ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

219話

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 今日のおやつは栗ぜんざい。
 真っ黄色な栗が青い豆の中に浮かんでいる不思議。
 そこに焼き餅を入れてもらった。うんまー!
 白玉餅もいいなぁ。白玉粉って何だっけ?

 暖房器具はお義母様が各家に送ってくださった。この世界の宅配って早馬、冒険者便くらいしかないのでグレーデン家は騎士にワイバーンで物を送ったりする。手紙程度なら伝心鳥ですぐなんだけどね。
 到着はどれくらいかな?喜んでもらえるといいね。

 最近、侍従や侍女でちょっと丸くなった人をちょこちょこ見かける。グレーデンの人たちはダイエット知らずかと思ってたけどエネルギー消費がカロリー摂取と釣り合わなくなれば太るよね。
 でもお義母様は全くお変わりないよ。
 もしかしてものすっごいトレーニングとかしてたりするのかな?

 しかし過去スリムだった人が急に肥満になったら健康が心配なのでルルゥにおから料理を提案した。基本的に賄いに出して欲しいって。
 おからハンバーグやおからコロッケ、白和え、おからケーキにおからクッキー。
 
 あと基本のサラダね。以前だとサラダ増やしたら嫌がらせだったけど今は美味しくなったもん。

 ダイエットレシピはそう詳しくないからおからくらいしか思いつかなかったけど、いっぱい食べちゃうならおからでかさ増しは有効かな?

 ルルゥはダイエットは王都の令嬢達が極端に食べないのや食べたら吐いてるイメージだったから難色を示したけど、食べて痩せるんだよーってプレゼン。
 おから混ぜても今以上食べたら知らんけど。

 おからドーナツって罪深いよね。お試しに作ってもらったおからドーナツが美味しくて手が止まらないよ。

「あら?あらあらあら?」

 お義母様がさりげなくドーナツ皿を抱え込んで、嬉しそうに食べてる。
 相変わらず突然厨房にいるんだから。

「ヘルシーなのも美味しいのねぇ」

 お義母さま、一人で三十とか食べたらヘルシー関係ないっす。

 ポム達もすでにニックス達が山盛り与えてて妙なダンスを踊りながら食べてる。

『人は不思議だの?食えると言うだけで有り難かろうに。うまいものは我慢せず好きに食えば良かろう』

 ダイエットで騒げるのは裕福な証拠ってやつかな。
 でも脂肪肝とか糖尿病は困るよ。
 この世界にその認識があるのかわかんないけど。

「ダイエットねぇ?多分いきなり美味しいものを食べすぎて体がびっくりしただけだからそのうち元に戻ると思うわよぉ?」

 何と!そんな感じで良いのか?
 ルルゥは自分が太らないからって適当だねぇ。
 まぁいざとなったらグレーデン騎士団でちょっと鍛えたら戻るのかも?

 
 その日の午後はまた離れの作業部屋に。
 レオルカさまとマデリーさまの婚礼のお祝いと、爵位を賜ったお祝い、アッガス領主就任のお祝い、全部ひっくるめたらどんなお祝いが良いのかな。
 グレーデン家からきちんとしたお祝いは出すだろうから私の分はオマケね。

 当面は書類仕事や各方面の連絡が大変そうか。

 だとするとインクをいちいち付けたりは面倒だな。羽ペンってオシャレだけど使い心地も使い勝手も悪い。
 お祝いっていうより自分にもお祖父様にも欲しいな。

 うーん。

 とりあえずインクを補充せず使える万年筆っぽいのを百本作ろう。
 レオルカさま達にあげるのだけ装飾しよう。

 他には何が良いかな?難しいね。

 思い付かないから万年筆だけ一気に作る。
 ペン先と持ち手のデザインを決めて素材をまとめて錬金台で合成。
 レオルカさまとかマデリーさまの分だけ彫金で花を模してお揃いにした。
 
 もう一つ気になっている王女さまの海洋国行き。私が海にこだわったのがきっかけな気がして居た堪れない。
 あちらでお相手がよくない人だったら、逃げ場のない頼る相手もいない状況になったらと思うと自分の行動を悔やんでしまう。

 なので王女さま用に一つだけ作ってみたい魔道具があるけど、これは相談しないと絶対やばいから今は保留。

 とりあえず万年筆の試し書きをして問題がなかったのでお祖父様と伯父様、アーロンお兄さんに送ろう。あ、叔父様も伯母様もだった。

 あとはやっぱり陛下かな?書類仕事多そう。サボってそうだけど。
 って献上するなら装飾しないとか。

 グレーデン家ではみんなに配った方が無難かな。あとハロルドとセバスチャン、シエルか。これって見分けつくようにした方が良いかな?
 
 結局陛下の分は彫金で金地に蔓と葉を入れといた。
 他は本体の色を数種類に着色した。

 屋敷に帰って、ジュリアスさまが戻ってきた時に万年筆を渡したらサーキスさまも見ちゃって頭を抱えていた。
 ただの便利道具なのに解せぬ。

「インク付けを面倒に思う発想は素晴らしいですね。私にも頂けませんか?」

 ってちょっと嫌味っぽいのが気になったけどあげたよ。ルルゥもレシピ書くのに便利そうって言うのでプレゼント。
 ハロルドとセバスチャンはかなり驚いて遠慮がちだったけど喜んでくれて、シエルもハロルドとお揃い~って喜んでくれた。可愛い。

 後からロジャー先生も欲しいって言ってきたのでみんなインク付け面倒だったんじゃん!

 陛下には次の王家主催のパーティーでいいかってお義父さまが言うのでを保留~。











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