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二章

245話

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 次の予定は王都の祝宴?
 アッガスの方は爵位を頂いてからになるそうだ。

 今日はお義母さまと出来上がって来たばかりのドレスを確認。
 マダム・シフォンが私とアンゼリカさまを着飾らせてホクホクしてる。

「やっぱりアンゼリカさまの美しさには紅ですわねぇ!」
「そうねぇ、情熱的で良いわぁ♡」

 男性陣には一歩も引かないアンゼリカさまがされるがままにコルセットでギュッとされながら飾り立てられる。

「良いか、こう言う時の叔母上たちには逆らうだけ疲れるから無になって時の流れるのを待つんだ」

 私に小声で教えてくれつつ、自分に言い聞かせてるアンゼリカさま。過去に何かあったのかしら。私は初日にその境地に至ったので無問題です!

 なんだろう。イケメンなお姉さんがドレス着るとかっこいいまま美しい。どう言うこったい。

 お義母さまの美しさとはまた違う凛々しさがあるよ。マッチョって言っても見える筋肉じゃなくてインナーマッスルなのね。肩幅はある方だけど女性らしさは失ってない絶妙なマッチョなのだ。

「なんだ?惚れるか?」

 宝○男役の人に憧れるのってめっちゃわかる~。

「カッコいいですねぇ~」

 お胸も私よりはあるのでコルセットで谷間が出来てるんだよ。お肌もピカピカ~。

「アンゼリカちゃん、このお粉も試してみましょうかぁ?」

 お義母さまがパールパウダーをアンゼリカさまのデコルテにパフパフっと。
 ドレスアップした二人が並ぶと中世ヨーロッパな風情。頭にペガサス昇天盛りとかお船を乗っけたりしちゃいたい。いやあの美的感覚はよくわかんないけど!

 お二人の綺麗なお胸周りがキラキラして大変けしからんですわ。

「まぁまぁ!早くそのお粉を売ってくださいましねぇ!」
「うふふ、素材はカマランから集めてますのよぉ!でも時期にアッガス産のお粉が出来ますわぁ」

 お義母さまがマダムに胸元にもパフパフさせてお互いで褒めあってる。

「はぁ、化粧はなんか息苦しい気がして嫌いなんだよねぇ」

 アンゼリカさまはドレスアップにためにハッキリメイクをされてるのでお肌の呼吸が妨げられてる気がしてるのかも?

「でもとっても綺麗なのです」
「・・・そうか」

 ちょっと照れちゃった。可愛い。
 ジュリアスさまとも似てるのでなんかこう可愛いが凄い!

「うふふ、リーシャちゃんのドレスも素敵でしょ」

 いつもよりちょっとだけ大人っぽくなった。色合いは薄紅から真紅までグラデーションのとパステルブルーから藍色までのグラデーションの、紺から黒で銀色の煌めきビーズを刺繍したシックなドレス三着。

「そうだね、このブルーのはリーシャの瞳の薄い水色にも合ってて綺麗だな」

 カッコよくて綺麗な人に言われると照れるけど、逆にちょっと卑屈な気持ちも出て来ちゃうよね。私も高身長なイケメン風になってみたいよ!

 

 マダム・シフォンが帰ってからはお茶タイム。

「今回のダンジョンはどうだったの?」
 お義母さまが芋のパイを食べて、アンゼリカさまは羊羹を食べてる。
「うーん、まぁまぁ実入が良かったけど、アレならグレーデンのダンジョンの方が楽しめるかな」
 
 絶対行かせてもらえないけど、どんな感じか一回くらいはみたいよねぇ。

「あの領主に維持してくだけの余裕はなさそうだから残念だけど潰すしかないね」

 セリウスさまと同じ意見だ。

「そうなのね、でもリーシャちゃんの喜ぶ種や食材が出て来たのに残念ねぇ」
「確かに、もう少し調査期間を伸ばして回収出来るだけするのもアリかもしれないな」

 は!謎肉の干したヤツ!!!他のダンジョンじゃ出てこないんだったらちょっと悲しい。

「そうねぇ、依頼料を取らずに入手した宝箱の何割か渡してって言うのでも良いわねぇ」

 いや!?私の食い意地のせいで減収とかダメですよ!!!

「ああ、入り口だけ騎士の見張りを置いて冒険者を雇ってしばらく篭らせるのも良いかも?」

「まぁ領主次第ねぇ」

 自分達で対応出来ないダンジョンが放置されてたら落ち着かないよね。夜も寝れないよ!多分嫌だと思うよ!

「鉱石や鉱物もそこそこ良いのが出るから維持できるなら良い収入源なんだがあそこは自警団に毛が生えた程度の戦力しかないから」

 自警団って素人ってことかな。人手が無さすぎない?

「そうなのねぇ。ダンジョン収入を見越して騎士を育てるのを補助するのはどうかしらねぇ」

「そこまでしてやるほど旨味はないと思う」

 シビアだな。

「国にも補助を申請できない程度のダンジョンレベルなのねぇ」

 素材なんかが良いのが取れるダンジョンなら国から補助金が出て王国騎士団も派遣されるそう。なるほど、儲かるダンジョンかどうかがあるんだね。

「今入ってる調査隊が最後だから余程のことがない限り潰すことになるよ」

 そうなんだ。甘酒もチェリーも嬉しかったけど、私にとってレアでも旨味がないもんね。謎肉もっと欲しいけど確実に出るわけじゃないらしいから仕方ない。

「ねぇ~、私も休暇とってダンジョン行こうかしらぁ?」

 ルルゥがお義母さまのケーキの追加を持って来て話に乱入。
 しばらく私に張り付くと思ってたら意外なことに?

「まぁ?ルルゥは滅多に休まないから休むのは良いけれどダンジョンに行きたいのぉ?」
「だってぇ!チェリーみたいな変わった果物や干し肉が出てくるなんて面白いじゃない?絶対まだ面白いのが出てくるわぁ」

 ルルゥのご飯がしばらく食べれないのはキツイけど、ダンジョンはすごくそそられるらしいから行きたいなら仕方ないよね。
 これはクラウスさまも付いてっちゃいそう。


 夕食時にお義母さまがルルゥのダンジョン行きを話したら、お義父さまとクラウスさまが、
「リーシャちゃんの喜ぶものを探してくるのじゃ」
「えー、行っても良いなら僕も行く~」
って言い出しちゃった。

 ジュリアスさまも行きたそうにしてる。

「・・・」
「兄上はしばらく忙しいでしょ~」

 王都行き、アッガス行きが迫ってるので前倒しのお仕事がいっぱいらしい。

「ワシはその間代行で留守番するんじゃから先に休むのも良いじゃろうて」

「三日だけですよ」
「せめて一週間じゃろう」
 行き帰りがあるのに三日は無理でしょ。

「叔父上、サンドリザードは丸焼きがうまいですよ」

 アンゼリカさまがおすすめの獲物を伝える。それは重要なネタなの?

 そんな感じで思い立ったが吉日とばかりに翌日、お義父さまとクラウスさまとルルゥ、何故か馬屋番ドーリーと他休暇志願の三十名でキッチン馬車も持ち出して行っちゃった。

「王都に行く前までに戻ってくると良いな」

 セリウスさまがお肉を食べながら呟いた。







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