ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
上 下
237 / 764
二章

230話

しおりを挟む
 花見の特等席はグレーデン一家、その周りをハロルドはじめ、間近で仕えてくれてる侍従侍女って感じで。騎士さんたちが周りを囲む感じで。

「今日はこのチェリーの花を愛でる会だ。美しく儚い花を見ながら飲み食いをするのが良いらしい!存分に楽しんでくれ」
 何か身も蓋もない説明されちゃったけど、みんな良い笑顔だからなんでも良いか。

 ちなみに花の名前がなかったからグ◯コみたいなのが付く前にチェリーにしたった。
 サクラではないらしいし、成る実はブラックチェリーみたいだって言うから「チェリーパイ作って」とかうっかり言っちゃいそうだしってことで、まんまチェリーにしたよ。
 別の地域での名があったとしてもここではチェリーだよ!

 早速騎士さんたち食べ物に群がっちゃった。チェリーのお花はこの世界の人には地味なのかも。

 とりあえず、お弁当を並べてもらって。
 屋敷から使ってない絨毯を出してくれてたのでそこに座る。

 お義母さまとお義父さまはお花を見るのに付き合ってくれるみたい。

「このライトの優しい灯が花をより儚く見せるんじゃのぉ」
 お義父さまが肉巻きおにぎりを掴みながらうんうんと頷く。
 ライトアップほど明るくしちゃうのは好みじゃないのでほんのりにしたのを秘めてもらえて嬉しい。
「リーシャちゃんが来るまでゆっくり花畑を見ようとか思ったこともなかったもんねぇ~」
 クラウスさまが木製のエールジョッキを持ってお稲荷さんを食べてる。
 エール!!まぁ家族は食卓ではほとんど飲んでないからこんな日くらいは良いよ!!

「ポムちゃん、これどうだ?」
「ティムくん、これはうまいぞ?」
「ディディエちゃん、こっちのが良いぞ!」

 イカつめのマッチョ騎士さんたちが小動物を囲んでチヤホヤしてる。
 可愛いもの好きすぎか。
「「キューン!!」」
 アズライトは酒樽の上に陣取ってエールを飲んでる騎士さんとワイワイしてる。
 
「まぁ!可愛がってもらえて良いわねぇ」
 お義母さまが唐揚げを山盛りにして食べながらポムたちを見てる。

「リーシャが好きな花だからもっと増やしていきたいな」

 ジュリアスさまは私を膝に乗せてずっと上を眺めてる。その手はしっかりお弁当から食べ物を私の口元に持ってきたりしてる。

「種が取れたら順番に育てましょう」

 私はジュリアスさまの口におにぎりを運んで見た。

「もー、あっつい!!兄さんたち見てると結婚も良いかなって思えるねー」

 あ、そんなこと言っちゃうとなんかのフラグが立っちゃうよ!

「あらぁ!いつでも紹介してちょうだいね~」

 お見合い相手を紹介するんじゃなくて、好きな子連れてこいの方かな。

「いないよ!!見つけたら連れてくるー」

 藪蛇!!って言ってキッチン馬車の方に行っちゃった。

 夜も更けてきてますますお花が幻想的にライトに照らされて。

「確かに昼より夜の方が印象的ねぇ~」

 ルルゥが大皿にいっぱい盛って来た。

「どっちも風情があって好きよぉ~♡」
「そうねぇ、薔薇園などを見ることはあったけど見上げるのは滅多になかったから新鮮だし、お花を愛でながら宴会も初めてよぅ」

 お花を見ながら茶会はあっても宴会はないんだね。薔薇園でどんちゃん騒ぎはちょっとないしね。

 ちなみにお庭には庭師さんが丹精こめてる花木や花壇があって咲いてるのもあるから、庭全体が綺麗なんだよ。
 沈丁花のような匂いの良いにもあると良いけど今のところ出会ってない。
 金木犀もいいな。桂花茶も桂花陳酒も良いよね!!
 
 キッチン馬車の受け取り口からコックさんたちが必死に料理を出してる。
 大変そうなのに笑顔だよ。キッチン馬車、相当気に入ったのかな。

「出来立て熱々を渡せるのって凄い事なのよぉ?」

 ん?ルルゥたちはいつも出来立て出してくれてる?よね?

「兵舎では本邸より多くの人数が暮らしてるからねぇ、作り置きが多いのよぅ。だからリーシャちゃんが作ってくれたホットプレートなんてどれほど有難いものか」

 そう言えばそうか。温冷自由なアイテムボックスやマジックバッグがそうそうあるわけないし。

「保温庫があれば良いのかなぁ・・・」

 コンビニのホットスナックみたいな感じでケース保温したら良いかも?

「ホゥオンコー?」
「ううん、気にしないで~」

 ショーケースみたいに透明である必要はないし、どうにかできるかも。
 サイズとかどうかなぁ?

「何か作る時は相談してくださいね?」

 おおぅ!サーキスさま、キッチン馬車とライトを見逃してくれたから良いのかと思ってたらちゃんと根に持ってた!

「ぅはーい・・・」

 思いついたらついやっちゃうの。気をつけよう。

 ところでその手にはウィスキーを持ってますな。
 おちょこサイズ以下なら許可が出てるけどさすがにウィスキー原液はダメよね?

 騎士さんたちが半裸になって踊ってるチームとポムたちの豊穣の舞?を真似て踊ってるチームとが出来始めた。

 ん?!なぜ今豊穣の舞やってんの!?






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

聖女転生? だが断る

日村透
恋愛
生まれ変わったら、勝ち逃げ確定の悪役聖女になっていた―――  形ばかりと思っていた聖女召喚の儀式で、本当に異世界の少女が訪れてしまった。 それがきっかけで聖女セレスティーヌは思い出す。 この世界はどうも、前世の母親が書いた恋愛小説の世界ではないか。 しかも自分は、本物の聖女をいじめて陥れる悪役聖女に転生してしまったらしい。 若くして生涯を終えるものの、断罪されることなく悠々自適に暮らし、苦しみのない最期を迎えるのだが…… 本当にそうだろうか?  「怪しいですわね。話がうますぎですわ」 何やらあの召喚聖女も怪しい臭いがプンプンする。 セレスティーヌは逃亡を決意した。

ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい

珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。 本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。 …………私も消えることができるかな。 私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。 私は、邪魔な子だから。 私は、いらない子だから。 だからきっと、誰も悲しまない。 どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。 そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。 異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。 ☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。 彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

処理中です...