ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

213話

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 お出迎えに玄関ホールに出てら、お義母さまに抱っこされてる私を見て早速私をお義母さまから受け取ってしまうジュリアスさま。
 お義母さまがブーブー言いつつも笑ってる。

「調子はどうだ?」

 心配そうにおでこくっつけてきた。
 熱は出てないんですよー。

「お昼から寝ててさっき起きたのでもう元気です」
「そうか」

 へにゃってキツめ眼差しが和らいでちょっときゅんだよ。
 一緒にお部屋に戻ってジュリアスさまのお着替えを待つ。

「来月のアッガスの海開きに向けてアルジェがこちらに来てくれるぞ。海洋国との交流や輸出入のノウハウをレオルカに教えてくれる」

 おお!キャベルルン国のカマランの領主さま(イケメン)が来てくれるんだ。

「隣とは言え他国なのにそんなに協力してくださるんですか?」
「この大陸の海側に領地を持つ者にとって、海向こうの国は脅威だからな。お互い連携を取るのは本来の姿なのだが前領主がほぼ外交を絶っていたのでアッガスは孤立しているんだ」

 前の領主はいろいろ○んこなクソ領主だったんだね。外交を断つって大問題なのになんで放置されてたんだろ??

「なぜ国としてテコ入れが入ってなかったんです?」 
「レイドラアースは海のある領地が二つしかなく海向こうとの交流に積極的ではないんだ。その代わりと言えるかはわからないが地続きの近隣国とは密にしている」

 ディゴーに来てた外国からの商品はカマラン経由で入ってきてたけど、この国の人たちに興味が持てる物がなかったの?

 スパイスとかスパイスとかスパイスとか!

 あとコーヒーとカカオ!

 使い方わかって無かったから興味持つわけないか。カマランでもスパイス使ってなかったもんね。

「近々ファティマ王女が海洋国デレードに嫁がれることに決まった」

 ん!?交流がなかった国にいきなり娘を嫁がせるの!?孤立無援でしんどそうじゃん?

「陛下は別のグリーンリバーや近隣にと考えていたそうだが王女自身が自分の存在意義のために一番良い決断をすると選んだそうだ」

 アッガスが海外との商業取引を決めたのは最近でいきなりそんな話が出てくるなんて。

「王女は我が強い。言い出した以上折れないから陛下がいろいろ婚姻契約にかなり項目を増やしたそうだ」
 
 おっと!逆に向こうの心象を悪くしないかしら。

「アルジェがデレードの王子は〈悪くない〉ヤツだと言っている」

 フランクな付き合いがあるのかな。

「お幸せになられると良いですね」
「そうだな」

 存在意義にためというのはどんな思いが込められているのか私にはわからないけど、国の友好のために行かれるなら、アッガスの海が安全に航行出来て里帰りが容易いようにするのが王女への餞だと思う。

「さあ、食事に行こうか」

 本日の夕食は若手の騎士さんが初めての大物10mくらいのウォータービッグバイソンを狩った分のお裾分けだそう。
 騎士棟ではお祝いで大騒ぎなんだとか。
 
 私の夕食は今日もお粥だよー。

「リーシャちゃん、もう体調はいいの?」
 クラウスさまが口いっぱいにお肉を頬張りながら聞いてくる。

「多分大丈夫?」
「多分って」

 ケラケラ笑うけど、無自覚なんだもん。
 多分アレ来ちゃったらお腹痛いんだもん。

「クラウス、風邪も引いたことがないからわからないでしょうけど女の子はいろいろしんどいのよ」

 え!?風邪も引いたことないってすごい。

「ふーん?まぁ具合が悪い時は無理しないでねー」

 無理をした覚えがないから困るんだよー。

「あ、そう言えばデイジー嬢はバーバラについて少し学んでもらったあとディゴーの学校を担当してもらうよー」
 
 ディゴーなら自警団もいるし、人手も人目もあるから騎士さんたちもいきなりナイフ投げてきたりしないから大丈夫。

「あと新しい薬草のカードがいろいろ仕上がってきてるよ」
「そうなんですね!子供達の反応はどうですか?」
「楽しそうに使ってるよー」

 絵札の裏に絵に描かれたモノの名前と説明が入ってるから。覚えやすいはず。

「体調が落ち着いたら一緒に顔出しに行こうねー」

 私が午後のお仕事をしばらく出来ないから報告を受けるだけになっちゃってる。

「そう言えばセリウスがダンジョンを踏破して王都に報告を入れてから帰ってくるのじゃ」

 踏破!!すごい。

「比較的低レベルらしいが少し苦戦した階層があるらしいぞぅ」
「うわー、そそられる~。早く行きたいなー」

 クラウスさまはよっぽどダンジョンが好きなのね。

 デザートはアイスクリームではなく果物を凍らせて削った氷菓だった。
 

 美味しくいただいた後は、一緒にお風呂に入った。












 


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