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二章
253話
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ビヤの実は多分一つで一樽分くらいの濃縮度だと思う。すんごい酸っぱい匂い!!
さすがに厨房でやると厳しいので貯蔵庫で切り分けたりする。
〈洗浄〉〈清浄〉が使えなかったら詰んでるよね!
今回用があるのは種の方なので実の方は微塵切りにしてピクルスやタルタルにしたり、ビネガーソースやジュースにしたり。
ビネガージュースも最初は受け付けない感じだったけどフルーツ混ぜて「美容とダイエットに良いです」って言った途端に侍女さんメイドさんが休憩中に飲むようになったよ。
あとなぜかマッチョさんたちの間でも美しくなりたいグループが居て流行ってるらしい。
さてさて、甘酒の木の実の麹っぽいのが採れるってことだけど。
ビヤの実も種が麹っぽいのが採れるって思い出して。
日々何だかんだやってるから忘れちゃうよ。
甘酒の方は日本酒に近いものが出来るみたいだったけど、こっちはどうだっけって事で改めて〈鑑定〉さんに視てもらうのだ。
実は穀物酢に近いのが取れるからこれも日本酒系かと思ってたんだけど、どうやら醤油や味噌に向いてるらしい。あと実と混ぜて使えばリキュール系!!使う果物次第なやつ。
仕組みがよく分かんないけど酒が出来るならなんでもいいや!
「リーシャさま、鼻痛くないっすか!?」
ちょっと鼻声で最近入ったと言うレンガが悶えてる。
一緒に作業してくれるベンもちょっと目を顰めつつ黙々と実を切ってくれてるよ。
「うーん、こんなもんだと思うけど慣れないと嫌な匂いだよね」
臭いは臭いけど、酢だもん。
マスクでもして貰えば良かったかな?臭いは通っちゃうよねぇ。
外でやると異臭騒ぎになるかと思ったけど密室でやる方が鬼だったか。
〈清浄〉をちょこちょこ掛けつつ種を割って中を穿る。
醤油と味噌はフリュアでそこそこ手に入ってるから、今回はリキュールにしよう。
「ベン、樽いっぱいにハーブ入れたのと、リポカとか入れたのをちょうだい」
他にもチェリーとオレンジやレモンもどきの樽も用意してもらった。
「これにビヤの実を搾ったのとこの種の中身を入れて一ヶ月くらい寝かせてみるよ」
時間経過とか発酵促進出来ないことも無いけど待つ楽しみもあるじゃん?
それでも一ヶ月って早いよね。様子見て半年とか一年とか寝かした方が美味しそうだったらまた考えよう。
「またピクルスみたいなのですか?」
ベンが今回は野菜じゃないので不思議そうにしてる。果物が酸っぱくなっちゃうって微妙な気分なんだろうね。
「ピクルスじゃないよ。出来てからのお楽しみね!ベンとレンガには一番最初に味見させてあげるね」
酸っぱいものの味見には乗り気になれないみたいだけど、酸っぱいものじゃないから!!
ハーブのは甘味も少し欲しいから果物の皮も入れてみたよ。
醤油や味噌もしたいけどなんかまた工場とか作られちゃう気がするよね。
あ、お酒でも作るか。じゃ一緒かな?
まぁ一気にやり出すと大変だから追々考えてみよう。
樽の蓋をぎっちり閉めて貯蔵庫ので〈洗浄〉〈清浄〉をバッチリしてから厨房に向かうと上腕二頭筋をムッキンとさせながらうどんを捏ねてたので、焼きうどんをお願いした。
あと味噌煮込みや卵とじうどんも良いなって。
「うま~い!」
早速味見したニックスが嬉しそうだったので良かった良かった。
「うどんって何味にも染まりますね」
ん~?パスタもラーメンも何味でも美味しいよ?
味噌煮込みは赤がいいなぁ、フリュアは合わせ味噌だからやっぱり自家製やるべきか。
夕食の時に、セリウスさまがお義母さまに工房でのことを話しちゃったから、お義母さまがちょっとイラッとしたみたいで、
「雇い主に気を遣えないのはダメねぇ、小さい誇りしか持てないならそんな物は捨てればいいのにねぇ」
って。
「まぁ多少アレでも売り物が仕上がれば良いからって通したけど頭でっかちの青二才だとミスしやすいだろうからダメそうなら王都に戻すよ~」
魔導師たちは王都の魔導師協会みたいなとことから派遣扱いなんだそうだ。
なるほど、希少だから全体把握されちゃうのか。
あんな危険地帯扱いの場所に住み込みじゃ、遊びに行くとか里帰りどうするのかと思ったら、定休日みたいな日には希望者はディゴーとかお買い物出来る街に馬車出したり、長期休暇なら騎士団が王都に行く予定のある時に一緒に連れてってくれるそうだ。
それは普通じゃ体験できなそうなことだからちょっと楽しそう?
「リーシャちゃん、別に説明だけなら教授やジョシュー師が手伝ってくれるそうだから、リーシャちゃんは無理に関わらなくてもいいからねぇ」
まぁ私が設立者になってることも知らなかったから関わらなくていいならそれでいいけど、教授たちに押し付けちゃうのは悪いなぁ。
「でね、母上、リーシャちゃんが魔導師の留学に補助とか助成金出すのはどうかってさー」
「あら?人材を育てるってやつねぇ」
これはまた話が大きくなる気しかしないけど、さすがに個人でやれることでも無いから仕方なし!
「魔道具の権利金とかを後進を育てるのに使いたいのです」
「あらぁ!リーシャちゃんの資産を使わなくてもどうとでもなるわよぅ?」
「でもグレーデン家で援助してグレーデン領に数年貢献してもらう感じにしたいので・・・」
どうやらグレーデンで占有してるとか思われるのは良く無いから国に任せた方が良いってことみたい。
でも今まで出来て無いわけだし、予算出ないんなら無理なんじゃ?
「そうねぇ・・・一旦リックさまと陛下にお話ししてみましょうねぇ」
「人を育てるなら多くの人間が関わった方が本人にとって足枷が軽くなるだろうからな」
そうかー、私が全部出しちゃうと私に恩返ししなくちゃってなるのか。私が良いって言っても本人はそう思えないかもだね。
慈善とかもやり方を考えないとダメなんだねぇ。
やっぱ私のお金は減らなさそうだ。
大人しく領内の学校作りにでも投資しようかな。
私の貯金って何になら使えるんだろう?
いつか産むかもな子供に遺せってことかな?
まぁそれならそれも良いかも?
さすがに厨房でやると厳しいので貯蔵庫で切り分けたりする。
〈洗浄〉〈清浄〉が使えなかったら詰んでるよね!
今回用があるのは種の方なので実の方は微塵切りにしてピクルスやタルタルにしたり、ビネガーソースやジュースにしたり。
ビネガージュースも最初は受け付けない感じだったけどフルーツ混ぜて「美容とダイエットに良いです」って言った途端に侍女さんメイドさんが休憩中に飲むようになったよ。
あとなぜかマッチョさんたちの間でも美しくなりたいグループが居て流行ってるらしい。
さてさて、甘酒の木の実の麹っぽいのが採れるってことだけど。
ビヤの実も種が麹っぽいのが採れるって思い出して。
日々何だかんだやってるから忘れちゃうよ。
甘酒の方は日本酒に近いものが出来るみたいだったけど、こっちはどうだっけって事で改めて〈鑑定〉さんに視てもらうのだ。
実は穀物酢に近いのが取れるからこれも日本酒系かと思ってたんだけど、どうやら醤油や味噌に向いてるらしい。あと実と混ぜて使えばリキュール系!!使う果物次第なやつ。
仕組みがよく分かんないけど酒が出来るならなんでもいいや!
「リーシャさま、鼻痛くないっすか!?」
ちょっと鼻声で最近入ったと言うレンガが悶えてる。
一緒に作業してくれるベンもちょっと目を顰めつつ黙々と実を切ってくれてるよ。
「うーん、こんなもんだと思うけど慣れないと嫌な匂いだよね」
臭いは臭いけど、酢だもん。
マスクでもして貰えば良かったかな?臭いは通っちゃうよねぇ。
外でやると異臭騒ぎになるかと思ったけど密室でやる方が鬼だったか。
〈清浄〉をちょこちょこ掛けつつ種を割って中を穿る。
醤油と味噌はフリュアでそこそこ手に入ってるから、今回はリキュールにしよう。
「ベン、樽いっぱいにハーブ入れたのと、リポカとか入れたのをちょうだい」
他にもチェリーとオレンジやレモンもどきの樽も用意してもらった。
「これにビヤの実を搾ったのとこの種の中身を入れて一ヶ月くらい寝かせてみるよ」
時間経過とか発酵促進出来ないことも無いけど待つ楽しみもあるじゃん?
それでも一ヶ月って早いよね。様子見て半年とか一年とか寝かした方が美味しそうだったらまた考えよう。
「またピクルスみたいなのですか?」
ベンが今回は野菜じゃないので不思議そうにしてる。果物が酸っぱくなっちゃうって微妙な気分なんだろうね。
「ピクルスじゃないよ。出来てからのお楽しみね!ベンとレンガには一番最初に味見させてあげるね」
酸っぱいものの味見には乗り気になれないみたいだけど、酸っぱいものじゃないから!!
ハーブのは甘味も少し欲しいから果物の皮も入れてみたよ。
醤油や味噌もしたいけどなんかまた工場とか作られちゃう気がするよね。
あ、お酒でも作るか。じゃ一緒かな?
まぁ一気にやり出すと大変だから追々考えてみよう。
樽の蓋をぎっちり閉めて貯蔵庫ので〈洗浄〉〈清浄〉をバッチリしてから厨房に向かうと上腕二頭筋をムッキンとさせながらうどんを捏ねてたので、焼きうどんをお願いした。
あと味噌煮込みや卵とじうどんも良いなって。
「うま~い!」
早速味見したニックスが嬉しそうだったので良かった良かった。
「うどんって何味にも染まりますね」
ん~?パスタもラーメンも何味でも美味しいよ?
味噌煮込みは赤がいいなぁ、フリュアは合わせ味噌だからやっぱり自家製やるべきか。
夕食の時に、セリウスさまがお義母さまに工房でのことを話しちゃったから、お義母さまがちょっとイラッとしたみたいで、
「雇い主に気を遣えないのはダメねぇ、小さい誇りしか持てないならそんな物は捨てればいいのにねぇ」
って。
「まぁ多少アレでも売り物が仕上がれば良いからって通したけど頭でっかちの青二才だとミスしやすいだろうからダメそうなら王都に戻すよ~」
魔導師たちは王都の魔導師協会みたいなとことから派遣扱いなんだそうだ。
なるほど、希少だから全体把握されちゃうのか。
あんな危険地帯扱いの場所に住み込みじゃ、遊びに行くとか里帰りどうするのかと思ったら、定休日みたいな日には希望者はディゴーとかお買い物出来る街に馬車出したり、長期休暇なら騎士団が王都に行く予定のある時に一緒に連れてってくれるそうだ。
それは普通じゃ体験できなそうなことだからちょっと楽しそう?
「リーシャちゃん、別に説明だけなら教授やジョシュー師が手伝ってくれるそうだから、リーシャちゃんは無理に関わらなくてもいいからねぇ」
まぁ私が設立者になってることも知らなかったから関わらなくていいならそれでいいけど、教授たちに押し付けちゃうのは悪いなぁ。
「でね、母上、リーシャちゃんが魔導師の留学に補助とか助成金出すのはどうかってさー」
「あら?人材を育てるってやつねぇ」
これはまた話が大きくなる気しかしないけど、さすがに個人でやれることでも無いから仕方なし!
「魔道具の権利金とかを後進を育てるのに使いたいのです」
「あらぁ!リーシャちゃんの資産を使わなくてもどうとでもなるわよぅ?」
「でもグレーデン家で援助してグレーデン領に数年貢献してもらう感じにしたいので・・・」
どうやらグレーデンで占有してるとか思われるのは良く無いから国に任せた方が良いってことみたい。
でも今まで出来て無いわけだし、予算出ないんなら無理なんじゃ?
「そうねぇ・・・一旦リックさまと陛下にお話ししてみましょうねぇ」
「人を育てるなら多くの人間が関わった方が本人にとって足枷が軽くなるだろうからな」
そうかー、私が全部出しちゃうと私に恩返ししなくちゃってなるのか。私が良いって言っても本人はそう思えないかもだね。
慈善とかもやり方を考えないとダメなんだねぇ。
やっぱ私のお金は減らなさそうだ。
大人しく領内の学校作りにでも投資しようかな。
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