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二章

244話

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 夕刻にジュリアスさまたちとアンゼリカさまが帰って来たのでお出迎えして。

「よぅ!これはお土産だよ」

 アンゼリカさまがハグしてくれてお土産をくれた。お義母さまよりムッキンとした感触なのにサイズ感はちょっとしか違わない不思議。

 早速いただいたお土産を確認したらば。

 甘酒っぽいのが出来る木の種だった。木を傷つけると樹液がって言うメープルシロップ仕様?
 そして鑑定さんよ!
 【アルコール0%】って情報は要らなくない!?
 解析したら米麹菌とか入ってないかなぁ?
 ん?木の実がそれっぽい!!!
 ポム様にお願いしよう。

「アンゼリカさま!!最高です!!!」
「お?そうかい?良かったね」

 他にも謎肉の干したやつとか変わった物を貰った。
 謎肉はちょっと嫌だな~って思ったらアレだ。有名カップ麺に入ってる乾燥肉っぽいやつ!!!

 ダンジョンさんよ!!!

 どうせならカップ◯ードルをくれたらば!!!
 あとその中身くれるなら乾燥した味付きお揚げを!!!!!!!!

「ちょっと厨房に行って来ます!」

 ジュリアスさまのお着替えには付き合えないけど美味しいラーメンのために!

「えーそれ食べれるの?!」

 まぁ見た目はボソボソした感じの板状の茶色い干し肉だからジャーキーとは違うんだ。
 サイコロ状に切ってスープに入れちゃえば戻るよね!

「多分ダンジョンにおかわりしに行くと思いますよ!」
「えええ~、絶対出てくるわけじゃないんだよ~!困るやつだよー」

 なんですって!宝箱に似たやつがバンバン出てこないのか。残念。

 厨房に行くとルルゥがニックスにウザ絡みしてた。

「良いわねぇ、こんな美味しい物先に作れちゃうなんて~私より上手に作れちゃうなんて~」

 ありゃ、腕は褒めてるけどめんどくさいヤツ。

「ニックス、この干し肉をその鶏だしスープに使いたいんだけど」

 全部に入れちゃうよりお鍋に分けてもらって味変用にしよう。ヌードルの麺が流石に作れないけど。
 乾燥卵はできるかな~。溶き卵をそのまま乾燥してみたらそれっぽいの出来た!!!

 もう夕食だからそれっぽいスープには出来ないけど気分が上がるよ。

「こりゃまた面白い食感ですね」
「リーシャちゃん、ニックスに優しくなぁい?あら美味しい~」

 ブツブツ言いながらも寸胴のお世話をしてるし、普段のお肉料理やサラダもちゃんと用意してくれてる。

「絶対こんど私のいる時に新作作ってちょうだいねぇ」

 真打であるラーメンが出来ちゃったのでもう底がついたよー。

 さすがにねぇ。別にお料理得意じゃないんだしー。頑張った方なのよー。

 

 ジュリアスさまがお着替えを済ませて降りて来たので一緒に食堂に入った。

「いい匂いねぇ」
「新しい料理が出来たと聞いたぞぅ」

「ここはなんでも上手いから楽しみだな」

「お腹空いた~」
「腹減ったー」
 
 ジュリアスさまと顔を見合ってちょっと笑う。ラーメン食べた時の反応凄そうだな。

「こちらはリーシャさまが教えてくださってラーメンとうどんです。スープを麺に絡めるように頂いてください。お好みでこちらのチャーシューや香味野菜を入れてください」

 ニックスが食べ方を説明して厨房に戻った。

「麺にスープを?」
「これはスープじゃないのかのぅ?」

 やっぱり困惑しちゃったみんなにジュリアスさまがまず食べてみせる。

 ズズズズー

「「「「「「!?!?」」」」」」

 やっぱりビックリされちゃうけど、ここの家族は順応性が激高なのでサクッと納得してフォークをスープに入れて麺を持ち上げて、ズズズズーっと吸い上げた。


「「「「っ!!!???」」」」

 ズズッズー
 ズゾゾゾー

 ガタガタ!!

 一気に食べてスープも飲み干したセリウスさまとクラウスさまは二人同時に厨房に走って行って。

 戻って来てからコックさんたちが鍋をたくさん持って来た。

 丼じゃ間に合わないから鍋でよこせってことらしい。

 寸胴ごとじゃなくて良かった。

 お義母さまたちも物凄い勢いで食べて、二杯めから鍋になってる。
 しかもうどん含めて全種類網羅。

 替え玉を提案する前にスープごと飲み干しちゃうから替え玉はいらないようだ。

「プッキュ!」
「モッキュ!」

 ポムたちが自分達に作ったスープも飲めと小さめの丼を差し出して来た。おちょこサイズ・・・。可愛いかよ!!
 手のひらに乗るサイズで一口くらいの・・・ラーメン?

 具も小さい!!

「ありがとう」

 受け取って匂いを嗅いでみると香ばしい香り。
 味わおうにも一口なのでクイッと飲む感じ。
 
 不思議な味だ。ラーメンだと思うと謎だけど、トロピカルというかなんと言うか。ココナッツジュースに木の実とちょっとハーブと出汁?
 だけど美味しいの。すごい!!

「ポム、ティム、美味しいね。すごいよ!!」

「ププキュン!」
「モッキュン!!」

 ディディエももらって必死に食べてる。無茶苦茶美味しいらしい。

「ポム、ティム、これ作り方教えて~?」

「ププキュン」
「モッキュン」

 どうしようかなぁ?のポーズディ焦らす。

「私もまた食べたいな?」
「うむ、もっと食べたい」

 ジュリアスさまも援護射撃をくれたのでポムたちは仕方ないな~ってルルゥと一緒に厨房に行った。

「ポムたちのそんなに美味しいの~!?」

 作ってたお鍋のサイズが小さかったからもらえたのは私とジュリアスさまだけだったの。

「木の実がいっぱい入ってて香ばしいスープでした」
「へぇ~凄いな~」

 ラーメンもうどんもどちらも美味しく食べてくれて、あんかけ唐揚げや中華蒸しもものすごい勢いで食べてる。

 ズズズズー
 
「これは癖になるね」

 餃子も一個めはビクッとなってるけど、美味しいみたい。

「この臭いヤツこんなに食べたの初めて~」
「体がポカポカするな」

 アンゼリカさまは餃子を食べてすぐ顔から汗を吹き出すようにしてる。効果早すぎ!

「ラーメンはいくらでも食べれるな」
「止まらないね」

 マヨネーズ以来の熱気だ。やっぱり麺類強いな。

 背脂マシマシはなんかやめとこうかなぁ。
 あと○郎系なんか出しちゃったらとんでもないことになりそう。

 太らないっぽいけど鍋でおかわりする人たちに脂マシマシは危険だよ。

「リーシャちゃん、これディゴーとか職人たちの街で売れるね!!」

 クラウスさまがいい笑顔で言った。

 キッチン馬車がたくさん入りそうな予感。





 
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