがだ。
ポムとティム、アズライトは庭と池を見てくるって行っちゃった。
お義父さまの抱っこで運ばれてると庭師さんや警備の騎士さんに暖かい眼差しで見送られた。
良い加減歩かないと体力作り出来ないよ!
「そういえばリーシャちゃん、訓練場での酒作りはどんな感じかのぅ」
うぐ、めっちゃ期待されてるじゃん!
キラキラされちゃったらご案内するしかないよね。
「えーと、タンクの中なので見ても楽しくはないかも・・・ですよ」
好奇心いっぱいのお義父さまとお義母さまがスルーしてくれるわけなく。
再びマイ酒蔵に行くことになっちゃったよ。
449
お気に入りに追加
1,875
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る
日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――
形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。
それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。
この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。
しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。
若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが……
本当にそうだろうか?
「怪しいですわね。話がうますぎですわ」
何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。
セレスティーヌは逃亡を決意した。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる